組み込みコンポーネントタイプを使用すると、WebLogic、Microsoft Windows、および J2EE アプリケーションの一般的なコンポーネントをすばやくモデル化できます。これらのコンポーネントタイプにより、インストール、アンインストール、エクスポート、スナップショットなどの動作を、特定のコンポーネントと自動的に関連付けることができます。
基本製品の一部として、次のコンポーネントタイプを利用できます。
WebLogic や Microsoft Windows のアプリケーションなどのコンポーネントタイプは、プラグインにより利用可能です。詳細については、http://docs.sun.com/db/coll/1223.1 にアクセスして『N1 Grid Service Provisioning System 5.0 Plug-In Collection』を参照してください。
コンポーネントタイプ system#file は、ターゲットサーバーから取得した単一ファイルを意味します。プロビジョニングシステムは、特別な後処理を行わなくても、ファイルを直接配備します。コンポーネントタイプ system#file には、インストール、アンインストール、およびスナップショット手続きが含まれています。
コンポーネントタイプ system#file では、次の変数を定義します。
installName – インストールしたリソースに使用する名前。デフォルト値はコンポーネント名です。
installPath – リソースをインストールするパス。デフォルト値は、コンテナコンポーネントの installPath 変数の値です。
installPermissions – インストールしたリソースに割り当てるアクセス許可。chmod (1M) のマニュアルページを参照してください。デフォルト値は空です。
installUser – このリソースをインストールしたときの所有者。デフォルト値は空です。
installGroup – このリソースをインストールしたときに割り当てるグループ。デフォルト値は空です。
installDiffDeploy – リソースを差分配備モードで配備するかどうかを指定します。デフォルト値は TRUE です。
overrideRsrcInstallPath – リソースをインストールする絶対パス。未定義の場合、installPath によって指定されたパスにインストールされます。この値は通常使用しません。installPath を使用すると、コンポーネントとリソースの両方について、インストールするパスを指定できるからです。
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UNIX システム |
Microsoft Windows システム |
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ルートパス |
/ |
ホストまたはネットワーク上の物理ドライブリストをドライブ文字に対応づけます。リムーバブルメディアは表示されません。 |
区切り文字 |
/ |
\ |
順序付け |
ディレクトリのアルファベット順に表示 |
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選択方式 |
チェックインするファイルをユーザーが選択できます。ディレクトリをダブルクリックすると、ディレクトリの内容が表示されます。 |
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サンプルパス |
/foo/foo.txt |
C:\foo\foo.txt |
特別 |
リンクは、ローカル名と指定された場所を示します。 foo->/usr/bar |
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コンポーネントタイプ system#file には次の手続きが定義されています。
default install block – 変数の状態に基づいて包含ファイルを配備します。スナップショットは取得されません。
markOnly install block – 新しいバージョンのコンポーネントがインストールされたことを明確にします。リソースの転送もスナップショットの取得も行われません。
default uninstall block – 包含ファイルの配備を解除して、最初に配備されていた場所に戻します。
markOnly uninstall block – 現在のバージョンのコンポーネントがアンインストールされたことを明確にします。コンポーネントのリソースがターゲットホストから実際に削除されるわけではありません。
default snapshot block – 配備されたファイルのスナップショットを取得します。デフォルトインストールブロックは、デフォルトではファイルをキャプチャしないので、スナップショットが必要な場合はコンテナコンポーネントでこのルーチンを明示的に呼び出す必要があります。
コンポーネントタイプ system#directory は、ターゲットサーバーから取得したファイルとフォルダの集まりを表します。コンポーネントタイプ system#directory には、インストール、アンインストール、およびスナップショット手続きが含まれています。
コンポーネントタイプ system#directory では次の変数を定義します。
installName – インストールしたリソースに使用する名前。デフォルト値はコンポーネント名です。
installPath – リソースをインストールするパス。デフォルト値は、コンテナコンポーネントの installPath 変数の値です。
