Sun ONE Messaging Server 6.0 リファレンスマニュアル |
第 4 章
MTA の設定この章には、以下の項目があります。
MTA 設定ファイルこのセクションでは、MTA 設定ファイルの構造とレイアウトについて説明します。一部の設定の修正は、第 2 章「Message Transfer Agent のコマンド行ユーティリティ」で説明しているように、コマンド行インタフェースを使用して実行します。コマンド行でできない修正は、設定ファイルを編集して実行します。設定ファイルの編集は経験のある管理者以外の方にはお勧めしません。
すべての設定ファイルは、各種のテキストエディタで作成や編集ができる、ASCII テキストの形式です。設定ファイルの権限は、誰でも読み取り可能に設定しなければなりません。設定ファイルを誰でも読み取り可能にしないと、予期しない MTA 障害の原因になることもあります。ほとんどのファイルの物理行は 252 文字に制限されており、 ¥ (円マーク) の継続文字を使って論理行を複数の物理行に分けることができます。
表 4-1 に、MTA 設定ファイルとその簡単な説明を一覧します。
表 4-2 に、MTA データベースファイルとその簡単な説明を一覧します。
表 4-2 MTA データベースファイル
ファイル
説明
逆引きデータベース
送信メールの from: アドレスを変更する。ディレクトリの使用の代替となる機構を提供し、特殊な目的にのみ使用される。逆引きデータベースの代替方法は表 4-1 で説明する逆引き検索テーブル
正引きデータベース
送信メールの to: アドレスを変更する。ディレクトリの使用の代替となる機構を提供し、特殊な目的にのみ使用される。正引きデータベースの代替方法は表 4-1 で説明する正引き検索テーブル
一般データベース
サイト固有の目的のために、ドメイン書き換えルールと一緒に、あるいはマッピングルールの中で使用される。msg_svr_base/data/db/generaldb.db 一般データベースの代替方法は表 4-1 で説明する一般検索テーブル
MTA 設定ファイルMTA 設定ファイル (imta.cnf) には、ルーティングとアドレス書き換えの設定情報が含まれています。このファイルは、すべてのチャネルとそれらの特性、それらのチャネルにメールを転送するためのルール、そして MTA によってアドレスが書き換えられる方法を定義したものです。
imta.cnf ファイルの構造
設定ファイルは次の 2 つの部分から構成されます。ドメイン書き換えとチャネル定義です。ドメイン書き換えルールがファイルの最初に現れ、チャネル定義とは 1 つの空白行で区切られています。チャネル定義は集合的にチャネルテーブルと呼ばれます。個々のチャネル定義がチャネルブロックを構成します。
ファイル内のコメント
コメントは設定ファイルのどの位置に書いてもかまいません。コメント行は、1 桁目に感嘆符 (!) を書きます。コメントを豊富に書いて、ファイルの動作を説明することをお勧めします。次の imta.cnf ファイルの一部分は、コメント行の使い方を表示したものです。
空白行とコメント行を区別することが重要です。空白行は、設定ファイルのセクションを区切る重要な役割を果たしています。コメント行は設定ファイルを読み込むルーチンに無視されます。つまり、コメント行はないものとみなされ、空白行として数えられることはありません。
他のファイルを含める
設定ファイルには、他のファイルの内容をインクルードすることができます。行の 1 桁目に「小なり」(<) の記号があると、その行の残りはファイル名として扱われます。ファイル名は絶対名でフルパスでなければなりません。指定されたファイルが開かれ、設定ファイルのその場所に他のファイルの内容が入れられます。ファイルの包含は、3 階層までネストすることができます。次の imta.cnf ファイルの一部には、/usr/iplanet/server5/msg-tango/table/internet.rules ファイルが含められています。
ドメイン書き換えルールドメイン書き換えルールには、以下の 2 つの重要な役割があります。
各書き換えルールは、imta.cnf ファイルの上半分に 1 行で表示されます。
書き換えルールの設定に関するその他の情報については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「書き換えルールを設定する」の章を参照してください。
書き換えルールの構造
書き換えルールは、MTA 設定ファイルである imta.cnf の上半分に表示されます。設定ファイルに、各ルールが 1 行ごとに記述されています。空白行ではないコメントを、ルールとルールの間に入力できます。書き換えルールは空白行で終わり、その後にチャネル定義が続きます。図 4-1 に、設定ファイル内の書き換えルールを示します。
図 4-1 単純な設定ファイル - 書き換えルール
! test.cnf - 設定ファイルの例。
!
! これは、単に設定ファイルの例です。It serves
! ! no useful purpose and should not be used in a real system.
!
a $U@a-host
b $U@b-host
c $U%c@b-daemon
d $U%d@a-daemon
! 以下、チャネルの定義が続きます。
書き換えルールは次の 2 つの部分から構成されます。パターンと、それに続く同等の文字列またはテンプレートです。これらの 2 つの部分は空白文字を挿入して区切る必要があります。ただし、パターンやテンプレート自体に空白文字を使用することはできません。書き換えルールの構造は以下のとおりです。
パターン
ドメイン名の中の検索する文字列を指定します。図 4-1 では、パターンは a、b、c、および d となっています。
パターンがアドレスのドメインの部分と一致する場合、書き換えルールはアドレスに適用されます。パターンはスペースでテンプレートと区切る必要があります。パターンの構文の詳細については、「書き換えルールのパターンとタグ」を参照してください。
テンプレート
以下のいずれかです。テンプレートの構文の詳細については、「書き換えルールテンプレート」を参照してください。
UserTemplate%DomainTemplate@ChannelTag[コントロール]
UserTemplate@ChannelTag[コントロール]
UserTemplate%DomainTemplate[コントロール]
UserTemplate@DomainTemplate@ChannelTag[コントロール]
UserTemplate@DomainTemplate@SourceRoute@ChannelTag[コントロール]
UserTemplate
アドレスのユーザー部を書き換える方法を指定します。置換シーケンスを使用して、オリジナルのアドレスの一部、またはデータベース検索の結果を表すことができます。置換シーケンスは、書き換えられたアドレスの作成を表すものと置き換えられます。図 5-1 では、$U という置換シーケンスが使用されています。詳細については、「テンプレートの置換と書き換えルールのコントロールシーケンス」を参照してください。
DomainTemplate
アドレスのドメイン部分を書き換える方法を指定します。UserTemplate と同様、DomainTemplate には置換シーケンスを入力できます。
ChannelTag
このメッセージが送信されるチャネルを表します。チャネル定義にはすべて、チャネルタグとチャネル名が必要です。一般に、チャネルタグは書き換えルールとそのチャネル定義に記述されます。
コントロール
ルールの適用は、コントロールを使って制限することができます。コントロールシーケンスの中には、ルールの先頭に指定するものと、ルールの最後に指定するものとがあります。ほとんど、どの場所にも指定できるものもあります。コントロールの詳細については、「テンプレートの置換と書き換えルールのコントロールシーケンス」を参照してください。
書き換えルールのパターンとタグ
書き換えルールのほとんどのパターンは、該当のホストだけと一致する特定のホスト名か、サブドメイン全体の任意のホスト / ドメインと一致するサブドメインパターンのいずれかで構成されます。
たとえば、以下の書き換えルールのパターンは、指定したホストだけと一致する特定のホスト名で構成されます。
host.siroe.com
次の書き換えルールのパターンは、サブドメイン全体の任意のホストまたはドメインと一致するサブドメインのパターンで構成されます。
.siroe.com
ただし、このパターンは、ホスト名 siroe.com 自体とは一致しません。ホスト名 siroe.com 自体と一致させるには、別の siroe.com パターンが必要になります。
MTA は、特定のホスト名で始まるホスト / ドメイン名を書き換えてから、固有性を少なくするよう、増分で名前を生成しようとします。つまり、より固有な書き換えルールパターンは、より一般的な書き換えルールパターンに優先して使用されます。たとえば、設定ファイルに以下の書き換えルールパターンが指定されているとします。
hosta.subnet.siroe.com
.subnet.siroe.com
.siroe.com書き換えルールパターンに基づいて、jdoe@hosta.subnet.siroe.com のアドレスは書き換えルールパターン hosta.subnet.siroe.com と一致し、 jdoe@hostb.subnet.siroe.com のアドレスは書き換えルールパターン .subnet.siroe.com と一致し、jdoe@hostc.siroe.com のアドレスは書き換えルールパターン .siroe.com と一致します。
特に、インターネットのサイトではサブドメイン書き換えルールパターンを含む書き換えルールの使用が一般的です。通常、このようなサイトにはそれ自体の内部ホストおよびサブネットの多数の書き換えルールがあり、internet.rules ファイルからその設定に、トップレベルインターネットドメインの書き換えルールが組み込まれます (msg_svr_base/config/internet.rules)。
このファイルには、以下のものを指定する必要があります。
すでに説明したより一般的な種類のホストまたはサブドメインの書き換えルールパターンのほか、書き換えルールではいくつかの特殊なパターンも使われます。これについては、表 4-3 で要約し、以降の項で説明します。
Messaging Server には、このような特殊なパターンのほか、書き換えルールパターンに現れることのあるタグという概念があります。これらのタグは、アドレスが複数回にわたって書き換えられる場合に使用されます。この区別は、直前に行われた書き換えに基づき、どの書き換えルールがアドレスに一致するかを制御することによって行います。詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。
書き換えルールテンプレート
表 4-4 では、テンプレートの形式を要約しています。
テンプレートの置換と書き換えルールのコントロールシーケンス
置換を使用して、書き換えられたアドレスに文字列を挿入することによって、ユーザー名またはアドレスを書き換えます。この値は、使用される特定の置換シーケンスによって決まります。
コントロールシーケンスは、指定した書き換えルールの適用に対して追加の条件を課します。書き換えルールのパターン部がチェックされるホストまたはドメイン仕様と一致する必要があるだけでなく、書き換えられているアドレスの他の側面も、コントロールシーケンスまたはシーケンスによる条件設定と一致する必要があります。
ドメインまたはホスト仕様が書き換えルールのパターン部分と一致する必要があっても、そのルールのテンプレートの中のコントロールシーケンスによって生じる基準のすべてとは一致しない場合、書き換えルールは失敗し、書き換えは適用可能な他のルールの検索を続けます。
表 4-5 では、テンプレートの置換とコントロールシーケンスを要約しています。
置換については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。
チャネル定義MTA 設定ファイルの 2 つめの部分には、チャネルそのものの定義が含まれています。これらの定義は「チャネルホストテーブル」と総称され、MTA が使用できるチャネルと、各チャネルに関連付けられた名前を定義します。個々のチャネル定義がチャネルブロックを構成します。ブロックは 1 行の空白行によって区切られています。そのため、1 つのチャネル定義の中にコメント行を含めることはできますが、空白行を含めることはできません。1 つのチャネルブロックには、そのチャネルの構成を定義するキーワードのリストがあります。これらのキーワードは、「チャネルキーワード」と呼ばれます。詳細については、表 4-6 を参照してください。
次の imta.cnf ファイルの一部分はサンプルのチャネルブロックを表しています。
ルーティング-システム は、このチャネルと関連するホスト名です。アドレスの書き換え処理中、書き換えルール内でパターンが一致する前に、アドレスのホスト部分がチャネルと関連するホスト名でチェックされます。例外は $* だけで、完全なパターン一致の書き換えルールが最初にチェックされます。
チャネル定義とチャネルテーブルキーワードの詳細については、「チャネル設定キーワード」、および表 4-6 を参照してください。
チャネル設定キーワード各チャネルブロックの最初の行にはチャネル名があり、次に特定のチャネルの設定を定義するキーワードが続きます。次の表では、キーワードと、キーワードがチャネル動作 (チャネルがサポートするアドレスのタイプなど) を制御する方法について説明します。転送レイヤ (メッセージエンベロープ) に使われるアドレスとメッセージヘッダーに使われるアドレスとは区別されます。
チャネル名の次にあるキーワードは、チャネルにさまざまな属性を割り当てるために使用されます。キーワードは大文字と小文字を区別し、32 バイトまで有効で、それ以上の文字は無視されます。サポートされているキーワードを表 4-6 および表 4-7 に示します。太字のキーワードはデフォルトです。表 4-6 はチャネルキーワードのアルファベット順のリストで、表 4-7 はチャネルキーワードの機能別のリストです。
このリストにないキーワードを指定しても (正しくないかもしれませんが) エラーにはなりません。UNIX システムの場合、未定義のキーワードは、チャネルのキューにメールを入れるためにプロセスが必要とするグループ ID として解釈されます。imsimta test -rewrite ユーティリティでは、設定ファイル内に、いずれのキーワードとも一致せず、グループ ID として解釈されるキーワードがあるかどうかを示します。
表 4-7 は、チャネルキーワードの機能別リストです。
チャネルキーワードの機能別グループの詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「チャネル定義を設定する」の章を参照してください。
エイリアスファイルエイリアスファイルは、ディレクトリで設定されていないエイリアスを設定するのに使用します。よい例として、Postmaster エイリアスが挙げられます。変更を有効にするには、MTA を再起動する必要があります。感嘆符 (!) で始まる行は、コメント行として解釈されるため、無視されます。また、空白行も無視されます。
このファイルでは、一行に入力できる文字数が 1024 バイトに制限されています。¥ (円マーク) を継続文字として使用すれば、1 つの論理行を複数の行に分割することができます。
ファイルフォーマットは以下のとおりです。
以下に、エイリアスファイルの例を示します。
! A /var/mail user
mailsrv@siroe.com:mailsrv@native-daemon
!A message store user
ms_testuser@siroe.com:mstestuser@ims-ms-daemon
エイリアスファイルに他のファイルを含める
プライマリエイリアスファイルには、他のファイルを含めることができます。次の行は、MTA にfile-spec ファイルを読み込むように指示するためのものです。
ファイル仕様は、完全なパスを指定したものでなければなりません。また、そのファイルには、プライマリエイリアスファイルと同じ保護が設定されている必要があります (たとえば、誰でも読み取り可能でなければなりません)。
含めたファイルの内容は、エイリアスファイル内のリファレンスポイントに挿入されます。含まれているファイルへの参照をそのファイルの実際の内容に置き換えることによっても、同様の効果が得られます。含めたファイルのフォーマットは、プライマリエイリアスファイルとまったく同じになります。さらに、含めたファイルに他のファイルを含めることも可能です。ファイルを 3 段階まで含めたネスティングが許可されています。
/var/mail チャネルオプションファイルオプションファイルは、ローカルチャネルのさまざまな特徴を制御するために使用されます。このローカルチャネルのオプションファイルは MTA の設定ディレクトリに保存し、native_option という名前を付けなければなりません (例、msg_svr_base/config/native_option)。
オプションファイルは複数の行から構成されており、各行にはそれぞれ 1 つのオプション設定が含まれています。オプション設定は、次の形式で記述されています。
値は、オプションの要件に基づき、文字列または整数のいずれかとなります。
SMTP チャネルオプションファイルオプションファイルは、TCP/IP チャネルのさまざまな特徴を制御するために使用されます。記述されているオプションのほとんどは、TCP/IP トランスポートではなく、SMTP プロトコル自体に関連するものです。記述されているオプションのほとんどは、TCP/IP トランスポートではなく、SMTP プロトコル自体に関連するものです。
このようなオプションファイルは、MTA 設定ディレクトリ (msg_svr_base/config) に保存し、x_option という名前を付けなければなりません。この「x」はチャネルの名前です。
マスターチャネルプログラム (送信 / 宛先チャネル) は、実行するたびに、グローバルオプションファイル (msg_svr_base/config/option.dat) を読み取ります。一方、スレーブチャネルプログラムは、最初に起動するときだけオプションファイルを読み取り、再起動するまで変更を認識しません。
受信メッセージについて、TCP/IP チャネルオプション (msg_svr_base/config/tcp_local_option などの SMTP チャネルオプションファイル) は、受信チャネル (スレーブチャネルプログラム) 専用のオプションです。これらのオプションは、たとえば *switchannel キーワードを有効にしたチャネルのように、受信メッセージを処理できる可能性のある他のチャネルで使用されません。
ファイルの形式
オプションファイルは複数の行から構成されており、各行にはそれぞれ 1 つのオプション設定が含まれています。オプション設定は、次の形式で記述されています。
値は、オプションの要件に基づき、文字列または整数のいずれかとなります。オプションが整数値を受け入れる場合、基数は b%v という記法を用いて指定することができます。この場合、b は底 10 および vb で表される基数です。
使用可能な SMTP チャネルオプション
表 4-9 に、使用可能なオプションを示します。
変換MTA が行う変換には大きく分けて 2 つのカテゴリがあり、各カテゴリはそれぞれ対応するマッピングテーブルおよび MTA の変換ファイルによって制御されます。
最初のカテゴリは MTA が内部で実行する文字セット、フォーマット、およびラベルの変換です。この種の変換は CHARSET-CONVERSION マッピングテーブルによって制御されます。
もう 1 つのカテゴリは、ドキュメントコンバータやウィルススキャナなどの外部サードパーティプログラムのサイトのプロシージャに基づいて行うメッセージ添付ファイルの変換です。この種の変換は CONVERSIONS マッピングテーブルによって制御されます。変換を必要とするメッセージは MTA の変換チャネルに送られ、その変換チャネルによってサイト指定の外部変換プロシージャが実行されます。
MTA の変換ファイルは、CONVERSION テーブルによってトリガーされる外部変換の詳細、および CHARSET-CONVERSION テーブルによってトリガーされる内部変換の詳細を指定するために使用されます。
文字セット変換とメッセージフォーマット変換のマッピング
MTA の基本的なマッピングテーブルの 1 つに、文字セット変換テーブルがあります。このテーブルの名前を CHARSET-CONVERSION と言います。チャネル間における文字セット変換やメッセージフォーマット変換の種類を指定するために使用されます。
MTA は 2 通りの方法によって CHARSET-CONVERSION マッピングテーブルをプローブします。1 回目のプローブは、MTA がメッセージフォーマットを変換すべきか、また変換する場合はどのフォーマットオプションを使用すべきかを決定するために実行されます。(フォーマット変換が指定されていない場合、特定の文字セットへの変換に関するチェックは行われません)。このプローブには、以下のような形式の入力文字列が使用されます。
チャネル (入力) はソースチャネル (メッセージの送信元)、チャネル (出力) は宛先チャネル (メッセージの送信先) を示します。一致するソースチャネルおよび宛先チャネルがある場合は、その結果がコンマで区切られたキーワードリストの文字列として表示されます。表 4-10 に、それらのキーワードを一覧します。
文字セット変換およびメッセージフォーマット変換のマッピングについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。
変換ファイル
MTA 設定ファイル (imta.cnf) 内の変換チャネルの設定は、デフォルトで実行されるようになっています。デフォルト設定の書き換えルールに基づき、user@conversion.ローカルホスト名または user@conversion の形式のアドレスは、CONVERSIONS マッピング状態に関係なく、変換チャネルにルーティングされます。
変換チャネルが実行する変換は、MTA の変換ファイル内で定義されているルールによって制御されます。このファイルは、MTA テイラーファイルの IMTA_CONVERSION_FILE オプションで指定されています。デフォルトでは、msg_svr_base/imta/conversions です。
MTAの変換ファイルは MIME Content-Type パラメータに準拠する形式のエントリを含むテキストファイルです。各エントリは 1 つまたは複数のグループ化された行から構成され、各行には 1 つまたは複数の name=値; パラメータ句が含まれています。引用ルールは Content-Type ヘッダー行のパラメータに関する MIME の様式に準拠します。最終行以外のすべての行は、セミコロン (;) で終了する必要があります。このファイルでは、一行に入力できる文字数が 1024 バイトに制限されています。¥ (円マーク) を継続文字として使用すれば、1 つの論理行を複数の行に分割することができます。エントリは、セミコロンで終了していない行や空白行が 1 行以上挿入されているところで終了します。
現在提供されているルールパラメータを表 4-11 に示します。表内にないパラメータは無視されます。
定義済みの環境変数
表 4-12 に、変換コマンドで使用できる基本的な環境変数を示します。
Content-type: パラメータ情報または Content-disposition: パラメータ情報を含む追加の環境変数は、それぞれ PARAMETER-SYMBOL-n または DPARAMETER-SYMBOL-n パラメータを使用して、必要に応じて作成できます。
表 4-13 に、変換チャネルで使用できる他のオプションを示します。コンバータプロシージャは、これらのオプションを使って、変換チャネルに情報を渡すことができます。これらのオプションを設定するには、任意の変換エントリに OVERRIDE-OPTION-FILE=1 を設定し、コンバータプロシージャによって OUTPUT_OPTIONS ファイル内の目的のオプションが設定されるようにします。
マッピングファイルMTA コンポーネントの多くは、テーブル検索に基づいた情報を使用します。一般に、このタイプのテーブルは、入力文字列を出力文字列に変える (マップする) のに使用されます。このようなテーブルは、マッピングテーブルと呼ばれ、通常 2 つのカラムで構成されます。1 つめ (左側) のカラムには入力文字列が、2 つめ (右側) のカラムにはその入力文字列に関連付けられた出力文字列が並んでいます。MTA データベースのほとんどは、このタイプのマッピングテーブルのインスタンスです。ただし、MTA データベースファイルには、ワイルドカード検索機能がありません。データベース全体でワイルドカードに一致するものを検索するのは非効率的だからです。
マッピングファイルによって、MTA が複数のマッピングテーブルをサポートできるようになります。さらに、完全なワイルドカード機能もあり、複数の手順や反復マッピング方法にも対応しています。このアプローチは、データベースを使用する場合に比べ、さらに多くの処理を必要とします。特に、エントリ数が多い場合などはなおさらです。ただし、それに付随して柔軟性が増すため、同等のデータベースにおけるエントリのほとんどを必要としなくなり、全体的にオーバーヘッドが少なくなります。
