Solstice Backup 5.1 ご使用にあたって

旧リリースからの更新

使用しているソフトウェアをアップグレードする場合は、以下の説明に従ってください。今回初めて Backup をインストールする場合は、この説明は必要ありません。


注 -

互換性を保つため、サーバーとクライアントの両方を Backup の同じリリースに更新してください。


リリース 5.0.1 から更新するには

古い Backup ファイルインデックスとメディアデータベースに、Backup の新リリースで作成された新しいインデックスとの互換性を持たせるには、最初に古いファイルインデックスとメディアデータベースを変換しなければなりません。

インデックスは、はじめて Backup デーモンを起動すると、自動的に変換されます。 Backup ソフトウェアをインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. ファイルインデックス (/nsr/index)、サーバーのリソースファイル (/nsr/res)、メディアデータベース (/nsr/mm) の最新のフルバックアップがあることを確認してください。


    注意 - 注意 -

    自動インデックス変換のために、ディスクの空き領域が最大のインデックスのサイズの 2 倍以上あることを確認してください。ディスクに十分な空き領域がない場合は、Backup の削除時にインデックスを削除してから、「サーバーインデックスとメディアデータベースを復旧するには」の説明に従って、インデックスを復旧して変換します。


  2. 「Backup ソフトウェアを削除するには」の説明に従って、Backup の旧バージョンを削除します 。ただし、インデックスは削除しません。

  3. Backup ソフトウェアをインストールします。

    リリース 5.0.1 からリリース 5.1 に更新する場合は、更新用のイネーブラコードは不要です。

リリース 4.2.x から更新するには

古い Backup ファイルインデックスとメディアデータベースに、Backup の新リリースで作成された新しいインデックスとの互換性を持たせるには、最初に古いファイルインデックスとメディアデータベースを変換しなければなりません。

インデックスは、はじめて Backup デーモンを起動すると、自動的に変換されます。 Backup ソフトウェアをインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. ファイルインデックス (/nsr/index)、サーバーのリソースファイル (/nsr/res)、メディアデータベース (/nsr/mm) の最新のフルバックアップがあることを確認します。


    注意 - 注意 -

    自動インデックス変換のために、ディスクの空き領域が最大のインデックスのサイズの 2 倍以上あることを確認してください。ディスクに十分な空き領域がない場合は、Backup の削除時にインデックスを削除してから、 「サーバーインデックスとメディアデータベースを復旧するには」の説明に従って、インデックスを復旧して変換します。


  2. 「Backup ソフトウェアを削除するには」の説明に従って、Backup の旧バージョンを削除します。ただし、インデックスは削除しません。

  3. Backup ソフトウェアをインストールします。

  4. 「Backup の有効化と登録」の説明に従って、Backup ソフトウェアを有効にして登録します。

    更新キットに入っていたイネーブラコードを使用してください。

リリース 4.1.x から更新するには

古い Backup ファイルインデックスとメディアデータベースに、Backup の新リリースで作成された新しいインデックスとの互換性を持たせるには、最初に古いファイルインデックスとメディアデータベースを変換しなければなりません。

インデックスは、最初に Backup デーモンを起動した時に自動的に変換されますが、古いリリースから更新する場合は、この自動変換は使用しないでください。自動変換よりも、次に説明する手順のほうが効率的です。

古い Backup インデックスに、Backup の新リリースで作成された新しいインデックスとの互換性を持たせるために、ソフトウェアのインストール中に自動変換処理が起動されます。ただし、この変換処理により、場合によっては、インデックスファイルに破損が生じることがあります。

この変換処理は、リリース 4.2 から直接変換するよりも時間がかかります。これは、インデックスが処理過程を経てリリース 4.2 との互換性を持つように変換されてから、新リリースへの最終的な変換が行われるためです。

Backup ソフトウェアを 4.2 よりも古いリリースから更新する場合は、古いインデックスに新リリースとの互換性を持たせるために必要な、時間のかかるインデックス変換処理を避けることができます。Backup ソフトウェアをインストールする際の自動インデックス変換を省略するには、次の手順をお勧めします。

