Ximian Evolution 1.4 ユーザーズガイド Sun Microsystems Edition

Evolution Setup Assistant の使用

Ximian Evolution を始めて起動したとき、Evolution Setup Assistant が表示されます。Evolution Setup Assistant では、Evolution の初期構成プロセスを通してガイドが示されます。初期構成プロセスでは、次の操作を行います。

Evolution Setup Assistant は、構成情報を入力するページを表示します。最初のページには、「 Welcome」メッセージが表示されます。「 Welcome」ページで「Forward」ボタンをクリックすると、Evolution の初期構成プロセスが開始されます。

Evolution Setup Assistant ウィンドウには、次のボタンがあります。

「Forward」

必要な情報をページに入力し、構成プロセスの次のページに進む準備ができたら、「Forward」ボタンをクリックします。

「Back」

前のページに戻りたい場合は、「Back」ボタンをクリックします。

「取消し」

Evolution 構成プロセスを中止して、Evolution Setup Assistant を閉じる場合は、「Cancel」ボタンをクリックします。

以降の節では、Evolution Setup Assistantで入力する必要がある情報について説明します。 入力する情報がわからない場合は、システム管理者に問い合わせてください。

識別情報の入力

識別情報は、 Evolution Setup Assistant の「Identity」ページに入力します。表 2–1に、構成可能な識別設定を示します。

識別情報の入力を完了したら、「Forward」ボタンをクリックします。

表 2–1 識別設定

要素 

説明 

「Full name」

テキストボックスに姓名を入力します。 

「Email address」

テキストボックスに電子メールアドレスを入力します。 

「Reply-To」

任意。テキストボックスに、メッセージへの返信が送られる電子メールアドレスを入力します。メッセージを受け取った人が返信する場合、返信メッセージはこのアドレスに送られます。このテキストボックスにアドレスを入力しない場合、「Email address」テキストボックスのアドレスが「reply-to」アドレスとして使用されます。

「Organization」

任意。所属している組織の名前を入力します。 

電子メールの受信メールサーバの構成

受信メールサーバの情報は、Evolution Setup Assistant の最初の「Receiving Mail」ページに入力します。

Evolution は、いくつかの方法で電子メールを受信できます。電子メールを受け取るサーバの種類を「Server Type」ドロップダウンリストから選択します。次のオプションのいずれかを選択します。

「Server Type」ドロップダウンリストからオプションを選択すると、「Receiving Mail」ページに追加のオプションが表示されます。選択したオプションに応じて、表示される追加オプションが異なります。表 2–2は、Receiving Mail ウィンドウの要素で、構成可能な受信メールサーバ設定を示しています。

受信メールサーバ情報の入力を完了したら、「Forward」ボタンをクリックします。

表 2–2 受信メールサーバ設定

要素 

説明 

「Host」

このフィールドには、メールサーバのホスト名を入力します。 

「IMAP」、「POP」オプションを選択した場合のみ。

「ユーザー名」

このフィールドには、メールサーバ上のアカウントのユーザ名を入力します。 

「IMAP」、「POP」オプションを選択した場合のみ。

「Authentication type」

アカウントに使用する認証タイプを選択します。 

「IMAP」、「POP」オプションを選択した場合のみ。

「Check for supported types」

サーバがサポートする認証タイプを確認する場合は、このボタンをクリックします。サーバがサポートする認証タイプは、「Authentication type」ドロップダウンリストに追加されます。

「IMAP」、「POP」オプションを選択した場合のみ。

「Remember this password」

メールサーバに接続するたびにパスワードを入力せずに、直接接続したい場合は、このオプションを選択します。 

「IMAP」、「POP」オプションを選択した場合のみ。

「Path」

電子メールを格納する場所のパスを入力します。 

「Local delivery」、「MH-format mail directories」、「Maildir-format mail directories」、「Standard Unix mbox spool or directory」オプションを選択した場合のみ。

受信電子メールオプションの構成

受信電子メールオプションは、Evolution Setup Assistant の「Receiving Mail」の 2 ページ目に入力します。表 2–3に、構成可能な受信電子メールオプションを示します。

受信電子メールオプションの指定を完了したら、「Forward」ボタンをクリックします。

表 2–3 受信電子メールオプション

要素 

説明 

「Automatically check for new mail every」

Evolutionで、自動的に新しいメールを確認する場合は、このオプションを選択します。スピンボックスを使用して、新しいメッセージを確認する間隔 (分) を指定します。