REVERSE および FORWARD アドレスマッピングについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。
マッピングファイルを検索する / 読み込む
すべてのマッピングは、MTA マッピングファイルに保存されています。これは、MTA テイラーファイルの IMTA_MAPPING_FILE オプションで指定されているファイルで、デフォルトは msg_svr_base/config/mappings です。マッピングファイルの内容は、コンパイルされた設定に取り込まれます。
マッピングファイルは、誰でも読み取り可能でなければなりません。誰でも読み取り可能でアクセスできない場合は、誤作動をまねくことになります。
マッピングファイルのファイルフォーマット
マッピングファイルは、一連のテーブルで構成されています。各テーブルはその名前で始まります。名前には常に、最初の列にアルファベット文字がきます。テーブル名の次には必ず空白行が続き、その後にテーブルのエントリが続きます。エントリは、ゼロまたはそれ以上のインデント行で構成されます。各エントリの先頭に、少なくとも 1 つのスペースが必要です。各エントリ行は、1 つ以上のスペースまたはタブで区切られた 2 つのカラムから成ります。エントリ内のスペースはすべて、$ 文字で囲む必要があります。各テーブル名の後およびテーブル間には空白行が必要ですが、1 つのテーブル内のエントリ間に空白行があってはなりません。コメントは、1 つめのカラムに記述され、感嘆符 (!) から始まります。
つまり、ファイルフォーマットは以下のようになります。
TABLE-2-NAME マッピングテーブルを使用するアプリケーションは、pattern2-2 文字列を template2-2 で指定された文字列にマップします。各パターン、またはテンプレートには、最高 252 文字までを含めることができます。マッピングテーブルに含まれるエントリの数に制限はありません (ただし、エントリが必要以上に多い場合は、大きな CPU 容量およびメモリ容量を要することになります)。252 バイト以上の長い行は、¥ (円マーク) を行の末尾に置くことで次の行に続けることができます。2 つのカラム間および 1 つめのカラムの前にある空白スペースを削除してはなりません。
マッピングファイルでマッピングテーブル名が重複することは許されていません。
マッピングファイルに他のファイルを含める
マッピングファイルに他のファイルを含めることができます。次の形式の行を使用します。
これによって、マッピングファイル内の file-spec の行が、その実際のファイルに置き換えられます。ファイル指定には、完全なファイルパス (ディレクトリ等) が必要です。この方法で含めるファイルは、誰でも読み取り可能でなければなりません。マッピングファイルに含めるファイルにはコメントを入れることもできます。含めるファイルは 3 段階までネスティングすることができます。含められたファイルは、マッピングファイルと一緒に読み込まれます。オンデマンドで読み込まれるのではないため、ファイルを含めることによってパフォーマンスまたはメモリを節約することはできません。
マッピングの動作
マッピングファイル内のマッピングはすべて一定の方法で適用されます。マッピングごとに異なるのは、入力文字列のソースとマッピング出力の使用目的のみです。
マッピングの動作は、常に入力文字列とマッピングテーブルから始まります。マッピングテーブルのエントリは、テーブルに表示される順に上から下へ 1 つずつスキャンされます。各エントリの左側の部分がパターンとして使用され、入力文字列は大文字 / 小文字の区別なくそのパターンと比較されます。
マッピングエントリのパターン
パターンには、ワイルドカード文字を含めることができます。たとえば、次のような一般的なワイルドカード文字を使用できます。アスタリスク (*) はゼロまたはそれ以上の文字と一致し、パーセント記号 (%) は 1 つの文字に一致します。ドル記号 ($) をアスタリスク、パーセント記号、スペース、およびタブの前に置くことによって、それらの記号を文字として使用できるようになります。アスタリスクまたはパーセント記号を文字として使用した場合は、それらの特殊な定義が無効になります。パターンやテンプレートを正しく認識させるために、その中のスペースやタブは文字として認識させる必要があります。ドル記号を文字として使用するには、2 重のドル記号 ($$) を使用します。この場合、1 つめのドル記号によって、2 つめのドル記号を文字として認識されるようになります。
表 4-14 マッピングパターンのワイルドカード
ワイルドカード
説明
%
1 つの文字に一致する
*
左から右への最大限の一致を使用して、ゼロ以上の文字を一致する
後照合
説明
$ n*
n 番めのワイルドカードまたはグロブに一致する
修飾子
説明
$_
左から右への最低限の一致を使用する
$@
後続のワイルドカード、またはグロブの「保存」をオフにする
$^
後続のワイルドカードまたはグロブの「保存」をオンにする。デフォルト設定である
グロブワイルドカード
説明
$A%
A 〜 Z および a 〜 z のアルファベットのうち、1 つの文字に一致する
$A*
A 〜 Z および a 〜 z のアルファベットが 0 個以上含まれた文字列に一致する
$B%
1 桁の 2 進数 (0 または 1) に一致する
$B*
0 またはそれ以上の桁数の 2 進数 (0 または 1) に一致する
$D%
1 桁の 10 進数 (0 〜 9) に一致する
$D*
0 またはそれ以上の桁数の 10 進数 (0 〜 9) に一致する
$H%
1 桁の 16 進数 (0 〜 9 または A 〜 F) に一致する
$H*
0 またはそれ以上の桁数の 16 進数 (0 〜 9 または A 〜 F) に一致する
$O%
1 桁の 8 進数 (0 〜 7) に一致する
$O*
0 またはそれ以上の桁数の 8 進数 (0 〜 7) を照合する
$S%
1 つの記号セット文字、すなわち 0 〜 9、A 〜 Z、a 〜 z、_、$ に一致する
$S*
ゼロまたはそれ以上の記号セット文字、すなわち 0 〜 9、A 〜 Z、a 〜 z、_、$ に一致する
$T%
1 つのタブ、垂直タブ、またはスペース文字に一致する
$T*
ゼロまたはそれ以上のタブ、垂直タブ、またはスペース文字に一致する
$X%
$H% と同義
$X*
$H* と同義
$[ c]%
文字 c に一致する
$[ c]*
文字 c の不定発生に一致する
$[ c1 c2 ... cn ]%
文字 c 1、c 2、または c n の発生の 1 つに一致する
$[ c1 c2 ... cn ]*
文字 c 1、c 2、または c n の不定発生に一致する
$[ c1 -cn ]%
c 1 から c n までの文字のいずれか 1 つに一致する
$[ c1 -cn ]*
c 1 から c n までの文字の不定発生に一致する
$< IPv4>
ビットを無視して、IPv4 アドレスに一致する
$(IPv4)
プレフィックスビットを維持した状態で、IPv4 アドレスに一致する
${IPv6}
1 組の IPv6 アドレスに一致する
マッピングパターンのワイルドカードについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「MTA サービスと設定について」の章の「マッピングファイル」を参照してください。
マッピングエントリのテンプレート
表 4-15 は、特殊代替および標準処理のメタ文字の一覧です。その他のメタ文字はマッピング特有の用途に制限されています。
マッピングエントリのテンプレートについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。
表 4-15 マッピングテンプレートの代替とメタ文字
代替シーケンス
置き換える内容
$n
左から右にゼロから数えられるワイルドカードの n 番めのフィールド
$#...#
シーケンス番号の代替
$]...[
LDAP により URL 検索が行われる。結果として、代替が行われる
$|...|
指定されたマッピングテーブルを、与えられた文字列に適用する
${...}
一般データベースの代替
$[...]
サイト提供のルーチンを起動し、結果の代替を行う
メタ文字
説明
$C
次のテーブルエントリからマッピング処理を続行し、このエントリの出力文字列をマッピング処理の新しい入力文字列として使用する
$E
マッピング処理をただちに終了し、このエントリの出力文字列をマッピング処理の最終結果とする
$L
次のテーブルエントリからマッピング処理を続行し、このエントリの出力文字列を新しい入力文字列として使用する。テーブル内のすべてのエントリを照合したら、もう一度最初のテーブルエントリから照合する。後続の照合エントリにメタ文字 $C、$E または $R がある場合には、それらのエントリが優先される
$R
マッピングテーブルの最初のエントリからマッピング処理を続行し、このエントリの出力文字列をマッピング処理の新しい入力文字列として使用する
$?x?
マッピングエントリが x パーセントの割合で成功する
$¥
後続のテキストを小文字にする
$^
後続のテキストを大文字にする
$_
後続のテキストを元々の状態で残す
$=
LDAP 検索フィルタに挿入するのに適切な引用を受ける代替文字を指定する
$:x
指定したフラグが設定されている場合にのみ、一致する
$;x
指定したフラグがクリアの場合にのみ、一致する
代替シーケンスとメタ文字の詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「MTA サービスと設定について」の章を参照してください。
オプションファイルチャネルオプションとは異なり、グローバルな MTA オプションは MTA オプションファイルに指定されています。
MTA では、オプションファイルを使って、MTA 全体に適用されるさまざまなパラメータのデフォルト値を無効にすることができます。特に、オプションファイルは、設定ファイルやエイリアスファイルが読み込まれるさまざまなテーブルのサイズを確立するのに使用されます。
MTA オプションファイルを探して読み込む
オプションファイルとは、IMTA テイラーファイル (msg_svr_base/config/imta_tailor) の IMTA_OPTION_FILE オプションで指定されているファイルのことです。デフォルトは msg_svr_base/config/option.dat です。
オプションファイルのフォーマットおよび使用可能なオプション
オプションファイルは複数の行から構成されており、各行にはそれぞれ 1 つのオプション設定が含まれています。オプション設定は、次の形式で記述されています。
値には、オプションの必要要件に応じて、文字列、整数、または浮動小数点を使用できます。オプションが整数値を受け入れる場合は、b%v の文字列表記ルールを使って基数を指定することができます。この場合、b は底 10 で表す基数であり、v は底 b で表す実際の値です。
オプション値が長くなる場合は、数行に分割できます。後に続く行の最後には、¥ (円マーク)を入れます。
この場合、コメントが使用できます。感嘆符 (!)、シャープ記号 (#) またはセミコロン (;) で始まる行は、コメント行として解釈されるため、無視されます。継続行の間にもコメントを使用できます。また、オプションファイルでは、空白行も無視されます。
表 4-16 に、使用可能なオプションを示します。
表 4-16 オプションファイルのオプション
オプション
説明
ACCESS_ERRORS (整数 0 または 1)
ACCESS_ERRORS が 0 (デフォルト) に設定されている場合、アクセスに使用できないアドレスがあると MTA によって「不正なホストまたはドメインです。」という旨のエラーメッセージが表示される。これはアドレスそのものが不正である場合と同じエラーである。紛らわしいようにも思えるが、制限されたチャネルに関する情報が公開されるのを防ぐ場合は、この機能を使用することがセキュリティ上の重要な要素となる。ACCESS_ERRORS を 1 に設定すると、デフォルトが無視され、より詳細なエラーが表示される
ACCESS_ORCPT (0 または 1)
ACCESS_ORCPT を 1 に設定すると、フィールドを区切る垂直線を、元の受取人 (ORCPT) アドレスを含む SEND_ACCESS、ORIG_SEND_ACCESS、MAIL_ACCESS、および ORIG_MAIL_ACCESSマッピングテーブルに渡されるプローブ値に追加する。メッセージに ORCPT アドレスが含まれない場合、元の無修正の RCPT TO: アドレスが代わりに使用される。デフォルトは 0
ALIAS_DOMAINS (整数)
エイリアスファイルとエイリアスデータベースの検索のフォーマットを制御する。このオプションは、引数としてビットエンコード整数をとる。デフォルトは 1 で、エイリアスファイルとエイリアスデータベース検索がアドレスのローカル部分 (メールボックス部分) だけでプローブされる。プローブがビット 0 (値 1) に設定されてない場合でも、アドレスがローカルチャネルに一致しないというわけではない。ビット 1 (値 2) に設定すると、アドレス全体 (ドメイン名を含む) を使用したプローブが実行される。ビット 2 (値 4) を設定すると、ワイルドカード (*) のプローブが実行される。すべてのビット、つまり ALIAS_DOMAIN=7 に設定すると、プローブの順番は、最初にアドレス全体 (最も特定化されたチェック) でのプローブ、次にローカル部分にドメイン名を付け加え、ワイルドカード (*) でのプローブ、最後にローカル部分だけでのプローブになる
ALIAS_ENTRY_CACHE_NEGATIVE
エイリアスエントリのネガティブキャッシュを制御する。ゼロ以外の値の場合、エイリアス一致エラーのキャッシュを有効にする。値がゼロの場合は無効
デフォルト : 0
ALIAS_ENTRY_CACHE_SIZE
エントリ内でのエイリアスキャッシュのサイズを制御する
デフォルト : 1000
ALIAS_ENTRY_CACHE_TIMEOUT
エイリアスキャッシュのタイムアウトを秒単位で制御する
デフォルト : 600
ALIAS_URL0
ALIAS_URL1
ALIAS_URL2
ALIAS_URL3 (URL)エイリアス検索に対して検索する URL を指定する。URL の指定には、LDAP サーバーとポートを省略する必要のある場合を除き、標準の LDAP URL 構文を使用する。LDAP サーバーとポートは、LDAP_HOST オプションと LDAP_PORT オプションで指定する
特定の代替シーケンスについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の付録 B 「MTA ダイレクト LDAP 操作」を参照
ALIAS_HASH_SIZE
(整数 <= 32,767)エイリアスハッシュテーブルのサイズを設定する。これは、エイリアスファイルに定義できるエイリアスの数の上限である。デフォルト値は 256 で、最大値は 32,767
ALIAS_MAGIC
チェックするエイリアスの正確なソースおよびチェックする順序を決定する。8764 に設定すると、ALIAS_URL0 MTA オプションで指定した URL が最初にチェックされ、その後 ALIAS_URL1 MTA オプションで指定した URL、ALIAS_URL2 MTA オプションで指定した URL、最後にエイリアスファイルがチェックされる。エイリアスデータベースは、この設定がアクティブな場合はチェックされない
ALIAS_MEMBER_SIZE
(整数 <= 20,000)エイリアスの変換値ポインタのリストを含むインデックステーブルのサイズを制御する。エイリアスファイル内のすべてのエイリアス定義の右側にあるアドレスの総数は、この値を超えることができない。デフォルト値は 320 で、最大値は 20,000
ALLOW_UNQUOTED_ADDRS_VIOLATE_RFC2798
1 に設定すると、引用符のつくアドレスで引用符の外れている構文的に不正な形式を検索するための、フィルタ項目を追加する
デフォルト : 0
BLOCK_LIMIT (整数 > 0)
MTA で送受信されるメッセージのサイズの絶対限界値 (ブロック単位) を指定する。このサイズを超えるメッセージは、すべて拒否される。デフォルトではサイズ制限がない。ただし、blocklimit チャネルキーワードを使うと、チャネルごとに制限を設定することができる。ブロックのサイズ (バイト単位) は、BLOCK_SIZE オプションで指定されている
BLOCK_SIZE (整数 > 0)
MTA では、いくつかの方法で「ブロック」の概念が使用されている。たとえば MTA ログファイル (チャネルに logging キーワードを配置した場合) には、メッセージサイズがブロック数で記録される。また、メッセージのサイズが maxblocks キーワードを使って指定されている場合もブロック数で記録される。通常、MTA ブロックは 1024 バイト。このオプションは、ブロックの定義を変更するときに使用できる
注意 : BLOCK_SIZE を (1 へ) 減らしすぎると、MTA に悪影響を与えるおそれがある
BOUNCE_BLOCK_LIMIT (整数)
メッセージの指定サイズを超えた場合に、メッセージの内容全体ではなく、メッセージヘッダーのみを強制的に返送する場合に使用される
BRIGHTMAIL_ACTION_n
Brightmail_verdict_n オプションとのペアとして、Sieve コマンドを実行するようオプションの if-then-else 文* とともに指定できる。たとえば、スパムを拒否したい場合には、以下のペアを指定する :
Brightmail_verdict_0=spamfolder
Brightmail_action_0=data:,require "reject"; reject "Rejected by Brightmail";Sieve コマンドのテンプレートは次のとおり :
data:,[require "command";] command;
reject および fileinto には、require 文が必要。次のような例もある :Brightmail_verdict_1=spam-folder
Brightmail_action_1_=data;,require "fileinto";fileinto "Junk";この場合、スパムを (Brightmail がスパムに対して返した判断が spam-folder であると仮定) Junkというフォルダに保存する。Junk がない場合は、spam-folder というフォルダに保存する
デフォルト : none
BRIGHTMAIL_CONFIG_FILE (パス)
Brightmail を有効にするために必要。Brightmail 設定ファイルのフルパスと名前を指定する。Brightmail_library とともに指定すると、MTA が Brightmail を統合して使用できる。SpamAssassin とともに使用できる
例: /opt/mailwall/config
デフォルト : なしBRIGHTMAIL_LIBRARY (パス)
Brightmail を有効にするために必要。Brightmail SDK 共有ライブラリのフルパスと名前を指定する。Brightmail_config_file とともに指定すると、実行時に MTA によって読み込まれる。SpamAssassin とともに使用できる
例: /opt/mailwall/lib/libbmiclient.so デフォルト : なし
BRIGHTMAIL_NULL_ACTION
Brightmail の判断が Brightmail 設定ファイル内の NULL アクションに一致するときに実行する Sieve コマンドを、オプションの if-then-else 文* とともに指定する。たとえば、Brightmail 設定ファイルが次の場合 :
blSWClientDestinationLocal: spam|
「 | 」の後に null または何もない場合は、null アクションを意味する。メッセージの判断が spam の場合、つまり「 | 」の前が spam に一致する場合、null アクションが MTA によって実行される デフォルトのアクションは discard であり、Brightmail が null アクションで実行するものと一致するため、通常このオプションを指定する必要はない。SpamAssassin とともに使用できる。
Sieve コマンドのテンプレートは次のとおり :
data:,[require "command";] command;
reject および fileinto には、require 文が必要。デフォルト : data:,discard;
BRIGHTMAIL_OPTIONAL
1 にセットすると、MTA が Brightmail SDK をロードする初期化ルーチンの呼び出しに失敗した場合、MTA は Brightmail が無効であるかのように続ける。MTA がすでに Brightmail と通信していて、Brightmail が応答しなくなった場合には、この設定は効果がない。その場合は、MTA が一時エラーを SMTP クライアントに返す
デフォルト : 0
BRIGHTMAIL_STRING_ACTION
Brightmail の判断が Brightmail 設定ファイル内のアクションの文字列に一致するときに実行する Sieve コマンドを、オプションの if-then-else 文* とともに指定する。SpamAssassin とともに使用できる。たとえば、使用する Brightmail 設定ファイルが次の場合
blSWClientDestinationLocal: spam|spam-folder
この場合、spam-folder が文字列となる。判断が spam である場合、この判断に一致する文字列が存在する。文字列が指定されたときのデフォルトのアクションは、メッセージをそのフォルダに保存することなので、このオプションはほとんど使用されない
Sieve コマンドのテンプレートは次のとおり :
data:,[require "command";] command;
reject および fileinto には、require 文が必要。デフォルト : data:,require "fileinto"; fileinto "$U";
$U は、blSWClientDestinationLocal 値で | の右側にある文字列 (上記の例の場合は、spam-folder)
BRIGHTMAIL_VERDICT_n
Brightmail_verdict_n および Brightmail_action_n は対応するペアであり、n は 0 から 9 の数字。Brightmail の判断をデフォルトの解釈とする場合は、通常これらのオプションは指定しない。このオプションに指定できる値は、Brightmail 設定ファイルのオプション blSWClientDestinationLocal (ローカルドメインの場合) または blSWClientDesintationForeign (ドメインがローカルでない場合) の | の右側の値として指定できる。使用例は次のとおり :
blSWClientDestinationLocal=spam|spamfolder
Brightmail_verdict_0=spamfolder (| の左側にある spam ではなく) にしたいと思うかもしれない。直感的にはそう思えないとしても、実際に動作するのはこの方法である
デフォルト : none
CACHE_DEBUG (0 または 1)
1 に設定すると、さまざまな MTA コンポーネントに対して、終了前に、ドメイン、エイリアス、逆引きキャッシュの情報をデバッグログファイルに書き込むよう指示する
CHANNEL_TABLE_SIZE
(整数 <= 32,767)
チャネルテーブルのサイズを制御する。設定ファイル内の合計チャネル数は、この値を超えることができない。デフォルト値は 256 で、最大値は 32,767
CIRCUITCHECK_COMPLETED_BINS
(最高 8 個の整数をコンマで区切った一覧)
MTA 回路チェックカウンタの bin 部分を指定する (秒)。デフォルト値は 120、300、900、1800、3600、7200、14400、および 28800 (それぞれ 2分、5 分、30 分、1 時間、2 時間、4 時間、および 8 時間)
CIRCUITCHECK_PATCHS_SIZE
(整数 <= 256)
回路チェックパステーブルのサイズを制御する。そのため、回路チェック設定ファイルのエントリの総数は指定した数を超えることができない。デフォルトは 10
COMMENT_CHARS (整数リスト)
MTA 設定ファイルの comment 文字を設定する。このオプションの値は、10 進形式の ASCII 値のリストの形式をとる。デフォルトは {33, 59} のリストで、コメントの最初の文字として感嘆符とセミコロンを指定する
CONTENT_RETURN_BLOCK_LIMIT (整数)
通知メッセージ内で返される、送信元のメッセージの最大サイズを指定する。元のメッセージ内容が指定したサイズより大きい場合、メッセージは通知メッセージ内に返されない。単位はブロック (BLOCK_SIZE を参照)
