Ximian Evolution 1.4 ユーザーズガイド Sun Microsystems Edition

第 7 章 Sun ONE Connector アカウントとフォルダの使用

この章では、Ximian EvolutionSun ONE Connector アカウントとフォルダの使用方法について説明します。

Sun ONE Connector の概要

Sun ONE Connector を使用すると、EvolutionSun ONE カレンダサーバのクライアントとして使用できます。Sun ONE Connector をインストールすることにより、Sun ONE サーバ上の 1 つまたは複数のアカウントにアクセスできます。また、会議への出席依頼を送受信でき、組織内の人とカレンダに共有アクセスできます。サーバは LDAP ディレクトリサーバおよび POP または IMAP 電子メールサーバと共に動作するように設計されています。それぞれのサーバは個別に構成できます。

電子メールサーバアカウントまたはディレクトリサーバアカウントとは異なり、Sun ONE アカウントには「Evolution Settings」ダイアログに独自のセクションがあります。Sun ONE アカウントとフォルダは、次の点でほかの Evolution フォルダと異なります。

Sun ONE アカウントの操作

この節では、Sun ONE アカウントの作成方法、編集方法、削除方法について説明します。

Sun ONE アカウントを作成する

新しい Sun ONE アカウントの作成方法については、Sun ONE アカウントの構成を参照してください。

Sun ONE アカウントを編集する

Sun ONE アカウントを編集するには、次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「 Settings」を選択して、「Evolution Settings」ダイアログを表示します。

  2. 左区画で「Sun ONE accounts」をクリックします。Evolution は、作成したアカウントの表を右区画に表示します。

  3. 編集する SUN ONE アカウントを選択します。

  4. 「編集」をクリックして、「Options for account name」ダイアログを表示します。「Options for account name」ダイアログの内容については、Sun ONE アカウントの構成を参照してください。

  5. 「Options for account name」ダイアログを使用して、Sun ONE アカウントの詳細を変更します。

  6. 「OK」クリックして変更を保存し、「Options for account name」ダイアログを閉じます。

  7. 「OK」をクリックして、変更内容を有効にするためには Evolution の再起動が必要であることを通知する「Information」アラートを閉じます。

  8. Evolution を再起動します。

Sun ONE アカウントを削除する

Sun ONE アカウントを削除するには、次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「 Settings」を選択して、「Evolution Settings」ダイアログを表示します。

  2. 左区画で「Sun ONE accounts」ボタンをクリックします。Evolution は、作成したアカウントの表を右区画に表示します。

  3. 削除する SUN ONE アカウントを選択します。

  4. 「Remove」をクリックすると、確認アラートが表示されます。

  5. 「削除」をクリックして選択したアカウントを削除します。

  6. 「OK」をクリックして、変更内容を有効にするためには Evolution の再起動が必要であることを通知する「Information」アラートを閉じます。

  7. Evolution を再起動します。

Personal Calendar Folder の使用

Sun ONE サーバに格納されるカレンダは、ローカルに格納されるカレンダ (第 5 章「カレンダの使い方」 を参照) と同じように機能します。ただし、以降に説明するように、いくつかの点で異なります。

空き情報とディレクトリサーバ

アカウントの空き情報 (フリー/ビジー) は公表することができます。これにより、ネットワーク上のほかのユーザが会議を開催したいときに、そのアカウントのスケジュールを調べることができます。

空き情報の利点およびほかの Sun ONE カレンダサーバ機能を利用するには、Sun ONE ディレクトリサーバを使用します (可能な場合)。または、ディレクトリサーバからローカルのアドレス帳にカードをコピーします。サーバからコピーした連絡先カードには、Sun ONE サーバ上にカレンダがあるかどうかを識別する特殊な属性があります。作成したカードは、サーバからコピーしたカードと外観は同じです。ただし、作成したカードは電子メールアドレスでのみ機能し、Sun ONE システムでは認識されず、統合することもできません。

Personal Tasks フォルダの使用

Sun ONE サーバに格納されるタスクフォルダは、ローカルに格納されるタスクフォルダ (第 6 章「タスクの使用」を参照) と外観は同じです。

Personal Invitations フォルダの使用

Sun ONE カレンダに誰かが会議の予定を作成し、出席者として自分の名前が登録されると、新しい出席依頼が自分の「Personal Invitations」フォルダに表示されます。Invitation フォルダは次のような構成になります。 フォルダの上半分に出席依頼が一覧で表示され、下半分に選択した項目の詳細が表示されます。