installPermissions – インストールしたリソースに割り当てるアクセス許可。chmod (1M) のマニュアルページを参照してください。デフォルト値は空です。
installUser – このリソースをインストールしたときの所有者。デフォルト値は空です。
installGroup – このリソースをインストールしたときに割り当てるグループ。デフォルト値は空です。
installDiffDeploy – リソースを差分配備モードで配備するかどうかを指定。デフォルト値は TRUE です。
overrideRsrcInstallPath – リソースをインストールする絶対パス。未定義の場合、installPath によって指定されたパスにインストールされます。この値は通常使用しません。installPath を使用すると、コンポーネントとリソースの両方について、インストールするパスを指定できるからです。
installDeployMode – ファイルをディレクトリに追加するのか (ADD_TO) それともディレクトリ内のファイルを置換するのか (REPLACE) を指定します。デフォルト値は REPLACE です。
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UNIX システム |
Microsoft Windows システム |
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ルートパス |
/ |
ホストまたはネットワーク上の物理ドライブリストをドライブ文字に対応づけます。リムーバブルメディアは表示されません。 |
区切り文字 |
/ |
\ |
順序付け |
ディレクトリのアルファベット順に表示 |
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選択方式 |
チェックインするディレクトリをユーザーが選択できます。ディレクトリをダブルクリックすると、ディレクトリの内容が表示されます。 |
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サンプルパス |
/foo/foo |
C:\foo\foo |
フィルタ |
なし |
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特別 |
リンクは、ローカル名と指定された場所を示します。 foo/->/usr/bar/ |
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コンポーネントタイプ system#directory には次の手続きが定義されています。
default install block – 変数の状態に基づいて包含ファイルを配備します。スナップショットは取得されません。
markOnly install block – 新しいバージョンのコンポーネントがインストールされたことを明確にします。リソースの転送もスナップショットの取得も行われません。
default uninstall block – 包含ファイルの配備を解除して、最初に配備されていた場所に戻します。
markOnly uninstall block – 現在のバージョンのコンポーネントがアンインストールされたことを明確にします。コンポーネントのリソースがターゲットホストから実際に削除されるわけではありません。
default snapshot block – 配備されたファイルのスナップショットを取得します。デフォルトインストールブロックは、デフォルトではファイルをキャプチャしないので、スナップショットが必要な場合はコンテナコンポーネントでこのルーチンを明示的に呼び出す必要があります。
コンポーネントタイプ system#symbolic link は、ターゲットサーバーから取得した単一のシンボリックリンクを表します。プロビジョニングシステムは、ターゲットサーバー上に新しいリンクを作成することによって、シンボリックリンクを配備します。シンボリックリンクが示すファイルは、symlinkTarget 変数の値に基づきます。リンクのインストール位置にファイルが存在している場合は、新しいシンボリックリンクを作成する前に、それらのファイルが削除されます。
コンポーネントタイプ system#symbolic link には、インストール、アンインストール、およびスナップショット手続きが含まれています。アンインストール手続きは、結合先のファイルではなく、シンボリックリンクを削除します。スナップショット手続きも同様に、ファイルそのものではなく、シンボリックリンクが示すファイルの名前を取得します。
コンポーネントタイプ system#symbolic link では、次の変数を定義します。
installName – インストールしたリソースに使用する名前。デフォルト値はコンポーネント名です。
installPath – リソースをインストールするパス。デフォルト値は、コンテナコンポーネントの installPath 変数の値です。
symlinkTarget – このリンクによって結合されるファイルの絶対パス。デフォルト値は、ファイルが本来リンクされていたファイルです。
コンポーネントタイプ system#symbolic link には次の手続きが定義されています。
defaultinstall block – インストールパスにすでに存在していたファイルを削除して、symlinkTarget 変数の値にリンクするシンボリックリンクに置き換えます。スナップショットは取得されません。
defaultuninstall block – リンク先のファイルを削除しないで、配備されたリンクを削除します。
