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Sun ONE Messaging Server 6.0 リファレンスマニュアル

第 4 章
MTA の設定

この章には、以下の項目があります。


MTA 設定ファイル

このセクションでは、MTA 設定ファイルの構造とレイアウトについて説明します。一部の設定の修正は、第 2 章「Message Transfer Agent のコマンド行ユーティリティ」で説明しているように、コマンド行インタフェースを使用して実行します。コマンド行でできない修正は、設定ファイルを編集して実行します。設定ファイルの編集は経験のある管理者以外の方にはお勧めしません。

すべての設定ファイルは、各種のテキストエディタで作成や編集ができる、ASCII テキストの形式です。設定ファイルの権限は、誰でも読み取り可能に設定しなければなりません。設定ファイルを誰でも読み取り可能にしないと、予期しない MTA 障害の原因になることもあります。ほとんどのファイルの物理行は 252 文字に制限されており、 ¥ (円マーク) の継続文字を使って論理行を複数の物理行に分けることができます。


MTA のプロセスは、そのほとんどの設定をファイル .../config.dat から読み取ります。このファイルは、さまざまなテキスト設定ファイルから構築された設定をコンパイルした形式になっています。

いくつかの設定ファイルは、このコンパイル済み設定ファイルにコンパイルされていません。特に、dispatcher.cnfjob_controller.cnf、および tcp_local_option などのチャネルオプションファイルはコンパイルされた設定には含まれていません。このため、これらのファイルに対する変更を有効にするため設定をコンパイルする必要はありません。ただし、プロセスは起動時にこれらのファイルを読み取るだけです。したがって、ジョブコントローラに対する変更を有効にするには、ジョブコントローラを再起動する必要があります。

コンパイルされた設定には、2 つの部分があります。1 つは、書き換えルールおよびチャネル定義のように、プロセスを実行しても再読み込みされません。再読み込みされない設定の部分に加えた変更を有効にするには、設定を再コンパイルし、影響のあるプロセスを再起動する必要があります。たとえば、書き換えルールに対する変更は、メッセージをキューに入れるプロセスすべてに影響します。このため、書き換えルールに対する変更では設定の再コンパイルが必要であり、ディスパッチャおよびジョブコントローラを再起動する必要があります (結果的に新規の tcp_smtp_servers が生成され、配信チャネルプログラムを起動)。

別の設定であるマッピング、エイリアス、一般検索テーブル、逆引き検索テーブル、正引き検索テーブルなどは、再読み込みが可能です。これらのファイルに対する変更は、設定を再コンパイルし imsimta reload コマンドを発行すると有効になります。imsimta reload コマンドは、コンパイルされた設定の再読み込み可能な部分を再読み込みするよう、実行中のすべてのプロセスに知らせます。


表 4-1 に、MTA 設定ファイルとその簡単な説明を一覧します。

表 4-1 MTA 設定ファイル 

ファイル

説明

エイリアスファイル (必須)

ディレクトリに存在しないエイリアスを実装する。msg_svr_base/config/aliases

SMTP チャネルオプションファイル

チャネル固有のオプションを設定する。msg_svr_base/config/channel_option

変換ファイル

メッセージ本体部分の変換を制御するために変換チャネルによって使われる。msg_svr_base/config/conversions

ディスパッチャ設定ファイル (必須)

サービスディスパッチャの設定ファイルオプションを指定する。msg_svr_base/config/dispatcher.cnf

forward.txt (省略可)

テキストの検索ファイルで、転送データベースの機能と同等。システムを通過するメッセージ内の to アドレスを変換する、LDAP ディレクトリの代替となる機構を提供する。MTA オプション USE_TEXT_DATABASES のビット 2 (値 4) を設定すると、逆引きデータベースではなくこのファイルを使用可能にする。ファイルは、再読み込み可能な設定の一部として、メモリに読み込まれるハッシュテーブルに変換される。MTA オプション USE_FORWARD_DATABASE が設定されている場合にのみ使用される

general.txt (省略可)

(省略可) 一般テキスト検索ファイル。このファイルには、一般データベースと同じ機能がある。MTA オプション USE_TEXT_DATABASES のビット 0 (値 1) を設定すると、一般データベースではなくこのファイルを使用可能にする。ファイルは、再読み込み可能な設定の一部として、メモリに読み込まれるハッシュテーブルに変換される

ジョブコントローラ設定ファイル (必須)

ジョブコントローラのオプションを定義する。msg_svr_base/config/job_controller.cnf

MTA 設定ファイル (必須)

チャネル定義のほかに、アドレスの書き換えとルーティングを定義する。msg_svr_base/config/imta.cnf

マッピングファイル (必須)

マッピングテーブルのリポジトリ。msg_svr_base/config/mappings

オプションファイル

グローバル MTA オプションを定義する。msg_svr_base/config/option.dat

reverse.txt (省略可)

テキストの検索ファイルで、逆引きデータベースの機能と同等。システムを通過するメッセージ内の from: アドレスを変換する、LDAP ディレクトリの代替となる機構を提供する。MTA オプション USE_TEXT_DATABASES のビット 1 (値 2) を設定すると、逆引きデータベースではなくこのファイルを使用可能にする。ファイルは、再読み込み可能な設定の一部として、メモリに読み込まれるハッシュテーブルに変換される。MTA オプション USE_REVERSE_DATABASE が設定されている場合にのみ使用される

テイラーファイル (必須)

場所を指定する。msg_svr_base/config/imta_tailor

表 4-2 に、MTA データベースファイルとその簡単な説明を一覧します。

表 4-2 MTA データベースファイル 

ファイル

説明

逆引きデータベース

送信メールの from: アドレスを変更する。ディレクトリの使用の代替となる機構を提供し、特殊な目的にのみ使用される。逆引きデータベースの代替方法は表 4-1 で説明する逆引き検索テーブル

正引きデータベース

送信メールの to: アドレスを変更する。ディレクトリの使用の代替となる機構を提供し、特殊な目的にのみ使用される。正引きデータベースの代替方法は表 4-1 で説明する正引き検索テーブル

一般データベース

サイト固有の目的のために、ドメイン書き換えルールと一緒に、あるいはマッピングルールの中で使用される。msg_svr_base/data/db/generaldb.db 一般データベースの代替方法は表 4-1 で説明する一般検索テーブル


MTA 設定ファイル

MTA 設定ファイル (imta.cnf) には、ルーティングとアドレス書き換えの設定情報が含まれています。このファイルは、すべてのチャネルとそれらの特性、それらのチャネルにメールを転送するためのルール、そして MTA によってアドレスが書き換えられる方法を定義したものです。

imta.cnf ファイルの構造

設定ファイルは次の 2 つの部分から構成されます。ドメイン書き換えとチャネル定義です。ドメイン書き換えルールがファイルの最初に現れ、チャネル定義とは 1 つの空白行で区切られています。チャネル定義は集合的にチャネルテーブルと呼ばれます。個々のチャネル定義がチャネルブロックを構成します。

ファイル内のコメント

コメントは設定ファイルのどの位置に書いてもかまいません。コメント行は、1 桁目に感嘆符 (!) を書きます。コメントを豊富に書いて、ファイルの動作を説明することをお勧めします。次の imta.cnf ファイルの一部分は、コメント行の使い方を表示したものです。

! パート I: 書き換えルール

!

ims-ms.my_server.siroe.com $E$U@ims-ms-daemon

!

! パート II: チャネル定義

空白行とコメント行を区別することが重要です。空白行は、設定ファイルのセクションを区切る重要な役割を果たしています。コメント行は設定ファイルを読み込むルーチンに無視されます。つまり、コメント行はないものとみなされ、空白行として数えられることはありません。

他のファイルを含める

設定ファイルには、他のファイルの内容をインクルードすることができます。行の 1 桁目に「小なり」(<) の記号があると、その行の残りはファイル名として扱われます。ファイル名は絶対名でフルパスでなければなりません。指定されたファイルが開かれ、設定ファイルのその場所に他のファイルの内容が入れられます。ファイルの包含は、3 階層までネストすることができます。次の imta.cnf ファイルの一部には、/usr/iplanet/server5/msg-tango/table/internet.rules ファイルが含められています。

</usr/iplanet/server5/msg-tango/table/internet.rules


設定ファイルに含めるファイルは、設定ファイルと同じように誰でも読み取り可能でなければなりません。



ドメイン書き換えルール

ドメイン書き換えルールには、以下の 2 つの重要な役割があります。

各書き換えルールは、imta.cnf ファイルの上半分に 1 行で表示されます。

書き換えルールの設定に関するその他の情報については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「書き換えルールを設定する」の章を参照してください。

書き換えルールの構造

書き換えルールは、MTA 設定ファイルである imta.cnf の上半分に表示されます。設定ファイルに、各ルールが 1 行ごとに記述されています。空白行ではないコメントを、ルールとルールの間に入力できます。書き換えルールは空白行で終わり、その後にチャネル定義が続きます。図 4-1 に、設定ファイル内の書き換えルールを示します。

図 4-1 単純な設定ファイル - 書き換えルール

! test.cnf - 設定ファイルの例。

!

! これは、単に設定ファイルの例です。It serves

! ! no useful purpose and should not be used in a real system.

!

a     $U@a-host

b     $U@b-host

c     $U%c@b-daemon

d     $U%d@a-daemon

! 以下、チャネルの定義が続きます。

書き換えルールは次の 2 つの部分から構成されます。パターンと、それに続く同等の文字列またはテンプレートです。これらの 2 つの部分は空白文字を挿入して区切る必要があります。ただし、パターンやテンプレート自体に空白文字を使用することはできません。書き換えルールの構造は以下のとおりです。

パターン テンプレート

パターン

ドメイン名の中の検索する文字列を指定します。図 4-1 では、パターンは a、b、c、および d となっています。

パターンがアドレスのドメインの部分と一致する場合、書き換えルールはアドレスに適用されます。パターンはスペースでテンプレートと区切る必要があります。パターンの構文の詳細については、「書き換えルールのパターンとタグ」を参照してください。

テンプレート

以下のいずれかです。テンプレートの構文の詳細については、「書き換えルールテンプレート」を参照してください。

UserTemplate%DomainTemplate@ChannelTag[コントロール]

UserTemplate@ChannelTag[コントロール]

UserTemplate%DomainTemplate[コントロール]

UserTemplate@DomainTemplate@ChannelTag[コントロール]

UserTemplate@DomainTemplate@SourceRoute@ChannelTag[コントロール]

UserTemplate

アドレスのユーザー部を書き換える方法を指定します。置換シーケンスを使用して、オリジナルのアドレスの一部、またはデータベース検索の結果を表すことができます。置換シーケンスは、書き換えられたアドレスの作成を表すものと置き換えられます。図 5-1 では、$U という置換シーケンスが使用されています。詳細については、「テンプレートの置換と書き換えルールのコントロールシーケンス」を参照してください。

DomainTemplate

アドレスのドメイン部分を書き換える方法を指定します。UserTemplate と同様、DomainTemplate には置換シーケンスを入力できます。

ChannelTag

このメッセージが送信されるチャネルを表します。チャネル定義にはすべて、チャネルタグとチャネル名が必要です。一般に、チャネルタグは書き換えルールとそのチャネル定義に記述されます。

コントロール

ルールの適用は、コントロールを使って制限することができます。コントロールシーケンスの中には、ルールの先頭に指定するものと、ルールの最後に指定するものとがあります。ほとんど、どの場所にも指定できるものもあります。コントロールの詳細については、「テンプレートの置換と書き換えルールのコントロールシーケンス」を参照してください。

書き換えルールのパターンとタグ

書き換えルールのほとんどのパターンは、該当のホストだけと一致する特定のホスト名か、サブドメイン全体の任意のホスト / ドメインと一致するサブドメインパターンのいずれかで構成されます。

たとえば、以下の書き換えルールのパターンは、指定したホストだけと一致する特定のホスト名で構成されます。

host.siroe.com

次の書き換えルールのパターンは、サブドメイン全体の任意のホストまたはドメインと一致するサブドメインのパターンで構成されます。

.siroe.com

ただし、このパターンは、ホスト名 siroe.com 自体とは一致しません。ホスト名 siroe.com 自体と一致させるには、別の siroe.com パターンが必要になります。

MTA は、特定のホスト名で始まるホスト / ドメイン名を書き換えてから、固有性を少なくするよう、増分で名前を生成しようとします。つまり、より固有な書き換えルールパターンは、より一般的な書き換えルールパターンに優先して使用されます。たとえば、設定ファイルに以下の書き換えルールパターンが指定されているとします。

hosta.subnet.siroe.com
.subnet.siroe.com
.siroe.com

書き換えルールパターンに基づいて、jdoe@hosta.subnet.siroe.com のアドレスは書き換えルールパターン hosta.subnet.siroe.com と一致し、 jdoe@hostb.subnet.siroe.com のアドレスは書き換えルールパターン .subnet.siroe.com と一致し、jdoe@hostc.siroe.com のアドレスは書き換えルールパターン .siroe.com と一致します。

特に、インターネットのサイトではサブドメイン書き換えルールパターンを含む書き換えルールの使用が一般的です。通常、このようなサイトにはそれ自体の内部ホストおよびサブネットの多数の書き換えルールがあり、internet.rules ファイルからその設定に、トップレベルインターネットドメインの書き換えルールが組み込まれます (msg_svr_base/config/internet.rules)。

このファイルには、以下のものを指定する必要があります。

すでに説明したより一般的な種類のホストまたはサブドメインの書き換えルールパターンのほか、書き換えルールではいくつかの特殊なパターンも使われます。これについては、表 4-3 で要約し、以降の項で説明します。

表 4-3 書き換えルールの特殊パターンの要約

パターン

説明 / 使用目的

$*

任意のアドレスと一致する。このルールが指定されている場合、それがファイル内のどの位置にあっても、最初に適用される

$%

パーセントハックルール。A%B という形式のホスト / ドメイン仕様と一致する

$!

Bang スタイルルール。B!A という形式のホスト / ドメイン仕様と一致する

[]

IP リテラル完全一致ルール。任意の IP ドメインリテラルと一致する

.

任意のホスト / ドメイン仕様と一致する。たとえば、 joe@[129.165.12.11]

Messaging Server には、このような特殊なパターンのほか、書き換えルールパターンに現れることのあるタグという概念があります。これらのタグは、アドレスが複数回にわたって書き換えられる場合に使用されます。この区別は、直前に行われた書き換えに基づき、どの書き換えルールがアドレスに一致するかを制御することによって行います。詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。

書き換えルールテンプレート

表 4-4 では、テンプレートの形式を要約しています。

表 4-4 書き換えルールのテンプレートの形式の要約

テンプレート

使用目的

A%B

A は新しいユーザー / メールボックスの名前になり、B は新しいホスト / ドメイン仕様になる。繰り返し書き換える

A@B

A%B@B として扱われる

A%B@C

A は新しいユーザー / メールボックスの名前になり、B は新しいホスト / ドメイン仕様になり、ホスト C と関連するチャネルにルーティングされる

A@B@C

A@B@C@C として扱われる

A@B@C@D

A は新しいユーザー / メールボックスの名前になり、B は新しいホスト / ドメイン仕様になり、C をソースルートとして挿入し、ホスト D と関連するチャネルにルーティングされる

テンプレートの置換と書き換えルールのコントロールシーケンス

置換を使用して、書き換えられたアドレスに文字列を挿入することによって、ユーザー名またはアドレスを書き換えます。この値は、使用される特定の置換シーケンスによって決まります。

コントロールシーケンスは、指定した書き換えルールの適用に対して追加の条件を課します。書き換えルールのパターン部がチェックされるホストまたはドメイン仕様と一致する必要があるだけでなく、書き換えられているアドレスの他の側面も、コントロールシーケンスまたはシーケンスによる条件設定と一致する必要があります。

ドメインまたはホスト仕様が書き換えルールのパターン部分と一致する必要があっても、そのルールのテンプレートの中のコントロールシーケンスによって生じる基準のすべてとは一致しない場合、書き換えルールは失敗し、書き換えは適用可能な他のルールの検索を続けます。

表 4-5 では、テンプレートの置換とコントロールシーケンスを要約しています。

表 4-5 テンプレートの置換とコントロールシーケンスの要約 

置換シーケンス

置き換える内容

$D

一致するドメイン仕様の部分

$H

ホスト / ドメイン仕様の一致しない部分。残りはパターン内のドット

$L

ドメインリテラルの一致しない部分。残りはパターンリテラルのドット

$U

オリジナルのアドレスのユーザー名

$0U

オリジナルのアドレスのローカル部分 (ユーザー名) からサブアドレスを除いたもの

$1U

存在する場合は、オリジナルのアドレスのローカル部分 (ユーザー名)

$$

リテラルのドル記号 ($) を挿入する

$%

リテラルのパーセント記号 (%) を挿入する

$@

リテラルの @ 記号 (@) を挿入する

$¥

該当部分を小文字にする

$^

該当部分を大文字にする

$_

元の大文字と小文字を使用する

$W

ランダムで一意な文字列に置換する

$]...[

LDAP は URL を検索する

$ (テキスト)

一般データベースの代替。検索に失敗すると、ルールは失敗する

${...}

指定したマッピングを、与えられた文字列に適用する

$[...]

カスタマ提供のルーチンを起動し、結果の代替を行う

$&n

左から右にゼロから数えられる、一致しない (またはワイルドカードの) n 番目の部分

$!n

右から左にゼロから数えられる、一致しない (またはワイルドカードの) ホストの n 番目の部分

$*n

左から右にゼロから数えられる、一致するパターンの n 番目の部分

$#n

右から左にゼロから数えられる、一致するパターンの n 番目の部分

$nD

一致するドメイン仕様の部分で、左側の 0 から n 番目までの部分が残される

$nH

一致しないホスト / ドメイン仕様の部分で、左側の 0 から n 番目までの部分が残される

コントロールシーケンス

書き換えルールの効果

$1M

チャネルが内部再処理チャネルの場合のみ適用される

$1N

チャネルが内部再処理チャネルではない場合のみ適用される

$1~

保留状態のチャネルの照合チェックを実行する。チェックに失敗した場合、現在の書き換えルールテンプレートの処理は正常に終了する

$A

ホストが @ 記号の右にある場合に適用される

$B

ヘッダー / 本文のアドレスのみに適用される

$C チャネル

チャネルに送信中の場合は失敗する

$E

エンベロープアドレスのみに適用される

$F

前方を探すアドレス (例、To:) にのみ適用される

$M チャネル

チャネルがアドレスを書き換えている場合のみ適用される

$N チャネル

チャネルがアドレスを書き換えている場合は失敗する

$P

ホストがパーセント記号の右にある場合に適用される

$Q チャネル

チャネルに送信中の場合に適用される

$R

後方を探すアドレス (例、From:) にのみ適用される

$S

ホストがソースルートからの場合に適用される

$T新規タグ

書き換えルールタグを新規タグに設定する

$Vホスト

ホスト名が LDAP ディレクトリ (DC ツリー内または仮想ドメインとしてのいずれか) に定義されていない場合、失敗する。LDAP 検索がタイムアウトになると、書き換えパターンのホスト名の後の直後の文字の残りの部分は、MTA オプションの文字列 DOMAIN_FAILURE と置き換えられる

$X

ホストが感嘆符の左にある場合に適用される

$Zホスト

ホスト名が LDAP ディレクトリ (DC ツリー内または仮想ドメインとしてのいずれか) に定義されている場合、失敗する。LDAP 検索がタイムアウトになると、書き換えパターンのホスト名の後の直後の文字の残りの部分は、MTA オプションの文字列 DOMAIN_FAILURE と置き換えられる

$?errmsg

書き換えに失敗すると、デフォルトのエラーメッセージの代わりに errmsg が返される。エラーメッセージは US ASCII 文字でなければならない

$番号?errmsg

書き換えに失敗すると、デフォルトのエラーメッセージの代わりに errmsg が返され、SMTP 拡張エラーコードが a.b.c に設定される

  • a は、番号/ 1000000 (最初の桁)
  • b は (番号/1000)、余り 1000 (桁2 から 4 の値)
  • c は 番号、余り 1000 (最後の 3桁の値)

以下の例では、エラーコードを 3.45.89 に設定している

$3045089?the snark is a boojum

置換については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。


チャネル定義

MTA 設定ファイルの 2 つめの部分には、チャネルそのものの定義が含まれています。これらの定義は「チャネルホストテーブル」と総称され、MTA が使用できるチャネルと、各チャネルに関連付けられた名前を定義します。個々のチャネル定義がチャネルブロックを構成します。ブロックは 1 行の空白行によって区切られています。そのため、1 つのチャネル定義の中にコメント行を含めることはできますが、空白行を含めることはできません。1 つのチャネルブロックには、そのチャネルの構成を定義するキーワードのリストがあります。これらのキーワードは、「チャネルキーワード」と呼ばれます。詳細については、表 4-6 を参照してください。

次の imta.cnf ファイルの一部分はサンプルのチャネルブロックを表しています。

[空白行]

! チャネル定義の例

チャネル名 キーワード 1 キーワード 2

ルーティング-システム

[空白行]

ルーティング-システム は、このチャネルと関連するホスト名です。アドレスの書き換え処理中、書き換えルール内でパターンが一致する前に、アドレスのホスト部分がチャネルと関連するホスト名でチェックされます。例外は $* だけで、完全なパターン一致の書き換えルールが最初にチェックされます。