CONVERSION_SIZE
(整数 <= 2000)
変換エントリテーブルのサイズを制御する。そのため、変換ファイルのエントリ数はこの数を超えることができない。デフォルトは 32
DEFER_GROUP_PROCESSING
メールグループがオンラインで展開される (たとえば tcp_smtp_server をキューに入れる) またはオフラインで展開される (reprocess チャネルに変更されないグループアドレスをキューに入れる) かどうかは、グループの LDAP エントリにある mailDeferprocessing 属性によって制御される。その属性がない場合、システムの動作は DEFER_GROUP_PROCESSING オプションによって制御される。この値が設定される場合、mailDeferProcessing 属性のないメールグループはオフラインで展開される。それ以外の場合は、オンラインで展開される。
デフォルトは 1 (yes)
DELIVERY_OPTIONS
mailDeliveryOption 属性から適切なアドレスへの変換を制御する。このオプションは、許容される mailDeliveryOption 値それぞれがどんなアドレスを生成するかだけではなく、mailDeliveryOption に許容される値は何か、またそれぞれの値がユーザー、グループ、あるいはその両方に該当するかどうかを指定する。このオプションの値は、deliveryoption=template がペアになったコンマ区切りのリストで、それぞれのペアには 1 つ以上のオプションの単一文字プレフィックスがある
デフォルト :
DELIVERY_OPTIONS=*mailbox=$M%$¥¥$2I$_+$2S@ims-ms-daemon,&members=*, *native=$M@native-daemon,/hold=@hold-daemon:$A,*unix=$M@native-daemon,&file=+$F@native-daemon,&@members_offline=*,program=$M%$P@pipe-daemon,#forward=**,*^!autoreply=$M+$D@bitbucket
DEQUEUE_DEBUG (0 または 1)
MTA のメッセージ取り出し機能 (QU) からデバッグ出力を生成するかどうかを指定する。1 の値を使って有効になっている場合は、QU ルーチンを使用するすべてのチャネルでこの出力が生成される。デフォルトは 0 で、この出力は無効になっている
DEQUEUE_MAP (0 または 1)
キューから取り出す際に、メッセージをマップするかどうかを決定する。デフォルトは 1
DOMAIN_FAILURE
ドメイン検索が失敗した場合に、使用するテンプレートを指定する
デフォルト : reprocess-daemon$Mtcp_local$1M$1~-error$4000000?Temporary lookup failure
DOMAIN_HASH_SIZE
(整数 <= 32,767)
ドメイン書き換えルールのハッシュテーブルのサイズを制御する。設定ファイルの各書き換えルールは、このハッシュテーブルで 1 つのスロットを使用する。そのため、書き換えルールの数はこのオプションの値を超えることができない。デフォルト値は 512 で、書き換えルールの最大数は 32,767
DOMAIN_MATCH_CACHE_SIZE
キャッシュのサイズの最大値を設定する
デフォルト : 100000
DOMAIN_MATCH_CACHE_TIMEOUT
キャッシュ内のエントリのタイムアウトを設定する
デフォルト : 600 (秒)
DOMAIN_MATCH_URL
バニティドメインチェックの URL を設定する。このオプションの値は次の値に設定する必要がある :
ldap:///$B?msgVanityDomain?sub?(msgVanityDomain=$D)
DOMAIN_UPLEVEL (整数、0-3)
MTA ドメインと電子メールアドレスのルックアップを制御する。2 ビットのバイナリ値 (0-3) を指定できる。ビット 0 (最下位ビット) はドメインルックアップを制御する。ビット 1 (最上位ビット) はアドレスルックアップを制御する。xxx にこの制御の詳細を説明する
たとえば MTAが desert.island.siroe.com に対してドメインルックアップを実行している場合、DOMAIN_UPLEVEL の値が 1 または 3 だと desert.island.siroe.com、island.siroe.com、siroe.com、および com をルックアップするように指定する。値が 0 または 2 の場合は、desert.island.siroe.com だけをルックアップするように指定する。同様に、MTAが rcrusoe@desert.island.siroe.com に対してアドレスルックアップを実行している場合、DOMAIN_UPLEVEL の値が 2 または 3 だと rcrusoe@desert.island.siroe.com、rcrusoe@island.siroe.com、rcrusoe@siroe.com、および rcrusoe@desert.island.siroe.com のドメインエイリアスに対する MTA 検索を指定する。DOMAIN_UPLEVEL の値が 0 または 1 の場合は、rcrusoe@desert.island.siroe.com だけに対する MTA 検索を指定する
デフォルト: 0
EXPANDABLE_DEFAULT
(整数 0 または 1)
デフォルトで、一覧を拡張表示できるかどうかを指定する。このオプションを 1 に設定すると、SMTP EXPN コマンドが有効になる。1 がデフォルトで、メール一覧の拡張表示が可能
EXPROUTE_FORWARD
(整数 0 または 1)
メッセージヘッダーにおける送信用アドレス (To、Cc、および Bcc の行) のexproute チャネルキーワードに関する使用を制御する。デフォルト値は 1 で、これは exproute が前方を探すアドレスに影響するように指定するものである。値が 0 の場合は、前方を探すアドレスにおける exproute キーワードによるアクションが無効となる
FILE_MEMBER_SIZE
設定に貢献したファイルの一覧を追跡するテーブルの、最大サイズを指定する
FILTER_DISCARD (1 または 2)
メールボックスフィルタのパージアクションによって、パージメッセージをすぐにパージするか、FILTER_DISCARD チャネルに送るかを制御する。FILTER_DISCARD チャネルでは、そのようなメッセージをパージするまでの短い間保持する。デフォルトは FILTER_DISCARD=1 で、メールボックスフィルタによってパージされるメッセージをすぐにパージする。FILTER_DISCARD=2 に設定すると、パージするメッセージを filter_discard チャネルに転送する。
HEADER_LIMIT (整数)
最大のヘッダーサイズを指定する。メッセージのヘッダーがこの制限を超えた場合、このメッセージは拒否されるデフォルトは 2000
HISTORY_TO_RETURN (1-200)
返送されたメッセージに挿入される配信試行回数の履歴を制御する。配信履歴には、配信が試行された回数と、場合によっては配信が失敗した理由が表示される。このオプションのデフォルト値は 20
HELD_SNDOPR (整数 0 または 1)
Received: ヘッダー行の数が多すぎるためにメッセージが .HELD 状態になったときに syslog メッセージが生成されないことを制御する。デフォルトは 0 で、Received: ヘッダー行の数が多すぎるためにメッセージが .HELD 状態になったときに syslog メッセージが生成されないことを指定する。値 1 は、syslog メッセージが作成されることを指定する
HOST_HASH_SIZE
(整数 <= 32,767)
チャネルホストハッシュテーブルのサイズを制御する。MTA 設定ファイルのチャネル定義に指定された各チャネルホスト (正規のホストとエイリアス) は、このハッシュテーブルで 1 つのスロットを使用するため、チャネルホストの総数は指定された値を超えることができない。デフォルト値は 512 で、許容最大値は 32,767
ID_DOMAIN (U.S. ASCII 文字列)
メッセージ ID を作成するときに使用するドメイン名を指定する。デフォルトでは、ローカルチャネルの正規ホスト名が使用される
IMPROUTE_FORWARD
(整数 0 または 1)
メッセージヘッダーにおける前方を探すアドレス (To、Cc、および Bcc の行) の improute チャネルキーワードに関する使用を制御する。デフォルト値は 1 で、これは improute が前方を探すヘッダードレスに影響するように指定するものである。値が 0 の場合は、前方を探すアドレスの improute キーワードによるアクションが無効になる
LDAP_ADD_HEADER
メッセージヘッダーが存在する場合にヘッダーに追加するヘッダーフィールド値を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAddHeader が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_ALIAS_ADDRESSES
mailAlternateAddress 属性の値の使用を上書きするために使用できる
LDAP_ATTR_DOMAIN_SEARCH_FILTER
ドメイン検索パターンを含むグローバルの Sun ONE LDAP Schema, v2 ドメイン検索テンプレートにある LDAP 属性名を指定する。このオプションは、LDAP_GLOBAL_CONFIG_TEMPLATE が設定されていない場合は無視される。このオプションのデフォルト値は inetDomainSearchFilter
LDAP_ATTR_DOMAIN1_SCHEMA2
Sun ONE LDAP Schema, v2 が使用するプライマリドメイン属性のための LDAP 属性名を指定する。デフォルト値は、sunPreferredDomain
LDAP_ATTR_DOMAIN2_SCHEMA2
Sun ONE LDAP Schema, v2 が使用するセカンダリドメイン属性のための LDAP 属性名である。デフォルト値は、associatedDomain
LDAP_ATTR_MAXIMUM_MESSAGE_SIZE
グループへ送信できる最大のメッセージサイズ (バイト数) を指定するために使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpMsgMaxSize が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_AUTH_DOMAIN
ユーザーがそこからメッセージをメールグループに送信することを許可されるドメイン (サブドメインも含む) を識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAllowedDomain が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_AUTH_PASSWORD
(メーリング) リストに投稿するために必要なパスワードを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAuthPassword が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_AUTH_POLICY
ブロードキャスタのアドレスのリストにアクセスするために必要な、認証のレベルを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpBroadcasterPolicy が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_AUTH_URL
メッセージをメールグループに送信することを許可されたメールユーザーを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAllowedBroadcaster が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_AUTOSECRETARY
自動応答情報を保存する場所を制御する URL を指定する。このオプションが指定され属性が存在する場合、Messaging Server の自動応答機能で利用できるように値を保存する。LDAP_DOMAIN_ATTR_AUTOSECRETARY MTA オプションによって設定されるドメインレベル属性は、ユーザーエントリの値がない場合に、この URL のソースとして使用される
LDAP_BLOCKLIMIT
このユーザーまたはグループへ送信できるMTA ブロック単位のサイズ制限を指定するために使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailMsgMaxBlocks が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_CANT_DOMAIN
ユーザーがそこからメッセージをメールグループに送信することを許可されないドメインを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpDisallowedDomain が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_CANT_URL
メッセージをメールグループに送信することを許可されないメールユーザーを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpDisallowedBroadcaster が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_CAPTURE
1 つ以上のメッセージ取り込みのアドレスを指定するのに使用する属性を指定する
デフォルトなし
LDAP_CONVERSION_TAG
このユーザーまたはグループへのメッセージに添付される変換タグに使用する LDAP 属性を指定する。タグ特有の変換動作は、MTA 構成内で指定される。通常、このオプションは、デフォルト値 mailConversionTag が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DEFAULT_ATTR
単一の結果を返すことになっている URL に対する LDAP クエリに属性が指定されていない場合、デフォルトの属性を指定する
LDAP_DEFAULT_DOMAIN
service.defaultdomain configutil パラメータを上書きする
LDAP_DELIVERY_FILE
メーリングリストに送信されたすべてのメッセージに付加される、ファイルの完全指定ローカルパスを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDeliveryFileURL が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DELIVERY_OPTION
メール受取人の配信オプションを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDeliveryOption が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DISK_QUOTA
ユーザーのメールボックスに使用できるディスク容量 (バイト数) を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailQuota が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_ALIAS
Sun ONE LDAP Schema, v1 内でほかのドメインのノードへのポインタを含む LDAP 属性名を指定する デフォルト値は、aliasedObjectName
LDAP_DOMAIN_ATTR_AUTOREPLY_TIMEOUT
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_AUTOSECRETARY
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_BASEDN
Sun ONE LDAP Schema, v1 内で指定したドメインに関連付けられたユーザーサブツリーの、baseDN を含む LDAP 属性名を指定する。Sun ONE LDAP Schema, v2 モードでは、この属性はドメインインデックスノードによってポイントされる (ユーザーが置かれている) 標準組織ノードを指定する。デフォルト値は、inetDomainBaseDN
LDAP_DOMAIN_ATTR_BLOCKLIMIT
このドメイン内のアドレスへ送信されるすべてのメッセージに対して MTA ブロック単位のサイズ制限を指定するために使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainMsgMaxBlocks が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_CANONICAL
Sun ONE LDAP Schema, v1 ドメインエントリと関連付けられた標準ドメイン名を含む LDAP 属性名を指定する。デフォルト値は、inetCanonicalDomainName
LDAP_DOMAIN_ATTR_CATCHALL_ADDRESS
ドメイン内のどのユーザーまたはグループとも一致しないアドレスを置き換えるアドレスを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainCatchallAddress が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_CONVERSION_TAG
ドメイン内の任意のユーザーへのメッセージに添付する 1 つ以上の変換タグに使用する LDAP 属性を指定する。タグ特有の変換動作は、MTA 構成内で指定される。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainConversionTag が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_DISK_QUOTA
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_FILTER
ドメイン内の全ユーザーに対する Sieve フィルタを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainSieveRuleSource が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_MAIL_STATUS
メールステータスを指定するのに使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainStatus が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_MESSAGE_QUOTA
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_OPTIN (ASCII)
ドメイン単位で Brightmail を有効にするために使用する LDAP 属性の名前。宛先ドメインに適用される。オブジェクトクラス mailDomain 内にある必要がある以外は、LDAP_optin と同様。
デフォルト : none
LDAP_DOMAIN_ATTR_PRESENCE
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_RECIPIENTCUTOFF
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_RECIPIENTLIMIT
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_REPORT_ADDRESS
ドメイン内の受取人アドレスに関連する問題を報告するために、DSN 内の「From:」アドレスヘッダーを指定するための LDAP 属性を指定する。また、ローカル以外のアドレスに関連するエラーについて、ドメイン内のユーザーに問題を報告するときにも使用される。この属性が設定されない場合、報告アドレスは、デフォルトの「postmaster@domain」になる。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainReportAddress が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_ROUTING_HOSTS
このドメイン内のユーザー、および他のドメイン内に含まれているすべてのユーザーのルーティングを決定する MTA の、完全指定ホスト名を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRoutingHosts が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_SOURCEBLOCKLIMIT
デフォルトなし
LDAP_DOMAIN_ATTR_SMARTHOST
ローカルディレクトリ内で検出されないユーザーのメール処理を実行するメールサーバーの、完全指定ホスト名を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRoutingSmarthost が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_STATUS
メールドメインの現在の状態 (active、inactive、deleted、または hold) を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainStatus が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_ATTR_UID_SEPARATOR
デフォルトメールボックス (M バイト) のホームを上書きするための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 domainUidSeparator が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_DOMAIN_FILTER_SCHEMA1
これは、Sun ONE LDAP Schema, v1 ドメインルックアップで使用する LDAP 検索フィルタ
デフォルト : (|(objectclass=inetDomain)(objectclass=inetdomainalias))
LDAP_DOMAIN_FILTER_SCHEMA2
これは、Sun ONE LDAP Schema, v2 ドメインルックアップで使用する LDAP 検索フィルタ
デフォルト : (objectclass=sunManagedOrganization)
LDAP_DOMAIN_ROOT
設定すると、service.dcroot configutil パラメータを上書きする。
LDAP_END_DATE
休暇終了日属性を指定する
デフォルト : vacationEndDate
LDAP_EQUIVALENCE_ADDRESSES
mailEquivalentAddress 属性を上書きするのに使用される。
LDAP_ERRORS_TO
メッセージがこの (メーリング) リストに送信されたときに生成されるエラーメッセージの受取人を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpErrorsTo が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_EXPANDABLE
SMTP EXPN コマンドの一部として、グループの展開のチェックのための属性を指定する
デフォルト : mgmanMemberVisibility
LDAP_FILTER
メールをフィルタする Sieve ルールを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailSieveRuleSource が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_FORWARDING_ADDRESS
デフォルト : mailForwardingAddress
LDAP_GLOBAL_CONFIG_TEMPLATES
ドメイン検索のための、グローバルな Sun ONE LDAP Schema, v2 ドメインテンプレートを含む LDAP baseDN を指定する。このオプションの使用は推奨しない。デフォルト値はない
LDAP_GROUP_DN