  1. Backup ソフトウェアをインストールする前に、ファイルインデックス (/nsr/index) とメディアデータベース (/nsr/mm) の最新のフルバックアップが使用可能な状態であることを確認します。

  2. シェルプロンプトで、nsr_shutdown コマンドを発行します。

  3. Backup サーバー上のディレクトリ /nsr/mm/nsr/index を削除します。

  4. ソフトウェアに添付の説明に従って、古いリリースの Backup を削除します。

  5. Backup ソフトウェアの新リリースをインストールします。

    通常、Backup デーモンは、インストール処理が完了すると、デフォルトにより再起動されます。インストール後にデーモンを自動的に再起動しない場合には、次の手順に進む前にデーモンを手動で再起動する必要があります。手動でデーモンを再起動するには、シェルプロンプトで nsrdnsrexecd を入力します。

  6. mmrecov プログラムを使用して、サーバーの 4.1.x バージョンのサーバーインデックスとメディアデータベースを復旧します。

    mmrecov プログラムの使用方法については、「サーバーインデックスとメディアデータベースを復旧するには」を参照してください。

  7. サーバーの 4.1.x バージョンのサーバーインデックスとメディアデータベースを復旧したら、nwrecover プログラムを使用して、4.1.x バージョンのクライアントインデックスが入っているサーバーデータの残りの部分を復旧できます。

    サーバーインデックスとメディアデータベースは、すでに mmrecov プログラムを使用して復旧されているため、nwrecover プログラムでは、サーバーインデックス (デフォルトのサーバー名は/nsr/index/<サーバー名>) とメディアデータベース (デフォルトでは /nsr/mm) 以外のすべてのファイルとディレクトリを選択します。また、リソースデータベースのディレクトリ (デフォルトでは /nsr/res ) については、新しいデバイスの構成を書き換えてしまうため、復旧しないでください。

サーバーインデックスとメディアデータベースを復旧するには

インストールした Backup ソフトウェアの新バージョンを使用するには、次の手順に従って、4.1.x バージョンのサーバーインデックス、メディアデータベース、構成ファイルをバックアップメディアから復旧します。

  1. ブートストラップ情報を取得します。

    mmrecov プログラムでは、ブートストラップのセーブセット ID 番号 (ssid) を尋ねてきます。サーバーを含めて、定期的にスケジュールされたバックアップを実行する場合は、必要なバックアップメディア名が付いたブートストラップファイルのコピー (ハードコピーまたは電子的ファイルのいずれか) とブートストラップの ssid を持っていなければなりません。この情報が見つからない場合は、シェルプロンプトで scanner -B コマンドを使用して、ブートストラップの ssid を取得します。

  2. bootstrap という名前の最新のバックアップが入っているバックアップメディアを検索し、これをサーバーのバックアップデバイスにロードします。

  3. mmrecov コマンドを使って、ブートストラップのバックアップ内容を抽出します。

    mmrecov プログラムが、ブートストラップの ssid、起動ファイル番号 (既知の場合)、起動レコード番号 (既知の場合) を尋ねてきます。

    複数のバックアップデバイスが使用可能な場合は、mmrecov プログラムは、使用するデバイス名も入力するように要求してきます。入力要求があるごとに、Return キーを押して、 Backup が提供するデフォルト値をとることもできます。

    mmrecov プログラムが終了すると、次のようなメッセージが表示されます。


    The on-line index for `server-name' is now fully recovered.

    nsrwatch または nwadmin などの Backup コマンドを使って、インデックスと構成ファイルの復旧中にサーバーの進行状況を表示できます。nsrwatch コマンドの出力の先頭に mmrecov プログラムの出力が 表示されないように、新しいウィンドウ (シェルツール) を開いて、このウィンドウ上で復旧処理を監視します。

    /nsr/index ディレクトリと違って、構成ファイルがある /nsr/res ディレクトリは、Backup の実行中には確実に上書きすることはできません。そのため、mmrecov プログラムにおいては、/nsr/res ディレクトリを /nsr/res.R として復旧します。復旧処理の終了後に、/nsr/res.R ファイルを削除してください。

    mmrecov コマンドとその出力例の詳細は、『Solstice Backup 5.1 障害復旧ガイド』または mmrecov のマニュアルページを参照してください。