チャネル定義とチャネルテーブルキーワードの詳細については、「チャネル設定キーワード」、および表 4-6 を参照してください。


チャネル設定キーワード

各チャネルブロックの最初の行にはチャネル名があり、次に特定のチャネルの設定を定義するキーワードが続きます。次の表では、キーワードと、キーワードがチャネル動作 (チャネルがサポートするアドレスのタイプなど) を制御する方法について説明します。転送レイヤ (メッセージエンベロープ) に使われるアドレスとメッセージヘッダーに使われるアドレスとは区別されます。

チャネル名の次にあるキーワードは、チャネルにさまざまな属性を割り当てるために使用されます。キーワードは大文字と小文字を区別し、32 バイトまで有効で、それ以上の文字は無視されます。サポートされているキーワードを表 4-6 および表 4-7 に示します。太字のキーワードはデフォルトです。表 4-6 はチャネルキーワードのアルファベット順のリストで、表 4-7 はチャネルキーワードの機能別のリストです。

このリストにないキーワードを指定しても (正しくないかもしれませんが) エラーにはなりません。UNIX システムの場合、未定義のキーワードは、チャネルのキューにメールを入れるためにプロセスが必要とするグループ ID として解釈されます。imsimta test -rewrite ユーティリティでは、設定ファイル内に、いずれのキーワードとも一致せず、グループ ID として解釈されるキーワードがあるかどうかを示します。

表 4-6 チャネルキーワードの一覧 (アルファベット順) 

キーワード

使用目的

733

エンベロープで % ルーティングを使用する。percents と同義

パーセント記号のエンベロープアドレス。ソースルートを除く、完全な RFC 822 形式のエンベロープアドレスがサポートされる。ソースルートは、パーセント記号のルールを使用して、書き換える必要がある。percents キーワードは、733 と同義で使用できる

SMTP チャネルで 733 アドレスルールを使用すると、SMTP エンベロープの転送レイヤのアドレスでもこれらのルールが使われるようになる。これは、RFC 821 に違反する場合があるため、必要時以外は 733 を使用しないようする

構文:
733

822

エンベロープでソースルートを使用する。sourceroute と同義。

ソースルートのエンベロープアドレス。このチャネルでは、ソースルートを含む、完全な RFC 822 形式のエンベロープアドレスルールがサポートされる。sourceroute キーワードは、822 と同義で使用できる。ほかのエンベロープアドレスタイプのキーワードが指定されていない場合、これがデフォルトになる

構文:
822

addreturnpath

このチャネルにキューを入れる際に、Return-path: ヘッダーが追加される。通常、Return-path: ヘッダー行の追加は、最終的な配信を実行するチャネルで行われます。ただし、ims-ms チャネルなど一部のチャネルでは、MTA で Return-path: ヘッダー行を追加する方が、チャネルで追加するよりも効率的である

構文:
addreturnpath ヘッダー

ヘッダーは、追加するヘッダー行

addrsperfile

メッセージファイルあたりのアドレスの数

addrsperfile キーワードは、チャネルのキューにある 1 つのメッセージファイルに関連付けられる受取人の最大数に制限を付けるために使用されます。これによって、1 つの操作で処理される受取人の数が制限される。「multiple」を参照

構文:
addrsperfile 整数

整数は、1 つのメッセージファイルで許される受取人アドレスの最大数を指定する。この数に達すると MTA は自動的にそれらを処理するために追加のメッセージファイルを作成する

addrsperjob

1 つのジョブによって処理されるアドレスの数

addrsperjob キーワードは、すべてのエントリ内の To: アドレスの合計数を与えられた値で割り、開始する同時進行のジョブ数を計算する

構文:
addrsperjob 整数

整数は、アドレスを処理するために複数のマスタープロセスが作成される前に、関連するチャネルに送信する必要のあるアドレスの数を指定する。パラメータに 0 またはそれ以下の値を指定した場合は、1 つのサービスジョブだけがキューに入れられる

aliaslocal

エイリアスファイルとエイリアスデータベースを照会する。aliaslocal キーワードをチャネルに使用すると、そのチャネルに書き換えられるアドレスも、エイリアスファイルとエイリアスデータベースで検索するようにできる。通常、ローカルチャネル (UNIX の1 チャネル) に書き換えられるアドレスのみが、エイリアスファイルとエイリアスデータベースで検索される。実行される検索プローブの形式は、ALIAS_DOMAINS オプションで制御される

構文:
aliaslocal

aliaspostmaster

postmaster のメッセージをローカルチャネルの postmaster にリダイレクトする

これらのオプションが設定されていない場合は、通常のデフォルト値が使用される。aliaspostmaster キーワードがチャネルに指定されている場合は、正式なチャネル名におけるユーザー名 postmaster (大文字のみ、小文字のみ、またはその両方) 宛てのすべてのメッセージは、postmaster@local-host にリダイレクトされる。local-host には、正式なローカルホスト名 (ローカルチャネルの名前) が入る。

インターネット標準規格では、メールを受け付ける DNS のドメインに、メールを受信する有効な postmaster のアカウントを持たせることを要求している。このため、各ドメインに対して個別の postmaster アカウントを設定するのではなく、postmaster の責務を中央化したい場合に aliaspostmaster キーワードが有用である

構文:
aliaspostmaster

allowetrn

すべての ETRN コマンドを処理する

このキーワード (および関連する SMTP ETRN コマンドキーワード) は、メッセージ送信時に MTA 応答を制御する。SMTP クライアントは SMTP ETRN コマンドを発行して、MTA に MTA キュー内のメッセージの配信をリクエストする

構文:
allowetern

allowswitchchannel

ソースチャネルをこのチャネルに切り替えることができる

構文:
allowswitchchannel チャネル

alternatechannel

少なくとも alternateblocklimitalternatelinelimit、または alternaterecipientlimit の 1 つを超えたときに、メッセージをキューに入れる代替チャネルを指定する

alternate*limit チャネルキーワード制限のいずれかが超えた場合、メッセージは alternatechannel に変換される

1 つ以上の alternate*limit キーワードを alternatechannel なしで使用しても、エラーは発生せず、単に無視される。そのため、alternate*limit キーワードを使用しても、alternatechannel キーワードを使用しない限り影響はない

構文:
alternatechannel チャネル

alternateblocklimit

alternatechannel キーワードが置かれた元のチャネルで、メッセージごとに可能な MTA ブロックの最大数を指定する。このブロック数を超えるメッセージは、チャネルの alternatechannel に強制的に送られる。MTA オプションファイルの BLOCK_SIZE オプションを修正することで、ブロックサイズの解釈を変更できる

構文:
alternateblocklimit 整数

デフォルト : 制限なし

alternatelinelimit

alternatechannel キーワードが置かれた元のチャネルで、メッセージごとに可能な最大行数を指定する。この行数を超えるメッセージは、チャネルの alternatechannel に強制的に送られる

構文:
alternatelinelimit 整数

デフォルト : 制限なし

alternaterecipientlimit

alternatechannel キーワードが置かれた元のチャネルで、メッセージのコピーに対するエンベロープの受取人の制限を指定する。メッセージのコピーに対するこのエンベロープ受取人数を超えるメッセージは、チャネルの alternatechannel に強制的に送られる

alternaterecipientlimit の値は、addrsperfilesinglesingle_sys などのチャネルキーワードに従ってアドレスが別々のファイルに分割される前にチェックされる。その結果、alternaterecipientlimit の値は、該当のチャネルのキューに入れられた (そのメッセージの) 受取人の総数と比較される。該当のチャネルのキューエリアで特定のディスクファイルに保管された可能性のある、そのような受取人の人数とは比較されない

構文:
alternaterecipientlimit 整数

デフォルト : 制限なし

authrewrite

ヘッダー内に SMTP AUTH 情報を使用する。MTA が認証された差出人の情報をヘッダーに含めるようにするために、authrewrite チャネルキーワードをソースチャネルに使用することもできる。FROM_ACCESS マッピングによって無視されることもあるが、通常はSMTP AUTH 情報が使用される

構文:
authrewrite 整数

整数は、次のいずれかとなる

1 - AUTH 差出人を含む Resent-from: や Resent-sender: がすでに存在していれば、Sender: ヘッダーまたは Resent-sender: ヘッダーを追加する

2 - AUTH 差出人を含む Sender: ヘッダーを追加する

backoff

配信に失敗したメッセージの再配信回数を指定する。backoff は、nonurgentbackoffnormalbackoff、あるいはurgentbackoff によって無効にしないかぎり、優先度にかかわらずすべてのメッセージを再配信する間隔を指定する

構文:

backoff "間隔1" ["間隔2"] ["間隔3"] ["間隔4"] ["間隔5"] ["間隔6"] ["間隔7"] ["間隔8"]

間隔は ISO 8601P 構文を使用し、以下のようになる

P[Y][M][W][D][T[H][M][S]]

年、月、週、日、時、分、および秒の変数は整数値で、配信試行の間の間隔を指定する (最初の変数は、最初の配信の失敗と最初の配信試行の間の間隔を指定する)。アルファベットの変数ラベル (PYMWDHMS、およびT) は、大文字と小文字が区別されない。最初の P は必須。他の変数は省略可能だが、時刻の値を指定する場合、T は必須

backoffnonurgentbackoffnormalbackoffurgentbackoff キーワードのどれにでも、最大で 8 つの間隔を指定できる。最後に指定する間隔は、追加の再試行の間隔として、必要に応じて使用される。配信は、notices キーワードで指定した時間の間に試行される。配信が失敗すると、配信失敗の通知が生成され、差出人にメッセージが返される

配信の再試行のデフォルトの間隔は分単位で、以下のとおり

緊急 : 30, 60, 60, 120, 120, 120, 240
標準 : 60, 120, 120, 240, 240, 240, 480
緊急ではない : 120, 240, 240, 480, 480, 480, 960

使用方法と例については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照

bangoverpercent

A!B%C を A!(B%C) としてグループ化する。つまり、bangoverpercent キーワードを使うと、「bang」アドレス (A!B%C) は A はルーティングホスト、C は最終的な宛先ホストとして解釈される

このキーワードは、A!B@C 形式のアドレス処理に影響を与えない。これらのアドレスは、常に (A!B)@C として扱われる。このような処理は RFC 822 と RFC 976 の両方で義務付けられている

構文:
bangoverpercent

bangstyle

エンベロープで UUCP! (bang スタイル) ルーティングを使用する。uucp と同義

このチャネルでは、エンベロープの RFC 976 の bang スタイルアドレスルールに準拠するアドレスが使用される (たとえば、UUCP チャネル)。bangstyle キーワードは、uucp と同義で使用できる

構文:
bangstyle

bidirectional

チャネルは、マスターとスレーブの両方のプログラムによって処理される。bidirectionalmaster、および slave キーワードによって、チャネルのキューにメッセージが入れられたときに MTA が配信活動を開始するかどうかが決まる。これらのキーワードを使用すると、対応するチャネルプログラムの特徴が反映されるようになる。これらのキーワードをいつ、どこで使用すべきかについては、MTA がサポートする各種チャネルの説明を参照

構文:
bidirectional

blocketrn

ETRN コマンドを処理しない。「allowetrn」を参照

構文:
blocketrn

blocklimit

メッセージあたりの許可されている MTA ブロックの最大数。MTA は、これよりも多いブロックを含むメッセージがチャネルのキューに入れられるのを拒否する。1 つのMTA ブロックは通常 1024 バイトで、これは MTA オプションファイルにある BLOCK_SIZE オプションを使用して変更することができる

構文:
blocklimit 整数

cacheeverything

すべての接続情報をキャッシュし、すべての形式のキャッシュを有効にする

通常 SMTP チャネルキャッシュには、成功した接続試行と失敗した接続試行の両方に関する情報が記録される。ただし、このキャッシングの方法がすべての状況に適しているというわけではない。cacheeverything、cachefailures、cachesuccesses、および nocache キーワードを使用して、MTA キャッシュを調整する

構文:
cacheeverything

cachefailures

接続失敗に関する情報だけをキャッシュする。「cacheeverything」を参照

構文:
cachefailures

cachesuccesses

接続成功に関する情報だけをキャッシュする。このキーワードは、チャネルの nocache キーワードと同等のものである。「cacheeverything」を参照

構文:
cachesuccesses

channelfilter

チャネルフィルタファイルの場所を指定する。destinationfilter と同義。channelfilter キーワードは、一般的な MTA チャネルで、送信メッセージに適用するチャネルレベルのフィルタの指定に使用する

構文:
channelfilter フィルタ

フィルタ引数は、チャネルフィルタの位置を示す必須の URL

charset7

7 ビットのテキストメッセージに関連付けるデフォルトの文字セット。

MIME 仕様は、プレーンテキストのメッセージで使用される文字セットにラベルを付ける仕組みを提供する。特に、Content-type: ヘッダー行の一部として charset= パラメータを指定することができる。MIME には、US-ASCII (デフォルト)、ISO-8859-1、ISO-8859-2 などのようにさまざまな文字セット名が定義されている。既存のシステムやユーザーエージェントの中には、これらの文字セットラベルを生成する仕組みを提供しないものもあり、その結果、プレーンテキストメッセージの中には適切にラベル付けされていないものもある。charset7、charset8、および charsetesc チャネルキーワードは、メッセージヘッダーに文字セット名を挿入するメカニズムをチャネルごとに提供するキーワード。適切なキーワードが指定されていない場合は、Content-type: ヘッダー行に文字セット名が挿入されないヘッダー行の数が多すぎるためにメッセージが .HELD 状態になったときに syslog メッセージが生成されないことを指定する。

構文:
charset7 文字セット名

文字セット名引数は、文字セット名を指定する

charset8

8 ビットのテキストメッセージに関連付けるデフォルトの文字セット。

charset8 キーワードでは、メッセージヘッダーの 8 ビット文字の MIME エンコーディングも制御される (メッセージヘッダーでは、8 ビットのデータは常に不正)。MTA では通常、メッセージヘッダーにあるすべての不正な 8 ビットデータが MIME でエンコードされ、charset8 の値が指定されていない場合は「UNKNOWN」文字セットとしてラベルされる。「charset7」および「charsetesc」を参照

構文:
charset8 文字セット名

文字セット名引数は、文字セット名を指定する

charsetesc

エスケープ文字を含む 7 ビットのテキストメッセージに関連付けるデフォルトの文字セット。「charset7」および「charset8」を参照

構文:
charsetesc 文字セット名

文字セット名引数は、文字セット名を指定する

checkehlo

リモート SMTP サーバーから返された SMTP 応答見出しに「ESMTP」文字列があるかどうかが確認される。この文字列がある場合は EHLO が使用される。この文字列がない場合は HELO が使用される。デフォルトでは、見出し行に「fire away」という文字列が含まれている場合を除き、EHLO をすべての 1 回目の接続試行に使用する。「fire away」が含まれている場合には、HELO が使用される。このデフォルトの動作に対応するキーワードはない。このデフォルトの動作は、ehlo キーワードと checkehlo キーワードによる中間的な結果である

構文:
checkehlo

commentinc

メッセージのヘッダー行内のコメントをそのままにする

MTA は必要なときだけヘッダー行の内容を解釈する。ただし、省略形のアドレスを書き換えてなくすために (それ以外の場合は、有効なアドレスに変換するために)、アドレスを含むすべての登録されたヘッダー行をパースしなければならない。この処理の途中では、コメント (括弧で囲まれた文字列) が抽出され、ヘッダー行が再構成されるときに変更されるか、あるいは除外されることがある。この動作は、commentinc、commentmap、commentomit、commentstrip、および commenttotal キーワードを使用して制御される。

構文:
commentinc

commentmap

COMMENT_STRINGS マッピングテーブルを通じて、メッセージヘッダー行でコメント文字列を実行する。「commentinc」を参照

構文:
commentmap

commentomit

メッセージのヘッダー行内のコメントを取り除く。「commentinc」を参照

構文:
commentomit

commentstrip

メッセージのヘッダー行内にある問題を起こす文字を取り除く。「commentinc」を参照

構文:
commentstrip

commenttotal

Received: ヘッダー行以外のすべてのヘッダー行から ( ) に入っているコメントを削除する。このキーワードは通常使い道はなく、勧められない。「commentinc」を参照

構文:
commenttotal

connectalias

メッセージがキューから取り出されるときにアドレスの書き換えを行わず、受取人のアドレスに書かれているホストに配信する

構文:
connectalias

connectcanonical

メッセージがキューから取り出されるときに書き換えを行い、MTA が接続するシステムのホストエイリアスに接続する

構文:
connectcanonical

copysendpost

差出人のアドレスが空白の場合以外は、失敗のコピーを postmaster に送信する。その後 postmaster は、バウンスや通知以外のすべての配信不能メッセージのコピーを受け取る

sendpostcopysendposterrsendpost、および nosendpost キーワードは、配信不能のメッセージを postmaster に送ることを制御するために使用される。これらのキーワードのいずれも指定されていない場合、Errors-to: ヘッダー行やエンベロープ From: アドレスが空白でエラーの返送が表示されないようになっている場合を除き、配信不能メッセージのコピーはデフォルトでポストマスターに送信される。このデフォルトの動作は、どのキーワードの設定にも対応していない

構文:
copysendpost

copywarnpost

差出人のアドレスが空白の場合以外は、警告のコピーを postmaster に送信する。この場合、postmaster は、バウンスや通知以外のすべての配信不能メッセージの警告を受け取ることになる

warnpostcopywarnposterrwarnpostnowarnpost キーワードは、警告メッセージを postmaster に送ることを制御するために使用される。これらのキーワードのいずれも指定されていない場合、Warnings-to: ヘッダー行やエンベロープ From: アドレスが空白で警告が表示されないようになっている場合を除き、警告のコピーはデフォルトでポストマスターに送信される。このデフォルトの動作は、どのキーワードの設定にも対応していない

構文:
copywarnpost

daemon

メールを転送するゲートウェイの名前または IP アドレスを指定する。daemon キーワードは、SMTP チャネル上でターゲットホストの選択を制御するために使用する。通常、ホストへの接続に使用されているチャネルは、メッセージのエンベロープアドレスに表示される。daemon キーワードは、エンベロープアドレスにどのチャネルが表示されているかにかかわらず、チャネルがファイヤウォールやメールハブシステムなど特定のリモートシステムに接続するように設定する。

構文:
daemon ルーティング_ホスト名

または

daemon [IP アドレス]

実際のリモートシステム名は、daemon キーワードの直後に表示される。daemon キーワードの後ろの引数が完全なドメイン名、または角かっこで囲まれたドメインリテラルではない場合、引数は無視され、チャネルは正規ホストに接続する

datefour

メッセージヘッダーの日付フィールドを 4 桁の年数に変換する。値が 50 以下の 2 桁の日付表示には 2000 が加えられ、50 より大きいものには 1900 が付け加えられる

構文:
datefour

datetwo

メッセージヘッダーの日付フィールドを 2 桁の年数に変換する。MTA は 4 桁の日付表示から先頭の 2 桁を取り去る。これは、2 桁の日付表示を要求する、標準に準拠していないメールシステムとの互換性を提供する目的で行われる。その他の目的のために使用してはならない

構文:
datetwo

dayofweek

メッセージヘッダーの日付フィールドの日付の仕様に曜日を含め、曜日情報がない場合にはその情報を日付 / 時刻ヘッダーに追加する

構文:
dayofweek

defaulthost

アドレスを完成させるために使用する、特定のホスト名を指定する。このホスト名は、受信側のユーザー ID に追加される

構文:
defaulthost host1 [host2]

The defaulthost キーワードの後には、チャネルで受信するアドレス (エンベロープ From: アドレスとヘッダーにある) を完成させるためのドメイン名 (host1) を追加する必要がある。省略可能な 2 番目のドメイン名 (host2) を指定してエンベロープ To: アドレスを完成させることもできる。host2 は、その名前に少なくとも 1 つはピリオドが必要

defaultnameservers

TCP/IP スタックが選択したネームサーバーを使用する

構文:
defaultnameservers

defaultmx

チャネルが、ネットワークから MX 検索を実行するかどうかを決定する。defaultmx キーワードは、ネットワークが MX レコードをサポートする場合に mx を使用するように指定する。MX 検索をサポートするチャネルではすべて defaultmx キーワードがデフォルトとして設定されている

構文:
defaultmx

deferred

指定配信日 (Deferred-delivery: ヘッダー行) の認識と処理を行う。未来の deferred 指定配信日が付いているメッセージは、有効期限が切れて返されるか、あるいは指定配信日がくるまでチャネルのキューに保管される。Deferred-delivery: ヘッダー行の形式と操作の詳細については、RFC 1327 を参照

構文:
deferred

defragment

このチャネルのキューに入れられた MIME 準拠のメッセージ全体、あるいは部分を再組立する。チャネルが defragment でマークされていれば、このチャネルのキューに入れられるメッセージまたは部分メッセージはすべて、代わりに再組立チャネルのキューに入れられる。すべての部分が到着したら、メッセージは再構築されて本来の宛先に送られる

構文:
defragment

dequeue_removeroute

キューから取り出す際にエンベロープの To: アドレスからソースルートを削除する。dequeue_removeroute チャネルキーワードは、送信 TCP/IP チャネルで使用して、エンベロープの受取人アドレスからソースルートを削除することができる。特に、このキーワードは、メールホスト属性を使用して NMS システムまたはソースルートをサポートしない他のシステムに直接メッセージを送るサイトで役立つことがある

構文:
dequeue_removeroute

destinationbrightmail

受取人が LDAP 属性 mailAntiUBEService (または同等) 経由を選択した場合、宛先がこのチャネルのメッセージをすべて、Brightmail 処理の対象として指定する

構文:
destinationbrightmail

destinationbrightmailoptin

ユーザーまたはドメインが LDAP 属性経由での処理を選択していない場合でも、宛先がこのチャネルのメッセージをすべて、指定した Brightmail 処理 (スパムまたはウィルス、あるいはその両方) の対象として指定する。キーワードの後にはフィルタが続く。続くリストは、spam または virus または spam,virus または virus,spam である必要がある

例 1 :
ims-ms destinationbrightmailoptin spam,virus. . .