名前の一意性を確実にするために、各名前に uniqueIdentifier が指定された名前のグループのメンバーを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 uniqueMember が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_GROUP_MAIL_STATUS
メール固有のグループステータス属性を制御する
LDAP_GROUP_OBJECT_CLASSES
グループの別のオブジェクトクラスのセットを指定する
LDAP_GROUP_RFC822
メールグループに送信されたメールの受取人を識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpRFC822MailMember (または下位互換性のための rfc822MailMember) が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_GROUP_STATUS
グループの、代替となる一般ステータス属性を選択するために使用する
LDAP_GROUP_URL1
メールグループのメンバーシップを指定する代替方法として使用される LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpDeliverTo が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_GROUP_URL2
エクスパンドするとメーリングリストのメンバーのアドレスが一覧表示される URL のリストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 memberURL が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_HASH_SIZE
LDAP 属性名の内部テーブルのサイズを指定する
LDAP_HOST (ホスト名)
設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.ugldaphost configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。
LDAP_HOST_ALIAS_LIST
設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.imta.hostnamealiases configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。
LDAP_LOCAL_HOST
設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.hostname configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。
LDAP_MAIL_REVERSES
アドレス逆引きの候補を含むアドレスを検索する属性のリストを指定する。このオプションを設定しないと、local.imta.schematag configutil パラメータがチェックされ、その値にしたがって適切なデフォルト属性のセットが選択される
LDAP_MAILHOST
この受取人に送信されたメッセージの最終的な宛先を示す、MTA の完全指定ホスト名を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailhost が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_MESSAGE_QUOTA
ユーザーに許可されたメッセージの最大数を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailMsgQuota が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_MODERATOR_URL
この (メーリング) リストにメッセージを送信することを許可されたモデレータを識別するための LDAP URI または mailto URL を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpModerator が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_OPTIN (ASCII)
ユーザー単位で Brightmail を有効にするために使用する LDAP 属性の名前。これは、inetMailUser オブジェクトクラス内の属性である必要がある。ほかに定義済みの属性がない場合、mailAntiUBEService を使用する
値そのものは (例 : mailAntiUBEService) 複数の値を指定可能で、大文字小文字を区別する。値は小文字で、spam または virus のどちらかとなる。ユーザーが両方を選択する場合、1 つは span を含む属性、1 つは virus を含む属性の 2 つの属性を指定することになる
デフォルト : none
LDAP_PASSWORD
設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.ugldapbindcred configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。
LDAP_PERSONAL_NAME
デフォルトなし
LDAP_PORT (整数)
LDAP クエリを実行する際に接続する、ポートを指定する。デフォルトは、標準の LDAP ポート番号 389
LDAP_PREFIX_TEXT
メッセージテキストの先頭に追加されるテキストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpMsgPrefixText が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_PRESENCE
ユーザーのプレゼンス情報を返すために解決する URL を指定する。このオプションが指定され属性が存在する場合、Sieve プレゼンステストと連動して使用できるように値を保存する。LDAP_DOMAIN_ATTR_PRESENCE MTA オプションによって設定されるドメインレベル属性は、ユーザーエントリの値がない場合に、この URL のソースとして使用される
LDAP_PRIMARY_ADDRESS
mail 属性に一般的に保存されるプライマリアドレスを指定するために使用する LDAP 属性を上書きする
LDAP_PROGRAM_INFO
プログラム配信に使用する 1 つ以上のプログラムを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailProgramDeliveryInfo が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_RECIPIENTLIMIT
デフォルトなし
LDAP_RECIPIENTCUTOFF
デフォルトなし
LDAP_REJECT_ACTION
その後のアクセスチェックのどれかが失敗したときに何が生じるかを制御する、単一の値の属性。TOMODERATOR の 1 つの値だけが定義されており、設定すると、mgrpModerator 属性で指定したモデレータにアクセスのエラーをすべてリダイレクトするよう、MTA に指示する。デフォルト (およびこの属性のほかの値すべて) では、エラーを報告し、メッセージは拒否される
デフォルト : mgrpMsgRejectAction
LDAP_REJECT_TEXT
認証属性のいずれかによってメッセージが拒否される場合に返されるテキストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRejectText が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_REMOVE_HEADER
メッセージヘッダーが存在する場合にヘッダーから削除するヘッダーフィールドを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpRemoveHeader が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_REPROCESS
オフラインのメール処理に使用する属性を指定する
デフォルト : mailDeferProcessing
LDAP_ROUTING_ADDRESS
アドレスを今処理するか別のシステムに転送するかを判断するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRoutingAddress が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_SCHEMALEVEL
値を 2 に設定すると、Sun ONE LDAP Schema, v2 のサポートを有効にする
LDAP_SCHEMATAG
特に MTA で local.imta.schematag configutil パラメータの設定を上書きするために使用される
LDAP_SOURCEBLOCKLIMIT
デフォルトなし
LDAP_SPARE_1
カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし
LDAP_SPARE_2
カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし
LDAP_SPARE_3
カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし
LDAP_SPARE_4
カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし
LDAP_SPARE_5
カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし
LDAP_START_DATE
休暇開始日属性を指定する
デフォルト : vacationStartDate
LDAP_SUFFIX_TEXT
テキストメッセージに追加するテキストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpMsgSuffixText が標準スキーマに対応するため、設定されない
LDAP_TIMEOUT (整数)
LDAP クエリがタイムアウトになるまでの待機時間を、100 分の 1 秒単位で制御する。デフォルトは 180000
LDAP_UG_FILTER
オブジェクトクラスの設定は、ユーザーまたはグループに正しいオブジェクトクラスがエントリにあるかを確認するために使用される、実際の LDAP 検索フィルタの構築に使用される。このフィルタは、$K メタ文字を経由してアクセスできる。また、コマンド imsimta cnbuild -option が使用されたときの LDAP_UG_FILTER と同様、チャネルプログラムで使用するために MTA の設定に内部的に保存され、MTA オプションファイル option.dat に書き込まれる。このオプションは、ファイルに書き込むだけである。MTA がオプションファイルから読み取ることはない
LDAP_UID
エントリのユーザー ID を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 uid が標準スキーマに対応するため、設定されない。エントリのユーザー ID を特定する
LDAP_USE_ASYNC
非同期 LDAP 検索の使用を制御する。このオプションは十進数の値。各ビットは、設定すると MTA 内の特定の LDAP の使用と連動して、非同期 LDAP 検索の使用を有効にする。この値は、ビットエンコード整数を表す 10 進整数。表 4-20 に、この値の解釈を示す
デフォルト : 0 (非同期 LDAP 検索は無効)
LDAP_USERNAME
設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.ugldapbinddn configutil パラメータの MTA の使用を上書きする
LDAP_USER_MAIL_STATUS
メール固有のユーザーステータス属性を制御する
LDAP_USER_OBJECT_CLASSES
ユーザーの別のオブジェクトクラスのセットを指定する
LDAP_USER_ROOT
設定すると、MTA の local.ugldapbasedn パラメータの使用を無効にする
LDAP_USER_STATUS
ユーザーの、代替となる一般ステータス属性を選択するために使用する
LINE_LIMIT (整数)
MTA で送受信されるメッセージにおける全行数の絶対限界値を指定する。このサイズを超えるメッセージは、すべて拒否される。デフォルトでは、行数の限界値が設定されていない。linelimit チャネルキーワードを使うと、チャネルごとに限界値を設定することができる
LINES_TO_RETURN (整数)
MTA が送信する通知メッセージを生成する際に、メッセージの内容を何行まで挿入するかを制御する。LINES_TO_RETURN オプションを 0 に設定すると、Partial Content の戻りを無効にする。メッセージ部分のヘッダーだけが返される。デフォルトは 20
LOG_CONNECTION (整数)
LOG_CONNECTION オプションは、メッセージを送っている SMTP クライアントのドメイン名などの接続情報を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。また、そのチャネルに対して logging チャネルキーワードが有効になっている場合には、接続記録の書き出しを制御する。この値は、ビットエンコードされた整数を表す十進法の整数。以下に、その解釈を示す
Bit-0 値-1: これが設定されると、接続の情報が E ログレコードと D ログレコードに含まれる
Bit-1 値-2: これが設定されると、SMTP や X.400 クライアント / サーバーなどのメッセージエンキュー / デキューエージェントによって、接続の開閉と失敗の記録がログされる
Bit-2 値-4: これが設定されると、I レコードがログされ、ETRN イベントが記録される
ビット 0 が最下位のビット
このチャネルオプションは、MTA オプションファイルに設定されている、グローバル MTA オプション LOG_CONNECTION の設定にデフォルト設定されているこのチャネルオプションを明示的に設定すると、グローバルオプションで要求される動作をチャネル単位で上書きできる
LOG_CONNECTIONS_SYSLOG (0 または 1)
MTA 接続ログファイルのエントリを syslog (UNIX) またはイベントログ (Windows NT) に送る。0 はデフォルトで、syslog (イベントログ) が実行されないことを示す。1 は syslog が実行されることを示す
LOG_SENSITIVITY (0 または 1)
メッセージの Sensitivity: ヘッダーの値をログエントリに含めるかどうかを制御する。値が 1 の場合は、そのようにログを取得する。デフォルトは 0 で、そのようなログ取得は無効になっている。ログの取得を有効にすると、接続情報の後でトランスポート情報の前に、重要度の値が整数表記でログに記録される
LOG_DELAY_BINS
配信遅延範囲カウンタ用のビンを指定する。このオプションのパラメータは、コンマで区切った最高 5 つの整数を指定する。デフォルトの値は、60、600、6000、60000、600000
LOG_FILENAME (0 または 1)
メッセージが保存されたファイルの名前を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。値が 1 の場合、ファイル名のログが有効になる。値が 0 の場合 (デフォルト) はログされない
LOG_FILTER (0 または 1)
一重引用符で囲まれたアクティブなフィルタのリストを、ログファイルのエンキューレコードの、診断フィールドの直前に書き込むかどうかを指定する。デフォルトは 0 で、リストをエンキューレコードに書き込まない
LOG_FORMAT (1、2、または 3)
mail.log ファイルのフォーマットのオプションを制御する。値が 1 (デフォルト) の場合は、標準のフォーマットとなる。値が 2 の場合は、非 null フォーマット ("<>" という文字列に変換される空のアドレスフィールド) が要求される。値 3 の場合は、カウント済みのフォーマットが要求される。すべての可変長フィールドの先頭には N が付けられる。この N は、フィールド内の文字数を示す
LOG_FRUSTRATION_LIMIT
「フラストレーション度数」の限界を指定する。プロセスでカウンタへの書き込みの試みに繰り返し失敗した場合、「フラストレーション度数」が増加していく。カウンタが限界値に達すると、そのプロセスはカウンタへの書き込みの試みを停止する
LOG_HEADER (0 または 1)
MTA により mail.log ファイルにヘッダーを書き込むかどうかを制御する。値が 1 の場合、メッセージヘッダーのログが有効になる。ログファイルに書き込まれる特定のヘッダーは、サイト提供の log_header.opt ファイルで制御される。このファイルのフォーマットは、MTA ヘッダーオプションファイルと同様である。たとえば、次の内容を含む log_header.opt ファイルの場合は、メッセージごとに最初の To ヘッダーと最初の From がログファイルに書き込まれる。値が 0 の場合 (デフォルト) は、メッセージヘッダーがログされない
To:MAXIMUM=1
From:MAXIMUM=1
デフォルト : MAXIMUM=-1
LOG_LOCAL (0 または 1)
ドメイン名を含んでいないログ済みのアドレスにローカルホストのドメイン名を追加するかどうかを制御する。値が 1 の場合はこの機能が有効になる。この機能は、MTA を実行する多数のシステムによるログを連結および処理するときに役立つ。また、値が 0 の場合 (デフォルト) は、この機能が無効になる
LOG_MESSAGE_ID (0 または 1)
メッセージ ID を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。値が 1 の場合、ID のログが有効になる。値が 0 の場合 (デフォルト) はログされない
LOG_MESSAGES_SYSLOG (0 or 1)
MTA メッセージログファイルのエントリを syslog (UNIX) またはイベントログ (Windows NT) に送る。0 はデフォルトで、syslog (イベントログ) が実行されないことを示す。1 は syslog が実行されることを示す
LOG_PROCESS (0 または 1)
MTA のログエントリにキュー処理 ID を含める
LOG_SNDOPR (0 または 1)
MTA のメッセージログ機能による syslog メッセージの生成を制御する
LOG_SIZE_BINS
メッセージサイズ範囲カウンタのビンサイズを指定する。値は、コンマで区切った最高 5 つの整数のリスト。デフォルトの値は、2、10、50、100、500
LOG_USERNAME (0 または 1)
LOG_USERNAME オプションは、メールをキューに入れるプロセスに関連付けられたユーザー名を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。認証付きの SMTP (SMTP AUTH) で送信されたメッセージは、認証されたユーザー名の前にアスタリスク * が付いたユーザーが所有しているとみなされる。値が 1 の場合は、ユーザー名をログに記録する。ユーザー名のログ取得を有効にすると、ユーザー名はログエントリで最終形のエンベロープ To: アドレスフィールドの後、LOG_MESSAGE_ID=1 も有効な場合はメッセージ ID の後に記録される。値が 0 の場合 (デフォルト) はログされない
MAIL_OFF (文字列)
(メーリング) リストのアドレスに対して、メール配信を無効にするためのコメント文字列を指定する。デフォルトは NOMAIL
MAP_NAMES_SIZE
(整数 > 0)
マッピングテーブルとネームテーブルのサイズを指定する。そのため、マッピングテーブルの総数は指定した数を超えることができない。デフォルトは 32
MAX_ALIAS_LEVELS (整数)
エイリアスの階層レベルを制御する。つまり、エイリアスをどの階層までネスティングさせるか、または 1 つのエイリアスが別のエイリアスを参照するレベルを制御する。デフォルトは 10
MAX_FILEINTOS (整数)
メールボックスフィルタの fileinto 演算子で指定されるファイルの最大数を指定する
デフォルト : 10
MAX_FORWARDS (整数)
メールボックスフィルタの forward 演算子で指定される転送先アドレスの最大数を指定する。
デフォルト : 10
MAX_HEADER_BLOCK_USE
(0 から 1 の間の実数)
メッセージブロックでどれだけの部分をメッセージヘッダーに使用するかを制御する
MAX_HEADER_LINE_USE
(0 から 1 の間の実数)
メッセージ行でどれだけの部分をメッセージヘッダーに使用するかを制御する
MAX_INTERNAL_BLOCKS (整数)
MTA がメモリに保存するメッセージの最大サイズ (MTA ブロック単位) を指定する。このサイズよりも大きいメッセージは一時ファイルに書き込まれる。デフォルトは 30 に設定されている。容量の大きいシステムの場合は、この値を大きくすることにより、パフォーマンスが向上する
MAX_LOCAL_RECEIVED_LINES (整数)
MTA がメッセージを処理する際、正規のローカルホスト名を参照するメッセージに付属する Received: ヘッダー行がスキャンされる。(MTA が挿入する Received 行にはすべてこの名前が含まれる。) この名前を含む Received 行の数が MAX_LOCAL_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留状態として MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 10 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある
MAX_MIME_LEVELS (整数)
MTA が MIME メッセージを処理する最大の深度を指定する。デフォルトは 100 に設定されている。つまり、MTA はメッセージのネスティングを最高 100 レベルまで処理する
MAX_MIME_PARTS (整数)
MTA が MIME メッセージ内で処理する MIME 部分の最大数を指定する
MAX_MR_RECEIVED_LINES (整数)
MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある MR_Received: ヘッダー行数が数えられる。MR-Received: 行の数が MAX_MR_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 20 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある
MAX_RECEIVED_LINES (整数)
MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある Received: ヘッダー行の数が数えられる。Received 行の数が MAX_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 50 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある
MISSING_RECIPIENT_POLICY (整数)
受信者ヘッダーがないメッセージを有効にする
MAX_SIEVE_LIST_SIZE (整数)
MTA Sieve スクリプトで作成されるリストに表示される文字列の数を制御する。デフォルトは 64
MAX_TOTAL_RECEIVED_LINES (整数)
MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある Received:、MR-Recieved:、および X400-Recieved: ヘッダー行の数が数えられる。これらすべてのヘッダー行の数が MAX_TOTAL_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 100 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある
MAX_URLS (整数)
アドレス逆引きに対して検索する URL を指定する。標準 LDAP URL 構文が使用されるが、LDAP_HOST オプションと LDAP_PORT オプションで指定される LDAP サーバーとポートは省略される
MAX_X400_RECEIVED_LINES (整数)
MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある X400-Received: ヘッダー行の数が数えられる。Received: 行の数が MAX_X400_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 50 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある
NORMAL_BLOCK_LIMIT (整数)
サイズに基づいたメッセージの優先度を下げるように MTA に指示を出す。指定したサイズよりも大きいメッセージは、優先度が緊急ではないレベルになる。これにより、メッセージの処理の優先度も影響を受ける。つまり、ジョブコントローラがメッセージを処理するスピードである
NON_URGENT_BLOCK_LIMIT (整数)
サイズに基づいたメッセージの優先度を下げるように MTA に指示を出す。指定したサイズよりも大きいメッセージは、優先度が緊急ではないレベルよりも低くなる。この値は、BLOCK_SIZE オプションで指定した MTA ブロックの条件に基づいて解釈される。また、nonurgentblocklimit チャネルキーワードを使って、チャネルごとに低下のしきい値を指定することもできる
NOTARY_DECODE_FLAGS (-1、0 または 1)
エンコードされた語のデコード条件を指定する。NOTARY_DECODE_FLAGS を 1 に設定すると、%H 置換によって DSN の先頭部分に追加された元のメッセージヘッダーのサブセットは、デコードされ、先頭部分の文字セットに一致するように変換される。値が 0 の場合、先頭部分の文字セットに一致する、ヘッダーにあるエンコードされた語のサブセットがデコードされるが、文字セットの変換は行われない。値が -1 の場合、エンコードされた語のデコードは無条件で行われない
1 に設定して使用するときは、情報の損失が起こるおそれがあり、また、UTF-8 のように情報量の多い文字セットが ISO-8859-1 や US-ASCII のように限定された文字セットに変換される場合に混乱が起こるおそれがあるため、注意が必要
デフォルトは 0
OR_CLAUSES (0 または 1)
メーリングリストのアクセス制御で、AND ではなく、デフォルトで OR が使用されるように指定する
POST_DEBUG (0 または 1)
デバッグの出力が MTA の周期配信ジョブで生成されるかどうかを指定する。1 の値を使って有効になっている場合は、post.log ファイルにこの出力が生成される。デフォルトは 0 で、この出力は無効になっている
RECEIVED_DOMAIN (文字列)
Received ヘッダーを作成するときに使用するドメイン名を設定する。デフォルトでは、ローカルチャネルの正規ホスト名が使用される
RECEIVED_VERSION (文字列)
Received: ヘッダー行を作成するときに使用する Sun ONE Messaging Server のバージョン文字列を設定する。デフォルトでは、文字列 "(Sun ONE Messaging Server version-info)" が使用される。デフォルトの使用が強く推奨される。このオプションは、推奨されていない CUSTOM_VERSION_STRING TCP/IP SMTP チャネルオプションを補足するものである
上記の説明で、Received: ヘッダー行の作成に注意すること。つまり、このオプションは、既存の Received: ヘッダー行を変更するわけではなく、新しい Received: ヘッダー行を作成するときに使われるものに影響を与える。このオプションは省略可能。CUSTOM_VERSION_STRING オプションは使用すべきではない
ASCII 文字列以外の文字列も指定できるが、その場合 MTA は、ASCII 以外の文字を MIME エンコードする必要がある。MIME エンコードされたヘッダー行のユーザーエージェントによる処理は常に有効とは限らないため、ASCII 以外の値の指定は勧められない。この値を ASCII 文字列にすることが厳密に制限されているわけではないが、ASCII 以外の文字列の使用は勧められない
RETURN_ADDRESS (文字列)
ローカル postmaster の返信アドレスを設定する。ローカル postmaster のアドレスはデフォルトで「postmaster@ローカルホスト」に設定されているが、希望のアドレスと置き換えることができる。この場合、アドレスの選択には注意する。不正なアドレスを選択すると、高速のメッセージループが発生し、膨大な数のエラーメッセージが返されることになる
RETURN_DEBUG (0 または 1)
毎終日実行するメッセージバウンサーバーッチジョブのデバッグ出力を有効または無効に設定する。値が 0 の場合はこの出力 (デフォルト) が無効になり、1 の場合は有効になる。デバッグ出力が有効になっている場合、その出力は出力ログファイルに記録される。出力ログファイルの有無は、返送ジョブの crontab エントリによって制御される
RETURN_DELIVERY_HISTORY
(0 または 1)
配信試行の履歴を返送メッセージに挿入するかどうかを制御する。配信履歴には、配信が試行された回数と、場合によっては配信に失敗した理由が表示される。値が 1 の場合 (デフォルト) はこの情報が履歴に含まれ、値が 0 の場合は含まれない。HISTORY_TO_RETURN オプションは、どれだけの履歴情報が実際に返されるかを制御する
RETURN_ENVELOPE (整数)
1 つの整数値を受け入れ、それを一連のビットフラグとして解釈する。ビット 0 (値 = 1) は、MTA が生成した返送通知を空白のエンベロープアドレスまたはローカル postmaster のアドレスのどちらで書き込むかを制御する。ビットを設定することにより、ローカル postmaster のアドレスが強制的に使用され、ビットをクリアすると空白のアドレスが強制的に使用される。RFC 1123 の規制により、空白アドレスの使用が義務付けられているが、システムによっては blank-envelope-from-address を正しく処理できないため、このオプションを使用する。ビット 1 (value = 2) は、MTA ですべての空白エンベロープアドレスをローカル postmaster のアドレスと置き換えるかどうかを制御する。このオプションも、RFC 821、RFC 822、または RFC 1123 に準拠しないシステムに使用する。returnenvelope チャネルキーワードを使うと、チャネルごとにこの種の制御機能を使用できる
RETURN_PERSONAL (文字列)
MTA が postmaster メッセージ (例: 返送メッセージ) を生成するときに使用する個人名を指定する。MTA は、デフォルトで Internet Mail Delivery という文字列を使用する
RETURN_UNITS (0 または 1)
メッセージ返送システムが使用する時間単位を制御する。値 0 は、日数を選択する。値 1 は、時間数を選択する。デフォルトでは、日数が使用される。返送ジョブのスケジュールは、local.schedule.return_job configutil パラメータによって制御される
REVERSE_ADDRESS_CACHE_SIZE
アドレス逆引きキャッシュのサイズの最大値を指定する
デフォルト : 100000
REVERSE_ADDRESS_CACHE_TIMEOUT
アドレス逆引きキャッシュ内のエントリのタイムアウトを、秒単位で指定する
デフォルト : 600
REVERSE_ENVELOPE (0 または 1)
MTA がエンベロープの From アドレスとヘッダードレスにアドレス逆引きを適用するかどうかを制御する。USE_REVERSE_DATABASE オプションが 0 に設定されている場合、または逆引きデータベースと逆引きマッピングが存在しない場合、このオプションは適用されない。デフォルトは 1 に設定されており、MTA がデータベースをエンベロープの From アドレスに適用しようとする。一方、値が 0 の場合はアドレス逆引きデータベースが使用されない
REVERSE_URL (URL)
アドレス逆引きに対して検索する URL を指定する。標準 LDAP URL 構文が使用されるが、LDAP_HOST オプションと LDAP_PORT オプションで指定される LDAP サーバーとポートは省略される
ROUTE_TO_ROUTING_HOST (0 または 1)
1 に設定すると、Messaging Server は、ドメインに関連付けされたすべてのアドレスを、mailRoutingHosts 属性にリストされた最初のホストに転送する。値 0 は、現行の mailRoutingHosts 属性に一致しないエラーによって、ドメインがローカルではないとして扱われてしまい、アドレスは書き換えルールに従って転送される。デフォルトは 0
SEPARATE_CONNECTION_LOG
(0 または 1)
LOG_CONNECTION =1 の設定によって生成された接続ログ情報を通常の MTA メッセージログファイルである mail.log* に保存するか、または connection.log* ファイルに別途保存するかを制御する。値がデフォルトの 0 に設定されている場合、接続ログ情報は通常のメッセージログファイルに保存される。値が 1 の場合、接続ログ情報は別途保存される
SNDOPR_PRIORITY (整数)
syslog メッセージの syslog レベルまたは Windows NT イベントログエントリの機密度を設定する
syslog の場合、このオプションは syslog 呼び出しの優先度引数に相当する。この機能と機密度は、両方とも、希望の値に論理 OR 演算子を適用することで設定できる。Solaris で有効な値の定義については、/usr/include/sys/syslog.h を参照する。SNDOPR_PRIORITY オプションと syslog メッセージの処理方法の設定は、syslog.conf ファイルで制御して必ず調整する
デフォルトは、UNIX では 5、Windows NT では 1
STRICT_REQUIRE (0 または 1)
必須の節の場所に対し、厳密な Sieve 準拠を強制する。デフォルトは 0
STRING_POOL_SIZE
(整数 <= 10,000,000)
書き換えルールテンプレートとエイリアスリストメンバーを保持するためのストリングプールに割当てられる文字スロットの数を制御する。これらの設定部分とエイリアスファイルによって使われる文字の総数が限界値を超えると、致命的なエラーが発生する。デフォルト値は 60,000 で、許容最大値は 10,000,000
URGENT_BLOCK_LIMIT (整数)
サイズに基づいたメッセージの優先度を下げるように MTA に指示を出す。指定したサイズよりも大きいメッセージは、優先度が通常のレベルまで下げられる。この優先度は、ジョブコントローラがメッセージを処理する優先度に影響を与える。この値は、BLOCK_SIZE オプションで指定している MTA ブロックの条件に基づいて解釈される。また、urgentblocklimit チャネルキーワードを使って、チャネルごとに低下のしきい値を指定することもできる
USE_ALIAS_DATABASE (0 または 1)
MTA がエイリアスデータベースをローカルアドレス用のシステムエイリアスソースとして使用するかどうかを制御する。値が 1 (デフォルト) の場合は、MTA がエイリアスデータベースをチェックする (データベースが存在する場合)。値が 0 の場合、エイリアスデータベースは使用されない
USE_DOMAIN_DATABASE (0 または 1)
ドメインデータベースの使用を制御する。値が 1 (デフォルト) の場合は、MTA がドメインデータベースをチェックする (データベースが存在する場合)
USE_FORWARD_DATABASE (整数)
転送データベースの使用を制御する
USE_ORIG_RETURN
ビットエンコードフィールドを制御する
USE_PERMANENT_ERRORS (0-15)
MTA によって返されたあるエラーが、一時的と永久的、どちらでマークされているかどうかを制御する。このオプションの各ビットは、特定のエラー条件に対応している。設定すると、このオプションによって MTA が永久的なエラーを返す。この値は、ビットエンコード整数を表す 10 進整数。表 4-18 に、この値の解釈を示すデフォルトは 0
USE_PERSONAL_ALIASES (0 または 1)
MTA が個人用のエイリアスデータベースを、ローカルアドレスのエイリアスのソースとして使用するかどうかを制御する。デフォルトは 1 で、MTA がエイリアスデータベースをチェックする (データベースが存在する場合)。値 0 は、個人用エイリアスを無効にし、すべてのユーザーで使用不可にする
USE_REVERSE_DATABASE (0-31)
MTA がアドレス逆引きデータベースと REVERSE マッピングを代替アドレスのソースとして使用するかどうかを制御する。この値は、ビットエンコード整数を表す 10 進整数。表 4-19 に、この値の解釈を示す
ビット 0 は重要性が最も低いビット。
USE_REVERSE_DATABASE のデフォルト値は 5。これは MTA がエンベロープの From アドレスとフォワードおよび後方を探すアドレスを逆引きしてから、通常のアドレス書き換え処理に渡すことを意味する。REVERSE マッピングと逆引きデータベースには、簡単なアドレス文字列がある。値が 0 の場合、アドレス逆引きはまったく使用されない
WILD_POOL_SIZE (整数)
マッピングテーブルに含まれるパターンの総数を制御する。デフォルトは 8000 で、最大値は 200,000
表 4-17 DOMAIN_UPLEVEL のビット値
値
ビット 1 (アドレスルックアップ)
ビット 0 (ドメインルックアップ)
0
0 - 指定したドメイン内のアドレスのみを検索する。その他のドメインは検索しない
0 - 指定したドメインのみを検索する
1
0 - 指定したドメイン内のアドレスのみを検索する。その他のドメインは検索しない
1 - 指定したドメインとそのサブツリーを検索する
2
1 - 指定したドメイン内、サブドメイン内、およびそれらのエイリアスドメイン内のアドレスを検索する
0 - 指定したドメインのみを検索する
3
1 - 指定したドメイン内、サブドメイン内、およびそれらのエイリアスドメイン内のアドレスを検索する
1 - 指定したドメインとそのサブツリーを検索する
表 4-18 USE_PERMANENT_ERRORS のビット値
ビット
値
エラー
0
1
メールボックスが一時的に無効 (アクティブでない)
1
2
グループが一時的に無効 (アクティブでない)
2
4
ユーザーの容量制限超過。新規メールを受信できない
3
8
さまざまなエイリアスのエクスパンドエラー
表 4-19 USE_REVERSE_DATABASE のビット値
ビット
値
使用目的
0
1
MTA アドレス書き換え処理を通じて書き換えが実行された後、アドレスにアドレス逆引きが適用される
1
2
アドレスにアドレス逆引きが適用された後、それらのアドレスに MTA アドレス書き換えが適用される
2
4
返信用アドレスだけでなく、すべてのアドレスにアドレス逆引きが適用される
3
8
REVERSE マッピングがチャネルレベルで行われる。REVERSE マッピングテーブル (パターン) のエントリは、次の形式で記述されていなければならない (垂直の棒 [|] に注目)
source-channel|destination-channel|address
4
16
アドレス逆引きデータベースのエントリがチャネルレベルになる。逆引きデータベースのエントリは、次の形式で記述されていなければならない (垂直の棒 [|] に注目)
source-channel|destination-channel|address
表 4-20 LDAP_USE_ASYNC のビット値
ビット
値
LDAP の具体的な使用法
0
1
LDAP_GROUP_URL1 (mgrpDeliverTo) URL
1
2
LDAP_GROUP_URL2 (memberURL) URL
2
4
LDAP_GROUP_DN (UniqueMember) DN
3
8
auth_list、moderator_list、sasl_auth_list、および sasl_moderator_list リストパラメータの前後は無関係
4
16
cant_list、sasl_cant_list リストパラメータの前後は無関係
5
32
originator_reply リストパラメータの前後は無関係
6
64
deferred_list、direct_list、hold_list、nohold_list リストパラメータの前後は無関係
7
128
username_auth_list、username_moderator_list、username_cant_list リストパラメータの前後は無関係
8
256
エイリアスファイルリストの URL
9
512
エイリアスデータベースリストの URL
10
1024
LDAP_CANT_URL (mgrpDisallowedBroadcaster) 外部レベル URL
11
2048
LDAP_CANT_URL 内部レベル URL
12
4096
LDAP_AUTH_URL (mgrpAllowedBroadcaster) 外部レベル URL
13
8192
LDAP_AUTH_URL 内部レベル URL
14
16384
LDAP_MODERATOR_URL (mgrpModerator) URL
ヘッダーオプションファイルキュー内のメッセージからヘッダーを切り取る方法について記述しているチャネルには、いくつかの特殊なオプションファイルが関連付けられている場合があります。この機能は一般的なもので、どのチャネルにも適用できます。この機能は、headertrim、noheadertrim、headerread、noheaderread チャネルのキーワードで制御されます。
MTA チャネルは、それぞれ専用のチャネルレベルのオプションファイルを持ちます。ヘッダーオプションファイルは、ほかの MTA オプションファイルとは異なるフォーマットを使用するため、常に独立したファイルとなります。
ヘッダーオプションファイルの場所
通常のヘッダー処理の後にメッセージをキューに入れるときに適用されるヘッダートリミング機能に基づく宛先チャネルの場合は、config ディレクトリ (msg_svr_base/config) でチャネル_headers.opt という形式の名前を持つヘッダーオプションファイルが探し出されます。この「チャネル」は、ヘッダーオプションファイルが関連付けられているチャネルの名前です。このようなヘッダーオプションファイルを使用できるようにするには、チャネルで headertrim キーワードを指定しておく必要があります。
通常のヘッダー処理の前にメッセージをキューに入れるときに適用されるヘッダートリミング機能に基づくソースチャネルの場合は、config ディレクトリ (msg_svr_base/config) でチャネル_read_headers.opt という形式の名前を持つヘッダーオプションファイルが探し出されます。この「チャネル」は、ヘッダーオプションファイルが関連付けられているチャネルの名前です。このようなヘッダーオプションファイルを使用できるようにするには、チャネルで headerread キーワードを指定しておく必要があります。
ヘッダーオプションファイルは誰でも読み取り可能でなければなりません。
ヘッダーオプションファイルのフォーマット
端的に説明すると、ヘッダーオプションファイルは、一連のメッセージヘッダー行から構成されています。ただし、ヘッダー行の本文は RFC 822 に準拠していません。
ヘッダーオプションファイルの一般的な行構造は次のとおりです。
「ヘッダー名」は、MTA が認識できるヘッダー行の名前です (このマニュアルで説明されているヘッダー行のほか、RFC 822、RFC 987、RFC 1049、RFC 1421、RFC 1422、RFC 1423、RFC 1424、RFC 1327、および RFC 1521 (MIME) の規格に適合するヘッダー行を指定できます)。
MTA が認識できないヘッダー行は、特殊ヘッダー行名である Other: によって制御されます。ヘッダーオプションファイルで名前の付いていないすべてのヘッダー行に適用される一連のオプションは、特殊な Defaults: 行にも適用できます。Defaults: を使用することによって、今後のリリースで MTA のヘッダー行テーブルが必然的に拡大することを防ぐことができます。
さまざまなオプションを指定して、ヘッダー行の保持を制御することができます。表 4-21 に、使用可能なオプションを示します。
表 4-21 ヘッダーオプション
オプション
説明
ADD (引用符で囲まれた文字列)
指定されたタイプのヘッダー行を新規に作成する。新規のヘッダー行には指定された文字列が含まれる。ADD で作成したヘッダー行は、同じタイプのヘッダー行がある場合、そのヘッダー行の後に表示される。ADD オプションは、Defaults ヘッダー行タイプとともに使用することはできない。Other: オプションの一覧の一部として指定されると、このオプションは無視される
FILL
(引用符で囲まれた文字列)
指定したタイプの新規ヘッダー行を、同じタイプのヘッダー行がない場合にのみ作成する。新規のヘッダー行には指定された文字列が含まれる。FILL オプションは、ヘッダー行タイプとともに使用することはできない。Other オプションの一覧の一部として指定されると、このオプションは無視される
GROUP
(整数 0 または 1)
特定の優先順位で同じタイプのヘッダー行グループを制御する。GROUP のデフォルト値 (0) は、特定タイプのヘッダー行がすべて一緒に表示されることを意味する。また、値が 1 の場合は、対応するタイプのヘッダー行が 1 つだけ出力され、関連付けられたレベルの全ヘッダー行のスキャンが再開される。その場合、同じタイプのヘッダー行は処理されない。スキャンが完了すると、ほかにもヘッダー行が残っているかどうかを確認するため、再度スキャンが行われる。このヘッダーオプションは主に Privacy Enhanced Mail (PEM) ヘッダーを処理するためのものである
LINELENGTH (整数)
ヘッダーを折り返す長さを制御する。「headerlinelength」チャネルキーワードを参照
MAXCHARS (整数)
指定したタイプの 1 つのヘッダー行に表示される最高文字数を制御する。指定した最高文字数の長さを超える場合は MAXCHARS の長さに合うように、その一部が切り取られる。このオプションでは、ヘッダー行の構文が無視されるため、アドレスやその他の情報を含むヘッダー行には適用しない。編成されたヘッダー行の長さは、maxheaderchars および maxheaderaddrs チャネルキーワードを使って指定する
MAXIMUM (整数)
このタイプのヘッダー行の最大行数を制御する。この値は、改行してできる行の数とは関係がない。つまり、各ヘッダー行が使用できる行数には制限がない。-1 という値は、このタイプのヘッダー行を完全になくす要求として解釈される
MAXLINES (整数)
指定したタイプの全ヘッダー行が使用できる最大行数を制御する。このオプションは、MAXIMUM と相対するもので、そのタイプのヘッダー行が使用する全行数を制御するものである。ヘッダー行自体の数には関係ない。ヘッダーは、MAXIMUM と同様に、指定した条件を満たすように下の方から切り取られる
PRECEDENCE (整数)
ヘッダー行が出力される順序を制御する。すべてのヘッダー行には、デフォルトの優先順位 (0) が設定されている。値が低くなるほど優先順位は高くなる。PRECEDENCE の値が正の場合はヘッダー行が下方に移動し、負の場合は上方に移動する。優先順位が等しい場合は、ヘッダー行出力の順序に関する MTA の内部ルールにより優先順位が決定される
RELABEL
(ヘッダー名)ヘッダー行を別のヘッダー行に変更する。以下に例を示す
X-MSMail-Priority: RELABEL="Priority"
X-Priority: RELABEL="Importance"
テイラーファイルMTA テイラーファイル (imta_tailor) は、さまざまな MTA コンポーネントの場所が設定されているオプションファイルです。MTA の機能が正常に動作するには、このファイルが msg_svr_base/config に保存されていなければなりません。このファイルは、特定のインストールにおける変更を反映させるように編集することができます。ただし、このファイルには編集してはならないオプションもあります。ファイルに変更を加えた後は MTA を再起動してください。MTA が停止しているときに変更を行うのが望ましい方法です。
オプション設定は、次の形式で記述されています。
値は、オプションの要件に基づき、文字列または整数のいずれかとなります。この場合、コメントが使用できます。感嘆符 (!) で始まる行は、コメント行として解釈されるため、無視されます。また、空白行も無視されます。編集できるオプションおよび使用可能なオプションについては、表 4-22 を参照してください。
表 4-22 テイラーファイルのオプション
オプション
説明
IMTA_ALIAS_DATABASE
エイリアスデータベース。デフォルトは msg_svr_base/data/db/aliasesdb.
