GNOME 2.2 ユーザーズガイド (Linux 版)

第 1 章 基本的な操作

この章では、GNOME デスクトップでの作業に必要となる基本的な操作について説明します。

マウスの使用方法

マウスの一般的な使用方法に慣れている場合でも、このマニュアルで使用するマウスボタンの規定および動作について習得する必要があります。この節では、マウスポインタについても説明します。

マウスボタンの規定

このマニュアル内のすべての説明は、次の種類のマウスが対象となります。

このマニュアルで使用されているマウスボタンの規定は次のとおりです。

マウスボタン 

定義  

左マウスボタン 

マウスの左ボタンは、右利きのユーザー用に設定 

中央マウスボタン 

マウスの中央ボタンは、右利きのユーザー用に設定 

右マウスボタン 

マウスの右ボタンは、右利きのユーザー用に設定 

マウスの利き手を変更するには、Mouse 設定ツールを起動後、オプションを選択します。マウスの利き手を変更した場合は、このマニュアルで使用されるマウスボタンの規定も逆になります。

マウスの操作

次の表は、マウスで実行できる操作を示します。

マウスボタン 

使い方 

左マウスボタン 

次の操作に使用する

  • テキストの選択

  • 項目の選択

  • 項目のドラッグ

中央マウスボタン 

次の操作に使用する

  • テキストの貼り付け

  • 項目の移動

右マウスボタン 

選択したオブジェクトのメニューを開く (メニューがある場合) 

たとえば、テキストをコピーする場合は、次の手順に従います。

  1. 左マウスボタンでテキストを選択します。

  2. テキストをコピーする場所にマウスポインタを移動します。

  3. 中央マウスボタンをクリックします。

デスクトップで右クリックして、「デスクトップ」メニューを開くこともできます。

マウスの操作に関する用語

このマニュアルで使用されるマウス操作を表す用語は、以下のとおりです。

処置 

定義 

クリック 

マウスを動かさずに、左マウスボタンを押して放す 

クリック&ホールド 

左マウスボタンを押したまま放さない 

左クリック 

クリックと同じ。左クリックは、右クリックと混乱する恐れがある場合に、操作を明確にするために使用する

中央クリック 

マウスを動かさずに、中央マウスボタンを押して放す 

右クリック 

マウスを動かさずに、右マウスボタンを押して放す 

ダブルクリック 

マウスを動かさずに、すばやく2 回押して放す 

ドラッグ 

マウスボタンをクリック&ホールドして、オブジェクトを移動する。たとえば、ウィンドウまたはアイコンをドラッグできる。デスクトップ上では、左マウスボタンおよび中央マウスボタンを使用してドラッグを実行できる 

ドラッグ&ドロップ 

マウスボタンをクリック&ホールドして、オブジェクトを移動する。たとえば、ウィンドウまたはアイコンをドラッグ&ドロップできる。オブジェクトを配置する場所でマウスボタンを放す 

グラブ 

移動する項目をポイントし、マウスボタンをクリック&ホールドする。たとえば、ウィンドウのタイトルバーをグラブし、そのウィンドウを別の場所にドラッグできる 

マウスポインタ

マウスポインタの外観は、マウスを使っている状況によって変わります。ポインタの外観は、特定の操作、場所、および状態を表します。次の表で、デスクトップ上のマウスポインタについて説明します。

ポインタ 

関連する操作 

説明 

通常のポインタを表します。

項目をポイントし、メニュー項目を選ぶ 

通常のポインタ。マウスの通常の使用時に表示されるポインタ 

移動ポインタを表します。

ドラッグ&ドロップ 

移動ポインタ。オブジェクトをドロップするときに、そのオブジェクトが元の場所から別の場所に移動されることを示す 

コピーポインタを表します。

ドラッグ&ドロップ 

コピーポインタ。オブジェクトをそのオブジェクトのコピーがドロップする位置に、作成されることを示す 

シンボリックリンクポインタを表します。

ドラッグ&ドロップ 

シンボリックリンクポインタ。オブジェクトをドロップした位置に、そのオブジェクトのシンボリックリンクが 作成されることを示す。シンボリックリンクとは、別のファイルまたはフォルダを指す特殊な種類のファイルです

質問ポインタを表します。

ドラッグ&ドロップ 

質問ポインタ。オブジェクトをドロップするときに、メニューが開くことを示す。オブジェクトを移動またはコピーするか、あるいはオブジェクトのシンボリックリンクを作成するかを選択できる 