Brightmail は、宛先がメッセージストアのメールをすべて、スパムまたはウィルスでないかスキャンする

destinationfilter

送信するメッセージに提供されるチャネルフィルタの場所を指定する。destinationfilter は channelfilter と同義

構文:
destinationfilter フィルタ

フィルタ引数は、チャネルフィルタの位置を示す必須の URL

disableetrn

ETRN SMTP コマンドのサポートを無効にする。SMTP サーバーで、ETRN はサポートされているコマンドとしてアドバタイズされない。「allowetrn」を参照

構文:
disableetrn

domainetrn

MTA に、ドメインを指定する ETRN コマンドだけを処理するように指示する。また、domainetrn キーワードにより、ドメインが一致し、MTA によって実行されるチャネル名はエコーされない。「allowetrn」を参照

構文:
domainetrn

domainvrfy

引数として完全なアドレス (たとえば、user@host) を使って、SMTP VRFY コマンドを発行する。domainvrfylocalvrfy、および novrfy キーワードは、MTA の SMTP クライアントでの VRFY コマンドの使用を制御する

構文:
domainvrfy

dropblank

ソースチャネルに指定されている場合、空白の To:、Resent-To、Cc:、あるいは Resent-Cc: ヘッダーを受信メッセージから削除する

構文:
dropblank

ehlo

すべての初期 SMTP 接続に EHLO を使用する。「checkehlo」を参照

構文:
ehlo

eightbit

チャネルが 8 ビットの文字をサポートする。eightbit キーワードは、127 (10 進) 以上の序数値を持つ文字の使用を制限しないチャネルで使用する必要がある

構文:
eightbit

eightnegotiate

チャネルが 8 ビット転送の使用をネゴシエートする (可能な場合)

拡張 SMTP など、転送形式によっては、8 ビットの文字を転送できるかどうかを判断するためのネゴシエーションの形式をサポートするものもある。ネゴシエーションが失敗したときにメッセージをエンコードするようにチャネルに指示するためには、eightnegotiate キーワードを使用する。デフォルト設定ではすべてのチャネルに対してこのキーワードが有効になっているため、ネゴシエーションをサポートしないチャネルは 8 ビットデータの転送が可能であるという仮定のもとに動作する

構文:
eightnegotiate

eightstrict

チャネルがネゴシエーションが行われていない 8 ビットデータを含むメッセージを拒否するように指定する

構文:
eithtstrict

errsendpost

差出人のアドレスが無効な (返信ができない) 場合、障害のコピーを postmaster に送る。「copysendpost」を参照

構文:
errsendpost

errwarnpost

差出人のアドレスが無効な (返信ができない) 場合、警告のコピーを postmaster に送る。「copywarnpost」を参照

構文:
errwarnpost

expandchannel

expandlimit の適用による遅延拡張を実行するチャネルを指定する。expandchannel が指定されていない場合、デフォルトで再処理用のチャネルが使用されるが、一般的に Messaging Server の設定には処理チャネルを使用する必要がある。expandchannel によって据え置き処理用のチャネルが指定されている場合、このチャネルは再処理または処理チャネルであることが必要である。ただし、一般的に Messaging Server は処理チャネルであるため、その他のチャネルを使用すると予期しない結果になることがある

構文:
expandchannel

expandlimit

アドレスの数がこの制限を超えた場合、受信メッセージを「オフライン」で処理する。

構文:
expandlimit 整数

expandlimit キーワードには、オフライン処理を開始するまでにチャネルから受け入れることのできるメッセージのアドレス数の上限を示す整数の引数をとる。expandlimit キーワードが設定されていない場合のデフォルトは無限大。引数の値を 0 にすると、そのチャネルで受信したすべてのメッセージがオフラインで処理される

exproute

このチャネルのアドレスに対して明示的なルーティングを実行する。exproute キーワード (explicit routing の略) は、アドレスがリモートのシステムに渡されるときに、関連するチャネルが明示的なルーティングを要するということを MTA に指示するものである。このキーワードがチャネルに指定されている場合、MTA により、ローカルシステムの名前 (またはローカルシステムの現在のエイリアス) を含むルーティング情報が、チャネルに一致するすべてのヘッダーアドレスとすべてのエンベロープの From: アドレスに追加される

構文:
exproute

fileinto

メールボックスフィルタ fileinto の操作が適用されたときの、アドレスに対する効果を指定する。fileinto キーワードは、現在は ims-ms チャネルに対してのみサポートされている

ims-ms チャネルの場合、通常の使用方法は以下のとおり
fileinto $U+$S@$D

上の例では、最初のサブアドレスの代わりに、フォルダ名をサブアドレスとして元のアドレスに挿入するように指定している

filesperjob

1 つのジョブで処理できるキューエントリの数。filesperjob キーワードは、実際のキューエントリ (ファイル) 数を与えられた値で割って作成するジョブ数を算出する。各メッセージのキューエントリ数は、singlesingle_sys キーワード、メーリングリストのヘッダー修正アクション、そのほかさまざまな要素によって決定される

filesperjobaddrsperjob キーワードは、追加のマスタープロセスを作成するために使用することができる

構文:
filesperjob 整数

filesperjob の引数は 1 つの正の整数で、関連するチャネルに送る必要のあるアドレスまたはキューエントリ (ファイル) の数を指定するもので、その後それらのアドレスまたはファイルを処理するために複数のマスタープロセスが作成される。パラメータに 0 またはそれ以下の値を指定した場合は、1 つのサービスジョブだけがキューに入れられる。キーワードを指定しないと、デフォルトで値は 0 に指定される

filter

ユーザーフィルタファイルの場所を指定する。filter キーワードは、ネイティブと ims-ms チャネルで使用する。

構文:
filter url

フィルタの引数は、フィルタファイルの場所を示す必須の URL

forwardcheckdelete

ソース IP アドレスの確認を実行する。forwardcheckdelete キーワードは、逆引き検索の後に正引き検索を行い、逆引き検索で返された名前の正引き検索がオリジナルの接続の IP アドレスに一致しない場合は、逆引き検索で返された名前を無視 (削除) するように、MTA に指示する。代わりにオリジナルの IP アドレスを使う

fowardchecknoneforwardchecktag、および forwardcheckdelete キーワードは、逆引き検索の実行や、DNS 逆引き検索を使用して見つかった IP 名の正引き検索を MTA にさせるかどうかの制御による影響を、変更することができる。このような正引き検索が要求された場合、これらのキーワードは、IP 名の正引き検索がオリジナルの接続の IP 番号に一致しない場合の MTA の対処も決定する

構文:
forwardcheckdelete

forwardchecknone

転送検索は実行されない。「forwardcheckdelete」を参照

構文:
forwardchecknone

forwardchecktag

逆引き検索が行われるたびに正引き検索を実行し、検出された番号が最初の接続の番号と一致しない場合は IP 名にアスタリスク (*) を付けるように指定する。「forwardcheckdelete」を参照

構文:
forwardchecktag

header_733

メッセージヘッダーで % ルーティングを使用する。このチャネルでは、ソースルートを除く、完全な RFC 822 形式のヘッダードレスがサポートされる。ソースルートは、パーセント記号のルールを使用して、書き換える必要がある

メッセージヘッダーで 733 アドレスルールを使用すると、RFC 822 と RFC 976 に違反する場合がある。このキーワードは、チャネルがソースルートアドレスを処理できないシステムに接続することが確実な場合以外は使用しないようにする

構文:
header_733

header_822

メッセージヘッダーでソースルートを使用する。このチャネルでは、ソースルートを含む、完全な RFC 822 形式のヘッダードレスルールがサポートされる。ほかのヘッダードレスタイプのキーワードが指定されていない場合、これがデフォルトになる

構文:
header_822

header_uucp

ヘッダーで ! (bang スタイル) または UUCP ルーティングを使用する。このキーワードの使用は推奨しない。使用すると RFC 976 に違反することになる

構文:
header_uucp

headerlabelalign

このチャネルのキューに入れられたメッセージヘッダーのヘッダー行を調整する。このキーワードは整数値の引数をとる。配置ポイントとは、ヘッダーの内容を揃えるためのマージンである

構文:
headerlabelalign 配置_ポイント

headerlabelalign キーワードは整数値の引数をとる。配置ポイントとは、ヘッダーの内容を揃えるためのマージンである デフォルトの値は 0 で、ヘッダーは揃えられない

headerlimit

最大のヘッダーサイズを指定する。メッセージのヘッダーがこの制限を超えた場合、このメッセージは拒否される

構文:
headerlimit ブロック数

デフォルト : 2000

headerlinelength

このチャネルのキューに入れられたメッセージヘッダー行の長さを制御する。このキーワードで指定する長さよりも長い行は、RFC 822 の折り返しルールに基づいて折り返される

構文:
headerlinelength 長さ

長さの値は整数。このキーワードが明示的に設定されていない場合のデフォルトは 80。これよりも長い行は、RFC 822 の折り返しルールに基づいて折り返される

headerread

オリジナルのメッセージヘッダーが処理される前に、メッセージがキューに入れられたときに、オプションファイルからそのメッセージのヘッダーにトリミングのルールを適用する (注意して使用すること)

構文:
headerread チャネル_read_headers.opt

チャネルは、ヘッダーオプションファイルが関連付けられているチャネルの名前

headertrim

オリジナルのメッセージヘッダーが処理された後で、オプションファイルからそのメッセージのヘッダーにトリミングのルールを適用する (注意して使用すること)。headertrim キーワードは、該当のチャネル宛のメッセージだけに影響する。ソースチャネルには影響しない

構文:
headertrim チャネル_headers.opt

チャネルは、ヘッダーオプションファイルが関連付けられているチャネルの名前

holdlimit

アドレスの数がこの制限を超えた場合、受信メッセージを「.HELD」としてマークし、再処理チャネル (または expandchannel キーワードで指定するチャネル) のキューに入れる。.HELD メッセージと同様、ファイルは MTA キューエリアに未処理のままとどまり、MTA postmaster による手作業の処理を待機する

構文:
holdlimit

holdexquota

制限容量を超過したユーザーに対するメッセージを保留する。これらのメッセージは、配信可能になるまで、またはタイムアウトになってメッセージ返送ジョブによって返送されるまで、MTA キュー内に保持される。holdexquota キーワードと noexquota キーワードは、ディスク制限容量を超過している Berkeley メールボックスユーザー (UNIX) 宛てのメッセージの処理を制御する

構文:
holdexquota

identnone

IDENT 検索を無効にする。IP からホスト名への変換を実施する。メッセージの Received: ヘッダー行には IP 番号とホスト名の両方が含まれる

構文:
identnone

identnonelimited

IDENT 検索、逆引き DNS 検索、そして Received: ヘッダーに表示された情報については、identnone と同じ効果がある。ただし、異なる点として、identnonelimited の場合は、switchannel キーワードの影響で、DNS 逆引き検索によってホスト名が検出されたかどうかにかかわらず常に IP リテラルアドレスがチャネルスイッチのベースとして使用される

構文:
identnonelimited

identnonenumeric

IDENT 検索を無効にし、DNS 逆引き検索の IP 番号からホスト名への変換を禁止する。Received: ヘッダーにユーザーフレンドリーでないホスト名を使用するため、パフォーマンスの向上につながる可能性もある

構文:
identnonenumeric

identnonesymbolic

この IDENT 検索を無効にするが、IP からホスト名への変換を実施する。メッセージの Received: ヘッダーにはホスト名だけが含まれる

構文:
identnonesymbolic

identtcp

受信 SMTP 接続での IDENT 検索と IP からホスト名への変換を実行する。IDENT 検索は IDENT プロトコル (RFC 1413) を使用する。IDENT プロトコルから入手した情報 (通常、SMTP 接続を行っているユーザーの ID) は、次のメッセージの Received: ヘッダー行に挿入される。また、DNS 逆引き検索でレポートされた受信 IP 番号に対応するホスト名と、IP 番号自体もヘッダー行に挿入される

構文:
identtcp

identtcplimited

IDENT 検索、逆引き DNS 検索、そして Received: ヘッダーに表示された情報については、identtcp と同じ効果がある。ただし、異なる点として、identtcp の場合は、switchchannel キーワードの影響で、DNS 逆引き検索によってホスト名が検出されたかどうかにかかわらず常に IP リテラルアドレスがチャネルスイッチのベースとして使用される

構文:
identtcplimited

identtcpnumeric

受信 SMTP 接続で IDENT 検索を実行し、IP からホスト名への変換を無効にする

構文:
indenttcpnumeric

identtcpsymbolic

IDENT プロトコルを有効にする (RFC 1413)。IDENT プロトコルから入手した情報 (通常、SMTP 接続を行っているユーザーの ID) は、次のメッセージの Received: ヘッダー行に挿入される。また、DNS 逆引き検索でレポートされた受信 IP 番号もヘッダー行に挿入される。IP 番号自体は Received: ヘッダーに含まれない

構文:
identtcpsymbolic

ignoreencoding

受信メッセージの Encoding: ヘッダーを無視する

構文:
ignoreencoding

improute

このチャネルのアドレスに対して暗示的なルーティングを実行する。improute キーワードは、MTA に、他のチャネルに合致するすべてのアドレスが improute マークの付いたチャネルに送られたメールの中で使用されるときにルーティングを必要とすることを指定する

構文:
improute

includefinal

配信通知の中に最終的な形式のアドレス (受取人アドレス) を含める。includefinalsuppressfinal チャネルキーワードは、MTA が最終的な形式のアドレスを含めるかどうかを制御するためのものである

構文:
includefinal

inner

メッセージをパースし、内部のメッセージヘッダーを書き換える。このキーワードはどのチャネルにも適用できる

構文:
inner

innertrim

たとえば、埋め込まれた MESSAGE/RFC822 ヘッダーのような内部のメッセージヘッダーに、オプションファイルからのヘッダートリミングルールを適用する (注意して使用すること)

構文:
innertrim チャネル_headers.opt

チャネルは、ヘッダーオプションファイルが関連付けられているチャネルの名前

interfaceaddress

指定された TCP/IP インタフェースアドレスに、送信時のソースアドレスとしてバインドする。このキーワードは、複数のインタフェースアドレスが存在するシステム上で、MTA が SMTP メッセージを送信する際にどのアドレスをソース IP アドレスとして使用するかを制御する。このキーワードは、INTERFACE_ADDRESS ディスパッチャオプション (接続およびメッセージを受け入れるために TCP/IP チャネルがリッスンするインタフェースアドレスを制御するオプション) を補足するものである

構文:
interfaceaddress アドレス

interpretencoding

受信メッセージの Encoding: ヘッダーを解釈する

構文:
interpretencoding

language

ヘッダーのエンコードされた単語のデフォルトの言語を指定する

構文:
language デフォルト_言語

lastresort

他のホストへの接続試行がすべて失敗した場合に、最終的な接続先となるホストを指定する。このキーワードは、事実上の最終手段的 MX レコードとして動作する。このキーワードは、SMTP チャネルに対してのみ効果がある

構文:
lastresort ホスト

このキーワードでは、「最終手段的システム」の名前を指定する単一のパラメータが必要

linelength

この長さの制限を超えるメッセージの行を折り返す (MIME によるエンコード)。linelength キーワードは、チャネルごとに許される最大のメッセージ行の長さを制限する仕組みを提供する。特定のチャネルのキューに入れられたメッセージの中で、そのチャネルに指定された行長を超えるメッセージは自動的にエンコードされる

linelength キーワードでは、データのエンコードに、転送用にソフト改行を実行する

構文:
linelength 長さ

linelimit

1 つのメッセージに対して許可される最大の行数を指定する。MTA は、この数以上の行を含むメッセージがチャネルのキューに入れられるのを拒否する。blocklimit キーワードと linelimit キーワードは、必要に応じて同時に指定することができる

構文:
linelimit 整数

lmtp

このチャネルで SMTP ではなく LMTP を使用することを指定する。同じチャネルで smtp および lmtp キーワードを使用しないこと

構文:
lmtp

localvrfy

アドレスのローカル部分を使って SMTP VRFY コマンドを発行する。たとえば、アドレス user1@siroe.com の場合、user1 が VRFY コマンドで使用される。「domainvrfy」を参照

構文:
localvrfy

logging

キューに対するメッセージの出入りをログに記録し、特定のチャネルのログ機能を有効にする。ログは、チャネルごとに制御される。ログエントリはすべて、MTA ログディレクトリ (msg_svr_base/log/imta/mail.log_current) にある mail.log_current ファイルに記録される

構文:
logging

loopcheck

SMTP サーバーがサーバー自体と通信しているかどうかを確認するために、SMTP の見出しに文字列を配置する。loopcheck が設定されている場合、SMTP サーバーでは XLOOP 拡張がアドバタイズされる。XLOOP をサポートする SMTP サーバーと通信する場合、MTA の SMTP クライアントにより、アドバタイズされた文字列と MTA の値が比較され、クライアントが SMTP サーバーと通信している場合は、メッセージがただちに返送される

構文:
loopcheck

mailfromdnsverify

受信 TCP/IP チャネルを設定すると、SMTP の MAIL FROM: コマンドに使用されているドメインが DNS 内のエントリに存在するかどうかを確認する。そのエントリが存在しない場合、MTA はメッセージを拒否する

構文:
mailfromdnsverify

master

チャネルがマスタープログラムによってのみ使用されるように指定する。「bidirectional」を参照

構文:
master

master_debug

チャネルのマスタープログラム出力内にデバッギング出力を生成する

チャネルプログラムによっては、デバッグ目的のためにより詳細な診断出力を生成するオプションコードがあるものもある。master_debug および slave_debug チャネルキーワードは、このチャネルごとのデバッグとの出力の生成機能を有効にするために指定する

UNIX では、master_debugslave_debug が 1 チャネルに対して有効になっている場合は、ユーザーが MTA デバッグ情報を含む imta_sendmail.log-uniqueid ファイルを、現在のディレクトリに受信できる (ディレクトリに書き込み権がある場合。書き込み権がない場合はデバッグにより stdout に出力)

構文:
master_debug

maxblocks

メッセージあたりの MTA ブロックの最大数を指定する。長いメッセージは複数のメッセージに分割される。1 つのMTA ブロックは通常 1024 バイトで、これは MTA オプションファイルにある BLOCK_SIZE オプションを使用して変更することができる

maxblocksmaxlines キーワードは、自動断片化の対象となるサイズ制限枠を課すために使用される

構文:
maxblocks 整数

maxheaderaddrs

メッセージヘッダー行あたりのアドレスの最大数を指定する。長いヘッダー行は複数のヘッダー行に分割される

構文:
maxheaderaddrs 整数

このキーワードには、限度を指定する 1 つの整数のパラメータが必要である。デフォルトでは、ヘッダー行の長さもアドレスの数も制限されていない

maxheaderchars

メッセージヘッダー行あたりの最大文字 (バイト) 数を指定する。長いヘッダー行は複数のヘッダーに分割される

構文:
maxheaderchars 整数

このキーワードには、限度を指定する 1 つの整数のパラメータが必要である。デフォルトでは、ヘッダー行の長さもアドレスの数も制限されていない

maxjobs

一度に実行できる並行ジョブの最大数を指定する。サービスジョブを算出した数がこの値よりも大きい場合、maxjobs ジョブだけが実際に作成される。通常 maxjobs は、チャネルが使用するジョブコントローラのプールで同時に実行できるジョブの合計数以下の値に制限される。maxjobs が指定されていない場合のデフォルトは 100

構文:
maxjobs 整数

maxlines

メッセージあたりのメッセージ行の最大数を指定する。長いメッセージは複数のメッセージに分割される。この制限は、必要に応じて同時に課すことができる。「maxblocks」を参照

構文:
maxlines 整数

maxprocchars

処理して書き換えるヘッダーの最大の長さを指定する。指定した長さよりも長いヘッダーを持つメッセージも受け入れられて配信されるが、異なる点は、長いヘッダー行は書き換えられないということである

構文:
maxprocchars 整数

デフォルトでは、どのような長さのヘッダーも処理される

maysaslserver

クライアントが SASL 認証を使用することを SMTP サーバーが許可するように指定する

maysaslservermustsaslservernosaslnosaslservernosaslswitchchannel および saslswitchchannel キーワードは、SMTP プロトコルが使用される際に、TCP/IP チャネルなどの SMTP チャネルによって SASL (SMTP AUTH) が使用されるように設定するためのもの

構文:
maysaslserver

maytls

SMTP クライアント / サーバーが、TLS を使用して接続を受け入れ、送信接続にも TLS の使用を試みられるようにする

maytlsmaytlsclientmaytlsservermusttlsmusttlsclientmusttlsservernotlsnotlsclientnotlsserver、および tlsswitchchannel チャネルキーワードは、TCP/IP チャネルなどの SMTP ベースのチャネルが SMTP プロトコルを使用するときに TLS をどのように処理するかを設定するためのキーワード