IMTA_ALIAS_FILE
MTA エイリアスファイル。たとえば postmaster など、ディレクトリに設定されていないエイリアスはこのファイルに設定されている。デフォルトは msg_svr_base/config/aliases
IMTA_CHARSET_DATA
MTA のコンパイル済み文字セットデータがある場所。デフォルトは msg_svr_base/config/charset_data
IMTA_CHARSET_OPTION_FILE
文字セット変換オプションに使用されるファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/option_charset.dat
IMTA_COM
MTA コマンドの定義ファイルがある場所。デフォルトは msg_svr_base/bin/msg/imta/bin/
IMTA_CONFIG_DATA
MTA 用のコンパイル済み設定。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib/config_data
IMTA_CONFIG_FILE
MTA 設定ファイル。このファイルには、書き換えルールとチャネルごとのオプションが設定されている。デフォルトは msg_svr_base/config/imta.cnf
IMTA_CONVERSION_FILE
変換チャネルのルールを設定するファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/conversions
IMTA_DISPATCHER_CONFIG
MTA ディスパッチャの設定ファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/dispatcher.cnf
IMTA_DOMAIN_DATABASE
追加の書き換えルールを保存するデータベース。デフォルトは msg_svr_base/data/db/domaindb
IMTA_DNSRULES
MTA DNS 設定ライブラリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib/imdnsrules.so
IMTA_EXE
MTA 実行可能ファイルの場所。デフォルトは msg_svr_base/bin/msg/imta/bin
IMTA_FORWARD_DATABASE
使用されていない
IMTA_GENERAL_DATABASE
各サイトの顧客が使用するためのもの。通常、検索機能はマッピングと書き換えルールに組み込まれている。デフォルトは msg_svr_base/config/generaldb
IMTA_HELP
MTA ユーティリティのヘルプファイルがある場所。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib
IMTA_JBC_CONFIG_FILE
MTA ジョブコントローラ設定ファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/job_controller.cnf
IMTA_LANG
MTA の法規に関するメッセージがある場所。デフォルトは msg_svr_base/imta/locale/C/LC_MESSAGES
IMTA_LIB
MTA ライブラリと実行可能ファイルが保存されているディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib/
IMTA_LIBUTIL
MTA ユーティリティライブラリ。デフォルトは msg_svr_base/lib/libimtautil.so.1
IMTA_LOG
MTA ログファイルの場所。デフォルトは msg_svr_base/imta/log
IMTA_MAPPING_FILE
アクセス制御ルール、逆引きマッピングルール、フォワードマッピングルールなどを設定するときに使用するファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/mappings
IMTA_NAME_CONTENT_FILE
特定の添付ファイルの処理ラベル用に MTA が使用するファイルの場所。デフォルトは msg_svr_base/config/name_content.dat
IMTA_OPTION_FILE
MTA のオプションファイルの名前。デフォルトは msg_svr_base/config/option.dat
IMTA_QUEUE
MTA メッセージキューディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/queue
注意 : 問題が発生する原因となるため、ファイルやディレクトリを MTA キューディレクトリに追加しないこと。MTA キューディレクトリに個別のファイルシステムを使用するときは、マウントポイントの下にサブディレクトリを作成し、そのサブディレクトリを IMTA_QUEUE の値として指定する
IMTA_RETURN_PERIOD
期限切れのメッセージの返送や、警告の生成を制御する。このオプションのデフォルト値は 1。このオプションが N という整数値に設定されている場合は、返送ジョブが N 回実行されるごとに、関連付けられたアクションが実行される。デフォルトでは、返送ジョブが 1 日に 1 回実行される
IMTA_RETURN_SPLIT_PERIOD
mail.log ファイルの分割を制御する。このオプションのデフォルト値は 1。このオプションが N という整数値に設定されている場合は、返送ジョブが N 回実行されるごとに、関連付けられたアクションが実行される。デフォルトでは、返送ジョブが 1 日に 1 回実行される
IMTA_REVERSE_DATABASE
MTA 逆引きデータベース。このデータベースは From アドレスを書き換えるときに使用される。デフォルトは msg_svr_base/data/db/reversedb
IMTA_ROOT
MTA インストールのベースディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/
IMTA_SYSTEM_FILTER_FILE
MTA システムフィルタファイルの場所を指定する。このオプションの値はファイル名または URL
IMTA_TABLE
MTA 設定ディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/config/
IMTA_USER
postmaster の名前。デフォルト値は inetmail。この値を変更したときには、必ず msg_svr_base/config/aliases ファイルを編集して postmaster アドレスへの変更が反映されるようにする
IMTA_USER_PROFILE_DATABASE
ユーザーの休暇、転送、プログラムの配信に関する情報を保存するためのデータベース。デフォルトは msg_svr_base/data/db/profiledb
IMTA_USER_USERNAME
特定の「権限を必要としない」操作 (普通の MTA アカウントでは実行しない操作) を実行するために MTA が使用する従属アカウントのユーザー id を指定する。デフォルトは nobody
IMTA_VERSION_LIMIT
古いログファイルを消去するときに保持しておくことができるログファイルの最大数 (異なるバージョンの数)。デフォルトは 5
IMTA_WORLD_GROUP
特定の権限を必要とする操作を、このグループのメンバーとして実行できる。デフォルトは mail
ジョブコントローラの設定ジョブコントローラは、起動時に、パラメータ、プール、およびチャネル処理に関する情報が含まれた設定ファイルを読み取ります。これらの設定情報は、msg_svr_base/config/ ディレクトリの job_controller.cnf ファイルに保存されています。
ジョブコントローラの詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「MTA サービスと設定について」の章を参照してください。
ジョブコントローラ設定ファイル
ジョブコントローラ設定ファイルは、MTA オプションファイルのフォーマットに基づいており、次の形式の行を含んでいます。
設定ファイルには、オプション設定のほか、場合によっては以下に示すような角括弧 ([ ]) で囲まれたセクションと値からなる行があります。
この行は、この行に続くオプション設定が「値」で指定されたセクションにのみ適用されることを意味します。このようなセクションタグよりも前に記述されているオプション設定は、すべてのセクションに適用されます。セクションごとに指定されたオプション設定は、そのセクションに対するデフォルトのグローバル設定より優先されます。ジョブコントローラ設定ファイルで認識されるセクションタイプは、POOL (プールとプールのパラメータを定義)、CHANNEL (チャネル処理情報を定義)、および PERIODIC_JOB (ジョブコントローラが起動するさまざまな定期的ジョブ用) です。
POOL または CHANNEL セクションに指定できるオプションは、先頭 (一般的なオプション) に指定できるため、それがデフォルトになります。
以下の 3 つの表 (表 4-23、表 4-24、および表 4-25) で、ジョブコントローラ設定ファイルのオプションについて説明します。これらの表では、それぞれ、一般的なオプション、プールオプション、チャネルオプションについて説明しています。
表 4-23 では、ジョブコントローラ設定の一般的なオプションを示しています。
表 4-23 ジョブコントローラ設定ファイルの一般的なオプション
オプション
説明
COMMAND
PERIODIC_JOB セクションで定期的に実行するコマンドを指定する
DEBUG=整数
DEBUG がゼロ以外の値に設定されている場合、MTA はmsg_svr_base/imta/log ディレクトリ内の job_controller-固有 id という名前のファイルにデバッグ情報を書き込む。ここで、「固有 id」はファイル名を識別する固有の ID 文字列。imsimta purge ユーティリティは「固有 id」を認識するユーティリティで、古いログファイルを削除するのに使用できる。DEBUG の値は、どのようなデバッグ情報が要求されているのかを指定するビットマスクである
ビット 16 を指定するとログファイルがすぐに大きくなる。また、ビット 32 を指定すると、出力はそれ以上生成されない。これは特別の場合にのみ使用する。DEBUG が指定されていない場合は、デフォルト値の 0 が使用される
INTERFACE_ADDRESS=アダプタ
ジョブコントローラがバインドする IP アドレスインタフェースを指定する。値 (アダプタ) には、ANY、ALL、LOCALHOST、または IP アドレスのいずれかを指定できる。デフォルトで、ジョブコントローラはすべてのアドレスにバインドする (ALL または ANY の指定に相当)。INTERFACE_ADDRESS=LOCALHOST を指定すると、ジョブコントローラは、ローカルマシンからの接続しか受け付けられない。これは、ジョブコントローラではマシン間の操作はサポートされていないため、通常の操作には影響がない。ただし、HA エージェントがジョブコントローラの応答をチェックする HA 環境では、不適切かもしれない。Messaging Server の実行しているマシンが HA 環境にあり、「内部ネットワーク」アダプタと「外部ネットワーク」アダプタを持っている場合で、大きなポート番号への接続をブロックするファイヤウォール機能の信頼性が低い場合は、「内部ネットワーク」アダプタの IP アドレスを指定するよう勧める
MAX_MESSAGES=整数
ジョブコントローラは、メモリ内構造でメッセージに関する情報を保持する。バックログが大きくなった場合は、この構造のサイズを制限する必要がある。バックログのメッセージ数がこのパラメータ値を超えると、その後のメッセージに関する情報はメモリに保存されない。メールメッセージは常にディスクに書き込まれるため、失われることはないが、ジョブコントローラが認識するメッセージ数の半数になるまで配信されない。この時点では、ジョブコントローラが imsimta cache -sync コマンドを模倣してプールディレクトリをスキャンする
デフォルトは 100000
SECRET=ファイル_仕様
ジョブコントローラに送信される要求を保護するための共有の秘密情報
SYNCH_TIME=時間_仕様
ジョブコントローラは定期的にディスク上のキューファイルをスキャンして、ジョブコントローラにおいて追加する必要のあるメッセージのリストから、新しいメッセージファイルが不足していないかどうかをチェックする。デフォルトでは 4 時間ごとにスキャンされる (ジョブコントローラが起動してから 4 時間ごと)。time_spec のフォーマットは、HH:MM/hh:mm または /hh:mm。hh.mm 変数は、イベントの間隔を時間数 (h) と分数 (m) で示す。HH:MM 変数は、1 日の中でイベントが最初に発生する時間である。たとえば 15:45/7:15 と指定すると、15:45 にイベントが開始し、その後 7 時間 15 分ごとにイベントが実行される
TCP_PORT=整数
ジョブコントローラが要求パケットをリッスンする TCP ポートを指定する。このオプションは、デフォルト値がシステム内の別の TCP アプリケーションと競合しないかぎり変更しない。このオプションを変更する必要がある場合は、対応する MTA テイラーファイル (msg_svr_base/config/imta_tailor) の IMTA_JBC_SERVICE オプションも同じように変更する必要がある。TCP_PORT オプションはグローバルに適用され、[CHANNEL] セクションまたは [POOL] セクション内にある場合は無視される
TIME=時刻_仕様
PERIODIC_JOB セクションの定期ジョブを実行する時間と頻度を指定する。デフォルト設定は /4:00 で、ジョブが 4 時間ごとに実行される。時間仕様のフォーマットは HH:MM/hh:mm または /hh:mm です。hh.mm はイベントの間隔の時間数 (h) と分数 (m)。HH:MM は、1 日の中でジョブが発生する最初の時間。たとえば 15:45/7:15 と指定すると、15:45 にイベントが開始し、その後 7 時間 15 分ごとにイベントが実行される
表 4-24 では、ジョブコントローラ設定の POOL オプションについて説明しています。
表 4-24 ジョブコントローラの POOL オプション
オプション
説明
JOB_LIMIT=整数
プールが同時に使用できるプロセスの最大数を指定する。JOB_LIMIT は各プールに個別に適用される。ジョブの最大合計数は、すべてのプールの JOB_LIMIT パラメータの合計数。この値をセクションの外に設定すると、JOB_LIMIT が指定されていない [POOL] セクションにより、デフォルトとして使用される。このオプションは、[CHANNEL] セクション内では無視される
表 4-25 では、ジョブコントローラ設定の CHANNEL オプションについて説明しています。
表 4-25 ジョブコントローラの CHANNEL オプション
オプション
説明
MASTER_COMMAND=ファイル_仕様
チャネルを実行し、そのチャネルからメッセージを取り出すために、ジョブコントローラによって作成された UNIX システムプロセスが実行するコマンドのフルパスを指定する。この値をセクションの外に設定すると、MASTER_COMMAND が指定されていない [CHANNEL] セクションにより、デフォルトとして使用される。[POOL] セクション内では、このオプションが無視される
MAX_LIFE_AGE=整数
チャネルマスタージョブに対する最大のライフタイムを秒数で指定する。このパラメータがチャネルに指定されていない場合は、グローバルなデフォルト値が使用される。デフォルト値が指定されていない場合は、1800 (30 分) が使用される
MAX_LIFE_CONNS=整数
マスターチャネルの寿命は、最長使用期間パラメータのほか、メッセージがあるかどうかをジョブコントローラに確認する回数によっても制限される。このパラメータがチャネルに指定されていない場合は、グローバルなデフォルト値が使用される。デフォルト値が指定されていない場合は 300 が使用される
SLAVE_COMMAND=ファイル_仕様
チャネルを実行し、そのチャネルに入れるメッセージをポーリングするために、ジョブコントローラによって作成された UNIX システムプロセスが実行するコマンドのフルパスを指定する。ほとんどの場合、MTA チャネルには SLAVE_COMMAND がない。その場合は、予約値である NULL を指定する。この値をセクションの外に設定すると、SLAVE_COMMAND が指定されていない [CHANNEL] セクションにより、デフォルトとして使用される。[POOL] セクション内では、このオプションが無視される
ディスパッチャMTA マルチスレッドディスパッチャとは、指定のサービスにおける負担を共有する複数のマルチスレッドサーバーを許可するマルチスレッド接続ディスパッチエージェントのことです。ディスパッチャを使用すると、複数のマルチスレッド SMTP サーバーを同時実行できるようになります。1 つのサービスに対して複数のサーバーを使用できるほか、各サーバーは 1 つ以上のアクティブな接続を同時に処理することができます。
ディスパッチャ設定ファイル
ディスパッチャ設定情報は、msg_svr_base/imta/dispatcher.cnf ファイルで指定されます。インスール時に作成されたデフォルトの設定ファイルをそのまま使用することができます。ただし、セキュリティやパフォーマンスなどの理由でデフォルトの設定ファイルを変更する場合には、dispatcher.cnf ファイルを編集します。
設定ファイルのフォーマット
ディスパッチャ設定ファイルのフォーマットは、他の MTA 設定ファイルのフォーマットに似ています。オプションを指定する行は、次の形式で記述されています。
「オプション」はオプション名で、「値」はオプションを設定する文字列または整数です。オプションが整数の値を受け入れる場合は、b%v の文字列表記ルールを使って基数を指定することができます。この場合、b は底 10 で表す基数であり、v は底 b で表す実際の値です。これらのオプションの仕様は、次のオプション設定を適用するサービスに対応するセクションに、グループ分けされています。各行では、次の形式が使用されます。
サービス名はサービスの名前です。最初のオプション仕様、すなわちこのようなセクションタグよりも前に記述されているオプション仕様はすべてのセクションに適用されます。
表 4-26 に、使用可能なオプションを示します。
表 4-26 ディスパッチャ設定ファイルのオプション
オプション
説明
BACKLOG=整数
ソケットの TCP バックログキュー範囲を制御する。各サービスのデフォルト値は MAX_CONNS*MAX_PROCS (最低値は 5)。このオプションは、該当する TCP/IP カーネルサポートよりも高く設定しない
DEBUG
デバッグ出力を有効にする。すべてのデバッグを有効にするには、このオプションを -1 に設定する。各ビットの実際の意味については、表 4-27 を参照
DNS_VERIFY_DOMAIN
受信接続のチェックに使用するホスト名と IP アドレスを指定する。迷惑メールの送信元や、オープンリレーサイトに関する情報は、さまざまなグループによって維持されている。一部のサイトでは、受信 IP 接続を、これらのグループが維持する一覧と照合する。各サービスに対し、最高 5 つの DNS_VERIFY_DOMAIN オプションを指定できる。通常は SMTP サービスが、このようなチェックが意味をなす唯一のサービスとなる。
例 :
[SERVICE=SMTP]
PORT=25
DNS_VERIFY_DOMAIN=rbl.maps.siroe.com
DNS_VERIFY_DMAIN=dul.maps.siroe.com
よく知られたポート (25、110、または 143) でこのオプションが有効になっている場合、接続を切断する前に次のような標準メッセージが送信される
500 5.7.1 access_control:host 192.168.51.32 found on DNS list and rejected
MTA でこのような拒否をログしたい場合は、ディスパッチャデバッグの 24 番目のビットである DEBUG オプションを「DEBUG=16%1000000」に設定すると、拒否が dispatcher.log ファイルにログされる。ログエントリは、次の形式をとる
access_control:host a.b.c.d found on DNS list and rejected
ENABLE_RBL=0 または 1
ENABLE_RBL=1 を指定すると、ディスパッチャにより受信接続がmaps.siroe.com の「ブラックホール」リストと比較される。たとえば、ディスパッチャが 192.168.51.32 から接続を受信した場合、ディスパッチャはホスト名 32.51.168.192.rbl.maps.siroe.com の IP アドレスを取得しようとする。クエリが成功すると、接続はワーカープロセスにハンドオフされるかわりに、切断される。このオプションが、一般的なポート (25、110、または 143) で有効になっている場合は、接続を閉じる前に以下のような標準メッセージが送信される
5.7.1 Mail from 192.168.51.32 refused, see http://maps.siroe.com/rbl/
MTA でこのような拒否をログする場合は、ディスパッチャデバッグのビット 24 である DEBUG オプションを「DEBUG=16%1000000」に設定すると、拒否が dispatcher.log ファイルにログされる。エントリは次の形式を取る
access_control:host a.b.c.d found on DNS list and rejected
詳細については、『Messaging Server 管理者ガイド』の「メールのフィルタリングとアクセス制御」の章の「SMTP リレーブロッキングに対する RBL 検査を含む DNS 検索を使用するには」を参照
HISTORICAL_TIME=整数
統計をとる目的で、期限切れの接続 (閉じた接続) やプロセス (終了したプロセス) をリスト内に残しておく期間を制御する
INTERFACE_ADDRESS=IP アドレス
INTERFACE_ADDRESS オプションは、ディスパッチャサービスがバインドする IP アドレスのインタフェースを指定するのに使用される。ディスパッチャは、デフォルトですべての IP アドレスにバインドする。ただし、それぞれに独自の IP アドレスを持つマルチネットワークインタフェースがシステムにあると、異なるサービスをいろいろなインタフェースにバインドするときに役立つ。サービスに INTERFACE_ADDRESS を指定した場合は、それがディスパッチャサービスによってバインドされる唯一のインタフェース IP アドレスとなる。このような専用インタフェース IP アドレスは、1 つの特定サービスに対して 1 つだけ指定できる (他のインタフェース IP アドレスには、他の類似したディスパッチャサービスを定義できる)
IDENT=0 または 1
サービスに IDENT=1 が設定されている場合、ディスパッチャは、そのサービスに対する受信接続について IDENT クエリを試み、リモートユーザー名 (ある場合) をディスパッチャの統計情報の一部として使用する。デフォルトは IDENT=0 に設定されているため、このようなクエリは実行されない
IMAGE=ファイル仕様
サーバープロセスで実行されるイメージを指定する。指定したイメージは、ディスパッチャによって制御されるように設計されたものでなければならない
LOGFILE=ファイル仕様
ディスパッチャによって、対応するサーバープロセスの出力が指定ファイルに直接送られるようになる。LOGFILE には、ファイル仕様にローカルシステムのホスト名を含む %s を使用することができる。たとえば freddy ノードの LOGFILE=tcp_smtp_server_%s.log の場合は、ログファイル名がtcp_smtp_server_freddy.log-* になる
MAX_CONNS=整数
任意のサーバープロセスでアクティブになり得る最大接続数を指定する。MAX_CONNS オプションは、ディスパッチャの接続管理に影響する。MAX_CONNS のデフォルト値は 10。MAX_CONNS の指定可能な最大値は 50
このオプションの設定は、主にプロセスの数とプロセスの仮想アドレス空間のサイズに関するパフォーマンスにしたがって選択する。
MAX_CONNS を高めの値に設定すると、より多くの接続が可能になるが、各接続のパフォーマンス低下に対処する費用がかかる可能性がある。1 に設定すると、受信するクライアント接続ごとにサーバープロセス 1 つだけが使用される。MAX_CONNS の値に MAX_PROCS の値を掛けた値が、受入可能な同時接続の最大数を制御する
MAX_HANDOFFS=整数
サービスポートに新たに確立された TCP/IP 接続に対し、ディスパッチャが同時に処理することのできる非同期ハンドオフの最大数を指定する。デフォルトは 5
MAX_IDLE_TIME=整数
サーバープロセスの最大アイドル時間を指定する。指定した時間内にサーバープロセスがアクティブにならなかった場合、そのサーバープロセスはシャットダウンする。このオプションは、このサービスに対するディスパッチャのプールに MIN_PROCS の値よりも多いサーバープロセスがある場合にのみ有効である
MAX_LIFE_CONNS
サーバープロセスがそのライフタイム (存続可能な期間) で処理できる最大接続数を指定する。これはワーカープロセスを管理するために使用される
MAX_LIFE_TIME=整数
指定した秒数の間だけ、サーバープロセスが保持されるように要求する。これは、ディスパッチャのワーカープロセス管理機能の一部である。サーバープロセスが作成されると、カウントダウンタイマーが指定した秒数に設定される。カウントダウン時間を過ぎると、SMTP サーバープロセスがシャットダウンするデフォルトは 86400 (1 日)
MAX_PROCS=整数
このサービスに対して作成されるサーバープロセスの最大数を制御する
MAX_SHUTDOWN=整数
シャットダウン状態にできるサーバープロセスの最大数を指定する。サービスに対して最低限の利用可能性を提供するために、シャットダウンすることによって、シャットダウン状態のそのサービスのサーバープロセス数が MAX_SHUTDOWN よりも多くなる場合、ディスパッチャはそれらのサーバープロセスをシャットダウンしない。つまり、それらのサーバープロセスは、シャットダウン「スロット」が空くまで実行し続ける
MIN_CONNS=整数
使用可能なサーバープロセスのプールに新しいサーバープロセスを追加するにあたり、各サーバープロセスが必要とする最低接続数を決定する。ディスパッチャは、このプール全体にわたって均等に接続を割り当てようとする
MIN_PROCS=整数
現在のサービスに対してディスパッチャが作成するサーバープロセスの最小数を決定する。初期化が終了すると、ディスパッチャは、指定された数だけプロセスを作成してプールを開始する。プロセスがシャットダウンしても、このサービスのプールには指定数のプロセス数が残る
PARAMETER
PARAMETER オプションの解釈および値は、サービスによって異なる。SMTP サービスの場合、PARAMETER オプションを CHANNEL=channelname に設定して、デフォルトの TCP/IP チャネルをそのサービスのポートに関連付けることができる。以下に例を示す
[SERVICE=SMTP_SUBMIT]
PORT=587
...
