Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

HSM によるバックアップ操作の補足

HSM はバックアップ、アーカイブ、およびセーブセットのステージングという 3 つの機能を補足するものです。HSM により、システム管理者はネットワークリソースを効率よく管理し、さらには、ハードウェアストレージのコストを削減できます。すべての Backup 機能においては、データはメディアに格納されます。ただし、それぞれのメディアは独自の用途を持っています。表 8-1 は、バックアップ、HSM、セーブセットのステージング、およびアーカイブの各操作の目的を比較し、これらの機能が連係して完全なストレージ管理ソリューションを提供している様子を示しています。

表 8-1 バックアップ、HSM、セーブセットのステージング、およびアーカイブの比較

 

バックアップ 

HSM 

セーブセットのステージング 

アーカイブ 

目的 

データの誤削除、障害による消失等の防御 

ネットワークのストレージリソースの節約 

データを異なるストレージメディア間の移動 

オンラインのストレージスペースの節約 

格納されるファイル 

ファイルシステム全体 

頻繁にアクセスされないファイル 

バックアップ、マイグレート、またはすべてのアーカイブファイル 

稀にしかアクセスされないファイル 

頻度 

定期的 

ポリシーベース 

ポリシーベース 

プロジェクトの終了時 

方法 

自動 

自動または手動 

自動または手動 

手動 

元のファイル 

元の場所に残る 

スタブが残る (ファイルの呼び戻しが可能) 

新しいストレージメディアに移動する 

通常は削除される 

ファイルをクライアントに戻すための方法 

オンラインのデータが損傷したか、誤って削除された場合に、管理者によって復旧される 

ユーザーがファイルにアクセスすると、自動的にわからないうちに呼び戻される 

オンラインのデータが損傷したか、誤って削除された場合に、管理者によって復旧される 

ユーザーが必要なときに、管理者によって取り出される