構文:
maytls

maytlsclient

SMTP クライアントは、TLS をサポートする SMTP サーバーにメッセージを送信する際に、TLS を使用しようとする。「maytls」を参照

構文:
maytlsclient

maytlsserver

SMTP サーバーは、メッセージを受信するときに TLS の使用を許可し、STARTTLS 拡張をサポートすることをアドバタイズする。「maytls」を参照

構文:
maytlsserver

missingrecipientpolicy

受取人のヘッダー行がないメッセージの処理を制御する

構文:
missingrecipientpolicy 整数

missingrecipientpolicy キーワードは、そのようなメッセージを扱うときに使用すべきアプローチを指定する整数値をとる。このキーワードが明示的に表現されていない場合は、デフォルト値の 0 が使用され、エンベロープ To: アドレスが To: ヘッダーに置かれる

missingrecipientpolicy の値は以下のとおり

  • 0 - To: ヘッダー行にエンベロープ To: 受取人を使用する
  • 1 - 変更せずに無効なメッセージを通過させる
  • 2 - To: ヘッダー行にエンベロープ To: 受取人を使用する
  • 3 - 単一の Bcc: ヘッダー行にすべてのエンベロープ To: 受取人を使用する
  • 4 - グループのコンストラクタ (たとえば ";") を To: ヘッダー行に作成し、To: 受取人は指定しない
  • 5 - 空白の Bcc: ヘッダー行を作成する
  • 6 - メッセージを拒否する

msexchange

Microsoft Exchange ゲートウェイおよびクライアントのチャネルを提供する。msexchange チャネルキーワードでも、破損した TLS コマンドをアドバタイズ (および認識) するようになる

構文:
msexchange

multiple

チャネル全体の 1 つのメッセージのコピーに複数の宛先ホストを受け入れる。どちらのキーワードを使用しても、メッセージがキューに入れられる各チャネルごとに最低 1 つずつメッセージのコピーが作成されることに注意する。一般的に、multiple キーワードはメッセージファイル内の受取人数に制限を課さないことを意味する。ただし SMTP チャネルのデフォルトは 99

キーワード multipleaddrsperfilesinglesingle_sys は、複数のアドレスを処理する方法を制御するために使用できる

構文:
multiple

mustsaslserver

クライアントが SASL 認証を使うことを SMTP サーバーが要求するように指定する。SMTP サーバーは、リモートクライアントが認証を成功させないかぎり、メッセージを受け付けない。「maysaslserver」を参照

構文:
mustsaslserver

musttls

SMTP クライアントとサーバーが送受信接続の両方で TLS の使用を要求し、TLS をサポートしないリモート側にはメッセージを転送しない。TLS 使用のネゴシエーションに失敗したリモートシステムとの電子メールの交換は、許可されない。「maytls」を参照

構文:
musttls

musttlsclient

SMTP クライアントはメッセージを送信するときに TLS の使用を要求し、TLS の使用をサポートしないリモートの SMTP サーバーにメッセージを送信しない。「maytls」を参照

構文:
musttlsclient

musttlsserver

SMTP サーバーが TLS の使用を要求し、TLS の使用をサポートしないリモートの SMTP クライアントからメッセージを受け付けない。「maytls」を参照

構文:
musttlsserver

mx

TCP/IP ネットワークおよびソフトウェアが MX レコード検索をサポートする。現在のところ、mx キーワードは、nonrandommx と同等のものである。「randommx」を参照

構文:
mx

nameparameterlengthlimit

name の content-type および filename の content-disposition パラメータが切り捨てられる点を制御する。「parameterlengthlimit」を参照

デフォルト : 128

構文:
nameparameterlengthlimit 整数

nameservers

ネームサーバーの検索を実行している場合、UNIX の nsswitch.conf ファイル、または Windows NT のTCP/IP 設定でネームサーバーの使用を選択していない場合を除き、TCP/IP スタックによって選択されたものではなく、指定したネームサーバーを参照する

構文:
nameservers IPアドレス1 IPアドレス2 ...

nameservers では、ネームサーバーの IP アドレスの一覧をスペースで区切る必要がある

noaddreturnpath

このチャネルにキューを入れる際に、Return-path: ヘッダーを追加しない

nobangoverpercent

A!B%C を (A!B)%C としてグループ化する (デフォルト)。つまり、nobangoverpercent キーワードを使うと、「bang」アドレス (A!B%C) は A はルーティングホスト、C は最終的な宛先ホストとして解釈される

このキーワードは、A!B@C 形式のアドレス処理に影響を与えない。これらのアドレスは、常に (A!B)@C として扱われる。このような処理は RFC 822 と RFC 976 の両方で義務付けられている

構文:
nobangoverpercent

noblocklimit

メッセージあたりに許可される MTA ブロックの数に制限はない。「blocklimit」を参照

構文:
noblocklimit

nocache

接続情報をキャッシュしない。「cacheeverything」を参照

構文:
nocache

nochannelfilter

送信メッセージに対して、チャネルフィルタリングを実行しない。nodestinationfilter と同義。「channelfilter」を参照

構文:
nochannelfilter

nodayofweek

日付 / 時刻の仕様から曜日を取り除く。これは、この情報を適切に処理することができない、標準に準拠していないメールシステムとの互換性を提供する目的で行われる。その他の目的のために使用してはならない。「dayofweek」を参照

構文:
nodayofweek

nodefaulthost

アドレスを完成させるために使用する、ドメイン名を指定しない。「defaulthost」を参照

構文:
nodefaulthost

nodeferred

据え置きの配信日を処理しない。「deferred」を参照

構文:
nodeferred

nodefragment

メッセージ、あるいはメッセージの部分に対する特別処理を実行しない。「defragment」を参照

構文:
nodefragment

nodestinationfilter

送信メッセージに対するチャネルフィルタリングを実行しない。「destinationfilter」を参照

構文:
nodestinationfilter

nodropblank

空白の To:、Resent-To:、Cc:、または Resent-Cc: ヘッダーを削除しない。「dropblank」を参照

構文:
nodropblank

noehlo

SMTP EHLO コマンドを決して使用しない。「ehlo」を参照

構文:
noehlo

noexproute

このチャネルのアドレスに対して明示的なルーティングを実行しない。「exproute」を参照

構文:
noexproute

noexquota

制限容量を超過したユーザーに対し、すべてのメッセージを差出人に送り返す。「holdexquota」を参照

構文:
noexquota

nofileinto

メールボックスフィルタ fileinto のオペレータが効果を発揮しない。「fileinto」を参照

構文:
nofileinto

nofilter

ユーザーメールボックスのフィルタリングを実行しない。「filter」を参照

構文:
nofilter

noheaderread

メッセージがキューに入ったときに、オプションファイルからのヘッダートリミングルールを適用しない。「headerread」を参照

構文:
noheaderread

noheadertrim

オプションファイルからのヘッダートリミングルールを適用しない。「headertrim」を参照

構文:
noheadertrim

noimproute

このチャネルのアドレスに対して暗示的なルーティングを実行しない。「improute」を参照

構文:
noimproute

noinner

内部のメッセージヘッダーを書き換えない。「inner」を参照

構文:
noinner

noinnertrim

内部のメッセージヘッダーにヘッダートリミングルールを適用しない。「innertrim」を参照

構文:
noinnertrim

nolinelimit

メッセージあたりに許可される行数に制限はない。「linelimit」を参照

構文:
nolinelimit

nologging

キューに対するメッセージの出入りをログに記録しない。「logging」を参照

構文:
nologging

noloopcheck

SMTP サーバーにサーバー自体と通信しているかどうかを確認させるため、SMTP 見出しに文字列を配置しない。「loopcheck」を参照

構文:
noloopcheck

nomailfromdnsverify

使用しているドメインに対するエントリが DNS に存在するかどうかを MTA は確認しない。「mailfromdnsverify」を参照

構文:
nomailfromdnsverify

nomaster_debug

チャネルのマスタープログラム出力内にデバッギング出力を生成しない。「master_debug」を参照

構文:
nomaster_debug

nomsexchange

チャネルは MS Exchange ゲートウェイを提供しない。「msexchange」を参照

構文:
nomsexchange

nomx

TCP/IP ネットワークが MX 検索をサポートしない。「mx」を参照

構文:
nomx

nonrandommx

MX 検索を実行するが、返されたエントリを同等の優先度でランダム化しない。エントリは、受信した順番と同じ順番で処理される。mx と同等。「randommx」を参照

構文:
nonrandommx

nonurgentbackoff

優先度「低」のメッセージの配信試行の頻度を指定する。「backoff」を参照

構文:
nonurgentbackoff "間隔1" ["間隔2"] ["間隔3"] ["間隔4"] ["間隔5"] ["間隔6"] ["間隔7"] ["間隔8"]

間隔は ISO 8601P 構文を使用し、以下のようになる

P[Y][M][W][D][T[H][M][S]]

年、月、週、日、時、分、および秒の変数は整数値で、配信試行の間の間隔を指定する (最初の変数は、最初の配信の失敗と最初の配信試行の間の間隔を指定する)。アルファベットの変数ラベル (PYMWDHMS、およびT) は、大文字と小文字が区別されない。最初の P は必須。他の変数は省略可能だが、時刻の値を指定する場合、T は必須

「backoff」を参照

nonurgentblocklimit

定期的に行われるジョブのために、指定したサイズより大きいメッセージを無条件に待機させる。nonurgentblocklimit キーワードは、指定したサイズよりも大きいメッセージをnonurgent 優先度 (第 2 のクラス優先度) よりも下げるように MTA に指示する

構文:
nonurgentblocklimit 整数

nonurgentnotices

優先度が低いメッセージを配信できない場合に通知を送り、そのメッセージを返送するまでの時間を指定する

メッセージの優先度に基づいて異なる返送方法を適用するには、nonurgentnoticesnormalnotices、または urgentnotices キーワードを使用する。その他の場合には、すべてのメッセージに notices キーワードの値が使用される。「notices」を参照

構文:
nonurgentnotices age1 [age2] [age3] [age4] [age5]

キーワードの後には、同じ間隔で増加する最高 5 つの整数値を指定できる。これらの値はメッセージが受信されてから警告メッセージが発行されるまでの時間を示す。RETURN_UNITS オプションが 0 またはオプションファイルで指定されていない場合、時間の単位は日数に、RETURN_UNITS オプションが 1 の場合は時間数になる。指定された最終時間に達してもメッセージを配信できない場合、そのメッセージは差出人に返送される

noreceivedfor

Received: ヘッダー行のアドレスに、エンベロープを含めない。noreceivedfor キーワードは、エンベロープアドレス情報を含めずに、Received: ヘッダー行を作成するよう MTA に指示する。「receivedfor」を参照

構文:
noreceivedfor

noreceivedfrom

オリジナルのエンベロープの From: アドレスを含めずに、Received: ヘッダー行を作成する。noreceivedfrom キーワードは、オリジナルのエンベロープの From: アドレスを使わずに Received: ヘッダー行を作成するよう MTA に指示する。「receivedfrom」を参照

構文:
noreceivedfrom

noremotehost

アドレスを完成させるために、ローカルホストのドメイン名をデフォルトのドメイン名として使う。「remotehost」を参照

構文:
noremotehost

norestricted

RFC 1137 で制限されているエンコーディングをアドレスに適用しない。unrestricted キーワードと同等。「restricted」を参照

構文:
norestricted

noreturnaddress

RETURN_ADDRESS オプション値を使用する。「returnaddress」を参照

構文:
noreturnaddress

noreturnpersonal

RETURN_PERSONAL オプション値を使用する。「returnpersonal」を参照

構文:
noreturnpersonal

noreverse

アドレスに逆引きデータベースを適用しない。noreverse は、チャネルのキューに入れられたメッセージのアドレスを、アドレス逆引き処理から外す。「reverse」を参照

構文:
noreverse

normalbackoff

優先度「標準」のメッセージの配信試行の頻度を指定する。「backoff」を参照

構文:
normalbackoff "間隔1" ["間隔2"] ["間隔3"] ["間隔4"] ["間隔5"] ["間隔6"] ["間隔7"] ["間隔8"]

間隔は ISO 8601P 構文を使用し、以下のようになる

P[Y][M][W][D][T[H][M][S]]

年、月、週、日、時、分、および秒の変数は整数値で、配信試行の間の間隔を指定する (最初の変数は、最初の配信の失敗と最初の配信試行の間の間隔を指定する)。アルファベットの変数ラベル (PYMWDHMS、およびT) は、大文字と小文字が区別されない。最初の P は必須。他の変数は省略可能だが、時刻の値を指定する場合、T は必須

「backoff」を参照

normalblocklimit

指定したサイズより大きいメッセージの優先度を「低」に格下げする

構文:
normalblocklimit 整数

normalnotices

優先度が普通のメッセージを配信できない場合に通知を送り、そのメッセージを返送するまでの時間を指定する。「notices」を参照

構文:
normalnotices age1 [age2] [age3] [age4] [age5]

キーワードの後には、同じ間隔で増加する最高 5 つの整数値を指定できる。これらの値はメッセージが受信されてから警告メッセージが発行されるまでの時間を示す。RETURN_UNITS オプションが 0 またはオプションファイルで指定されていない場合、時間の単位は日数に、RETURN_UNITS オプションが 1 の場合は時間数になる。指定された最終時間に達してもメッセージを配信できない場合、そのメッセージは差出人に返送される

norules

チャネル固有の書き換えルールの確認を実行しない。このキーワードは、通常デバッグに使用され、実際のアプリケーションで使用されることはほとんどない。「rules」を参照

構文:
norules

nosasl

SASL 認証は許可されず、試行もされない。SASL 認証に成功した場合、このチャネルへの切り替えは許可されない。「maysaslserver」を参照

構文:
nosasl

nosaslserver

SASL 認証は許可されない。「maysaslserver」を参照

構文:
nosaslserver

nosendetrn

ETRN コマンドを送らない。「sendetrn」を参照

構文:
nosendetrn

nosendpost

障害のコピーを postmaster に送らない。「sendpost」を参照

構文:
nosendpost

noservice

このチャネルで受信するメッセージのサービス変換は、CHARSET_CONVERSIONS を使用して有効にしなければならない。「service」を参照

構文:
noservice

noslave_debug

スレーブのデバッギング出力を生成しない。「slave_debug」を参照

構文:
noslave_debug

nosmtp

チャネルは SMTP を使用しない。「smtp」を参照

構文:
nosmtp

nosourcefilter

受信メッセージに対してチャネルフィルタリングを実行しない。「sourcefilter」を参照

構文:
nosourcefilter

noswitchchannel

送信元のホストに関連するチャネルに切り替えない。切り替えることを許可しない。「switchchannel」を参照

構文:
noswitchchannel

notices

通知を送り、メッセージを返すまでの時間を指定する

構文:
notices age1 [age2] [age3] [age4] [age5]

キーワードの後には、同じ間隔で増加する最高 5 つの整数値を指定できる。これらの値はメッセージが受信されてから警告メッセージが発行されるまでの時間を示す。RETURN_UNITS オプションが 0 またはオプションファイルで指定されていない場合、時間の単位は日数に、RETURN_UNITS オプションが 1 の場合は時間数になる。指定された最終時間に達してもメッセージを配信できない場合、そのメッセージは差出人に返送される

それまでは、キーワードで指定した時間になる度に警告メッセージが送られる。キーワードが与えられていなければ、ローカルチャネル用の notices 設定が使用される (デフォルト)。ローカルチャネル用の notices 設定もない場合は、メッセージを受信してから 3 日後 (または 3 時間後)、6 日後 (または 6 時間後)、9 日後 (または 9 時間後)、12 日目 (または 12 時間後) に警告メッセージが送られ、その後もメッセージキューに残っているメッセージが差出人に返送される

notls

SMTP クライアントとサーバーは TLS の使用を許可しない。また、試行もしない。「maytls」を参照

構文:
notls

notlsclient

SMTP クライアントは、メッセージを送信するときに TLS を使用しない。「maytlsclient」を参照

構文:
notlsclient

notlsserver

SMTP サーバーはメッセージを受信するときに TLS の使用を提供しない。また、許可もしない。「maytlsserver」を参照

構文:
notlsserver

novrfy

SMTP VRFY コマンドを出さない。「vrfyallow」を参照

構文:
novrfy

nowarnpost

警告のコピーを postmaster に送らない。「warnpost」を参照

構文:
nowarnpost

nox_env_to

キューに入れるときに X-Envelope-to ヘッダー行を追加しない。「x_env_to」を参照

構文:
nox_env_to

parameterlengthlimit

一般的な content-type および content-disposition パラメータが切り捨てられる点を制御する。「nameparameterlengthlimit」を参照

デフォルト : 1024

構文:
parameterlengthlimit 整数

percentonly

A!B%C という形式のアドレスの bang パスを無視する。このキーワードが設定されている場合、パーセントはルーティング用に解釈される

構文:
percentonly

percents

エンベロープで % ルーティングを使用する。733 と同義

構文:
percents

personalinc

アドレスを書き換える際に、メッセージのヘッダー行にある個人名のフィールドをそのままにする

書き換えプロセスの際には、省略形のアドレスを書き換えてなくすために (それ以外の場合は、有効なアドレスに変換するために)、アドレスを含むすべてのヘッダー行をパースしなければならない。このプロセスの際に、個人名 (角括弧で区切られたアドレスの前にある文字列) が抽出されるが、これはヘッダー行を再構築するときに変更したり除外することもできる。この動作は、personalincpersonalmappersonalomitpersonalstrip キーワードの使用によって制御される

構文:
personalinc

personalmap

PERSONAL_NAMES マッピングテーブルを通じて、個人名を実行する。「personalinc」を参照

構文:
personalmap

personalomit

メッセージのヘッダー行にある個人名のフィールドを削除する。「personalinc」を参照

構文:
personalomit

personalstrip

メッセージのヘッダー行にある個人名のフィールドから問題になる文字を削除する。「personalinc」を参照

構文:
personalstrip

pool

プログラムが実行される処理プールマスターチャネルを指定する

MTA は、メッセージを配信するためにサービスジョブ (チャネルマスタープログラム) を作成する。これらのジョブを起動するジョブコントローラによって、これらのジョブがプールと関連付けられる。プールタイプは job_controller.cnf ファイルで定義される。各チャネルのマスタープログラムに関連付けるプールは、pool キーワードを使用して、チャネルごとに選択できる

構文:
pool プール_名

pool キーワードの後には、現在のチャネルの配信ジョブのプール先となるプール名を指定する必要がある。プール名の長さの上限は 12 バイト。pool キーワードが省略されている場合、使用されるプールは、ジョブコントローラの設定ファイルで最初に指定されているデフォルトのキューとなる

port

指定された TCP/IP ポートに接続する。通常、SMTP 実装 TCP/IP チャネルは、ポート 25 に接続してメッセージを送信する。SMTP 実装 TCP/IP チャネルがその他のポートを使用するように指定するには、port キーワードを使用する

構文:
port ポート_番号

postheadbody

配信障害が発生した場合に、メッセージのヘッダーと本文の両方が postmaster に送られる

構文:
postheadbody

postheadonly

配信障害が発生した場合に、メッセージのヘッダーだけが postmaster に送られる

構文:
postheadonly

randommx

MX 検索を実行する。同等の優先順位を持つ MX レコード値を、順不同に処理する。TCP/IP ネットワークには、MX (メールの転送) レコードの使用をサポートするものとしないものとがある。MTA システムの接続先であるネットワークから提供される MX レコードだけを使用するように設定できる TCP/IP チャネルプログラムもある。mx / randommx / nonrandommx 設定に関係なく、MTA は返された同等の優先順位を持つ MX レコードを順不同にする

構文:
randommx

receivedfor

メッセージの宛先になっているエンベロープ受取人アドレスが 1 つだけの場合は、エンベロープの To: アドレスを Received: ヘッダーに含める

構文:
receivedfor

receivedfrom

メーリングリストの拡大などのために MTA がエンベロープ From: アドレスを変更した場合、Received: ヘッダー行を作成する際に、オリジナルのエンベロープの From: アドレスを含める

構文:
receivedfrom

rejectsmtp

CRLF を含めて 1000 文字より長い行のあるメッセージを拒否する

1000 文字を超える行を拒否する。rejectsmtp キーワードがチャネルにある場合、CRLF を含めて 1000 文字を超える行は拒否される。このキーワードは、tcp_local など送信に最初に使われるチャネルに適用する必要がある。その後に切り替えられるチャネルには影響しない。「truncatesmtp」および「wrapsmtp」を参照

構文:
rejectsmtp

remotehost

アドレスを完成させるために、リモートホストの名前をデフォルトのドメイン名として使用する。不適切に構成された SMTP クライアントを扱う場合には、リモートホストのドメイン名を使用することが適切である

構文:
remotehost

restricted

RFC 1137 によって制限されたエンコーディングをアドレスに適用する。restricted チャネルキーワードでは、MTA に、このチャネルがこのエンコーディングを必要とするメールシステムに接続することを示す。すると MTA は、メッセージがチャネルに書かれるときに、ヘッダーとエンベロープアドレスの両方において引用されたローカルパートをエンコードする。そのチャネルの受信メールのアドレスは自動的にデコードされる

restricted キーワードは、引用されたローカルパートを受け入れることができないシステムに接続するチャネルに対して適用する。引用されたローカルパートを実際に生成するチャネルには適用しない

構文:
restricted

returnaddress

ローカル postmaster の返信アドレスを設定する。デフォルトでは、MTA が返送メッセージや通知メッセージを作成する際に使用される Postmaster の返信アドレスは、postmaster@ローカルホスト。このローカルホストの部分は、ローカルホストの正式な名前 (ローカルチャネルの名前)

構文:
returnaddress postmaster_アドレス

returnaddress は、Postmaster アドレスを指定する必須の引数を取る

returnenvelope

空白のエンベロープ返信アドレスの使用を制御する

構文:
returnenvelope ビット_フラグ

returnenvelope キーワードは 1 つの整数値をとり、これはビットフラグのセットとして解釈される

ビット 0 (値 = 1) は、MTA によって生成された返送通知のエンベロープアドレスを空白にするか、あるいはローカルの postmaster のアドレスを入れるかを制御するものである。このビットを設定した場合は、ローカルの postmaster のアドレスを使用することになり、ビットをクリアすると空白アドレスを使用することになる