PARAMETER=CHANNEL=tcp_incoming
これは、複数のポートでサーバーを実行する場合に有用である (内部 POP クライアントおよび IMAP クライアントがメッセージの送信に通常のポート番号 25 以外のポートを使用するように設定されており、そのためにメッセージトラフィックが外部のホストからの受信 SMTP メッセージから切り離されるためである)。また、別の TCP/IP チャネルを他のポート番号に関連付ける場合にも有用である
PORT=整数 ...
現在のサービスに対し、ディスパッチャが受信接続をリッスンする TCP ポートを指定する。このポートで確立された接続は、このサービスに対して作成された SMTP サーバープロセスの 1 つに転送される。PORT=0 を指定すると、現在のサービスが無効になる
STACKSIZE
サーバーのスレッドスタックサイズを指定する。このオプションの目的は、深くネスティングされた MIME メッセージ (数百レベルのネスティング) を処理するときにサーバーがスタックを使い切る可能性を低くすることである。このようなメッセージはスパムメッセージである場合が多く、メールハンドラが破壊される原因となる。したがって、サーバーを異常停止させることにより、他のメールハンドラを保護することができる
デバッグとログファイル
ディスパッチャエラーとデバッグ出力 (有効になっている場合) は、MTA ログディレクトリ内の dispatcher.log ファイルに書き込まれます。
デバッグ出力は、ディスパッチャ設定ファイルの DEBUG オプションを使って有効にするか、または IMTA_DISPATCHER_DEBUG 環境変数 (UNIX) を使ってプロセスレベルで有効にすることができます。
DEBUG オプションまたは IMTA_DISPATCHER_DEBUG 環境変数 (UNIX) は、16 進数で 32 ビットのデバッグマスクを定義するものです。すべてのデバッグ機能を有効にするには、オプションを -1 に設定するか、またはシステム全体で論理 / 環境変数を FFFFFFFF に定義します。表 4-27 に、各ビットの説明を示します。
表 4-27 ディスパッチャデバッグビット
ビット
16進数 の値
10 進数の値
使用目的
0
x 00001
1
サービスディスパッチャのメインモジュールの基本的なデバッグ
1
x 00002
2
サービスディスパッチャのメインモジュールの特別なデバッグ
2
x 00004
4
サービスディスパッチャ設定ファイルのログ処理
3
x 00008
8
サービスディスパッチャに関するその他の基本的なデバッグ
4
x 00010
16
サービスの基本的なデバッグ
5
x 00020
32
サービスの特別なデバッグ
6
x 00040
64
プロセスに関連するサービスのデバッグ
7
x 00080
128
使用されていない
8
x 00100
256
サービスディスパッチャとプロセス通信の基本的なデバッグ
9
x 00200
512
サービスディスパッチャとプロセス通信の特別なデバッグ
10
x 00400
1024
パケットレベル通信のデバッグ
11
x 00800
2048
使用されていない
12
x 01000
4096
ワーカープロセスの基本的なデバッグ
13
x 02000
8192
ワーカープロセスの特別なデバッグ
14
x 04000
16384
その他のワーカープロセスのデバッグ (特に接続ハンドオフ)
15
x 08000
32768
使用されていない
16
x 10000
65536
サービスディスパッチャ I/O に対するワーカープロセスの基本的なデバッグ
17
x 20000
131072
サービスディスパッチャ I/O に対するワーカープロセスの特別なデバッグ
20
x 100000
1048576
統計の基本的なデバッグ
21
x 200000
2097152
統計の特別なデバッグ
24
x 1000000
16777216
PORT_ACCESS 拒否を dispatcher.log ファイルにログ
SMS チャネルオプションファイルMessaging Server SMS (Short Message Service) チャネルは、SMS ゲートウェイへの片方向の電子メールです。メールは SMS ゲートウェイに送信することができますが、SMS 通知の処理 (つまり、返信や配信確認)、および SMS ユーザーからの電子メール作成 (モバイルからの電子メール) は、現時点ではサポートしていません。チャネルでは、キューに入れられた電子メールメッセージを SMS メッセージに変換します。この変換には、マルチパート MIME メッセージや、文字セットの変換問題の処理が含まれます。
生成された SMS メッセージは、Short Message Peer to Peer (SMPP) プロトコルを使用して、Short Message Service Centre (SMSC) に送信されます。SMSC の SMPP サーバーへの TCP/IP 接続では、特に SMPP V3.4 を使用しています。この機能で操作すると、チャネルは External Short Message Entity (ESME) として機能します。
SMS チャネルの詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。
オプションファイルは、SMS チャネルのさまざまな特徴を制御するために使用されます。チャネルオプションはテキストファイルとして、msg_svr_base/imta/config/ ディレクトリに保存されます。ファイルの名前は次の形式になります。
チャネル名_option
たとえばチャネルの名前が sms_mway の場合、チャネルオプションファイルは
msg_svr_base/imta/config/sms_mway_option
ファイルの形式
各オプションは、次の形式を使用して、ファイルの各行に記述します。
例 :
Sun ONE Messaging Server には、サンプルのオプションファイル sms_option.sample が同梱されています。このオプションファイルをコピーし、このファイルを利用して作業を開始してください。
利用可能なオプション
SMS チャネルには多くのオプションがあり、電子メールから SMS への変換、SMS フィールド、SMPP プロトコル、およびローカライズの 4 つのカテゴリに大きく分けられます。以下の節では、これらのカテゴリのその対応するオプションについて説明します。
電子メールから SMS への変換
電子メールから SMS への変換オプションでは、電子メールから SMS への変換処理を制御します。一般に、1 通の電子メールメッセージは、1 つ以上の SMS メッセージに変換されます。表 4-28 ではオプションについて説明します。
表 4-28 SMS チャネルオプション : 電子メールから SMS への変換
オプション
説明
GATEWAY_NOTIFICATIONS
電子メール通知メッセージを SMS メッセージに変換するかどうかを指定する
デフォルト : 0
MAX_MESSAGE_PARTS (整数)
電子メールメッセージから抽出するメッセージ部分の最大数
マルチパートの電子メールメッセージを SMS メッセージに変換すると、最初の MAX_MESSAGE_PARTS テキスト部分だけが変換される。残りの部分はパージされる。デフォルトでは、MAX_MESSAGE_PARTS は 2。メッセージ部分を無制限に許可するには、値に -1 を指定する。値を 0 にすると、SMS メッセージに変換されるメッセージコンテンツはない。これは、電子メールメッセージからヘッダー行 (たとえば Subject:) だけを使用して SMS メッセージを生成するときに、効果がある
テキストと添付ファイルの両方を含む電子メールメッセージは、通常、2 つの部分で構成されている。タイプがテキストのメッセージ部分だけが変換されることに注意。その他の MIME コンテンツタイプはすべてパージされる
MAX_MESSAGE_SIZE (整数、>=10)
電子メールメッセージから抽出する最大バイト数
このオプションを使用すると、電子メールメッセージから生成される SMS メッセージに、合計バイト数の上限を設けることができる。特に、MAX_MESSAGE_SIZE バイトの最大値は、1 つ以上の生成された SMSメッセージに使用される。それ以上のバイトはパージされる
デフォルトでは、960 バイトが上限となる。これは MAX_MESSAGE_SIZE=960 に対応する。任意のバイト数を使用するには、値に 0 を指定する
使用されるバイト数の計算は、電子メールメッセージを Unicode から SMSC のデフォルト文字セットまたは UCS2 に変換してから行う。つまり、UCS2 を例にすると、UCS2 の各文字は、最低でも 2 バイト長であるため、MAX_MESSAGE_SIZE が 960 バイトだと、最高でも 480 文字しか確保できない
MAX_MESSAGE_SIZE オプションおよび MAX_PAGES_PER_MESSAGE オプションはどちらも生成される SMS メッセージ全体のサイズを制限するという同じ目的がある。たとえば MAX_MESSAGE_SIZE=960 かつ MAX_PAGE_SIZE=160 は、MAX_PAGES_PER_MESSAGE=6 を意味する。2 つの異なるオプションが存在することにより、SMS メッセージ 1 つあたりの最大サイズ MAX_PAGE_SIZE を考える必要なく、全体のサイズやページ数を制御できる。これは、チャネルオプションファイルでは重要ではないが、xxx (管理者ガイド) で説明する属性を扱う MAXPAGES または MAXLEN を使用する場合には重要となる。
さらに、MAX_MESSAGE_SIZE と MAX_PAGE_SIZE * MAX_PAGES_PER_MESSAGE のどちらか小さい制限が使用されることに注意
MAX_PAGE_SIZE (整数、>=10)
単一の SMS メッセージにする最大バイト数。デフォルトでは、160 バイトが値として用いられる
MAX_PAGES_PER_MESSAGE (整数、1-255)
電子メールメッセージから生成される SMS メッセージの最大数。このオプションでは電子メールメッセージが切り捨てられ、MAX_PAGES_PER_MESSAGE 個のSMS メッセージに相当する部分だけが SMS メッセージに変換される。
デフォルトで MAX_PAGES_PER_MESSAGE は 1 よりも大きい値、または MAX_MESSAGE_SIZE を MAX_PAGE_SIZE で割った値に設定される
ROUTE_TO
SMS メッセージを指定した IP ホスト名にルーティングする
SMSC_DEFAULT_CHARSET (文字列)
SMSC で使用されるデフォルトの文字セット。msg_svr_base/imta/confic/charsets.txt ファイルに記述された文字セット名が使用される。US-ASCII がデフォルト
電子メールの処理では、まずヘッダー行とテキストメッセージ部分がデコードされてから Unicode に変換される。次に、データが次のように SMCS のデフォルト文字セットまたは USC2 に変換される
USE_HEADER_FROM
SMS ソースアドレスを設定する
デフォルト : 0
USE_HEADER_PRIORITY (0 または 1)
電子メールヘッダーから優先度情報 (RFC822 Priority: ヘッダー行) を使用するかどうか制御する。デフォルトでは、Priority: ヘッダー行からの情報は、生成される SMS メッセージの優先度フラグを設定するために使用され、DEFAULT_PRIORITY で指定したデフォルトの SMS 優先度を上書きする。これは、USE_HEADER_PRIORITY=1 に相当する。RFC822 Priority: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_PRIORITY=0 を指定する
デフォルトは USE_HEADER_PRIORITY =1
SMS 優先度フラグの処理について詳細は、DEFAULT_PRIORITY オプションの説明を参照
USE_HEADER_REPLY_TO (0 または 1)
SMS ソースアドレスを生成するときの Reply-to: ヘッダー行の使用を制御する。SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 の場合、このオプションでは、Reply-to: または Resent-reply-to: ヘッダー行を SMS ソースアドレスとして使用するかどうかを制御する。デフォルトでは、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行は無視される。これはオプションの値 0 に相当する。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使う
RFC 2822 では、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行の使用を廃止した。そのため、デフォルトは USE_HEADER_REPLY_TO=0 になっている
USE_HEADER_RESENT (0 または 1)
差出人の情報を生成するときの Resent-*: ヘッダー行の使用を制御する。SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 の場合、このオプションでは、Resent- ヘッダー行を SMS ソースアドレスとして使用するかどうかを制御する。デフォルトで Resent- ヘッダー行は無視される。これはオプションの値 0 に相当する。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使う
RFC 2822 では Resent- ヘッダー行の使用を廃止した。そのため、このオプションはデフォルトが 0 になっている
USE_HEADER_SENSITIVITY (0 または 1)
電子メールヘッダーからプライバシー情報 (RFC822 Sensitivity: ヘッダー行) を使用するかどうか制御する。デフォルトでは、Sensitivity: ヘッダー行からの情報は、生成される SMS メッセージのプライバシーフラグを設定するために使用され、DEFAULT_PRIVACY で指定したデフォルトの SMS プライバシーを上書きする。これがデフォルトで、USE_HEADER_SENSITIVITY=1 に相当する。RFC822 Sensitivity: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_SENSITIVITY=0 を指定する
SMS プライバシーフラグの処理について詳細は、DEFAULT_PRIVACY オプションの説明を参照
USE_UCS2 (0 または 1)
適用可能なときは、UCS2 文字セットを SMS メッセージで使用するように指定する。デフォルトの動作は UCS2 文字セットの使用であり、これは USE_UCS2=1 に相当する。UCS2 文字セットの使用を無効にするには、USE_UCS2=0 を指定する。文字セットの問題について詳細は、SMSC_DEFAULT_CHARSET オプションの説明を参照
SMS Gateway Server オプション
「SMS Gateway Server オプション」は、ゲートウェイプロファイルを指定します。表 4-29 で、このオプションについて説明します。
表 4-29 SMS チャネルオプション : SMS Gateway Server オプション
オプション
説明
GATEWAY_PROFILE
SMS ゲートウェイサーバーの設定ファイル、sms_gateway.cnf で設定されたゲートウェイプロファイル名に一致する
SMS フィールド
SMS フィールドオプションでは、生成した SMS メッセージでの、SMS 特有のフィールドを制御します。表 4-28 ではこのオプションについて説明します。
表 4-30 SMS チャネルオプション : SMS フィールド
オプション
説明
DEFAULT_DESTINATION_NPI (整数、0-255)
SMS 宛先アドレスのデフォルト NPI。デフォルトで、宛先アドレスには NPI (Numeric Plan Indicator) 値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の整数値を割り当てることができる。一般的な NPI 値は次のとおり
0不明
1ISDN (E.163、E.164)
3データ (X.121)
4テレックス (F.69)
6移動体通信 (E.212)
8国内
9プライベート
10ERMES
14IP アドレス (インターネット)
18WAP クライアント ID
>=19 未定義このオプションの値は、次の 3 つのいずれかの方法で指定する
DEFAULT_DESTINATION_TON (整数、0-255)
SMS 宛先アドレスのデフォルト TON。デフォルトで、宛先アドレスには TON (Type of Number) 指定子の値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の、代わりとなる整数値を割り当てることができる。一般的な TON 値は次のとおり
0不明
1国際
2国内
3ネットワーク固有
4加入者の番号
5英数字
6省略形
>=7未定義このオプションの値は、次の 3 つのいずれかの方法で指定する
DEFAULT_PRIORITY (整数、0-255)
SMS メッセージのデフォルト優先度設定。すべての SMS メッセージには、必須の優先度フィールドがある。表 4-31 に、SMS 優先度の値の解釈を説明する
このオプションを使用すると、SMS メッセージに割り当てるデフォルトの優先度を指定できる。指定しない場合のデフォルトは、PROFILE=GSM および CDMA が優先度 0、PROFILE=TDMA が優先度 1
USE_HEADER_PRIORITY=1 および電子メールメッセージに RFC822 Priority: ヘッダー行がある場合は、そのヘッダー行で指定した優先度が代わりに使用されて、生成される SMS メッセージの優先度が設定される。特に、この結果は次のようになる
0SMS 優先度フラグは、常に DEFAULT_PRIORITY オプションに合うように設定される。RFC822 Priority: ヘッダー行は常に無視される
1 (デフォルト) 元の電子メールメッセージの RFC822 Priority: ヘッダー行が SMS メッセージの優先度フラグに設定される。このヘッダー行が存在しない場合、SMS 優先度フラグは DEFAULT_PRIORITY オプションを使用して設定される
RFC822 Priority: ヘッダー行を SMS 優先度フラグに変換する際に使用されるマッピングを表 4-32 で説明する
DEFAULT_PRIVACY (整数、-1、0-255)
SMS メッセージのデフォルトのプライバシー値。SMS メッセージにプライバシーフラグを設定するかどうか、および使用する値は、DEFAULT_PRIVACY、および USE_HEADER_SENSITIVITY オプションを使用して制御される。DEFAULT_PRIVACY のデフォルトは -1。
DEFAULT_PRIVACY および USE_HEADER_SENSITIVITY の値の組み合わせで得られる結果を表 4-33 で説明する。
プライバシー値の SMS による解釈は以下のとおり
Sensitivity: ヘッダー行の値を SMS プライバシーの値に変換するには、次のマッピングが用いられる
DEFAULT_SERVICE_TYPE (文字列、055 バイト)
送信された SMS メッセージに関連する SMS アプリケーションサービス。デフォルトでは、指定されているサービスタイプはない (つまり、長さ 0 の文字列)。一般的なサービスタイプには、CMT (携帯メッセージング)、SPT (携帯ページング)、VMN (ボイスメール通知)、VMA (ボイスメールアラート)、WAP (ワイヤレスアプリケーションプロトコル)、USSD (Unstructured Supplementary Data Services) などがある
DEFAULT_SOURCE_ADDRESS (文字列、0-20 バイト)
電子メールメッセージから生成された SMS メッセージに使用される、デフォルトの SMS ソースアドレス。このオプションで指定した値は、SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 の場合、通常、電子メールメッセージの差出人アドレスで上書きされる。デフォルトは、ソースアドレスの指定なし (長さ 0 の文字列)
