scanner プログラムは、Backup メディア (バックアップテープ、光ディスク、ファイルなど) を直接読み取り、ボリュームの内容の確認、ボリュームからのセーブセットの抽出、または Backup オンラインインデックスの再作成に使用します。このコマンドは、スーパーユーザーだけが実行できます。また、ここでは、デバイスを 1 つ指定する必要があります。このデバイスは、通常、Backup サーバーが使用するデバイス名のいずれかになります。このデバイスがテープドライブである場合は、非巻き戻し式のテープでなければなりません。
scanner プログラムをオプションを指定せずに (または -v オプションだけを指定して) 実行すると、指定したデバイス上のボリュームが読み取られ、目次が作成されます。この目次には、ボリューム上で検出された各セーブセットについての情報が格納されます。デフォルトでは、ボリューム上で検出されたセーブセットごとに、標準出力に情報が 1 行ずつ書き込まれます。この情報としては、クライアント名、セーブセット名、保存時間、レベル、サイズ、ファイル、セーブセット ID、フラグがあります。
scanner プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
scanner [-Bimnpqv] [-s server] [-S ssid] [-c client] [-N name] [-f file] [-r record] [-t type] [-b pool] device [-x command argument-list] |
-b pool オプションを使用すると、ボリュームが属するプールを指定できます。このオプションは、メディア上にプール情報を格納していない Backup バージョンによってバックアップされたボリュームに対してだけ使用できます。
-S オプションを指定せずに -B オプションを使用すると、ブートストラップのセーブセットの開始位置まで、即座にテープを読み取ります。テープ全体が読み取られると、最新のブートストラップセーブセットの ssid とテープファイル位置が標準出力に出力されます。
-c client オプションを使用すると、client に指定したマシンのセーブセットだけを処理するように scanner に指示できます。同じコマンド行で複数のクライアント名を指定できます。また、-c オプションは、-N オプションとともに使用できますが、-i オプションまたは -x オプションも同時に指定しなければなりません。
-f file オプションを使用すると、特定のメディアファイル番号で読み取りを開始できます。メディアファイル番号の判別方法については、「mminfo 」を参照してください。
-i オプションを使用すると、クライアントファイルインデックスとメディアデータベースの両方を、読み込まれるボリュームから再作成するように scanner に指示できます。-S ssid オプションを使用して 1 つのセーブセットを指定すると、指定したセーブセットのエントリだけからクライアントファイルインデックスが作成されます。
-m オプションを使用すると、読み込まれるボリュームのメディアデータベースだけを再作成するように scanner に指示できます。
-n オプションを使用すると、クライアントファイルインデックスまたはメディアデータベースを再作成せずに scanner を実行できます。このオプションにより、クライアントファイルインデックスまたはメディアデータベースを変更せずにメディアを検査できます。
-N name オプションを使用すると、指定した名前と一致するセーブセットだけを処理できます。名前は、リテラル文字列で指定します。このオプションに -c client オプションを組み合わせて使用すると複数の名前を指定できますが、-i オプションまたは -x オプションも同時に指定する必要があります。
-p オプションを使用すると、各セーブセットが処理された時に、そのセーブセットについての情報を出力できます。
-q オプションを使用すると、エラーメッセージまたは重要なメッセージだけが表示されます。
-r record オプションを使用すると、特定のメディアレコード番号で読み取りを開始でき、使用しない可能性のある情報は読み取りません。メディアレコード番号の判別方法については、「mminfo 」を参照してください。
-s server オプションを使用すると、scanner プログラムをストレージノード上で実行する時に、制御元の Backup サーバーを指定できます。
-S ssid オプションを使用すると、ssid で指定したセーブセットを抽出できます。このオプションを -i オプションまたは -x オプションとともに使用すると、複数の ssid 値を指定できます。選択したセーブセットは、-c オプションおよび -N オプションを使用して選択したものに追加されます。-B オプションも同時に指定すると、ssid の値は、ブートストラップセーブセットの ssid 値とみなされます。ただし、この場合には、ssid は 1 つしか指定できません。
-x command オプションを、オプションのコマンド引数リストとともに使用すると、読み取られる各セーブセット上で実行する UNIX コマンドを指定できます。このオプションは、デバイスの指定後、scanner コマンド行 1 行につき 1 つだけ指定できます。
scanner コマンドの使用例と一般的なエラーメッセージについては、scanner(1m) のマニュアルページを参照してください。