ビット 1 (値 = 2) は、MTA がすべての空白エンベロープアドレスをローカルの postmaster のアドレスに置き換えるかどうかを制御するものである。これは、RFC 821、RFC 822、あるいは RFC 1123 に準拠しないシステムを扱うために使用される

returnpersonal

ローカルの Postmaster に対する個人名を設定する。デフォルトでは、MTA が返送または通知メッセージを作成する際に使用される Postmaster の個人名は、「MTA e-Mail Interconnect」

構文:
returnpersonal postmaster_

returnpersonal は、Postmaster 個人名を指定する必須の引数を取る

reverse

チャネルのキューに入れられたメッセージ内のアドレスに、逆引きデータベースまたは REVERSE マッピングを適用する

構文:
reverse

routelocal

アドレスをチャネルに書き換える際に、アドレスのすべての明示的ルーティングを短絡化しようとする。明示的にルーティングされたアドレス (!、%、または @ の文字を使用) は簡略化されている。このキーワードを内部 TCP/IP チャネルなどの内部チャネルに使用すると、SMTP リレーブロッキングの設定を簡単にすることができる

ただし、明示的 % やその他のルーティングを必要とする可能性があるチャネルには、このキーワードを使用してはならない

構文:
routelocal

rules

チャネル固有の書き換えルールの確認を実行する。通常はデバッグに使用される

構文:
rules

saslswitchchannel

クライアントが SASL の使用に成功した場合、受信接続が指定のチャネルに切り替えられる

構文:
saslswitchchannel チャネル

チャネル引数は、切り替え先のチャネルを指定する

sendpost

配信不能のメッセージのコピーを postmaster に送信する。「copysendpost」を参照

構文:
sendpost

sendetrn

リモートの SMTP サーバーが ETRN をサポートする場合に、ETRN コマンドを送る。sendetrn および nosendetrn キーワードは、MTA が SMTP 接続開始時に ETRN コマンドを送るか、あるいは ETRN コマンドをまったく送らないかどうかを制御する

構文:
sendetrn ホスト

sendetrn キーワードの後には、メッセージの配信先となるシステムの名前を記述する必要がある

sensitivitycompanyconfidential

どの機密レベルのメッセージも許可する。機密度のキーワードは、チャネルが受け入れられる機密度の上限を設定するものである。Sensitivity: ヘッダーのないメッセージは、通常のメッセージ、つまり、機密度のもっとも低いメッセージとみなされる。このようなキーワードで指定された機密度よりも高い機密度が指定されたメッセージは、チャネルのキューに入れられたときに、次のようなエラーメッセージが出され、拒否される

MTA では、受取人ごとではなく、メッセージごとに機密度のチェックが行われる。1 人の受取人の宛先チャネルが機密度チェックに失敗した場合、そのチャネルに関連付けられた受取人だけでなく、すべての受取人のメッセージが返送される

構文:
sensitivitycompanyconfidential

sensitivitynormal

機密度が「標準」よりも高いメッセージを拒否する。「sensitivitycompanyconfidential」を参照

構文:
sensitivitynormal

sensitivitypersonal

機密度が「個人」よりも高いメッセージを拒否する。「sensitivitycompanyconfidential」を参照

構文:
sensitivitypersonal

sensitivityprivate

機密度が「プライベート」よりも高いメッセージを拒否する。「sensitivitycompanyconfidential」を参照

構文:
sensitivityprivate.

service

チャネルで受信するメッセージのサービス変換を実行する。service キーワードは、CHARSET-CONVERSION エントリにかかわらず、無条件でサービスを有効にする

構文:
service

sevenbit

チャネルは 8 ビット文字をサポートしない。8 ビット文字はエンコードされなければならない。MTA は、そのようなメッセージを自動的にエンコードし、8 ビットデータがメッセージに直接表示されないようにする機能を備えている。特定のチャネルのキューに入れられるすべてのメッセージにエンコードを適用するには、sevenbit キーワードを指定する

構文:
sevenbit

silentetrn

ドメインが一致した、MTA が実行しようとするチャネルの名前をエコーしないで、ETRN コマンドを処理する。「allowetrn」を参照

構文:
silentetrn

single

チャネル上のメッセージコピーまたは宛先アドレスごとに、1 つのエンベロープ To: アドレス。「multiple」を参照

構文:
multiple

single_sys

各メッセージコピーは、それぞれ 1 つの宛先システムに対するものでなければならない。「multiple」を参照

構文:
single_sys

slave

このチャネルはスレーブプログラムによってのみ処理される。「bidirectional」を参照

構文:
slave

slave_debug

スレーブプログラムでデバッグ出力を生成する。「master_debug」を参照

構文:
slave_debug

smtp

チャネルが SMTP を使用する。smtp オプションは、チャネルが STMP プロトコルをサポートするかどうか、また、MTA がそのプロトコルの一部としてどのタイプの SMTP 改行記号を期待するのかを指定する。すべての SMTP チャネルで、smtp キーワード、またはその他の smtp_* キーワードのいずれかが必須

smtp_crsmtp_crlfsmtp_crorlf、および smtp_lf の各キーワードは、SMTP チャネル上で、SMTP プロトコルの使用を選択するだけでなく、改行記号として使用する文字シーケンスを指定するためにも使用できる。通常は SMTP 改行記号として CRLF が使用され、したがって、MTA は常に CRLF を生成する。これらのキーワードは、受信メールの処理のみに影響する。smtp キーワードは smtp_crlf キーワードと同義

構文:
smtp

smtp_cr

CR を SMTP の行末記号として受け入れる。「smtp」を参照

構文:
smtp_cr

smtp_crlf

SMTP の行末記号に CRLF を必要とする。これらを使用すると、キャリッジリターン (CR) + ラインフィーダ (LF) のシーケンスのみが改行記号として認識される。「smtp」を参照

構文:
smtp_crlf

smtp_crorlf

CR (キャリッジリターン)、LF (ラインフィーダ)、または完全な CRLF のすべてを SMTP の行末記号として使用できる。「smtp」を参照

構文:
smtp_crorlf

smtp_lf

CR (キャリッジリターン) なしの LF (ラインフィーダ) を SMTP の行末記号として受け入れる。「smtp」を参照

構文:
smtp_lf

sourceblocklimit

メッセージあたりの許可されている MTA ブロックの最大数。MTA は、これよりも多いブロックを含むメッセージがチャネルのキューに入れられるのを拒否する。「blocklimit」を参照

構文:
sourceblocklimit 整数

sourcebrightmail

このチャネルから送信されたメッセージがすべて、Brightmail 処理の対象となることを指定する。受信者または受信者のドメインが LDAP 属性経由を選択する場合、宛先チャネルに関係なく、Brightmail が受信者のアドレスをすべて把握する必要がある。LDAP 属性 mailAntiUBEService (または同等) を調べ、スパム、ウィルスあるいはその両方でないか、またはどちらでもないかを判断する。mailAntiUBEService がスパムまたはウィルスのどちらも指定しない場合、メールは Brightmail に送られてフィルタリングされない。switchchannel が有効な場合、switched-to チャネルに入れる必要がある

構文:
sourcebrightmail

sourcebrightmailoptin

ユーザーまたはドメインが LDAP 属性経由での処理を選択していない場合でも、発信元がこのチャネルのメッセージをすべて、指定した Brightmail 処理 (スパムまたはウィルス、あるいはその両方) の対象として指定する。キーワードの後にはシステム全体のデフォルトフィルタが続く。続くリストは、spam または virus または spam,virus または virus,spam である必要がある。switchchannel が有効な場合、switched-to チャネルに入れる必要がある

例 1:
tcp_local sourcebrightmailoptin spam,virus . . .

ユーザーの LDAP 属性に関係なく、Brightmail がメールをスパムとウィルスでないかスキャンする

例 2 :
tcp_local sourcebrightmailoptin virus . . .

デフォルトで、メールをウィルススキャンだけ行うよう指定する。この場合、スパムフィルタはユーザーごと、あるいは LDAP 属性経由の宛先ドメインによって有効にできる

sourcecommentinc

受信メッセージのヘッダー行にコメントを残す

MTA は必要なときだけヘッダー行の内容を解釈する。ただし、省略形のアドレスを書き換えてなくすために (それ以外の場合は、有効なアドレスに変換するために)、アドレスを含むすべての登録されたヘッダー行をパースしなければならない。この処理の途中では、コメント (括弧で囲まれた文字列) が抽出され、ヘッダー行が再構成されるときに変更されるか、あるいは除外されることがある。ソースチャネルでは、この動作は sourcecommentincsourcecommentmapsourcecommentomitsourcecommentstrip、および sourcecommenttotal の各キーワードを使用して制御される

構文:
sourcecommentinc

sourcecommentmap

ソースチャネルを通じて、メッセージのヘッダー行のコメント文字列を実行する。「sourcecommentinc」を参照

構文:
sourcecommentmap

sourcecommentomit

受信メッセージの To:、From:、Cc: などのヘッダー行からコメントを削除する。「sourcecommentinc」を参照

構文:
sourcecommentomit

sourcecommentstrip

メッセージのヘッダー行内にある問題を起こす文字を取り除く。「sourcecommentinc」を参照

構文:
sourcecommentstrip

sourcecommenttotal

受信メッセージの全体から、コメント (括弧内の部分) を削除する。sourcecommenttotal キーワードは、MTA に、Received: ヘッダーを除くすべてのヘッダーからコメントを削除するように指示する。このキーワードは通常使い道はなく、勧められない。「sourcecommentinc」を参照

構文:
sourcecommenttotal

sourcefilter

受信メッセージ用のチャネルフィルタの場所を指定する

構文:
sourcefilter フィルタ

フィルタ引数は、チャネルフィルタの位置を示す必須の URL

sourcepersonalinc

メッセージのヘッダー行にある個人名のフィールドをそのままにする

書き換えプロセスの際には、省略形のアドレスを書き換えてなくすために (それ以外の場合は、有効なアドレスに変換するために)、アドレスを含むすべてのヘッダー行をパースしなければならない。このプロセスの際に、個人名 (角括弧で区切られたアドレスの前にある文字列) が抽出されるが、これはヘッダー行を再構築するときに変更したり除外することもできる。ソースチャネルでは、この動作は sourcepersonalincsourcepersonalmapsourcepersonalomit、および sourcepersonalstrip キーワードを使用して制御される

構文:
sourcepersonalinc

sourcepersonalmap

ソースチャネルを通じて個人名を実行する。「sourcepersonalinc」を参照

構文:
sourcepersonalmap

sourcepersonalomit

メッセージのヘッダー行にある個人名のフィールドを削除する。「sourcepersonalinc」を参照

構文:
sourcepersonalomit

sourcepersonalstrip

受信メッセージのヘッダー行にある個人名のフィールドから、問題になる文字を削除する。「sourcepersonalinc」を参照

構文:
sourcepersonalstrip

sourceroute

メッセージのエンベロープにソースルートを使用する。822 と同じ

構文:
sourceroute

streaming

チャネルが使用するプロトコルストリーミングの程度を指定

構文:
streaming 0|1|2|3

このキーワードには整数値のパラメータが必要である。パラメータの解釈は、プロトコルによって異なる

ストリーミング値の範囲は 0 から 3 までである。値が 0 の場合はストリーミングが指定されず、値が 1 の場合は RCPT TO コマンドグループがストリーミングされ、2 の場合は MAIL FROM/RCPT TO が、3 の場合は HELO/MAIL FROM/RCPT TO または RSET/MAIL FROM/RCPT TO がストリーミングされる。デフォルトは 0

subaddressexact

サブアドレスの完全一致を含め、エイリアスが完全に一致する必要がある。subaddressexact キーワードは、MTA にエントリの一致の確認中に、特別なサブアドレスの処理を行わないように指示する。エイリアスが一致するとみなされるためには、サブアドレスを含むメールボックス全体が一致しなければならない。その他の比較 (特に、ワイルドカードによる比較や、サブアドレスを削除した比較) は行われない

構文:
subaddressexact

subaddressrelaxed

サブアドレスのないエイリアスは一致可能。subaddressrelaxed キーワードは MTA に、完全一致と「名前+*」の形式の一致を検索した後、名前の部分のみの一致を検索するように指示する。デフォルトのキーワードは subaddressrelaxed

構文:
subaddressrelaxed

subaddresswild

サブアドレスのワイルドカードを持つエイリアスは一致可能。subaddresswild キーワードは、MTA に、サブアドレスを含む完全な一致を検索した後、「名前+*」の形式のエントリを検索するように指示する

構文:
subaddresswild

subdirs

複数のサブディレクトリを使用する

構文:
subdirs 整数

チャネルのメッセージを拡散するサブディレクトリの数を指定する整数を、このキーワードの後に付ける

submit

チャネルを送信専用のチャネルに指定する。これは通常、特別なポートで実行され、メッセージを送信する目的だけに使用される SMTP サーバーなどの TCP/IP チャネルに有用である。RFC 2476 ではメッセージ送信に対してポート 587 を確立する

構文:
submit

suppressfinal

オリジナルの形式のアドレスが存在する場合に、通知メッセージに最終アドレス形式を表示しないようする。「includefinal」を参照

構文:
suppressfinal

switchchannel

サーバーチャネルから送信元のホストに関連付けられたチャネルに切り替える。サーバーが最初に使用するチャネルに switchchannel を指定すると、送信元ホストの IP アドレスがチャネルテーブルに照合され、一致した場合はソースチャネルがそれに合わせて切り替えられる。一致するものがない場合、または最初のデフォルト受信チャネルに一致するものが検出された場合は、MTA が 逆引き DNS 検索によって検出したホスト名に一致するエントリを見つけようと試みる場合もある

構文:
switchchannel

threaddepth

スレッド当たりのメッセージの数。threaddepth キーワードは、マルチスレッドの SMTP クライアントが 1 つのスレッドに割り当てられるメッセージの数を制限し、それ以上のメッセージがある場合には別のスレッドに割り当てるよう指定する。通常、同じ宛先へのメッセージはすべて 1 つのスレッドによって処理されるが、このキーワードを指定すると、それらのメッセージが複数のスレッドによって処理されるようになる

デフォルト : 10

構文:
threaddepth 整数

tlsswitchchannel

TLS のネゴシエートが成功した場合に、指定したチャネルに切り替える。「maytls」を参照

構文:
tlsswitchchannel チャネル

チャネルパラメータは、切り替え先のチャネルを指定する

truncatesmtp

1000 文字を超える行を切り捨てる。truncatesmtp キーワードがチャネルにある場合、1000 文字を超える行は切り捨てられる。このキーワードは、tcp_local など送信に最初に使われるチャネルに適用する必要がある。その後に切り替えられるチャネルには影響しない。「rejectsmtp」および「wrapsmtp」を参照

構文:
truncatesmtp

unrestricted

RFC 1137 で制限されているエンコーディングをアドレスに適用しない。「restricted」を参照

構文:
unrestricted

urgentbackoff

緊急メッセージの配信試行の頻度を指定する。「backoff」を参照

構文:
urgentbackoff "間隔1" ["間隔2"] ["間隔3"] ["間隔4"] ["間隔5"] ["間隔6"] ["間隔7"] ["間隔8"]

間隔は ISO 8601P 構文を使用し、以下のようになる

P[Y][M][W][D][T[H][M][S]]

年、月、週、日、時、分、および秒の変数は整数値で、配信試行の間の間隔を指定する (最初の変数は、最初の配信の失敗と最初の配信試行の間の間隔を指定する)。アルファベットの変数ラベル (PYMWDHMS、およびT) は、大文字と小文字が区別されない。最初の P は必須。他の変数は省略可能だが、時刻の値を指定する場合、T は必須

urgentblocklimit

指定したサイズより大きいメッセージの優先度を「標準」に設定する

構文:
urgentblocklimit

urgentnotices

優先度が高いメッセージを配信できない場合に通知を送り、そのメッセージを返送するまでの時間を指定する。「notices」を参照

構文:
urgentnotices age1 [age2] [age3] [age4] [age5]

キーワードの後には、同じ間隔で増加する最高 5 つの整数値を指定できる。これらの値はメッセージが受信されてから警告メッセージが発行されるまでの時間を示す。RETURN_UNITS オプションが 0 またはオプションファイルで指定されていない場合、時間の単位は日数に、RETURN_UNITS オプションが 1 の場合は時間数になる。指定された最終時間に達してもメッセージを配信できない場合、そのメッセージは差出人に返送される

useintermediate

通知メッセージに対して、MTA に最初に提示されたアドレスを表示する

構文:
useintermediate

user

緊急メッセージのマスターチャネルプログラム処理に対するキューを指定する。user キーワードは、パイプチャネルでどのユーザー名で実行するかを示すのに使用される

構文:
user ユーザー名

user の引数は、通常小文字に変換されるが、引数に引用符が付けられている場合は、元の大文字と小文字が維持される

uucp

エンベロープで UUCP! (bang スタイル) ルーティングを使用する。bangstyle と同義

構文:
uucp

viaaliasoptional

チャネルに一致する最終的な受取人アドレスをエイリアスで作成する必要がないことを指定する

構文:
viaaliasoptional

viaaliasrequired

チャネルに一致する最終的な受取人アドレスをエイリアスで作成する必要があることを指定する。最終受取人アドレスとは、関連するエイリアス拡張を行った後で一致するアドレス。アドレスを受取人アドレスとして MTA に直接渡すことはできない。チャネルに書き換えただけでは十分ではないからである。チャネルに書き換えた後で、本当にチャネルと一致したとみなされるよう、アドレスもエイリアスから展開する必要がある

viaaliasrequired キーワードは、たとえば、ローカルチャネルで、任意のアカウント (UNIX システム上の任意のネイティブ Berkeley メールボックスなど) への配信を防ぐために使用できる

構文:
viaaliasrequired

vrfyallow

SMTP VRFY コマンドに対して、詳細な情報を提供する応答を出す。

vrfyallowvrfydefault、および vrfyhide キーワードは、送信側の SMTP クライアントが SMTP の VRFY コマンドを出したときの MTA SMTP サーバーの応答を制御する。これらのキーワードを使用すると、VRFY コマンドに対する応答をチャネルごとに制御できる。一方、HIDE_VERIFY オプションは、1 つの SMTP サーバーを介して処理されるすべての受信 TCP/IP チャネルに適用される

構文:
vrfyallow

vrfydefault

チャネルオプションで HIDE_VERIFY=1 が設定されている場合を除き、SMTP VRFY コマンドに対して詳細な情報を提供する応答を提供する。「vrfyallow」を参照

構文:
vrfydefault

vrfyhide

SMTP VRFY コマンドに対して、不確実であいまいな応答のみを出す。「vrfyallow」を参照

構文:
vrfyhide

warnpost

警告のコピーを postmaster に送信する。「copywarnpost」を参照

構文:
warnpost

wrapsmtp

行を切り捨てるのではなく折り返す。wrapsmtp キーワードがチャネルにある場合、1000 文字を超える長い行は次の行に折り返される。このキーワードは、tcp_local など送信に最初に使われるチャネルに適用する必要がある。その後に切り替えられるチャネルには影響しない。「rejectsmtp」および「truncatesmtp」を参照

構文:
wrapsmtp

x_env_to

キューに入れるときに X-Envelope-to ヘッダー行を付け加える。x_env_tonox_env_to キーワードは、特定のチャネルのキューに入れられたメッセージのコピーに X-Envelope-to ヘッダー行を生成するかしないかを制御する。single キーワードでマークされているチャネルでは、x_env_to キーワードはこれらのヘッダーの生成を有効にする

構文:
x_env_to single

x_env_to キーワードには、有効にするための single キーワードが必要

表 4-7 は、チャネルキーワードの機能別リストです。

チャネルキーワードの機能別グループの詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「チャネル定義を設定する」の章を参照してください。

表 4-7 機能別チャネルキーワード 

機能

関連キーワード

アドレスタイプ

733、822、uucp、header_733、header_822、header_uucp

アドレスの解釈

bangoverpercent、nobangoverpercent、percentonly

代替チャネル

alternatechannel、alternateblocklimit、alternatelinelimit、alternaterecipientlimit

Brightmail

destinationbrightmail、destinationbrightmailoptin、sourcebrightmail、sourcebrightmailoptin

