ボリュームのクローンを作成する時には、そのボリュームは単に複製されるわけではありません。ボリューム上のすべてのセーブセットが完全に作成し直されるため、クローンボリューム上の占有領域はソースボリューム上の占有領域と正確に一致しない場合があります。
管理者によっては、障害復旧に備えるために、Backup ボリュームの完全コピー (複製) を作るべきであると考えることもあるでしょう。このようなやり方は、一般には推奨できませんが (UNIX では tcopy コマンドを使用)、特定の環境では効果があります。コピーコマンドを使用する場合は、まずコピー先のボリュームが、Backup のソースボリュームと同じバイト数を保持できることを確認しなければなりません。また、複製されたボリュームはサーバーのメディアデータベースに挿入されないため、Backup はそのボリュームについては何も認識できないことに注意してください。自動メディア管理機能が有効になっている場合に、Backup が管理しているオートチェンジャにそのボリュームを入れたままにしておくと、そのボリュームはラベルを付け直す対象としてみなされ、有効な Backup ラベルがないために、スケジュールされたバックアップ処理で使用される可能性があります。
同様に、アーカイブボリュームの完全コピーも作成できます。ただし、各アーカイブセットに関連付けられている注釈は、ボリュームそのものではなく、Backup サーバーのメディアデータベースに格納されている情報です。このため、アーカイブされたセーブセットの複製ボリュームには注釈は含まれていません。メディアデータベースから元のアーカイブセーブセットのエントリが削除されると、それを記述している注釈も失われます。