この章では、Ximian Evolution
の Sun ONE Connector
アカウントとフォルダの使用方法について説明します。
Sun ONE Connector
を使用すると、Evolution
を Sun ONE
カレンダサーバのクライアントとして使用できます。Sun ONE Connector
をインストールすることにより、Sun ONE
サーバ上の 1 つまたは複数のアカウントにアクセスできます。また、会議への出席依頼を送受信でき、組織内の人とカレンダに共有アクセスできます。サーバは LDAP ディレクトリサーバおよび POP または IMAP 電子メールサーバと共に動作するように設計されています。それぞれのサーバは個別に構成できます。
電子メールサーバアカウントまたはディレクトリサーバアカウントとは異なり、Sun ONE
アカウントには「Evolution Settings」ダイアログに独自のセクションがあります。Sun ONE
アカウントとフォルダは、次の点でほかの Evolution
フォルダと異なります。
Sun ONE
アカウントは常に少なくとも 3 つのフォルダを持ちます。「Personal Calendar」、「Personal Tasks」、および「Personal Invitations」フォルダ の 3 つです。これらのフォルダを削除することはできません。作成したほかのフォルダを削除する場合は、そのフォルダを右クリックしてポップアップメニューから「削除」を選択します。
Sun ONE
サーバは、1 レベル以上のネストされたフォルダをサポートしません。作成または開いた各フォルダは、ほかのフォルダと同じレベルに存在します。フォルダを作成すると、自動的に次の 3 つのサブフォルダが含まれます。「カレンダ」、「タスク」、および「Invitations」です。
個々のメールアカウントと同様、各 Sun ONE
アカウントもフォルダ区画のトップレベルフォルダとして表示されます。1 つまたは複数のフォルダをショートカット区画にドラッグすることで、ショートカットを作成することができます。ショートカットは自動的に作成されません。フォルダ区画を表示するには、Evolution
メインウィンドウから「表示」->「Folder Bar」を選択します。
各 Sun ONE
フォルダは、 2 種類の所有権を持ちます。主所有権と通常の所有権です。フォルダを作成すると、その作成者が主所有者になり、フォルダに対するすべてのアクセス許可を持ちます。そのフォルダの所有者として、ほかのユーザを追加することもできます。これらの所有者には、異なるアクセスレベルを設定できます。詳細については、アクセス許可の設定を参照してください。
この節では、Sun ONE
アカウントの作成方法、編集方法、削除方法について説明します。
新しい Sun ONE
アカウントの作成方法については、Sun ONE アカウントの構成を参照してください。
Sun ONE
アカウントを編集するには、次の手順を実行します。
「ツール」->「 Settings」を選択して、「Evolution Settings」ダイアログを表示します。
左区画で「Sun ONE accounts」をクリックします。Evolution
は、作成したアカウントの表を右区画に表示します。
編集する SUN ONE
アカウントを選択します。
「編集」をクリックして、「Options for account name」ダイアログを表示します。「Options for account name」ダイアログの内容については、Sun ONE アカウントの構成を参照してください。
「Options for account name」ダイアログを使用して、Sun ONE
アカウントの詳細を変更します。
「OK」クリックして変更を保存し、「Options for account name」ダイアログを閉じます。
「OK」をクリックして、変更内容を有効にするためには Evolution
の再起動が必要であることを通知する「Information」アラートを閉じます。
Evolution
を再起動します。
Sun ONE
アカウントを削除するには、次の手順を実行します。
「ツール」->「 Settings」を選択して、「Evolution Settings」ダイアログを表示します。
左区画で「Sun ONE accounts」ボタンをクリックします。Evolution
は、作成したアカウントの表を右区画に表示します。
削除する SUN ONE
アカウントを選択します。
「Remove」をクリックすると、確認アラートが表示されます。
「削除」をクリックして選択したアカウントを削除します。
「OK」をクリックして、変更内容を有効にするためには Evolution
の再起動が必要であることを通知する「Information」アラートを閉じます。
Evolution
を再起動します。
Sun ONE
サーバに格納されるカレンダは、ローカルに格納されるカレンダ (第 5 章「カレンダの使い方」 を参照) と同じように機能します。ただし、以降に説明するように、いくつかの点で異なります。
Sun ONE
カレンダのすべてのイベントは、会議になります。それには、予定、出席依頼の日時、繰り返し、リマインダの日付などが含まれます。
Sun ONE
サーバに格納されるカレンダのリマインダ機能は、次の点を除き、ローカルカレンダのリマインダ機能と同じように動作します。
セキュリティ上の理由により、Sun ONE
会議のリマインダを電子メールメッセージで送信できます。ローカルに格納されているカレンダに対しては行えません。
Sun ONE
サーバは 1 つの会議に対して最大 1 つのリマインダを格納します。ローカルに格納される会議は、サポートされる各リマインダタイプのうち 1 つを保有できます。
リマインダを作成したあとで、Sun ONE
サーバに格納されている会議の時間を変更した場合、リマインダは自動的に調整されません。古いリマインダを削除して新しいのを作成する必要があります。
会議の作成に Sun ONE
カレンダを使用した場合、Sun ONE
アカウントを持つ出席者は、自分の「Personal Invitations」フォルダに会議の出席依頼を受け取ります。Sun ONE
サーバ上のアカウントに関連付けられていない電子メールアドレスを入力した場合、その出席者はイベントの通知を電子メールで受け取ります。
Sun ONE