アドレス内のルーティング情報

exproute、improute、noexproute、noimproute

ルーティングアドレスの書き換えを短絡化する

routelocal

メッセージがキューから削除されたときのアドレスの書き換え

connectalias、connectcanonical

チャネル固有の書き換えルール

norules、rules

チャネルの方向性

bidirectional、master、slave

優先度に影響するメッセージサイズ

nonurgentblocklimit、normalblocklimit、urgentblocklimit

チャネル接続情報のキャッシング

cacheeverything、cachefailures、cachesuccesses、nocache

アドレスおよびメッセージファイルの処理量

addrsperjob、filesperjob、maxjobs

複数のアドレス

addrsperfile、multiple、single、single_sys

複数アドレスの拡張

expandchannel、expandlimit、holdlimit

複数のサブディレクトリ

subdirs

サービスジョブのキューのスケジュール

pool、maxjobs

指定配信日

deferred、nodeferred

配信不能メッセージに対する通知発行のタイミング

nonurgentnotices、normalnotices、notices、urgentnotices

返送メッセージ

copysendpost、errsendpost、nosendpost、sendpost

警告メッセージ

copywarnpost、errwarnpost、nowarnpost、warnpost

Postmaster 返送メッセージの内容

postheadbody、postheadonly

通知メッセージ内の変更されたアドレスを含める

includefinal、suppressfinal、useintermediate

プロトコルストリーミング

streaming

マルチスレッドチャネルで新しいスレッドをトリガーする

threaddepth

チャネルプロトコルの選択

nosmtp、smtp、smtp_cr、smtp_crlf、smtp_crorlf、smtp_lf

SMTP EHLO コマンド

checkehlo、ehlo、noehlo

SMTP ETRN コマンドを受信する

allowetrn、blocketrn、disableetrn、domainetrn、silentetrn

SMTP ETRN コマンドを送信する

nosendetrn、sendetrn

SMTP VRFY コマンド

domainvrfy、localvrfy、novrfy

SMTP VRFY コマンドに応答する

vrfyallow、vrfydefault、vrfyhide

TCP/IP ポート番号

interfaceaddress、port

TCP/IP MX レコードのサポート

defaultmx、defaultnameservers、mx、nameservers、nomx、nonrandommx、randommx

最後のホスト仕様

lastresort

受信 SMTP 接続における DNS 逆引き検索と IDENT 検索

forwardcheckdelete、forwardchecknone、forwardchecktag、identnone、identnonelimited、identnonenumeric、identnonesymbolic、identtcp、identtcplimited、identtcpnumeric、identtcpsymbolic

受信メール用の代替チャネル

allowswitchchannel、noswitchchannel、switchchannel

不完全なアドレスのホスト名

defaulthost、nodefaulthost、noremotehost、remotehost

不正な空白の受取人ヘッダー

dropblank、nodropblank

受取人のヘッダーなしのメッセージ

missingrecipientpolicy

8 ビット処理能力

eightbit、eightnegotiate、eightstrict、sevenbit

文字セットのラベル

charset7、charset8、charsetesc

メッセージ行の長さの制限

linelength

チャネル固有の逆引きデータベースの使用

noreverse、reverse

内部ヘッダーの書き換え

inner、noinner

制限されたメールボックスのエンコーディング

norestricted、restricted、unrestricted

メッセージヘッダー行のトリミング

headerread、headertrim、innertrim、noheaderread、noheadertrim、noinnertrim

Encoding: ヘッダー行

ignoreencoding、interpretencoding

X-Envelope-to: ヘッダー行の作成

nox_env_to、x_env_to

Return-path: ヘッダー行の作成

addreturnpath、noaddreturnpath

Received: ヘッダー行のエンベロープ To: アドレスと From: アドレス

noreceivedfor、noreceivedfrom、receivedfor、receivedfrom

Postmaster アドレス

aliaspostmaster、noreturnaddress、noreturnpersonal、returnaddress、returnpersonal

空白のエンベロープ return アドレス

returnenvelope

アドレスヘッダー行内のコメント

commentinc、commentmap commentomit、commentstrip、commenttotal、sourcecommentinc、sourcecommentmap、sourcecommentomit、sourcecommentstrip、sourcecommenttotal

アドレスヘッダー行内の個人名

personalinc、personalmap、personalomit、personalstrip、sourcepersonalinc、sourcepersonalmap、sourcepersonalomit、sourcepersonalstrip

エイリアスファイルとエイリアスデータベースプローブ

aliaslocal

サブアドレス

subaddressexact、subaddressrelaxed、subaddresswild

エイリアスで作成するアドレス

viaaliasoptional、viaaliasrequired

2 桁または 4 桁の日付の変換

datefour、datetwo

日付表示内の曜日仕様

dayofweek、nodayofweek

長いヘッダー行の自動分割

maxheaderaddrs、maxheaderchars

ヘッダーの配置と折り返し

headerlabelalign、headerlinelength

メッセージおよび部分メッセージの自動再組立

defragment、nodefragment

大きなメッセージの自動断片化

maxblocks、maxlines

絶対的なメッセージのサイズ制限

blocklimit、linelimit、noblocklimit、nolinelimit、sourceblocklimit

ヘッダーの最大長

maxprocchars

制限容量超過ユーザーへのメール配信

holdexquota、noexquota

ゲートウェイデーモン

daemon

アカウント、またはメッセージのルーターメールボックスの処理

user

メッセージのログ

logging、nologging

チャネルのマスター / スレーブプログラムのデバッグ

master_debug、nomaster_debug、noslave_debug、slave_debug

機密度チェック

sensitivitycompanyconfidential、sensitivitynormal、sensitivitypersonal、sensitivityprivate

SASL 設定

maysaslserver、mustsaslserver、nosasl、nosaslserver、nosasl、saslswitchchannel

メール From: のドメインが DNS に存在するかどうかを確認する

mailfromdnsverify、nomailfromdnsverify

チャネル動作のタイプ

submit

フィルタファイルの場所

channelfilter、destinationfilter、fileinto、filter、nochannelfilter、nodestinationfilter、nofileinto、nofilter、nosourcefilter、sourcefilter

ヘッダー内の SMTP AUTH からの認証済みアドレス

authrewrite

TLS (Transport Layer Security)

maytls、maytlsclient、maytlsserver、musttls、musttlsclient、musttlsserver、notls、notlsclient、notlsserver、tlsswitchchannel

MS Exchange ゲートウェイチャネル

msexchange、nomsexchange

ソースルートの削除

dequeue_removeroute

デフォルトの言語

language

Loopcheck

loopcheck、noloopcheck

サービス

noservice、service

指定配信

backoff、nonurgentbackoff、normalbackoff、urgentbackoff

1000 文字を超える行

rejectsmtp、truncatesmtp、wrapsmtp


エイリアスファイル

エイリアスファイルは、ディレクトリで設定されていないエイリアスを設定するのに使用します。よい例として、Postmaster エイリアスが挙げられます。変更を有効にするには、MTA を再起動する必要があります。感嘆符 (!) で始まる行は、コメント行として解釈されるため、無視されます。また、空白行も無視されます。

このファイルでは、一行に入力できる文字数が 1024 バイトに制限されています。¥ (円マーク) を継続文字として使用すれば、1 つの論理行を複数の行に分割することができます。

ファイルフォーマットは以下のとおりです。

ユーザー@ドメイン:<アドレス>

ユーザー@ドメイン:<アドレス> <アドレス> ...

以下に、エイリアスファイルの例を示します。

! A /var/mail user

mailsrv@siroe.com:mailsrv@native-daemon

!A message store user

ms_testuser@siroe.com:mstestuser@ims-ms-daemon

エイリアスファイルに他のファイルを含める

プライマリエイリアスファイルには、他のファイルを含めることができます。次の行は、MTA にfile-spec ファイルを読み込むように指示するためのものです。

<file-spec

ファイル仕様は、完全なパスを指定したものでなければなりません。また、そのファイルには、プライマリエイリアスファイルと同じ保護が設定されている必要があります (たとえば、誰でも読み取り可能でなければなりません)。

含めたファイルの内容は、エイリアスファイル内のリファレンスポイントに挿入されます。含まれているファイルへの参照をそのファイルの実際の内容に置き換えることによっても、同様の効果が得られます。含めたファイルのフォーマットは、プライマリエイリアスファイルとまったく同じになります。さらに、含めたファイルに他のファイルを含めることも可能です。ファイルを 3 段階まで含めたネスティングが許可されています。


/var/mail チャネルオプションファイル

オプションファイルは、ローカルチャネルのさまざまな特徴を制御するために使用されます。このローカルチャネルのオプションファイルは MTA の設定ディレクトリに保存し、native_option という名前を付けなければなりません (例、msg_svr_base/config/native_option)。

オプションファイルは複数の行から構成されており、各行にはそれぞれ 1 つのオプション設定が含まれています。オプション設定は、次の形式で記述されています。

オプション=値

値は、オプションの要件に基づき、文字列または整数のいずれかとなります。

表 4-8 ローカルチャネルのオプション 

オプション

説明

FORCE_CONTENT_LENGTH

(0 または 1。UNIX のみ)

FORCE_CONTENT_LENGTH=1 の場合、MTA によりローカルチャネルに配信されるメッセージに Content-length: ヘッダー行が追加され、「From」が行の最初にある場合、チャネルで「>From」構文が使用されなくなる。これによって、ローカルの UNIX メールが Sun のより新しいメールツールとの互換性を持つようになるが、他の UNIX メールツールとの互換性がなくなることもある

FORWARD_FORMAT (文字列)

ユーザーの .forward ファイルの場所を指定する。この文字列では、%u は各ユーザーの ID で置換され、%h は各ユーザーのホームディレクトリで置換される。このオプションが明示的に指定されていない場合、デフォルトの動作は次と同様になる

FORWARD_FORMAT=%h/.forward

REPEAT_COUNT (整数)
SLEEP_TIME (整数)

MTA が新しいメールを配信しようとするときに、ユーザーの新しいメールファイルが他のプロセスによってロックされている場合、これらのオプションによって、ローカルプログラムが試行すべき再試行の回数と頻度を制御することができる。指定された回数の再試行が行われてもファイルを開くことができなかった場合、メッセージはローカルのキューに残され、次にローカルのチャネルが新しいメッセージを配信するときに再試行される

 

REPEAT_COUNT オプションは、メールファイルを開こうとする試行が何回行われるかを制御する。REPEAT_COUNT のデフォルトは 30 (30 回の試行)

 

SLEEP_TIME オプションは、チャネルプログラムが何秒間隔で試行を繰り返すかを制御する。SLEEP_TIME は 2 (2 秒の間隔で再試行) にデフォルト設定されている

SHELL_TIMEOUT (整数)

.forward を完成するために、チャネルがユーザーのシェルコマンドを待機する時間 (秒数) を制御する。この時間が経過すると、「ユーザー B のコマンドを完了するシェルコマンドのタイムアウト」という旨のメッセージとともに、元の差出人にエラーメッセージが返送される。デフォルトは 600 (10 分)

SHELL_TMPDIR (ディレクトリ固有)

シェルコマンドに配信を行う際に、ローカルチャネルが一時ファイルを作成する場所を制御する。デフォルトでは、一時ファイルはユーザーのホームディレクトリに作成される。このオプションを使用すると、管理者は一時ファイルを別の (単一の) ディレクトリに作成するように選択できる

例 :

SHELL_TMPDIR=/tmp


SMTP チャネルオプションファイル

オプションファイルは、TCP/IP チャネルのさまざまな特徴を制御するために使用されます。記述されているオプションのほとんどは、TCP/IP トランスポートではなく、SMTP プロトコル自体に関連するものです。記述されているオプションのほとんどは、TCP/IP トランスポートではなく、SMTP プロトコル自体に関連するものです。

このようなオプションファイルは、MTA 設定ディレクトリ (msg_svr_base/config) に保存し、x_option という名前を付けなければなりません。この「x」はチャネルの名前です。

マスターチャネルプログラム (送信 / 宛先チャネル) は、実行するたびに、グローバルオプションファイル (msg_svr_base/config/option.dat) を読み取ります。一方、スレーブチャネルプログラムは、最初に起動するときだけオプションファイルを読み取り、再起動するまで変更を認識しません。

受信メッセージについて、TCP/IP チャネルオプション (msg_svr_base/config/tcp_local_option などの SMTP チャネルオプションファイル) は、受信チャネル (スレーブチャネルプログラム) 専用のオプションです。これらのオプションは、たとえば *switchannel キーワードを有効にしたチャネルのように、受信メッセージを処理できる可能性のある他のチャネルで使用されません。

ファイルの形式

オプションファイルは複数の行から構成されており、各行にはそれぞれ 1 つのオプション設定が含まれています。オプション設定は、次の形式で記述されています。

オプション=値

値は、オプションの要件に基づき、文字列または整数のいずれかとなります。オプションが整数値を受け入れる場合、基数は b%v という記法を用いて指定することができます。この場合、b は底 10 および vb で表される基数です。

使用可能な SMTP チャネルオプション

表 4-9 に、使用可能なオプションを示します。

表 4-9 SMTP チャネルオプション 

オプション

説明

522_PERMANENT_ERROR_STRING

うまく稼動していない SMTP サーバーに対して、552 応答を処理する際の柔軟性を提供する。このオプションは、永久的なエラーとして扱われる 552 ステータス文字列のリストに設定される。複数の文字列は縦棒文字によって区切る必要がある。文字列には、エラーテキストと同様、拡張ステータスコードが 1 つはあると仮定して含める必要がある。「552」を含めることはできない

ALLOW_ETRNS_PER_SESSION (整数)

1 つのセッションで受け入れられる ETRN コマンドの数を制限する。デフォルトは 1

ALLOW_RECIPIENTS_PER_TRANSACTION (整数)

1 つのメッセージについて許される受取人の数を制限する。このオプションは RCPT TO および SMTP VRFY コマンドに適用される。デフォルトは 128

ALLOW_REJECTIONS_BEFORE_DEFERRAL (整数)

単一のセッションで許容される不正な RCPT TO: アドレス数を制限する。つまり、指定された数の To: アドレスが拒否されると、その後のすべての受取人は、適正、不正にかかわらず、4xx エラーで拒否される

ALLOW_TRANSACTIONS_PER_SESSION (整数)

1 つの接続について許されるメッセージの数を制限する。デフォルトでは、制限はない

ATTEMPT_TRANSACTIONS_PER_SESSION (整数)

1 つの接続セッションの間に MTA が転送を試みるメッセージの数を制限する

BANNER_ADDITION (U.S. ASCII 文字列)

指定した文字列を SMTP 見出しの行に追加する。文字列には垂直の棒 (|) は使用できない

BANNER_HOST (U.S. ASCII 文字列)

SMTP 見出しに表示されるホスト名を設定する。SMTP 見出しは、SMTP サーバーで表示される最初のグリーティングと、SMTP クライアントが発行する HELO/EHLO コマンド

CHECK_SOURCE (0 または 1)

DNS 検索で見つかった名前 (DNA 検索がオフの場合は IP ドメインリテラル) が HELO または EHLO 行のリモート SMTP クライアントと一致しない場合、名前を表示した後に Received: ヘッダーにコメントとして含めるかどうかを制御する。通常 SMTP サーバーは、接続を受信したホストの名前を、ident* チャネルキーワードで指定された方法で決定するように試みる。値が 1 の (デフォルト) 場合は、決定された名前が表示された名前と異なる場合、決定した名前を含ませることができる。値が 0 の場合は、このようなコメントが含められないため、メッセージの確認に便利な手段が 1 つ削除されることになる

COMMAND_RECEIVE_TIME (整数)

一般の SMTP コマンド (他のオプションを使ってタイムアウトの値が明示的に指定されているコマンド以外のコマンド) をどれくらいの時間待つかを分数で指定する

デフォルトは 10

COMMAND_TRANSMIT_TIME (整数)

一般の SMTP コマンド (他のオプションを使ってタイムアウトの値が明示的に指定されているコマンド以外のコマンド) をどれくらいの時間転送し続けるかを分数で指定する

デフォルトは 10

CUSTOM_VERSION_STRING (U.S. ASCII 文字列)

製品名とバージョン番号を指定する、デフォルト見出しの文字列の部分を上書きする

このオプションの使用は勧められない

DATA_RECEIVE_TIME (整数)

SMTP ダイアログの間に、データを受け取るまでにどれくらい待つかを分数で指定する。デフォルトは 5

DATA_TRANSMIT_TIME (整数)

SMTP ダイアログの間に、データをどれくらいの時間転送するか分数で指定する。デフォルトは 10

DISABLE_ADDRESS (0 または 1)

MTA SMTP サーバーはプライベートコマンドXADR を実行する。このコマンドは、一般のチャネル情報に加えて、MTA が内部的にアドレスをどのようにルートするかについての情報を返す。サイトによっては、このような情報を公表することはセキュリティ違反とみなされることもある。DISABLE_ADDRESS オプションを 1 に設定すると、XADR コマンドが無効になる。デフォルトは 0 で、XADR コマンドは無効

DISABLE_CIRCUIT (0 または 1)

SMTP サーバーによって実装されたプライベート XCIR コマンドを有効 / 無効にする。XCIR コマンドでは、MTA 回路の確認情報が返される。サイトによっては、このような情報を公表することはセキュリティ違反とみなされることもある。DISABLE_CIRCUIT を 1 に設定すると、XCIR コマンドが無効になる。DISABLE_CIRCUIT を 0 に設定すると、XCIR コマンドが有効になる。DISABLE_CIRCUIT が明示的に設定されていない場合、XCIR コマンドの使用は DISABLE_GENERAL オプション設定で制御される

DISABLE_EXPAND (0 または 1)

SMTP の EXPN コマンドは、メーリングリストをエクスパンドするのに使用される。サイトによっては、メーリングリストの内容を外部の者が見られるようにするとセキュリティ違反とみなされることもある。DISABLE_EXPAND オプションを 1 に設定すると、EXPN コマンドが完全に無効になる。デフォルトの値は 0 で、EXPN コマンドは通常通りに機能する

リストのディレクトリエントリ内でエクスパンド可能な属性を False に設定することにより、メーリングリストのエクスパンドをリストごとにブロックすることもできる

DISABLE_GENERAL (0 または 1)

SMTP サーバーによって実装されたプライベート XGEN コマンドを有効 / 無効にする。XGEN コマンドは、コンパイルされた設定や文字セットが使用されているかどうかに関する、ステータス情報を返す。サイトによっては、このような情報を公表することはセキュリティ違反とみなされることもある。DISABLE_GENERAL を 1 に設定すると、XGEN コマンドが無効になる。デフォルトは 0 で、XSTA コマンドが有効になる

DISABLE_SEND (0 または 1)

SMTP の SEND FROM:、SAML FROM:、および SOML FROM: コマンドを無効にするこのオプションを 1 に設定するとコマンドが無効になる。デフォルトは 1

DISABLE_STATUS (0 または 1)

MTA SMTP サーバーはプライベートなコマンド XSTA を実行する。このコマンドは、処理されたメッセージと現在 MTA チャネルキューの中にあるメッセージの数に関するステータス情報を返す。サイトによっては、そのような情報を公表することはセキュリティ違反とみなされる場合もある。DISABLE_STATUS オプションを 1 に設定すると XSTA コマンドが無効になる。デフォルトは 0 で、XSTA コマンドが有効になる

DOT_TRANSMIT_TIME (整数)

SMTP ダイアログを終了するドット (.) をどれくらいの時間転送するかを分数で指定する。デフォルトは 10

EHLO_ADDITION

EHLO 応答の一部としてアドバタイズする SMTP 拡張機能を指定する。複数の拡張機能を指定するには、各機能を垂直の棒 (|) で区切る

HIDE_VERIFY (0 または 1)

SMTP VRFY コマンドは、アドレスを使う前にその有効性を確立するために使用する。このコマンドは、自動クエリエンジンで乱用されているケースもある。HIDE_VERIFY オプションを 1 に設定すると、VRFY コマンドの結果内にある役立つ情報を返さないよう MTA に指示が出される。デフォルトの値は 0 で、VRFY は通常通りに動作する。vrfy* チャネルキーワードを使用すると、MTA の動作をチャネルごとに制御できる

INITIAL_COMMAND

SMTP クライアントが送信する初期 SMTP コマンド文字列を指定する

LOG_BANNER (0 または 1)

LOG_BANNER オプションは、チャネルに対して logging チャネルキーワードが有効になっている場合に、SMTP サーバーのバナー行を mail.log* ファイルのエントリに含むかどうかを制御する。値 1 (デフォルト) は、リモート SMTP サーバーのバナー行のログを有効にし、値 0 はそれを無効にする。LOG_BANNER は、リモート SMTP 見出し行が使用可能な場合、チャネルが生成する返送メッセージにこの見出し行を含めるかどうかについても影響を与える

LOG_CONNECTION (整数)

LOG_CONNECTION オプションは、メッセージを送っている SMTP クライアントのドメイン名などの接続情報を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。また、そのチャネルに対して logging チャネルキーワードが有効になっている場合には、接続記録の書き出しを制御する。この値は、ビットエンコードされた整数を表す十進法の整数。以下に、その解釈を示す

Bit-0 値-1: これが設定されると、接続の情報が E ログレコードと D ログレコードに含まれる

Bit-1 値-2: これが設定されると、SMTP や X.400 クライアント / サーバーなどのメッセージエンキュー / デキューエージェントによって、接続の開閉と失敗の記録がログされる

Bit-2 値-4: これが設定されると、I レコードがログされ、ETRN イベントが記録される

ビット 0 が最下位のビット

このチャネルオプションは、MTA オプションファイルに設定されている、グローバル MTA オプション LOG_CONNECTION の設定にデフォルト設定されているこのチャネルオプションを明示的に設定すると、グローバルオプションで要求される動作をチャネル単位で上書きできる。

LOG_TRANSPORTINFO (0 または 1)

LOG_TRANSPORTINFO は、チャネルに対して logging チャネルキーワードが有効になっているときに、送信側と受信側の IP アドレスや TCP ポートなどの転送情報を mail.log ファイルに含めるかどうかを制御する。値 1 を指定すると、転送情報のログが記録される。値 0 を指定すると、ログ機能が無効になる。このチャネルオプションは、MTA オプションファイルに設定されている、グローバル MTA オプション LOG_CONNECTION の設定にデフォルト設定されている

MAIL_TRANSMIT_TIME (整数)

送信完了までの待機時間を、分数で指定する。デフォルトは 10

MAX_CLIENT_THREADS

クライアントのチャネルプログラムによって許可される、同時送信接続の最大数を示す整数値。チャネル処理のキューをどのように設定しているかによって、複数のプロセスを送信接続に使用できることに注意する。このオプションはプロセスごとのスレッド数を制御するものである。このオプションが指定されていない場合のデフォルトは 10