「Check for new messages in all folders」

Evolutionで、自動的にすべての IMAP フォルダ内の新しいメールを確認する場合は、このオプションを選択します。

「IMAP」オプションを選択した場合のみ。

「Show only subscribed folders」

すべての IMAP フォルダではなく、指定した IMAP フォルダのみを表示する場合は、このオプションを選択します。

「IMAP」オプションを選択した場合のみ。

「Override server-supplied folder namespace」

IMAP ネームスペースは、メッセージが格納されるディレクトリです。IMAP サーバが提供するデフォルトのネームスペース以外のネームスペースにメッセージを格納したい場合は、このオプションを選択します。

「IMAP」オプションを選択した場合のみ。

「Namespace」

「Override server-supplied folder namespace」オプションを選択した場合、このフィールドにメッセージを格納するネームスペースを入力します。

「IMAP」オプションを選択した場合のみ。

「Apply filters to new messages in INBOX on this server」

ローカル領域にダウンロードしたメッセージだけでなく、IMAP サーバの Inbox に届けられたメッセージにも、メッセージフィルタを適用する場合は、このオプションを選択します。 

「IMAP」オプションを選択した場合のみ。

「Leave messages on server」

POP サーバにメッセージのコピーを格納する場合は、このオプションを選択します。 

「POP」オプションを選択した場合のみ。

「Apply filters to new messages in INBOX」

Inbox にメッセージフィルタを適用する場合は、このオプションを選択します。 

「Maildir-format mail directories」、「Standard Unix mbox spool or directory」オプションを選択した場合のみ。

「Store status headers in Elm/Pine/Mutt format」

X-Status メッセージヘッダ形式を使用したい場合は、このオプションを選択します。

X-Status メッセージヘッダ形式を使用する電子メールアプリケーションを使用している場合は、このオプションを選択してください。X-Status メッセージヘッダ形式を使用するアプリケーションとして、ElmmuttPine があります。

「Standard Unix mbox spool or directory」オプションを選択した場合のみ。

「Use the '.folders' folder summary file (exmh)」

Evolution で、exmh アプリケーションが生成するフォルダのサマリファイルを使用したい場合は、このオプションを選択します。

「MH-format mail directories」オプションを選択した場合のみ。

電子メールの送信方法の構成

送信電子メールの構成情報は、Evolution Setup Assistant の「Sending Mail」ページに入力します。Evolution では、いくつかの方法で電子メールを送信できます。電子メールの送信に使用するサーバの種類を「Server Type」ドロップダウンリストから選択します。次のオプションのいずれかを選択します。

「Server Type」ドロップダウンリストからオプションを選択すると、追加のダイアログ要素が「Sending Mail」ページに表示されます。選択したオプションに応じて、ページに表示される追加要素が異なります。表 2–4に、構成可能な送信電子メール設定を示します。

送信電子メールの構成情報の入力を完了したら、「Forward」ボタンをクリックします。

表 2–4 送信電子メールの設定

要素 

説明 

「Host」

このフィールドには、メールサーバの DNS 名または IP アドレスを入力します。 

「SMTP」、「Microsoft Exchange」オプションを選択した場合のみ。

Server requires authentication

電子メールを送信するためにログインすると、サーバが認証を求めるようにする場合は、このオプションを選択します。確認 

「SMTP」オプションを選択した場合のみ。

「Authentication Type」

アカウントに使用する認証タイプを選択します。 

「SMTP」オプションを選択した場合のみ。

「Check for supported types」

サーバがサポートする認証タイプを確認する場合は、このボタンをクリックします。サーバがサポートする認証タイプは、「Authentication Type」ドロップダウンリストに追加されます。

「SMTP」オプションを選択した場合のみ。

「ユーザー名」

このフィールドには、メールサーバ上のアカウントのユーザ名を入力します。 

「SMTP」オプションを選択した場合のみ。

「Remember this password」

メールサーバに接続するたびにパスワードを入力せずに、直接接続したい場合は、このオプションを選択します。 

「SMTP」オプションを選択した場合のみ。

アカウント管理設定の構成

アカウント管理情報は、Evolution Setup Assistant の「Account Management」ページに入力します。表 2–5に、構成可能なアカウント管理設定を示します。

アカウント管理情報の入力を完了したら、「Forward」ボタンをクリックします。

表 2–5 アカウント管理設定

要素 

説明 

「名前」

テキストボックスにこの電子メールアカウントの名前を入力します。 

「Make this my default account」

新しいアカウントを、デフォルトの電子メールアカウントに設定する場合は、このオプションを選択します。 

タイムゾーンの選択

タイムゾーンは、Evolution Setup Assistant の「Timezone」ページで選択します。「Timezone」ページに、世界地図が示されます。主要都市とその他の場所が、地図上に赤い点で表されます。