出席依頼は表形式でリストされます。次の表は、出席依頼表のカラムを説明しています。

列 

説明 

「Starts」

会議の開始予定時間を示します。 

「Summary」

会議についての短い説明を提供します。 

「Organizer」

会議の主催者を示します。 

「状態」

会議出席依頼の現在の状態を示します。 新規の出席依頼の場合、状態は「Needs Action」になります。出席依頼に返信するには、「状態」カラム見出しの下にあるフィールドをクリックして、ドロップダウンリストを表示します。ドロップダウンリストから次のいずれかの状態値を選択します。

  • 「Accepted」

  • 「Declined」

  • 「Tentative」

この状態は、サーバの同期がとられるまで表示されます。最大 1 分かかります。この時点で、出席依頼が「Personal Invitations」フォルダから消えます。 依頼を受諾すると、イベントがカレンダに現れます。

現在のビューの変更方法、現在のビューの保存方法、カスタムビューの作成方法については、ビューの使用を参照してください。

サブスクライブの管理

必要なアクセス許可を持っていれば、別のユーザが所有するカレンダにサブスクライブすることができます。カレンダに対する読み取り許可がなくても、カレンダが存在することは分かるため、そのカレンダにサブスクライブすることはできます。ただし、カレンダの内容を読み取ることはできません。

すべてのカレンダを表示する

別のユーザに属するカレンダフォルダと、Sun ONE サーバのすべてのカレンダフォルダを表示するには、任意の「Sun ONE」フォルダを右クリックします。ポップアップメニューから「Manage Subscriptions」 を選択して、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを表示します。

利用可能なカレンダが表形式でリストされます。次の表は、カレンダ表のカラムを説明しています。

列 

説明 

「Subscribed」

カレンダにサブスクライブしたかどうかを示します。 

「Calendar ID」

カレンダの一意の識別子を提供します。 

「Owner」

カレンダの所有者を指定します。 

「説明」

カレンダについての短い説明を提供します。 

現在のビューの変更方法、現在のビューの保存方法、カスタムビューの作成方法については、ビューの使用を参照してください。

「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

カレンダのサブセットを表示する

デフォルトでは、すべてのカレンダがリストされます。カレンダのサブセットを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「Sun ONE」フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Manage Subscriptions」を選択し 、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを表示します。

  2. ドロップダウンリストから次のいずれかの検索基準を選択します。

    • 「Any field contains」

    • 「Calendar ID contains」

    • 「Owner contains」

    • 「Description contains」

  3. 検索テキストをテキストボックスに入力します。

  4. 「Find Now」ボタンをクリックします。Evolution は、検索基準を満たすカレンダのみを一覧表示します。

    検索を消去するには、「消去」ボタンをクリックします。

  5. 「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

カレンダにサブスクライブする

カレンダにサブスクライブするには、次の手順を実行します。

  1. 「Sun ONE」フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Manage Subscriptions」を選択し 、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを表示します。

  2. サブスクライブするカレンダを選択します。

  3. 「Subscribe」ボタンをクリックします。

  4. 「OK」をクリックして変更を保存し、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じます。

    Evolution は、指定した「Sun ONE」フォルダのサブフォルダとして、選択したカレンダを表示します。

カレンダからサブスクライブを取り消す

カレンダからサブスクライブを取り消すには、次の手順を実行します。

  1. 「Sun ONE」フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Manage Subscriptions」を選択して 、「SunOne Calendar Subscriptions」ウィンドウを表示します。

  2. サブスクライブを取り消すカレンダを選択します。

  3. 「Unsubscribe」ボタンをクリックします。

  4. 「OK」をクリックして変更を保存し、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じます。

    Evolution は、指定した「Sun ONE」フォルダから選択したカレンダを削除します。

アクセス許可の設定

アクセス許可によって、各カレンダフォルダの表示または変更を行える人を制御します。

カレンダの主所有者は自分のカレンダに対するフルアクセスを持ちます。主所有者が自分のカレンダにアクセスする場合、カレンダサーバはアクセス制御チェックを実施しません。カレンダの主所有者は、自分のカレンダに対してほかの所有者を指名できます。これにより、別の所有者が、主所有者に代ってカレンダ内のイベントまたはタスクのスケジュール、削除、変更、受諾、辞退を行えます。