MAX_A_RECORDS

メッセージの配信を試みる際に、MTA で使用する A レコードの最大数を指定する。デフォルトでは、制限はない

MAX_J_ENTRIES

単一の SMTP 接続セッションで書き込む J mail.log* エントリの最大数を指定する。デフォルトは 10

MAX_HELO_DOMAIN_LENGTH

HELO、EHLO、および LHLO 行で許容する引数の長さの制限を指定する。クライアントからこの制限より長いホスト名引数が送信された場合、そのコマンドは拒否される。デフォルトでは、制限はない

MAX_MX_RECORDS (整数 <=32)

メッセージの配信を試みる際に、MTA で使用する MX レコードの最大数を指定する。最大値は 32 で、これがデフォルトである。

PROXY_PASSWORD

プロキシがクライアントから SMTP コマンドを折り返す先の SMTP サーバーに、SMTP プロキシを認証するパスワードを指定する。この値は、MMP の SmtpProxyPassword パラメータと一致する必要がある

RCPT_TRANSMIT_TIME (整数)

送信完了までの待機時間を、分数で指定する。デフォルトは 10

STATUS_DATA_RECEIVE_TIME (整数)

送られたデータに対する SMTP 応答を待つ時間、つまり、dot-terminating-sent 型のデータに対する 550 (あるいは別の) 応答を受け取るまでの待ち時間を分数で指定する。デフォルト値は 10。次のオプションも参照する : STATUS_DATA_RECV_PER_ADDR_TIMESTATUS_DATA_RECV_PER_BLOCK_TIME、および STATUS_DATA_RECV_PER_ADDR_PER_BLOCK_TIME

STATUS_DATA_RECV_PER_ADDR_TIME (浮動小数点値)

MAIL TO コマンド内のアドレスの数に基づいて、送られたデータに対する SMTP 応答を受け取るまでの待ち時間を決めるための調整率を指定する。この値にアドレスの数が掛けられ、(STATUS_DATA_RECV_TIME オプションで指定された) 基本の待ち時間に足される。デフォルトは 0.083333

STATUS_DATA_RECV_PER_BLOCK_TIME (浮動小数点値)

送られたブロックの数に基づいて、送られたデータに対する SMTP 応答を受け取るまでの待ち時間を決めるための調整率を指定する。この値にブロックの数が掛けられ、(STATUS_DATA_RECV_TIME オプションで指定された) 基本の待ち時間に足される。デフォルトは 0.001666

STATUS_DATA_RECV_PER_ADDR_PER_BLOCK_TIME (浮動小数点値)

送られたブロック数ごとの (MAIL TO コマンド内にある) アドレスの数に基づいて、送られたデータに対する SMTP 応答を受け取るまでの待ち時間を決めるための調整率を指定する。この値にブロックごとのアドレスの数が掛けられ、(STATUS_DATA_RECV_TIME オプションで指定された) ベースの待ち時間に足される。デフォルトは 0.003333

STATUS_MAIL_RECEIVE_TIME (整数)

送られた MAIL FROM コマンドに対する SMTP 応答を受け取るまでの待ち時間を分数で指定する。また、初期見出し行を待機する時間、および HELO、EHLO、または RSET コマンドへの応答を待機する時間にも対応する。デフォルトは 10

STATUS_RCPT_RECEIVE_TIME (整数)

送られた RCPT TO コマンドに対する SMTP 応答を受け取るまでの待ち時間を分数で指定する。デフォルトは 10

STATUS_RECEIVE_TIME (整数)

一般の SMTP コマンド (他のオプションを使ってタイムアウトの値が明示的に指定されているコマンド以外のコマンド) への応答をどれくらいの時間待つかを分数で指定する。デフォルトは 10

STATUS_TRANSMIT_TIME (整数)

SMTP 応答の SMTP コマンドへの転送に、どのくらいの時間をかけるかを分数で指定する

TRACE_LEVEL (0、1、または 2)

このオプションは、TCP/IP レベルのトレースをデバッグログファイルに含めるかどうかを制御する。デフォルト値は 0 で、TCP/IP パケットトレースは含まれない。値 1 を指定すると、TCP/IP パケットトレースをすべてのデバッグログファイルに含めるよう MTA に指示が出される。値 2 を指定すると、TCP/IP パケットトレースだけでなく、DNS 検索情報も含めるよう MTA に指示が出される

TRANSACTION_LIMIT_RCPT_TO

ALLOW_TRANSACTION_PER_SESSION が超過すると、MTA の動作に影響を与える。デフォルトは 0 で、ALLOW_TRANSACTION_PER_SESSION を超過すると、同じセッション中、後続のトランザクションは MTA により MAIL FROM: コマンドで拒否される。1 に設定されている場合は、後続のトランザクションは RCPT TO: コマンドで拒否される


変換

MTA が行う変換には大きく分けて 2 つのカテゴリがあり、各カテゴリはそれぞれ対応するマッピングテーブルおよび MTA の変換ファイルによって制御されます。

最初のカテゴリは MTA が内部で実行する文字セット、フォーマット、およびラベルの変換です。この種の変換は CHARSET-CONVERSION マッピングテーブルによって制御されます。

もう 1 つのカテゴリは、ドキュメントコンバータやウィルススキャナなどの外部サードパーティプログラムのサイトのプロシージャに基づいて行うメッセージ添付ファイルの変換です。この種の変換は CONVERSIONS マッピングテーブルによって制御されます。変換を必要とするメッセージは MTA の変換チャネルに送られ、その変換チャネルによってサイト指定の外部変換プロシージャが実行されます。

MTA の変換ファイルは、CONVERSION テーブルによってトリガーされる外部変換の詳細、および CHARSET-CONVERSION テーブルによってトリガーされる内部変換の詳細を指定するために使用されます。

文字セット変換とメッセージフォーマット変換のマッピング

MTA の基本的なマッピングテーブルの 1 つに、文字セット変換テーブルがあります。このテーブルの名前を CHARSET-CONVERSION と言います。チャネル間における文字セット変換やメッセージフォーマット変換の種類を指定するために使用されます。

MTA は 2 通りの方法によって CHARSET-CONVERSION マッピングテーブルをプローブします。1 回目のプローブは、MTA がメッセージフォーマットを変換すべきか、また変換する場合はどのフォーマットオプションを使用すべきかを決定するために実行されます。(フォーマット変換が指定されていない場合、特定の文字セットへの変換に関するチェックは行われません)。このプローブには、以下のような形式の入力文字列が使用されます。

IN-CHAN=チャネル (入力);OUT-CHAN=チャネル (出力);CONVERT

チャネル (入力) はソースチャネル (メッセージの送信元)、チャネル (出力) は宛先チャネル (メッセージの送信先) を示します。一致するソースチャネルおよび宛先チャネルがある場合は、その結果がコンマで区切られたキーワードリストの文字列として表示されます。表 4-10 に、それらのキーワードを一覧します。

表 4-10 CHARSET-CONVERSION マッピングテーブルのキーワード

キーワード

説明

Always

メッセージがチャネル (出力) の前に変換チャネルを通過する場合でも、変換を行う

Appledouble

Appledouble フォーマット以外の MacMIME フォーマットを Appledouble フォーマットに変換する

Applesingle

Applesingle フォーマット以外の MacMIME フォーマットを Applesingle フォーマットに変換する

BASE64

MIME エンコードを BASE64 に切り替える

Binhex

Binhex フォーマット以外の MacMIME フォーマット、または Macintosh タイプおよび Mac クリエータ情報を含む部分を Binhex フォーマットに変換する

Block

MacMIME フォーマット部分からデータフォークのみを抽出する

Bottom

message/rfc822 本文部分 (転送メッセージ) をメッセージ内容部分とヘッダー部分に「フラット化」する

Delete

message/rfc822 本文部分 (転送メッセージ) をメッセージ内容部分に「フラット化」し、転送ヘッダーを削除する

Level

重複するマルチパートレベルをメッセージから削除する

Macbinary

Macbinary フォーマット以外の MacMIME フォーマット、または Macintosh のタイプや Mac クリエータ情報を含む部分を Macbinary フォーマットに変換する

No

変換を無効にする

QUOTED-PRINTABLE

MIME エンコードを QUOTED-PRINTABLE に切り替える

Record,Text

テキスト部分を 80 バイトのところで折り返す

Record,Text= n

テキスト部分を n バイトのところで折り返す

RFC1154

メッセージを RFC 1154 フォーマットに変換する

Top

message/rfc822 本文部分 (転送メッセージ) をヘッダー部分とメッセージ内容部分とに「フラット化」する

UUENCODE

MIME エンコードを X-UUENCODE に切り替える

Yes

変換を有効にする

文字セット変換およびメッセージフォーマット変換のマッピングについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。

変換ファイル

MTA 設定ファイル (imta.cnf) 内の変換チャネルの設定は、デフォルトで実行されるようになっています。デフォルト設定の書き換えルールに基づき、user@conversion.ローカルホスト名または user@conversion の形式のアドレスは、CONVERSIONS マッピング状態に関係なく、変換チャネルにルーティングされます。

変換チャネルが実行する変換は、MTA の変換ファイル内で定義されているルールによって制御されます。このファイルは、MTA テイラーファイルの IMTA_CONVERSION_FILE オプションで指定されています。デフォルトでは、msg_svr_base/imta/conversions です。

MTAの変換ファイルは MIME Content-Type パラメータに準拠する形式のエントリを含むテキストファイルです。各エントリは 1 つまたは複数のグループ化された行から構成され、各行には 1 つまたは複数の name=; パラメータ句が含まれています。引用ルールは Content-Type ヘッダー行のパラメータに関する MIME の様式に準拠します。最終行以外のすべての行は、セミコロン (;) で終了する必要があります。このファイルでは、一行に入力できる文字数が 1024 バイトに制限されています。¥ (円マーク) を継続文字として使用すれば、1 つの論理行を複数の行に分割することができます。エントリは、セミコロンで終了していない行や空白行が 1 行以上挿入されているところで終了します。

現在提供されているルールパラメータを表 4-11 に示します。表内にないパラメータは無視されます。

表 4-11 変換パラメータ 

パラメータ

説明

COMMAND

変換を実行するためのコマンドで、このパラメータは必須。コマンドが指定されていない場合、このエントリは無視される

DELETE

0 または 1 に設定する。このフラッグが設定されている場合は、メッセージ部分が削除される (メッセージにこの部分しかない場合は、1 つの空白のテキスト部分に置き換えられる)

DPARAMETER-COPY-n

本文入力部分の Content-Disposition: パラメータリストから本文出力部分の Content-Disposition: パラメータリストにコピーする Content-Disposition: パラメータのリスト。n = 0, 1, 2, ....。IN-PARAMETER-NAME-n 句で一致した MIME パラメータ名をコピーする引数とする。引数にはワイルドカードを使用することができる。特に、* という引数は、元の Content-Disposition: パラメータをすべてコピーすることを示す

DPARAMETER-SYMBOL-n

環境変数に変換する Content-disposition パラメータ。n = 0, 1, 2, ...。IN-DPARAMETER-NAME-m 句で一致した MIME パラメータ名を変換する引数とする。それぞれの DPARAMETER-SYMBOL-n は、Content-Disposition: パラメータリストから抽出され、サイト提供のプログラムを実行する前に環境変数に入れられる

IN-A1-FORMAT

封入された message/rfc822 部分から A1- フォーマットを入力する

IN-A1-TYPE

封入された message/rfc822 部分から A1- タイプを入力する

IN-CHAN

変換用に照合するチャネルを入力する (ワイルドカード使用可)。このエントリで指定した変換は、メッセージが指定したチャネルから送信される場合にのみ実行される

IN-CHANNEL

IN-CHAN と同義

IN-DESCRIPTION

変換用に照合する MIME Content-Description を入力する

IN-DISPOSITION

変換用に照合する MIME Content-Disposition を入力する

IN-DPARAMETER-DEFAULT-n

パラメータがない場合に、MIME Content-Disposition パラメータのデフォルト値を入力する。本文部分に IN-DPARAMETER-VALUE-n が指定されていない場合に、このパラメータのテストのデフォルト値として使用される

IN-DPARAMETER-NAME-n

値をチェックする MIME Content-Disposition パラメータ名を入力する。n = 0, 1, 2...

IN-DPARAMETER-VALUE-n

対応する IN-DPARAMETER-NAME (ワイルドカード使用可) と一致しなければならない MIME Content-Disposition パラメータの値を入力する。このエントリで指定した変換は、このフィールドが本文部分の Content-Disposition: パラメータリストの対応するパラメータに一致した場合にのみ実行される

IN-PARAMETER-DEFAULT-n

パラメータがない場合に、MIME Content-Type パラメータのデフォルト値を入力する。本文部分に IN-PARAMETER-VALUE-n が指定されていない場合に、このパラメータのテストのデフォルト値として使用される

IN-PARAMETER-NAME-n

値をチェックする MIME Content-Type パラメータ名を入力する。n = 0, 1, 2...

IN-PARAMETER-VALUE-n

対応する IN-PARAMETER-NAME (ワイルドカード使用可) と一致しなければならない MIME Content-Type パラメータの値を入力する。このエントリで指定した変換は、このフィールドが本文部分の Content-Type パラメータリストの対応するパラメータに一致した場合にのみ実行される

IN-SUBJECT

封入された MESSAGE/RFC822 部分から件名を入力する

IN-SUBTYPE

変換用に照合する MIME サブタイプを入力する (ワイルドカード使用可)。このエントリで指定した変換は、このフィールドが本文部分の MIME サブタイプに一致した場合にのみ実行される

IN-TYPE

変換用に照合する MIME タイプを入力する (ワイルドカード使用可)。このエントリで指定した変換は、このフィールドが本文部分の MIME タイプに一致した場合にのみ実行される

MESSAGE-HEADER-FILE

MESSAGE_HEADERS で指定したファイルに対してメッセージの元のヘッダーを書き込む (書き込みは、すべてまたは一部、または書き込みなし)。1 に設定した場合、直接メッセージの部分を含む元のヘッダーが MESSAGE_HEADER で指定したファイルに書き込まれる。2 に設定した場合は、メッセージの元のヘッダー全体 (最初と最後のメッセージヘッダー) がファイルに書き込まれる

ORIGINAL-HEADER-FILE

0 または 1 に設定する。1 に設定した場合は、元のヘッダーまたは封入された MESSAGE/RFC822 部分が、OUTPUT_HEADERS 記号で表されるファイルに書き込まれる

OUT-CHAN

変換用に照合するチャネルを出力する (ワイルドカード使用可)。このエントリで指定した変換は、メッセージが指定したチャネルに送信される場合にのみ実行される

OUT-CHANNEL

OUT-CHAN と同義

OUT-DESCRIPTION

出力 MIME Content-Description が入力 MIME Content-Description と異なる場合に、MIME Content-Description を出力する

OUT-DISPOSITION

出力 MIME Content-Description が入力 MIME Content-Disposition と異なる場合に、MIME Content- Disposition を出力する

OUT-DPARAMETER-NAME-n

MIME Content-Disposition パラメータ名を出力する。n=0, 1, 2...

OUT-DPARAMETER-VALUE-n

OUT-DPARAMETER-NAME-n に対応する MIME Content-Disposition パラメータの値を出力する

OUT-MODE

変換ファイルを読み取って保存するモード。BLOCK (バイナリ形式および実行型形式) と TEXT がある

OUT-ENCODING

メッセージが再組立されるときに、変換ファイルに適用するエンコード

OUT-PARAMETER-NAME-n

MIME Content-Type パラメータ名を出力する。n = 0, 1, 2...

OUT-PARAMETER-VALUE-n

OUT-PARAMETER-NAME-n に対応する MIME Content- Type パラメータの値を出力する

OUT-SUBTYPE

出力 MIME タイプが入力 MIME タイプと異なる場合に、MIME タイプを出力する

OUT-TYPE

出力 MIME タイプが入力 MIME タイプと異なる場合に、MIME タイプを出力する

OVERRIDE-HEADER-FILE

0 または 1 に設定する。設定した場合は、封入された MIME 部分の元のヘッダーを無視し、OUTPUT_HEADERS 記号からヘッダーを読み取る

OVERRIDE-OPTION-FILE

設定した場合は、変換チャネルが OUTPUT_OPTIONS 環境変数からオプションを読み取る

PARAMETER-COPY-n

本文入力部分の Content-Type: パラメータリストから本文出力部分の Content-Type: パラメータリストにコピーする Content-Type: パラメータのリスト。n = 0, 1, 2 ....。IN-PARAMETER-NAME-n 句で一致した MIME パラメータ名をコピーする引数とする

PARAMETER-SYMBOL-n

環境変数に変換する Content-Type パラメータ。n = 0, 1, 2...。IN-PARAMETER-NAME-n 句で一致した MIME パラメータ名を変換する引数とする。それぞれの PARAMETER-SYMBOL-n は、Content-Type: パラメータリストから抽出され、サイト提供のプログラムを実行する前に同じ名前の環境変数に入れられる。IN-PARAMETER-NAME-n 句で一致した、MIME パラメータ名に変換する変数名を引数とする

PART-NUMBER

ドット文字を伴った整数で a. b. c... のように表示される。MIME 本文部分の番号を示す

RELABEL

0 または 1 に設定する。このフラグでは、変換チャネルの処理中にエントリが無視される。ただし、フラグが 1 の場合は、文字セット変換中に MIME ヘッダーが有効になる

SERVICE-COMMAND

サービス変換を実行するためのコマンドで、このパラメータは必須。COMMAND パラメータは変換チャネル処理に必要だが、SERVICE-COMMAND は文字セット変換処理のオプションであるため、コマンドが指定されない場合、このエントリは無視される。このフラグが付いていると、変換チャネルの処理中にエントリが無視される。その代わり、SERVICE-COMMAND エントリは文字セット変換の処理中に実行される

TAG

メーリングリスト CONVERSION_TAG パラメータで設定されているタグを入力する

定義済みの環境変数

表 4-12 に、変換コマンドで使用できる基本的な環境変数を示します。

表 4-12 変換チャネルで使用される環境変数 

環境変数

説明

ATTACHMENT_NUMBER

現在の部分の添付ファイル数

CONVERSION_TAG

アクティブな変換タグの接続の一覧。この変数は、TAG 変換パラメータに対応している

INPUT_CHANNEL

メッセージを変換チャネルのキューに入れたチャネル。この変数は、IN-CHANNEL 変換パラメータに対応している

INPUT_ENCODING

元の本文部分に存在するエンコーディング

INPUT_FILE

元の本文部分を含むファイルの名前。サイト提供のプログラムはこのファイルを読み取る

INPUT_HEADERS

封入する部分の元のヘッダーを含むファイルの名前。サイト提供のプログラムはこのファイルを読み取る

INPUT_TYPE

入力メッセージ部分の MIME コンテンツタイプ

INPUT_SUBTYPE

入力メッセージ部分の MIME コンテンツサブタイプ

INPUT_DESCRIPTION

入力メッセージ部分の MIME コンテンツの説明

INPUT_DISPOSITION

入力メッセージ部分の MIME コンテンツ配列

MESSAGE_HEADERS

封入するメッセージ (本文部分だけではなく) の元のヘッダー、または MESSAGE/RFC822 部分に最後に封入する部分のヘッダーを含むファイル名。サイト提供のプログラムはこのファイルを読み取る

OUTPUT_CHANNEL

メッセージが送られるチャネル。この変数は、IN-CHANNEL 変換パラメータに対応している

OUTPUT_FILE

サイト提供のプログラムがその出力を保存するファイル名。サイト提供のプログラムはこのファイルを作成して書き込む。

OUTPUT_HEADERS

サイト提供のプログラムが封入する部分の MIME ヘッダー行を保存するファイル名。サイト提供のプログラムはこのファイルを作成して書き込む。ファイルには、option=value 行ではなく実際のヘッダー行が含まれ、最後の行は空白行となる

OUTPUT_OPTIONS

サイト提供のプログラムで変換チャネルオプションを読み取るファイル名。ファイルには、ヘッダー行に続き、最後の行として空白の行を含ませる必要がある

PART_NUMBER

現在の部分の番号。ドット文字を伴った整数で a. b. c... のように表示される

PART_SIZE

処理中の部分のバイト数

Content-type: パラメータ情報または Content-disposition: パラメータ情報を含む追加の環境変数は、それぞれ PARAMETER-SYMBOL-n または DPARAMETER-SYMBOL-n パラメータを使用して、必要に応じて作成できます。

表 4-13 に、変換チャネルで使用できる他のオプションを示します。コンバータプロシージャは、これらのオプションを使って、変換チャネルに情報を渡すことができます。これらのオプションを設定するには、任意の変換エントリに OVERRIDE-OPTION-FILE=1 を設定し、コンバータプロシージャによって OUTPUT_OPTIONS ファイル内の目的のオプションが設定されるようにします。

表 4-13 情報を変換チャネルに返すためのオプション 

オプション

説明

OUTPUT_TYPE

出力メッセージ部分の MIME コンテンツタイプ

OUTPUT_SUBTYPE

出力メッセージ部分の MIME コンテンツサブタイプ

OUTPUT_DESCRIPTION

出力メッセージ部分の MIME コンテンツの説明

OUTPUT_DIAGNOSTIC

変換チャネルによって強制的にメッセージが戻された場合に差出人に返されるエラーテキスト

OUTPUT_DISPOSITION

出力メッセージ部分の MIME コンテンツ配列

OUTPUT_ENCODING

出力メッセージ部分に使用される MIME コンテンツの送信エンコード

OUTPUT_MODE

変換チャネルが出力メッセージ部分を書き出す際に使用するモードで、受取人が出力メッセージ部分を読み取る際に使用する MIME モード

STATUS

コンバータの終了ステータス。通常は、変換チャネルの何らかの動作を開始する特殊な指示。すべての指示のリストは msg_svr_base/bin/msg/imtasdk/include/pmdf_err.h を参照


マッピングファイル

MTA コンポーネントの多くは、テーブル検索に基づいた情報を使用します。一般に、このタイプのテーブルは、入力文字列を出力文字列に変える (マップする) のに使用されます。このようなテーブルは、マッピングテーブルと呼ばれ、通常 2 つのカラムで構成されます。1 つめ (左側) のカラムには入力文字列が、2 つめ (右側) のカラムにはその入力文字列に関連付けられた出力文字列が並んでいます。MTA データベースのほとんどは、このタイプのマッピングテーブルのインスタンスです。ただし、MTA データベースファイルには、ワイルドカード検索機能がありません。データベース全体でワイルドカードに一致するものを検索するのは非効率的だからです。

マッピングファイルによって、MTA が複数のマッピングテーブルをサポートできるようになります。さらに、完全なワイルドカード機能もあり、複数の手順や反復マッピング方法にも対応しています。このアプローチは、データベースを使用する場合に比べ、さらに多くの処理を必要とします。特に、エントリ数が多い場合などはなおさらです。ただし、それに付随して柔軟性が増すため、同等のデータベースにおけるエントリのほとんどを必要としなくなり、全体的にオーバーヘッドが少なくなります。

REVERSE および FORWARD アドレスマッピングについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。

マッピングファイルを検索する / 読み込む

すべてのマッピングは、MTA マッピングファイルに保存されています。これは、MTA テイラーファイルの IMTA_MAPPING_FILE オプションで指定されているファイルで、デフォルトは msg_svr_base/config/mappings です。マッピングファイルの内容は、コンパイルされた設定に取り込まれます。

マッピングファイルは、誰でも読み取り可能でなければなりません。誰でも読み取り可能でアクセスできない場合は、誤作動をまねくことになります。

マッピングファイルのファイルフォーマット

マッピングファイルは、一連のテーブルで構成されています。各テーブルはその名前で始まります。名前には常に、最初の列にアルファベット文字がきます。テーブル名の次には必ず空白行が続き、その後にテーブルのエントリが続きます。エントリは、ゼロまたはそれ以上のインデント行で構成されます。各エントリの先頭に、少なくとも 1 つのスペースが必要です。各エントリ行は、1 つ以上のスペースまたはタブで区切られた 2 つのカラムから成ります。エントリ内のスペースはすべて、$ 文字で囲む必要があります。各テーブル名の後およびテーブル間には空白行が必要ですが、1 つのテーブル内のエントリ間に空白行があってはなりません。コメントは、1 つめのカラムに記述され、感嘆符 (!) から始まります。

つまり、ファイルフォーマットは以下のようになります。

TABLE-1-NAME

  pattern1-1    template1-1

  pattern1-2    template1-2

  pattern1-3    template1-3

     .           .

