HSM はバックアップ、アーカイブ、およびセーブセットのステージングという 3 つの機能を補足するものです。HSM により、システム管理者はネットワークリソースを効率よく管理し、さらには、ハードウェアストレージのコストを削減できます。すべての Backup 機能においては、データはメディアに格納されます。ただし、それぞれのメディアは独自の用途を持っています。表 8-1 は、バックアップ、HSM、セーブセットのステージング、およびアーカイブの各操作の目的を比較し、これらの機能が連係して完全なストレージ管理ソリューションを提供している様子を示しています。
表 8-1 バックアップ、HSM、セーブセットのステージング、およびアーカイブの比較
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バックアップ |
HSM |
セーブセットのステージング |
アーカイブ |
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目的 |
データの誤削除、障害による消失等の防御 |
ネットワークのストレージリソースの節約 |
データを異なるストレージメディア間の移動 |
オンラインのストレージスペースの節約 |
格納されるファイル |
ファイルシステム全体 |
頻繁にアクセスされないファイル |
バックアップ、マイグレート、またはすべてのアーカイブファイル |
稀にしかアクセスされないファイル |
頻度 |
定期的 |
ポリシーベース |
ポリシーベース |
プロジェクトの終了時 |
方法 |
自動 |
自動または手動 |
自動または手動 |
手動 |
元のファイル |
元の場所に残る |
スタブが残る (ファイルの呼び戻しが可能) |
新しいストレージメディアに移動する |
通常は削除される |
ファイルをクライアントに戻すための方法 |
オンラインのデータが損傷したか、誤って削除された場合に、管理者によって復旧される |
ユーザーがファイルにアクセスすると、自動的にわからないうちに呼び戻される |
オンラインのデータが損傷したか、誤って削除された場合に、管理者によって復旧される |
ユーザーが必要なときに、管理者によって取り出される |