アクセス制御規則の順序

アクセス制御規則がリストされる順序は重要です。サーバは最初の規則に従ってアクセスの付与または拒否を行い、以降の矛盾をすべて無視するからです。

常に、最も明確な規則をリストの最初に置き、より一般的な規則を後ろに置きます。たとえば、カレンダ jane.ashe:sports の最初の規則では、すべてのユーザに読み取りアクセス権を付与するとします。カレンダサーバが、このカレンダに対して angela.liu の読み取りアクセスを拒否する 2 番目の規則に遭遇したとします。この場合、規則が矛盾しているため、カレンダサーバはこのカレンダに対する読み取りアクセスを angela.liu に付与し、2 番目の規則を無視します。

angela.liu のような特定のユーザのアクセス権を守るには、カレンダのすべてのユーザに適用されるグローバルなエントリの前に、angela.liu 用の規則を置きます。

アクセス許可を表示する

フォルダのアクセス許可を表示するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。

  2. アクセス制御規則が「Permissions」タブセクションに一覧表示されます。次の表は、「Permissions」タブセクションの要素を説明しています。

    要素 

    説明 

    「Name」

    アクセス許可が付与されている人またはグループの名前を指定します。 

    「Availability」

    指定した人に、フォルダの存在が分かるようにします。 

    「Invite」

    指定した人は、会議の出席を依頼できます。 

    「Read」

    指定した人は、フォルダの内容を読むことができます。 

    「削除」

    指定した人は、フォルダの内容を削除できます。 

    「Modify」

    指定した人は、フォルダの内容を変更できます。 

    「追加」

    許可リストに新しいエントリを追加するには、「追加」をクリックします。

    「編集」

    許可リストのエントリを編集するには、「編集」をクリックします。

    「Remove」

    許可リストのエントリを削除するには、「Remove」をクリックします。

    「OK」

    変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。

    「取消し」

    変更を保存せずに「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

  3. フォルダの所有者を一覧で表示するには、「Owners」タブをクリックします。次の表は、「Owners」タブセクションの要素を説明しています。

    要素 

    説明 

    「User」

    フォルダの所有者を一覧で表示します。 

    「追加」

    「User」リストにユーザを追加するには、「追加」をクリックします。

    「Remove」

    「User」リストから選択したユーザを削除するには、「Remove」をクリックします。

    「OK」

    変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。

    「取消し」

    変更を保存せずに「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

ユーザにアクセス許可を付与する

フォルダのアクセス許可をユーザに付与するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。

  2. 「追加」をクリックして、「Add permission」ダイアログを表示します。

  3. 「User」テキストボックスに、ユーザの名前を入力します。

  4. 必要な許可の一部またはすべてを選択します。

    • 「Availability」

    • 「Invite」

    • 「Read」

    • 「削除」

    • 「Modify」

  5. 「OK」をクリックして変更を保存し、「Add permission」ダイアログを閉じます。

  6. 変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。

所有者リストにユーザを追加する

フォルダの所有者リストにユーザを追加するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。

  2. 「Owners」タブをクリックして、「Owners」タブセクションを表示します。

  3. 「追加」をクリックして、「Add owner」ダイアログを表示します。

  4. 「Enter user name」テキストボックスに、ユーザの名前を入力します。

  5. 「OK」をクリックして変更を保存し、「Add owner」ダイアログを閉じます。

  6. 変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。

所有者に、異なるレベルのアクセス権を付与できます。特に指定しない限り、所有者はフォルダに対する Public、Private、および Confidential なタスクやイベントを表示したり変更することができます。

ユーザからアクセス許可を削除する

ユーザからフォルダのアクセス許可を削除するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。

  2. 「Permissions」タブセクションでユーザを選択します。

  3. 必要な許可の一部またはすべてを選択解除します。

    • 「Availability」

    • 「Invite」

    • 「Read」

    • 「削除」

    • 「Modify」

    または、「Remove」をクリックして、リストからユーザを削除します。

  4. 変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。

所有者リストからユーザを削除する

フォルダの所有者リストからユーザを削除するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。

  2. 「Owners」タブをクリックして、「Owners」タブセクションを表示します。

  3. リストからユーザを選択します。

  4. 「Remove」をクリックして、所有者リストからユーザを削除します。

  5. 変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。