カレンダで、一連の予定すべてまたは一連の予定のうち一部を変更または削除し、それを保存しようとすると、Evolution
は「Question」ダイアログを表示します。「Question」ダイアログで次のオプションのうち 1 つを選択して、「OK」をクリックします。
「This Instance Only」:選択した予定のみを削除します。
「This and Future Instances」:選択した予定と以降の一連の予定すべてを削除します。
「All Instances」:一連の予定内のすべての予定を削除します。
アカウントの空き情報 (フリー/ビジー) は公表することができます。これにより、ネットワーク上のほかのユーザが会議を開催したいときに、そのアカウントのスケジュールを調べることができます。
空き情報の利点およびほかの Sun ONE
カレンダサーバ機能を利用するには、Sun ONE
ディレクトリサーバを使用します (可能な場合)。または、ディレクトリサーバからローカルのアドレス帳にカードをコピーします。サーバからコピーした連絡先カードには、Sun ONE
サーバ上にカレンダがあるかどうかを識別する特殊な属性があります。作成したカードは、サーバからコピーしたカードと外観は同じです。ただし、作成したカードは電子メールアドレスでのみ機能し、Sun ONE
システムでは認識されず、統合することもできません。
Sun ONE
サーバに格納されるタスクフォルダは、ローカルに格納されるタスクフォルダ (第 6 章「タスクの使用」を参照) と外観は同じです。
Sun ONE
カレンダに誰かが会議の予定を作成し、出席者として自分の名前が登録されると、新しい出席依頼が自分の「Personal Invitations」フォルダに表示されます。Invitation フォルダは次のような構成になります。 フォルダの上半分に出席依頼が一覧で表示され、下半分に選択した項目の詳細が表示されます。
出席依頼は表形式でリストされます。次の表は、出席依頼表のカラムを説明しています。
現在のビューの変更方法、現在のビューの保存方法、カスタムビューの作成方法については、ビューの使用を参照してください。
必要なアクセス許可を持っていれば、別のユーザが所有するカレンダにサブスクライブすることができます。カレンダに対する読み取り許可がなくても、カレンダが存在することは分かるため、そのカレンダにサブスクライブすることはできます。ただし、カレンダの内容を読み取ることはできません。
別のユーザに属するカレンダフォルダと、Sun ONE
サーバのすべてのカレンダフォルダを表示するには、任意の「Sun ONE」
フォルダを右クリックします。ポップアップメニューから「Manage Subscriptions」 を選択して、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを表示します。
利用可能なカレンダが表形式でリストされます。次の表は、カレンダ表のカラムを説明しています。
列 |
説明 |
---|---|
「Subscribed」 |
カレンダにサブスクライブしたかどうかを示します。 |
「Calendar ID」 |
カレンダの一意の識別子を提供します。 |
「Owner」 |
カレンダの所有者を指定します。 |
「説明」 |
カレンダについての短い説明を提供します。 |
現在のビューの変更方法、現在のビューの保存方法、カスタムビューの作成方法については、ビューの使用を参照してください。
「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。
デフォルトでは、すべてのカレンダがリストされます。カレンダのサブセットを表示するには、次の手順を実行します。
「Sun ONE」
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Manage Subscriptions」を選択し 、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを表示します。
ドロップダウンリストから次のいずれかの検索基準を選択します。
「Any field contains」
「Calendar ID contains」
「Owner contains」
「Description contains」
検索テキストをテキストボックスに入力します。
「Find Now」ボタンをクリックします。Evolution
は、検索基準を満たすカレンダのみを一覧表示します。
検索を消去するには、「消去」ボタンをクリックします。
「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。
「Sun ONE」
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Manage Subscriptions」を選択し 、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを表示します。
サブスクライブするカレンダを選択します。
「Subscribe」ボタンをクリックします。
「OK」をクリックして変更を保存し、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じます。
Evolution は、指定した「Sun ONE」
フォルダのサブフォルダとして、選択したカレンダを表示します。
カレンダからサブスクライブを取り消すには、次の手順を実行します。
「Sun ONE」
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Manage Subscriptions」を選択して 、「SunOne Calendar Subscriptions」ウィンドウを表示します。
サブスクライブを取り消すカレンダを選択します。
「Unsubscribe」ボタンをクリックします。
「OK」をクリックして変更を保存し、「SunOne Calendar Subscriptions」ダイアログを閉じます。
Evolution は、指定した「Sun ONE」
フォルダから選択したカレンダを削除します。
アクセス許可によって、各カレンダフォルダの表示または変更を行える人を制御します。