次の方法で、マウスを使用してタイムゾーンを選択します。

マウス

地図上の赤い点をポイントすると、その場所の名前が表示されます。名前は、地図の下に表示されます。

左マウスボタン

地図上の領域を拡大し、そのタイムゾーンを選択するには、その領域をクリックします。

右マウスボタン

縮小する場合は、地図上で右マウスボタンをクリックします。

「Selection」ドロップダウンリストからタイムゾーンを選択することもできます。

タイムゾーンを選択したら、「Forward」ボタンをクリックします。

ほかのアプリケーションからのデータのインポート

Evolution は、次の形式の電子メールまたは連絡先データを検索します。

mbox 形式

EvolutionNetscape Version 4.7 xMozillaEudoraPineElm は、この電子メール形式を使用します。

.mbx 形式

Microsoft Outlook Express 4 は、この電子メール形式を使用します。

Vcard 形式

GnomeCard 、ほかの GNOME アプリケーション、KDE、および連絡先管理アプリケーションは、連絡先情報にこの形式を使用します。通常、この形式のファイルには、.vcf または .gcrd ファイル拡張子が付きます。

Evolution が、システム上でリストされているアプリケーションからの電子メールまたは連絡先データを検出すると、Evolution Setup Assistant は「Importing Files」ページを表示します。「Importing Files」ページには、Evolution が検出した電子メールまたは連絡先データ用のアプリケーションが一覧表示されます。

Evolution があるアプリケーションの電子メールデータを検出すると、そのアプリケーションの下に「mail」チェックボックスが表示されます。

Evolution が、あるアプリケーションの連絡先データを検出すると、そのアプリケーションの下に「address book」チェックボックスが表示されます。

データをインポートするには、インポートするデータのチェックボックスを選択して、「Import」ボタンをクリックします。

インポートを完了したら、「Forward」ボタンをクリックします。

構成情報の入力を完了したら、「Apply」ボタンをクリックします。


注 –

Evolution の初期構成を行うときにデータをインポートしない場合は、Evolution Import Assistant を使用できます。 Evolution Import Assistant では、データをインポートするプロセスを通してガイドが示されます。Evolution Import Assistant を開くには、Evolution ウィンドウから「ファイル」->「Import」を選択します。


mutt からの電子メールのインポート

mutt 電子メールクライアントは、テキストベースです。Linux と UNIX のディストリビューションには、通常 mutt が含まれています。 電子メールは、mutt から Evolution に簡単にインポートできます。mutt では、標準の mboxmaildir、および mh 形式が使用されているからです。

デフォルトでは、mutt は、電子メールを次の場所に格納します。

形式 

ディレクトリ 

mbox

~/mbox

maildir

~/Maildir

mutt から Evolution に電子メールをインポートするには、次の手順を実行します。

  1. Evolution ウィンドウから「ファイル」->「Import」を選択します。Evolution Import Assistant が表示されます。

  2. 「Forward」ボタンをクリックして構成プロセスを開始します。「Importer Type」ページが表示されます。

  3. 「Import a single file」オプションを選択して、「Forward」ボタンをクリックします。

  4. インポートするファイルの名前を「Filename」フィールドに入力します。または、「参照」ボタンをクリックしてファイルをブラウズする。ファイルを選択したら「OK」をクリックして、「Forward」ボタンをクリックします。

  5. 「Import」ボタンをクリックします。「Select folder」ダイアログが表示されます。

  6. mutt 電子メールをインポートする Evolution フォルダを選択します。 または、「新規」ボタンをクリックして新しいフォルダを作成します。

    フォルダを選択したら、「OK」をクリックします。 指定したフォルダに mutt 電子メールがインポートされます。

KMail メールからの電子メールのインポート

KMail は、KDE の電子メールクライアントです。 電子メールは、KMail から Evolution に簡単にインポートできます。KMail では、標準の mbox 形式が使用されているからです。デフォルトでは、KMail は、ホームディレクトリの Mail ディレクトリに電子メールを格納します。

KMail から Evolution に電子メールをインポートするには、次の手順を実行します。

  1. Evolution ウィンドウから「ファイル」->「Import」を選択します。Evolution Import Assistant が表示されます。

  2. 「Forward」ボタンをクリックして構成プロセスを開始します。「Importer Type」ページが表示されます。

  3. 「Import a single file」オプションを選択して、「Forward」ボタンをクリックします。

  4. インポートするファイルの名前を「Filename」フィールドに入力します。または、「参照」ボタンをクリックしてファイルをブラウズする。ファイルを選択したら「OK」をクリックして、「Forward」ボタンをクリックします。

  5. 「Import」ボタンをクリックします。「Select folder」ダイアログが表示されます。

  6. KMail 電子メールをインポートする Evolution フォルダを選択します。 または、「新規」ボタンをクリックして新しいフォルダを作成します。

    フォルダを選択したら、「OK」をクリックします。 指定したフォルダに KMail 電子メールがインポートされます。