利用不可のポインタを表します。

ドラッグ&ドロップ 

利用不可を示すポインタ。現在の場所にオブジェクトをドロップできないことを示す 

パネルオブジェクトの移動ポインタを表します。

パネルオブジェクトの移動 

パネルオブジェクトの移動ポインタ。移動するパネルオブジェクトが選択されていることを示す 

横方向のサイズ変更ポインタを表します。

ウィンドウの横方向のサイズ変更 

横方向のサイズ変更ポインタ。横方向にサイズ変更するウィンドウの縦ウィンドウ境界が選択されていることを示す 

縦方向のサイズ変更ポインタを表します。

ウィンドウの縦方向のサイズ変更 

縦方向のサイズ変更ポインタ。縦方向にサイズ変更するウィンドウの横ウィンドウ境界が選択されていることを示す 

コーナーサイズ変更ポインタを表します。

ウィンドウの横方向と縦方向のサイズ変更 

コーナーサイズ変更ポインタ。横方向と縦方向にサイズ変更するウィンドウのウィンドウ境界コーナーが選択されていることを示す 

ウィンドウ区間または表の列のサイズ変更ポインタを表します。

ウィンドウ区画または表の列のサイズ変更 

ウィンドウ区画または表の列のサイズ変更ポインタ。サイズ変更する表の列が選択されていることを示す 

キーボードの操作方法

マウスで実行できる操作のほとんどが、キーボードでも同様に実行できます。ショートカットキーを使用すると、操作をすばやく実行できます。

ショートカットキーは、一般的な GNOME デスクトップでの操作や、パネルおよびウィンドウなどのインターフェイス項目での操作に使用できます。また、ショートカットキーはアプリケーションでも使用できます。ショートカットキーをカスタマイズするには、Shortcuts 設定ツールを使用します。