カレンダの主所有者は自分のカレンダに対するフルアクセスを持ちます。主所有者が自分のカレンダにアクセスする場合、カレンダサーバはアクセス制御チェックを実施しません。カレンダの主所有者は、自分のカレンダに対してほかの所有者を指名できます。これにより、別の所有者が、主所有者に代ってカレンダ内のイベントまたはタスクのスケジュール、削除、変更、受諾、辞退を行えます。
アクセス制御規則がリストされる順序は重要です。サーバは最初の規則に従ってアクセスの付与または拒否を行い、以降の矛盾をすべて無視するからです。
常に、最も明確な規則をリストの最初に置き、より一般的な規則を後ろに置きます。たとえば、カレンダ jane.ashe:sports の最初の規則では、すべてのユーザに読み取りアクセス権を付与するとします。カレンダサーバが、このカレンダに対して angela.liu の読み取りアクセスを拒否する 2 番目の規則に遭遇したとします。この場合、規則が矛盾しているため、カレンダサーバはこのカレンダに対する読み取りアクセスを angela.liu に付与し、2 番目の規則を無視します。
angela.liu のような特定のユーザのアクセス権を守るには、カレンダのすべてのユーザに適用されるグローバルなエントリの前に、angela.liu 用の規則を置きます。
フォルダのアクセス許可を表示するには、次の手順を実行します。
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。
アクセス制御規則が「Permissions」タブセクションに一覧表示されます。次の表は、「Permissions」タブセクションの要素を説明しています。
要素 |
説明 |
---|---|
「Name」 |
アクセス許可が付与されている人またはグループの名前を指定します。 |
「Availability」 |
指定した人に、フォルダの存在が分かるようにします。 |
「Invite」 |
指定した人は、会議の出席を依頼できます。 |
「Read」 |
指定した人は、フォルダの内容を読むことができます。 |
「削除」 |
指定した人は、フォルダの内容を削除できます。 |
「Modify」 |
指定した人は、フォルダの内容を変更できます。 |
「追加」 |
許可リストに新しいエントリを追加するには、「追加」をクリックします。 |
「編集」 |
許可リストのエントリを編集するには、「編集」をクリックします。 |
「Remove」 |
許可リストのエントリを削除するには、「Remove」をクリックします。 |
「OK」 |
変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。 |
「取消し」 |
変更を保存せずに「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。 |
フォルダの所有者を一覧で表示するには、「Owners」タブをクリックします。次の表は、「Owners」タブセクションの要素を説明しています。
要素 |
説明 |
---|---|
「User」 |
フォルダの所有者を一覧で表示します。 |
「追加」 |
「User」リストにユーザを追加するには、「追加」をクリックします。 |
「Remove」 |
「User」リストから選択したユーザを削除するには、「Remove」をクリックします。 |
「OK」 |
変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。 |
「取消し」 |
変更を保存せずに「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。 |
フォルダのアクセス許可をユーザに付与するには、次の手順を実行します。
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。
「追加」をクリックして、「Add permission」ダイアログを表示します。
「User」テキストボックスに、ユーザの名前を入力します。
「Availability」
「Invite」
「Read」
「削除」
「Modify」
「OK」をクリックして変更を保存し、「Add permission」ダイアログを閉じます。
変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。
フォルダの所有者リストにユーザを追加するには、次の手順を実行します。
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。
「Owners」タブをクリックして、「Owners」タブセクションを表示します。
「追加」をクリックして、「Add owner」ダイアログを表示します。
「Enter user name」テキストボックスに、ユーザの名前を入力します。
「OK」をクリックして変更を保存し、「Add owner」ダイアログを閉じます。
変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。
所有者に、異なるレベルのアクセス権を付与できます。特に指定しない限り、所有者はフォルダに対する Public、Private、および Confidential なタスクやイベントを表示したり変更することができます。
ユーザからフォルダのアクセス許可を削除するには、次の手順を実行します。
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。
「Permissions」タブセクションでユーザを選択します。
必要な許可の一部またはすべてを選択解除します。
「Availability」
「Invite」
「Read」
「削除」
「Modify」
または、「Remove」をクリックして、リストからユーザを削除します。
変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。
フォルダの所有者リストからユーザを削除するには、次の手順を実行します。
フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「Permissions」を選択して、「Folder permissions」ダイアログを表示します。
「Owners」タブをクリックして、「Owners」タブセクションを表示します。
リストからユーザを選択します。
「Remove」をクリックして、所有者リストからユーザを削除します。
変更を保存して「Folder permissions」ダイアログを閉じるには、「OK」をクリックします。