default snapshot block – 配備されたリンクのスナップショットを取得します。デフォルトインストールブロックは、デフォルトではファイルをキャプチャしないので、スナップショットが必要な場合はコンテナコンポーネントでこのルーチンを明示的に呼び出す必要があります。シンボリックリンクのスナップショットを要求すると、そのシンボリックリンクが示すパスが取得されます。
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UNIX システム |
Microsoft Windows システム |
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ルートパス |
/ |
ホストまたはネットワーク上の物理ドライブリストをドライブ文字に対応づけます。リムーバブルメディアは表示されません。 |
区切り文字 |
/ |
\ |
順序付け |
ディレクトリのアルファベット順に表示 |
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選択方式 |
チェックインするファイルをユーザーが選択できます。ディレクトリをダブルクリックすると、ディレクトリの内容が表示されます。チェックインを選択できるのは、シンボリックリンク型のファイルだけです。 |
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サンプルパス |
/foo/foo.txt |
C:\foo\foo.txt |
特別 |
リンクは、ローカル名と指定された場所を示します。 foo->/usr/bar |
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シンボリックリンクには、シンボリックプレースホルダの役割を果たすリソースが含まれます。シンボリックリンクデータは変数セットとして、名前と場所ごとに 1 つずつコンポーネントに格納されます。
コンポーネントをグループにまとめ、1 つのコンポーネントとしてインストールしなければならない場合は、必ず、コンポーネントタイプ system#container を使用します。コンテナコンポーネントにはインストールブロック、アンインストールブロック、およびスナップショットブロックがあります。これらのブロックは子コンポーネントを自動的に呼び出します。このような呼び出しによって、コンテナコンポーネントの XML を編集しなくても、コンテナは Component Builder ユーザーインタフェースを使用することによって、子コンポーネントを直接追加できます。
コンテナコンポーネントタイプは複合コンポーネントであり、ブラウズできません。
この比較では、任意ですべての子コンポーネントのスナップショットを得ます。
default スナップショットブロックは、各子のdefault スナップショットブロックを使用することによって、installMode=“NESTED” が設定されたすべての子コンポーネントのスナップショットを取得します。
コンポーネントタイプ system#container には次の手続きが定義されています。
default install block – installMode=“NESTED” が設定されている子コンポーネントだけをインストールします。
markOnly install block – すべての入れ子になった子コンポーネントについて markOnly インストールブロックを呼び出し、このコンポーネントにインストール済みのマークを付けます。
default uninstall block – installMode=“NESTED” が設定されている子コンポーネントだけをアンインストールします。
markOnly uninstall block – すべての入れ子になった子コンポーネントについて markOnly アンインストールブロックを呼び出し、このコンポーネントにアンインストール済みのマークを付けます。
default snapshot block – createSnapshot が true に設定されている場合は、すべての子コンポーネントのスナップショットを取得します。installMode=“NESTED” が設定されている子コンポーネントだけがインストールされます。createSnapshot はデフォルトで false に設定されます。
スナップショットは常に有効なわけではありません。別のコンポーネントの入れ子コンポーネントとして配備されているコンポーネントは、createSnapshot=“false” を設定して配備してください。すべての包含コンポーネントが配備されたあとで、コンテナコンポーネントがこのコンポーネントのスナップショットを取得するからです。上位レベルとして配備されているコンポーネントは、createSnapshot=“true” を設定することによってスナップショットを使用できます。
コンポーネントがコンテナコンポーネントに含まれている場合、スナップショットは取得されません。このコンポーネントのあとでほかの包含コンポーネントが配備されると、このコンポーネントのインストール状態に影響を及ぼす可能性があります。したがって、スナップショットは上位レベルのインストールが完了してから取得します。
タイプ untyped のコンポーネントは、基本コンポーネントからの拡張ではないので、デフォルトの動作はありません。このタイプのコンポーネントは、カスタムタイプまたは XML がコンポーネントに追加されたが、組み込みタイプのデフォルト動作がどれも適切ではない場合の、高度な編集用に用意されています。