この節では、オートチェンジャとバックアップメディアを効率よく適切に使うためのヒントを示します。
Backup で保存できるファイルは、「Volumes」リソースで「appen」(追加可能) というマークが付けられているボリューム上のファイルです。オートチェンジャ内の「 full」というマークが付いているボリュームには、バックアップファイルを追加できません。
「full」というマークが付いたボリュームには、次のどちらかの操作ができます。
ボリュームを長期保存しておく必要がある場合は、いっぱいになっているボリュームを取り出して新しいメディアと交換します。
いっぱいになっているボリューム上のデータが不要であれば、「Volumes」リソースのモードを手動で「recyc」に変更すると、次回のバックアップでデータが上書きされます。ただし既存のラベルが使用されます。ボリュームのラベルを変更せずにボリューム内のデータを新しいデータで上書きする方法はこのほかにありません。
ボリューム上のすべてのセーブセットは、保持ポリシーで指定されている期限が切れると、そのボリュームのモードが自動的に再利用可能に変わります。
メディアの再利用にも、プールへのメディアの追加にもそれぞれ利点があります。再利用では同じボリュームを再び使用でき、新たにボリュームをプールに追加する必要はありません。しかし、時がたつにつれてメディアが磨耗し、障害が多発する可能性があります。
これに対し、バックアップファイルを一定期間その部所内に保存する必要がある場合は、再利用ではなく、ボリュームプールにメディアを追加します。たとえば、会社の方針でバックアップファイルを 1 年間保存する場合には、3 か月ごとにオートチェンジャに新しいボリュームを追加する必要があります。その場合は、ボリュームの内容が期限切れになってバックアップファイルが古くなったために再利用できるようになるまでは、プールに新しいメディアを追加し続ける必要があります。
フルバックアップとフルバックアップ以外のバックアップの両方を予定している場合は、フルバックアップに必要なボリューム数を見積もり、その数だけ「Full」プールに割り当てることをお勧めします。こうすることで、オートチェンジャ内の連続した範囲のスロットにフルバックアップが格納され、ボリュームを一度に取り出しやすくなります。
オートチェンジャデバイスの装着機能を調整する頻度と方法については、オートチェンジャメーカーのマニュアルを参照してください。