DEFAULT_SOURCE_NPI (整数、0-255)
SMS ソースアドレスのデフォルト NPI。デフォルトで、ソースアドレスには NPI 値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の、代わりとなる整数値を割り当てることができる。一般的な NPI 値の一覧については、DEFAULT_DESTINATION_NPI オプションの説明を参照
DEFAULT_SOURCE_TON (整数、0-255)
SMS ソースアドレスのデフォルト TON。デフォルトで、ソースアドレスには TON 指定子の値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の、代わりとなる整数値を割り当てることができる。一般的な TON 値の一覧については、DEFAULT_DESTINATION_TON オプションの説明を参照
DEFAULT_VALIDITY_PERIOD (文字列、0-252 バイト)
SMS メッセージのデフォルト有効期間。このオプションでは、さまざまな相対的な有効期間を指定する。デフォルトでは、SMS メッセージには相対的な有効期間はなく、SMSC のデフォルト値を使用する。値は秒、分、時、または日単位で指定できる
nnn暗黙的に単位は秒。例 : 604800
nnns単位は秒。例 : 604800s
nnnm単位は分。例 : 10080m
nnnh単位は時。例 : 168h
nnnd単位は日。例 : 7d0、0s、0m、0h、または 0d は、仕様上、SMSC のデフォルト有効期間を選択するために使用される。つまり、0、0s、0m、0h、または 0d が使用されると、生成された SMS メッセージの有効期間として、空の文字列が指定される
このオプションは UTC 形式の値は使用できない
DEFAULT_ADDRESS_NUMERIC (0 または 1)
宛先 SMS アドレスを文字 0-9 だけに減らす。このオプションでは、電子メールのエンベロープ To: アドレスから抽出した SMS 宛先アドレスの数字以外の文字を取り除く。たとえば、エンベロープ To: アドレスが次の場合
"(800) 555-1212"@sms.siroe.com
このアドレスは次のように短くなる
8005551212@sms.siroe.com
このような削除を有効にするには、このオプションの値に 1 を指定する。デフォルトでは無効になっており、これはオプションの値 0 に相当する。有効にすると、宛先アドレスのプレフィックスが DESTINATION_ADDRESS_PREFIX オプションで追加される前に、この削除が実行される
DESTINATION_ADDRESS_PREFIX (文字列)
宛先 SMS アドレスのプレフィックスとして使用するテキスト文字列。場合によっては、すべての SMS 宛先アドレスに固定テキスト文字列 (たとえば「+」) のプレフィックスを付ける必要がある。このオプションを使用すると、そのようなプレフィックスを指定することができる。プレフィックスは、指定したプレフィックスが付けられていない SMS 宛先アドレスに追加される。DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC オプションによって削除されるのを防ぐには、このオプションを DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC オプションの後で適用する
PROFILE (文字列)
SMSC で使用される SMS プロファイルを指定する。取りうる値は、GSM、TDMA、および CDMA。指定しない場合は、GSM であるとみなされる。このオプションは、DEFAULT_PRIORITY や DEFAULT_PRIVACY など他のチャネルオプションのデフォルトを選択するためだけに使用する
SET_SMS_SOURCE_ADDRESS (0 または 1)
SMS ソースアドレスに電子メールメッセージの差出人アドレスを設定する。このオプションを使用すると、SMS ソースアドレスの TON に英数字 (0x05) が設定され、SMS ソースアドレスが電子メールメッセージから抽出した差出人アドレスとなる。電子メールメッセージには差出人アドレスが多く設定されている場合があるため、選択するアドレスは、直接返信する可能性の高いアドレスにする。つまり、表 4-34 に示す 7 つのヘッダー行から 1 つを選択する。この表は、望ましい順番に並べてある
選択したアドレスは、そのローカル部分とドメイン部分とに減らされ、ソースルート、フレーズ、コメントなどはアドレスから削除される。さらに、短くなったアドレスの長さが 20 バイトを超える場合は、20 バイトに切り捨てられる
適したヘッダー行が 7 つのうちにない場合は、DEFAULT_SOURCE_ADDRESS オプションで指定したデフォルトのソース SMS アドレスが代わりに使用される。この場合、TON は DEFAULT_SOURCE_TON ごとに設定される
このオプションを有効にするには SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 と指定する。このオプションはデフォルトで有効になっている
USE_SAR (0 または 1)
SMS sar_ フィールドを使用して、複数の SMS メッセージに順番を付ける。十分に大きな電子メールメッセージは、複数の SMS メッセージに分割する必要がある。このとき、SMS sar_ フィールドを使用すると、個別の SMSM メッセージに順番の情報を付加することができる。これにより、「セグメント化された」SMS メッセージが生成され、受信端末で単一の SMS メッセージに再組立することができる。USE_SAR=1 を指定すると、可能な場合にこの順番情報が付加される。デフォルトでは順番情報を付加しない。これは USE_SAR=0 に相当する
USE_SAR=1 と指定すると、REVERSE_ORDER オプションは無視される
表 4-31 に、DEFAULT_PRIORITY オプションの優先度フィールドの解釈を示します。
表 4-31 DEFAULT_PRIORITY の優先度フィールド
値
GSM
TDMA
CDMA
0
優先でない
バルク
Normal
1
優先
Normal
インタラクティブ
2
優先
Urgent
Urgent
3
優先
Urgent
緊急
表 4-32 に、DEFAULT_PRIORITY オプションで Priority: ヘッダー行の値を SMS 優先度フラグに変換する際に使用されるマッピングを説明します。
表 4-32 優先度フラグのマッピング
RFC 822
SMS 優先度フラグ
Priority: の値
GSM
TDMA
CDMA
Third
優先でない (0)
バルク (0)
標準 (0)
Second
優先でない (0)
バルク (0)
標準 (0)
Non-urgent
優先でない (0)
バルク (0)
標準 (0)
Normal
優先でない (0)
標準 (1)
標準 (0)
Urgent
優先 (1)
速達 (2)
速達 (2)
DEFAULT_PRIVACY および USE_HEADER_SENSITIVITY の値の組み合わせで得られる結果を表 4-33 で説明します。
表 4-33 DEFAULT_PRIVACY と USE_HEADER_SENSITIVITY の値による結果
DEFAULT_PRIVACY
USE_HEADER_SENSITIVITY
結果
1
0
SMS プライバシーフラグは SMS メッセージに設定されない
n >= 0
0
SMS プライバシーフラグは常に値 n で設定される。RFC822 Sensitivity: ヘッダー行は常に無視される
-1 (デフォルト)
1 (デフォルト)
SMS メッセージのプライバシーフラグは、元の電子メールメッセージに RFC822 Sensitivity: ヘッダー行がある場合だけ設定される。この場合、SMS プライバシーフラグは、Sensitivity: ヘッダー行の値に対応するように設定される。これがデフォルト
n >= 0
1
SMS メッセージのプライバシーフラグは、元の電子メールメッセージの RFC822 Sensitivity: ヘッダー行に対応するように設定される。電子メールメッセージに Sensitivity: ヘッダー行がない場合は、SMS プライバシーフラグの値は n に設定される
SET_SMS_SOURCE_ADDRESS オプションで使用される 7 つのヘッダー行、その制約、および SMS ソースアドレスの TON (使用できる場合) について、望ましい順番で表 4-34 に示します。
表 4-34 SET_SMS_SOURCE_ADDRESS ヘッダーの制約
電子メールメッセージのフィールド
制約
TON
1. Resent-reply-to:
USE_HEADER_RESENT=1 および USE_HEADER_REPLY_TO=1 が必要
2. Resent-from:
USE_HEADER_RESENT=1 が必要
3. Reply-to:
USE_HEADER_REPLY_TO=1 が必要
0x05
4. From:
5. Resent-sender:
USE_HEADER_RESENT=1 が必要
6. Sender:
7.エンベロープ From:
8. DEFAULT_SOURCE_ADDRESS
最後の手段として使用 (つまり、エンベロープ From: アドレスが空の場合)
DEFAULT_SOURCE_TON ごとに
SMPP プロトコル
SMPP プロトコルオプションは、TCP/IP 上の SMPP プロトコルの使用と関連付けされています。文字列 ESME_ で始まる名前のオプションは、MTAが External Short Message Entity (ESME) として動作するときに MTA を特定するために使用します。つまりそれは、SMS メッセージをサーバーに関連付けされた SMSC に送信するために、MTA が SMPP サーバーにバインドされているときです。表 4-35 ではこのオプションについて説明します。
表 4-35 SMS チャネルオプション : SMPP プロトコル
オプション
説明
ESME_ADDRESS_NPI (整数、0-255)
SMPP サーバーにバインドする時期を指定する ESME NPI。デフォルトでは、バインド操作で ESME NPI 値 に不明 NPI を表す 0 を指定する。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができる。一般的な NPI 値の表については、DEFAULT_DESTINATION_NPI オプションの説明を参照
ESME_ADDRESS_TON (整数、0-255)
SMPP サーバーにバインドする時期を指定する ESME TON。デフォルトでは、バインド操作で ESME TON 値 に 0 を指定する。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができる。一般的な TON 値の表については、DEFAULT_DESTINATION_TON オプションの説明を参照
ESME_IP_ADDRESS (文字列、0-15 バイト)
Messaging Server を実行しているホストの IP アドレス。SMPP サーバーにバインドするとき、バインド PDU は、クライアント (つまり ESME) のアドレス範囲が IP アドレスであることを示す。これは、TON に 0x00、NPI に 0x0d を指定して行う。アドレス範囲フィールドの値は、SMS チャネルを実行するホストの IP アドレスに設定される。IP アドレスは「127.0.0.1」のように、ドット付きの 10 進形式で指定する
ESME_PASSWORD (文字列、0-9 バイト)
SMPP サーバーにバインドするときに指定するパスワード。パスワードが必要な場合は、このオプションで指定する。デフォルトでは、長さ 0 のパスワード文字列が指定されている
ESME_SYSTEM_ID (文字列、0-15 バイト)
バインド時に SMSC に指定するシステム ID。パスワードが必要な場合は、このオプションで指定する。デフォルトでは、長さ 0 のパスワード文字列が指定されている
ESME_SYSTEM_TYPE (文字列、0-12 バイト)
バインド時に SMSC に指定する MTA のシステムタイプ。デフォルトでは、指定されているシステムタイプはない (つまり、長さ 0 の文字列を使用)
MAX_PAGES_PER_BIND (整数、>=0)
SMPP サーバーとのシングルセッション中に送信される SMS メッセージの最大数。SMPP サーバーによっては、バインドされたシングルセッション中に送信される SMS メッセージの最大数を制限している場合がある。このため、このオプションではシングルセッション中に送信される SMS メッセージの最大数について、規定することができる。上限に達すると、チャネルのバインドが解除される。そして TCP/IP 接続が閉じてから再接続し、再バインドされる
MAX_PAGES_PER_BIND のデフォルトは 1024。また、チャネルが ESME_RTHROTTLED エラーを検出すると、それに応じて、チャネルの単独実行中に MAX_PAGES_PER_BIND が調整される
REVERSE_ORDER (0 または 1)
複数部分からなる SMS メッセージの転送順序。電子メールメッセージから複数の SMS メッセージを生成したら、その SMS メッセージを正順 (REVERSE_ORDER=0) に送信することも、逆順 (REVERSE_ORDER=1) に送信することもできる。受信端末が最後に受信したメッセージから先に表示するような場合は、逆順が便利である。そのような場合、最後に受信したメッセージは、電子メールの末尾部分ではなく、先頭部分になる。デフォルトでは REVERSE_ORDER=1 が使用される
このオプションは USE_SAR=1 が指定されているときは無視される
SMPP_MAX_CONNECTIONS (整数、1-50)
プロセスごとの同時 SMPP サーバー接続最大数。それぞれの接続には関連付けされたスレッドがあるが、このオプションでは、プロセスごとの「ワーカー」スレッドの最大数も制限する。デフォルトは SMPP_MAX_CONNECTIONS=20.
SMPP_PORT (整数、1-65535)
SMPP サーバーがリッスンする TCP ポート。TCP ポートは、このオプションか port チャネルキーワードのどちらかで指定する。このポート番号は、それら 2 つのメカニズムのどちらかで指定する必要がある。両方のメカニズムで指定した場合は、SMPP_PORT オプションによる設定が優先される。このオプションのデフォルト値はない
SMPP_SERVER (文字列、1-252 バイト)
接続先の SMPP サーバーのホスト名。デフォルトでは、接続先 SMPP サーバーの IP ホスト名は、チャネルに関連付けされた公式なホスト名。これは、MTA 設定のチャネル定義の 2 行目にあるホスト名のことである。このオプションは、別のホスト名や IP アドレスを指定して、チャネル定義で指定された内容を上書きするために使用される。指定する IP アドレスは「127.0.0.1」のように、ドット付きの 10 進表記で指定する
TIMEOUT (整数、>=2)
SMPP サーバーの読み書き動作完了までのタイムアウト値。デフォルトでは、SMPP サーバーへのデータの「書き込み」完了までの待機や、SMPP サーバーからデータを受信するまでの待機で、タイムアウト値に 30 秒が使用される。別のタイムアウト値 (秒) を使用するときは、TIMEOUT オプションを使用する。指定する値は 2 秒以上でなければならない
他言語対応
他言語対応オプションでは、SMS メッセージに挿入されるテキストフィールドをローカライズできます。表 4-36 ではこのオプションについて説明します。SMS メッセージの作成で、SMS チャネルには、メッセージに使用される多くの固定テキスト文字列があります。これらの文字列は、たとえば電子メールの From: アドレスや Subject: ヘッダー行に使用されます。これから説明するチャネルオプションを使用すると、多くの文字列をさまざまな言語や、指定したチャネルのデフォルト言語で指定できます。オプションファイルのこの部分は、次のようになっています
LANGUAGE=default-language
[language=i-default]
FROM_PREFIX=From:
SUBJECT_PREFIX=Subj:
CONTENT_PREFIX=Msg:
LINE_STOP=
NO_MESSAGE=[no message]
REPLY_PREFIX=Re:
[language=en]
FROM_PREFIX=From:
SUBJECT_PREFIX=Subj:
CONTENT_PREFIX=Msg:
LINE_STOP=
NO_MESSAGE=[no message]
REPLY_PREFIX=Re:
...
それぞれの [language=x] ブロックでは、その言語に関するローカライズオプションを指定します。ブロック内の特定のオプションが指定されていない場合は、そのオプションのグローバル値が使用されます。[language=x] ブロックの外で指定されたローカライズオプションが、そのオプションのグローバル値になります。
これから示すオプションでは、文字列値を US-ASCII または UTF-8 文字セットで指定する必要があります。US-ASCII 文字セットは、UTF-8 文字セットの特殊な場合です。
表 4-36 SMS チャネルオプション : 他言語対応
オプション
説明
CONTENT_PREFIX (文字列、0-252 バイト)
電子メールメッセージの内容自体の前に SMS メッセージに入れるテキスト文字列。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「Msg:」
DSN_DELAYED_FORMAT
配信遅延通知の文字列の書式を設定する
DSN_FAILED_FORMAT
配信遅延失敗の文字列の書式を設定する
DSN_RELAYED_FORMAT
リレー通知の文字列の書式を設定する
DSN_SUCCESS_FORMAT
成功した配信通知の文字列の書式を設定する
FROM_FORMAT (文字列、0-252 バイト)
電子メールメッセージの差出人を表すテキスト。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「$a」で、差出人の電子メールアドレスに置換される
FROM_NONE (文字列、0-252 バイト)
表示する差出人アドレスがない場合に表示するテキスト。デフォルトのグローバル値は空の文字列
一般に、差出人アドレスのない電子メールメッセージはサイトが拒否するため、通常、このオプションは使用しない
LANGUAGE (文字列、0-40 バイト)
テキストフィールドを選択する言語グループ。指定しない場合、ホストのデフォルトロケール設定に基づいて言語が選択される。ホストのロケール設定が利用できない場合や、「C」に対応する場合は、i-default が使用される。i-default は、「国際的な対象者を意図した英文テキスト」に相当する
LINE_STOP (文字列、0-252 バイト)
電子メールメッセージから抽出した各行の末尾に使用されるテキスト。デフォルトのグローバル値は US-ASCII の空白文字。
NO_MESSAGE (文字列、0-252 バイト)
メッセージに内容がないことを表すテキスト。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「[no message]」
REPLY_PREFIX (文字列、0-252 バイト)
将来のバージョンで使用するために予約。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「Re:」
SUBJECT_FORMAT (文字列、0-252 バイト)
SMS メッセージに表示される Subject: ヘッダー行の内容の形式を整えるための書式かテンプレート。このオプションのデフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「($s)」
Subject: ヘッダー行がない場合や、空の文字列である場合の処理については、SUBJECT_NONE オプションを参照
SUBJECT_NONE (文字列、0-252 バイト)
電子メールメッセージの件名が存在しない場合や、Subject: ヘッダー行の値が空文字列の場合に表示するテキスト。このオプションのデフォルトのグローバル値は空の文字列
その他
デバッグ : 詳細なデバッグ出力を可能にします。