また、GNOME デスクトップをカスタマイズして、キーボードの便利な機能を利用することもできます。

以降の節では、使用可能なショートカットキーについて説明します。

一般的なショートカットキー

一般的なショートカットキーを使用すると、キーボードから GNOME デスクトップでの一般的な操作を実行できます。次の表に、一般的なショートカットキーを示します。

デフォルトのショートカットキー 

機能 

Ctrl + Esc

メインメニューを開く

Super + R

「Run Application」ダイアログを表示する

Print Screen

スクリーンショットを撮る 

Alt + Print Screen

フォーカスがあるウィンドウのスクリーンショットを撮る 

Ctrl + Alt + 右矢印

現在のワークスペースの右側のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + 左矢印

現在のワークスペースの左側のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + 上矢印

現在のワークスペースの上のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + 下矢印

現在のワークスペースの下のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + d

すべてのウィンドウを最小化し、フォーカスをデスクトップに移す 

F1

オンラインヘルプのブラウザを起動し、適切なオンラインヘルプを表示する 

ウィンドウのショートカットキー

ウィンドウのショートカットキーを使用して、キーボードからウィンドウの操作を実行できます。次の表に、ウィンドウのショートカットキーを示します。

デフォルトのショートカットキー 

機能 

Alt + Tab

ウィンドウを切り替える。このショートカットキーを使用すると、選択可能なウィンドウの一覧が表示される。キーを放すとウィンドウが選択される 

Alt + Esc

逆方向でウィンドウを切り替える。キーを放すとウィンドウが選択される 

F10

メニューバーの左側にある最初のメニューを開く 

Alt + スペースバー

ウィンドウメニューを開く

矢印キー 

メニュー内の項目間でフォーカスを移動する 

Return

メニュー項目を選択する 

Esc

開いているメニューを閉じる 

Ctrl + Alt + 右矢印

現在のワークスペースの右側のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + 左矢印

現在のワークスペースの左側のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + 上矢印

現在のワークスペースの上のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + 下矢印

現在のワークスペースの下のワークスペースに切り替える 

Ctrl + Alt + d

すべてのウィンドウを最小化し、フォーカスをデスクトップに移す 

パネルのショートカットキー

パネルのショートカットキーを使用して、キーボードからパネルでの操作を実行できます。次の表に、パネルのショートカットキーを示します。

デフォルトのショートカットキー 

機能 

Ctrl + Alt + Tab

パネルとデスクトップの間で、フォーカスを切り替える。このショートカットキーを使用すると、選択可能な項目の一覧が表示される。キーを放すと項目が選択される 

Ctrl + Alt + Esc

パネルとデスクトップの間で、フォーカスを切り替える。キーを放すと項目が選択される 

Ctrl + F10

選択したパネルのポップアップメニューを開く 

Tab

パネル上のオブジェクト間でフォーカスを切り替える 

Return

選択したパネルオブジェクトまたはメニュー項目を選ぶ 

Shift + F10

選択したパネルオブジェクトのポップアップメニューを開く 

矢印キー 

メニュー内の項目間でフォーカスを移動する。アプレット内のインターフェイス項目間でフォーカスを移動する 

Esc

開いているメニューを閉じる 

F10

メニューバーがパネル内に表示されている場合、メニューバーから「Applications」メニューを開く

アプリケーションのショートカットキー

アプリケーションのショートカットキーを使用して、アプリケーションの操作を実行できます。ショートカットキーを使用すると、マウスを使用するよりもアプリケーションの操作をすばやく実行できます。次の表に、アプリケーションのショートカットキーを示します。

ショートカットキー 

コマンド 

Ctrl + N

New 

Ctrl + X

Cut 

Ctrl + C

Copy 

Ctrl + V

Paste 

Ctrl + Z

Undo 

Ctrl + S

Save 

Ctrl + Q

Quit 

アクセスキー

メニューバーとは、 ウィンドウ上部にあるバーのことで、アプリケーション用のメニューが含まれています。アクセスキーとは、メニューバー、メニュー、またはダイアログにある下線付き文字のことで、これを使用して作業を実行できます。メニューバーでは、各メニューのアクセスキーに下線が付いています。

メニューを開くには、Alt キーを押して、アクセスキーを押します。 メニューでは、各メニュー項目のアクセスキーに下線が付いています。メニュー項目を選択するには、メニュー項目のアクセスキーを押します。次の表に、テキストエディタ アプリケーションのアクセスキーの例を示します。

アクセスキー 

機能 

Alt + F

「ファイル」メニューを開く

N

「ファイル」メニューから「新規」を選択する

アクセスキーを使用して、ダイアログ内の要素にアクセスできます。ダイアログでは、ほとんどのダイアログ要素の 1 文字に下線が付いています。特定のダイアログ要素にアクセスするには、Alt キーを押して、アクセスキーを押します。次の表に、テキストエディタの「設定」ダイアログにあるアクセスキーの例を示します。

アクセスキー 

機能 

Alt + U

「デフォルトのテーマフォントを使用」チェックボックスにフォーカスを移す

ほかのキーを使用して、ウィンドウ内またはダイアログ内を移動することもできます。

キー 

機能 

Tab

ウィンドウ内またはダイアログ内の要素間でフォーカスを移動する 

矢印キー 

矢印キーを使用して、次の動作を実行できる 

  • メニューバーでは、あるメニューから次のメニューにフォーカスを移動する。開いたメニューでは、あるメニュー項目から次のメニュー項目にフォーカスを移動する

  • あるオプションから次のオプションにフォーカスを移動して選択する (たとえば、ダイアログのラジオボタンのグループなど)

  • スピンボックスが表示する値を変更する

ウィンドウの操作方法

この節では、ウィンドウの使用方法について説明します。

区画サイズを変更する

ウィンドウには、複数の区画が含まれていることがあります。区画とは、ウィンドウを分割したもの。たとえば、Nautilus ファイルマネージャウィンドウには、サイド区画と表示区画があります。区画があるウィンドウの場合、区画間のエッジにサイズ変更ハンドルがあります。区画をサイズ変更するには、サイズ変更ハンドルをグラブし、変更するサイズまでエッジをドラッグします。

表の使用方法

ウィンドウには、表に整理された情報を持っている場合があります。この節では、表の操作方法について説明します。

列の幅を変更するには、列の縦方向のエッジの 1 つをドラッグします。

表によっては、特定の列によって情報の並び変えができます。表内の情報を並び変えるには、並び変える情報の列の見出しをクリックします。上矢印が、並び変えられた表の列の見出しに表示されます。次の図に上矢印を示します。

この図は、列の見出しに表示される上矢印を表しています。

並び変え順を逆にするには、列の見出しをもう一度クリックします。上矢印が下矢印に変わります。下矢印は、列内の情報が、逆順に並び変えられていることを示します。

一部の表では、複数の項目を選択できます。次の表で、表内の項目を選択する方法について説明します。

作業 

処置 

項目の選択 

その項目をクリックする 

一連の項目のグループを選択 

Shift キーを押したまま放さない。グループの最初の項目をクリックして、そのグループの最後の項目をクリックする

複数の項目を選択 

Ctrl キーを押したまま放さない。 選択する複数の項目をクリックする