     .           .

     .           .

  pattern1-n    template1-n

TABLE-2-NAME

  pattern2-1    template2-1

  pattern2-2    template2-2

  pattern2-3    template2-3

     .           .

     .           .

     .           .

  pattern2-n    template2-n

          .

          .

          .

TABLE-m-NAME

          .

          .

          .

TABLE-2-NAME マッピングテーブルを使用するアプリケーションは、pattern2-2 文字列を template2-2 で指定された文字列にマップします。各パターン、またはテンプレートには、最高 252 文字までを含めることができます。マッピングテーブルに含まれるエントリの数に制限はありません (ただし、エントリが必要以上に多い場合は、大きな CPU 容量およびメモリ容量を要することになります)。252 バイト以上の長い行は、¥ (円マーク) を行の末尾に置くことで次の行に続けることができます。2 つのカラム間および 1 つめのカラムの前にある空白スペースを削除してはなりません。

マッピングファイルでマッピングテーブル名が重複することは許されていません。

マッピングファイルに他のファイルを含める

マッピングファイルに他のファイルを含めることができます。次の形式の行を使用します。

<file-spec

これによって、マッピングファイル内の file-spec の行が、その実際のファイルに置き換えられます。ファイル指定には、完全なファイルパス (ディレクトリ等) が必要です。この方法で含めるファイルは、誰でも読み取り可能でなければなりません。マッピングファイルに含めるファイルにはコメントを入れることもできます。含めるファイルは 3 段階までネスティングすることができます。含められたファイルは、マッピングファイルと一緒に読み込まれます。オンデマンドで読み込まれるのではないため、ファイルを含めることによってパフォーマンスまたはメモリを節約することはできません。

マッピングの動作

マッピングファイル内のマッピングはすべて一定の方法で適用されます。マッピングごとに異なるのは、入力文字列のソースとマッピング出力の使用目的のみです。

マッピングの動作は、常に入力文字列とマッピングテーブルから始まります。マッピングテーブルのエントリは、テーブルに表示される順に上から下へ 1 つずつスキャンされます。各エントリの左側の部分がパターンとして使用され、入力文字列は大文字 / 小文字の区別なくそのパターンと比較されます。

マッピングエントリのパターン

パターンには、ワイルドカード文字を含めることができます。たとえば、次のような一般的なワイルドカード文字を使用できます。アスタリスク (*) はゼロまたはそれ以上の文字と一致し、パーセント記号 (%) は 1 つの文字に一致します。ドル記号 ($) をアスタリスク、パーセント記号、スペース、およびタブの前に置くことによって、それらの記号を文字として使用できるようになります。アスタリスクまたはパーセント記号を文字として使用した場合は、それらの特殊な定義が無効になります。パターンやテンプレートを正しく認識させるために、その中のスペースやタブは文字として認識させる必要があります。ドル記号を文字として使用するには、2 重のドル記号 ($$) を使用します。この場合、1 つめのドル記号によって、2 つめのドル記号を文字として認識されるようになります。

表 4-14 マッピングパターンのワイルドカード 

ワイルドカード

説明

%

1 つの文字に一致する

*

左から右への最大限の一致を使用して、ゼロ以上の文字を一致する

後照合

説明

$ n*

n 番めのワイルドカードまたはグロブに一致する

修飾子

説明

$_

左から右への最低限の一致を使用する

$@

後続のワイルドカード、またはグロブの「保存」をオフにする

$^

後続のワイルドカードまたはグロブの「保存」をオンにする。デフォルト設定である

グロブワイルドカード

説明

$A%

A 〜 Z および a 〜 z のアルファベットのうち、1 つの文字に一致する

$A*

A 〜 Z および a 〜 z のアルファベットが 0 個以上含まれた文字列に一致する

$B%

1 桁の 2 進数 (0 または 1) に一致する

$B*

0 またはそれ以上の桁数の 2 進数 (0 または 1) に一致する

$D%

1 桁の 10 進数 (0 〜 9) に一致する

$D*

0 またはそれ以上の桁数の 10 進数 (0 〜 9) に一致する

$H%

1 桁の 16 進数 (0 〜 9 または A 〜 F) に一致する

$H*

0 またはそれ以上の桁数の 16 進数 (0 〜 9 または A 〜 F) に一致する

$O%

1 桁の 8 進数 (0 〜 7) に一致する

$O*

0 またはそれ以上の桁数の 8 進数 (0 〜 7) を照合する

$S%

1 つの記号セット文字、すなわち 0 〜 9、A 〜 Z、a 〜 z、_、$ に一致する

$S*

ゼロまたはそれ以上の記号セット文字、すなわち 0 〜 9、A 〜 Z、a 〜 z、_、$ に一致する

$T%

1 つのタブ、垂直タブ、またはスペース文字に一致する

$T*

ゼロまたはそれ以上のタブ、垂直タブ、またはスペース文字に一致する

$X%

$H% と同義

$X*

$H* と同義

$[ c]%

文字 c に一致する

$[ c]*

文字 c の不定発生に一致する

$[ c1 c2 ... cn ]%

文字 c 1、c 2、または c n の発生の 1 つに一致する

$[ c1 c2 ... cn ]*

文字 c 1、c 2、または c n の不定発生に一致する

$[ c1 -cn ]%

c 1 から c n までの文字のいずれか 1 つに一致する

$[ c1 -cn ]*

c 1 から c n までの文字の不定発生に一致する

$< IPv4>

ビットを無視して、IPv4 アドレスに一致する

$(IPv4)

プレフィックスビットを維持した状態で、IPv4 アドレスに一致する

${IPv6}

1 組の IPv6 アドレスに一致する

マッピングパターンのワイルドカードについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「MTA サービスと設定について」の章の「マッピングファイル」を参照してください。

マッピングエントリのテンプレート

表 4-15 は、特殊代替および標準処理のメタ文字の一覧です。その他のメタ文字はマッピング特有の用途に制限されています。

マッピングエントリのテンプレートについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。

表 4-15 マッピングテンプレートの代替とメタ文字 

代替シーケンス

置き換える内容

$n

左から右にゼロから数えられるワイルドカードの n 番めのフィールド

$#...#

シーケンス番号の代替

$]...[

LDAP により URL 検索が行われる。結果として、代替が行われる

$|...|

指定されたマッピングテーブルを、与えられた文字列に適用する

${...}

一般データベースの代替

$[...]

サイト提供のルーチンを起動し、結果の代替を行う

メタ文字

説明

$C

次のテーブルエントリからマッピング処理を続行し、このエントリの出力文字列をマッピング処理の新しい入力文字列として使用する

$E

マッピング処理をただちに終了し、このエントリの出力文字列をマッピング処理の最終結果とする

$L

次のテーブルエントリからマッピング処理を続行し、このエントリの出力文字列を新しい入力文字列として使用する。テーブル内のすべてのエントリを照合したら、もう一度最初のテーブルエントリから照合する。後続の照合エントリにメタ文字 $C$E または $R がある場合には、それらのエントリが優先される

$R

マッピングテーブルの最初のエントリからマッピング処理を続行し、このエントリの出力文字列をマッピング処理の新しい入力文字列として使用する

$?x?

マッピングエントリが x パーセントの割合で成功する

$¥

後続のテキストを小文字にする

$^

後続のテキストを大文字にする

$_

後続のテキストを元々の状態で残す

$=

LDAP 検索フィルタに挿入するのに適切な引用を受ける代替文字を指定する

$:x

指定したフラグが設定されている場合にのみ、一致する

$;x

指定したフラグがクリアの場合にのみ、一致する

代替シーケンスとメタ文字の詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「MTA サービスと設定について」の章を参照してください。


オプションファイル

チャネルオプションとは異なり、グローバルな MTA オプションは MTA オプションファイルに指定されています。

MTA では、オプションファイルを使って、MTA 全体に適用されるさまざまなパラメータのデフォルト値を無効にすることができます。特に、オプションファイルは、設定ファイルやエイリアスファイルが読み込まれるさまざまなテーブルのサイズを確立するのに使用されます。

MTA オプションファイルを探して読み込む

オプションファイルとは、IMTA テイラーファイル (msg_svr_base/config/imta_tailor) の IMTA_OPTION_FILE オプションで指定されているファイルのことです。デフォルトは msg_svr_base/config/option.dat です。

オプションファイルのフォーマットおよび使用可能なオプション

オプションファイルは複数の行から構成されており、各行にはそれぞれ 1 つのオプション設定が含まれています。オプション設定は、次の形式で記述されています。

オプション=値

値には、オプションの必要要件に応じて、文字列、整数、または浮動小数点を使用できます。オプションが整数値を受け入れる場合は、b%v の文字列表記ルールを使って基数を指定することができます。この場合、b は底 10 で表す基数であり、v は底 b で表す実際の値です。

オプション値が長くなる場合は、数行に分割できます。後に続く行の最後には、¥ (円マーク)を入れます。

この場合、コメントが使用できます。感嘆符 (!)、シャープ記号 (#) またはセミコロン (;) で始まる行は、コメント行として解釈されるため、無視されます。継続行の間にもコメントを使用できます。また、オプションファイルでは、空白行も無視されます。

表 4-16 に、使用可能なオプションを示します。

表 4-16 オプションファイルのオプション 

オプション

説明

ACCESS_ERRORS (整数 0 または 1)

ACCESS_ERRORS が 0 (デフォルト) に設定されている場合、アクセスに使用できないアドレスがあると MTA によって「不正なホストまたはドメインです。」という旨のエラーメッセージが表示される。これはアドレスそのものが不正である場合と同じエラーである。紛らわしいようにも思えるが、制限されたチャネルに関する情報が公開されるのを防ぐ場合は、この機能を使用することがセキュリティ上の重要な要素となる。ACCESS_ERRORS を 1 に設定すると、デフォルトが無視され、より詳細なエラーが表示される

ACCESS_ORCPT (0 または 1)

ACCESS_ORCPT を 1 に設定すると、フィールドを区切る垂直線を、元の受取人 (ORCPT) アドレスを含む SEND_ACCESSORIG_SEND_ACCESSMAIL_ACCESS、および ORIG_MAIL_ACCESSマッピングテーブルに渡されるプローブ値に追加する。メッセージに ORCPT アドレスが含まれない場合、元の無修正の RCPT TO: アドレスが代わりに使用される。デフォルトは 0

ALIAS_DOMAINS (整数)

エイリアスファイルとエイリアスデータベースの検索のフォーマットを制御する。このオプションは、引数としてビットエンコード整数をとる。デフォルトは 1 で、エイリアスファイルとエイリアスデータベース検索がアドレスのローカル部分 (メールボックス部分) だけでプローブされる。プローブがビット 0 (値 1) に設定されてない場合でも、アドレスがローカルチャネルに一致しないというわけではない。ビット 1 (値 2) に設定すると、アドレス全体 (ドメイン名を含む) を使用したプローブが実行される。ビット 2 (値 4) を設定すると、ワイルドカード (*) のプローブが実行される。すべてのビット、つまり ALIAS_DOMAIN=7 に設定すると、プローブの順番は、最初にアドレス全体 (最も特定化されたチェック) でのプローブ、次にローカル部分にドメイン名を付け加え、ワイルドカード (*) でのプローブ、最後にローカル部分だけでのプローブになる

ALIAS_ENTRY_CACHE_NEGATIVE

エイリアスエントリのネガティブキャッシュを制御する。ゼロ以外の値の場合、エイリアス一致エラーのキャッシュを有効にする。値がゼロの場合は無効

デフォルト : 0

ALIAS_ENTRY_CACHE_SIZE

エントリ内でのエイリアスキャッシュのサイズを制御する

デフォルト : 1000

ALIAS_ENTRY_CACHE_TIMEOUT

エイリアスキャッシュのタイムアウトを秒単位で制御する

デフォルト : 600

ALIAS_URL0
ALIAS_URL1
ALIAS_URL2
ALIAS_URL3
(URL)

エイリアス検索に対して検索する URL を指定する。URL の指定には、LDAP サーバーとポートを省略する必要のある場合を除き、標準の LDAP URL 構文を使用する。LDAP サーバーとポートは、LDAP_HOST オプションと LDAP_PORT オプションで指定する

特定の代替シーケンスについては、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の付録 B 「MTA ダイレクト LDAP 操作」を参照

ALIAS_HASH_SIZE
(整数 <= 32,767)

エイリアスハッシュテーブルのサイズを設定する。これは、エイリアスファイルに定義できるエイリアスの数の上限である。デフォルト値は 256 で、最大値は 32,767

ALIAS_MAGIC

チェックするエイリアスの正確なソースおよびチェックする順序を決定する。8764 に設定すると、ALIAS_URL0 MTA オプションで指定した URL が最初にチェックされ、その後 ALIAS_URL1 MTA オプションで指定した URL、ALIAS_URL2 MTA オプションで指定した URL、最後にエイリアスファイルがチェックされる。エイリアスデータベースは、この設定がアクティブな場合はチェックされない

ALIAS_MEMBER_SIZE
(整数 <= 20,000)

エイリアスの変換値ポインタのリストを含むインデックステーブルのサイズを制御する。エイリアスファイル内のすべてのエイリアス定義の右側にあるアドレスの総数は、この値を超えることができない。デフォルト値は 320 で、最大値は 20,000

ALLOW_UNQUOTED_ADDRS_VIOLATE_RFC2798

1 に設定すると、引用符のつくアドレスで引用符の外れている構文的に不正な形式を検索するための、フィルタ項目を追加する

デフォルト : 0

BLOCK_LIMIT (整数 > 0)

MTA で送受信されるメッセージのサイズの絶対限界値 (ブロック単位) を指定する。このサイズを超えるメッセージは、すべて拒否される。デフォルトではサイズ制限がない。ただし、blocklimit チャネルキーワードを使うと、チャネルごとに制限を設定することができる。ブロックのサイズ (バイト単位) は、BLOCK_SIZE オプションで指定されている

BLOCK_SIZE (整数 > 0)

MTA では、いくつかの方法で「ブロック」の概念が使用されている。たとえば MTA ログファイル (チャネルに logging キーワードを配置した場合) には、メッセージサイズがブロック数で記録される。また、メッセージのサイズが maxblocks キーワードを使って指定されている場合もブロック数で記録される。通常、MTA ブロックは 1024 バイト。このオプションは、ブロックの定義を変更するときに使用できる

注意 : BLOCK_SIZE を (1 へ) 減らしすぎると、MTA に悪影響を与えるおそれがある

BOUNCE_BLOCK_LIMIT (整数)

メッセージの指定サイズを超えた場合に、メッセージの内容全体ではなく、メッセージヘッダーのみを強制的に返送する場合に使用される

BRIGHTMAIL_ACTION_n

Brightmail_verdict_n オプションとのペアとして、Sieve コマンドを実行するようオプションの if-then-else 文* とともに指定できる。たとえば、スパムを拒否したい場合には、以下のペアを指定する :

  Brightmail_verdict_0=spamfolder
  Brightmail_action_0=data:,require "reject"; reject "Rejected by Brightmail";

Sieve コマンドのテンプレートは次のとおり :
data:,[require "command";] command;
reject
および fileinto には、require 文が必要。次のような例もある :

  Brightmail_verdict_1=spam-folder
  Brightmail_action_1_=data;,require "fileinto";fileinto "Junk";

この場合、スパムを (Brightmail がスパムに対して返した判断が spam-folder であると仮定) Junkというフォルダに保存する。Junk がない場合は、spam-folder というフォルダに保存する

デフォルト : none

BRIGHTMAIL_CONFIG_FILE (パス)

Brightmail を有効にするために必要。Brightmail 設定ファイルのフルパスと名前を指定する。Brightmail_library とともに指定すると、MTA が Brightmail を統合して使用できる。SpamAssassin とともに使用できる

例: /opt/mailwall/config
デフォルト : なし

BRIGHTMAIL_LIBRARY (パス)

Brightmail を有効にするために必要。Brightmail SDK 共有ライブラリのフルパスと名前を指定する。Brightmail_config_file とともに指定すると、実行時に MTA によって読み込まれる。SpamAssassin とともに使用できる

例: /opt/mailwall/lib/libbmiclient.so デフォルト : なし

BRIGHTMAIL_NULL_ACTION

Brightmail の判断が Brightmail 設定ファイル内の NULL アクションに一致するときに実行する Sieve コマンドを、オプションの if-then-else 文* とともに指定する。たとえば、Brightmail 設定ファイルが次の場合 :

 blSWClientDestinationLocal: spam|

「 | 」の後に null または何もない場合は、null アクションを意味する。メッセージの判断が spam の場合、つまり「 | 」の前が spam に一致する場合、null アクションが MTA によって実行される デフォルトのアクションは discard であり、Brightmail が null アクションで実行するものと一致するため、通常このオプションを指定する必要はない。SpamAssassin とともに使用できる。

Sieve コマンドのテンプレートは次のとおり :
data:,[require "command";] command;
reject および fileinto には、require 文が必要。

デフォルト : data:,discard;

BRIGHTMAIL_OPTIONAL

1 にセットすると、MTA が Brightmail SDK をロードする初期化ルーチンの呼び出しに失敗した場合、MTA は Brightmail が無効であるかのように続ける。MTA がすでに Brightmail と通信していて、Brightmail が応答しなくなった場合には、この設定は効果がない。その場合は、MTA が一時エラーを SMTP クライアントに返す

デフォルト : 0

BRIGHTMAIL_STRING_ACTION

Brightmail の判断が Brightmail 設定ファイル内のアクションの文字列に一致するときに実行する Sieve コマンドを、オプションの if-then-else 文* とともに指定する。SpamAssassin とともに使用できる。たとえば、使用する Brightmail 設定ファイルが次の場合

blSWClientDestinationLocal: spam|spam-folder

この場合、spam-folder が文字列となる。判断が spam である場合、この判断に一致する文字列が存在する。文字列が指定されたときのデフォルトのアクションは、メッセージをそのフォルダに保存することなので、このオプションはほとんど使用されない

Sieve コマンドのテンプレートは次のとおり :
data:,[require "command";] command;
reject および fileinto には、require 文が必要。

デフォルト : data:,require "fileinto"; fileinto "$U";

$U は、blSWClientDestinationLocal 値で | の右側にある文字列 (上記の例の場合は、spam-folder)

BRIGHTMAIL_VERDICT_n

Brightmail_verdict_n および Brightmail_action_n は対応するペアであり、n は 0 から 9 の数字。Brightmail の判断をデフォルトの解釈とする場合は、通常これらのオプションは指定しない。このオプションに指定できる値は、Brightmail 設定ファイルのオプション blSWClientDestinationLocal (ローカルドメインの場合) または blSWClientDesintationForeign (ドメインがローカルでない場合) の | の右側の値として指定できる。使用例は次のとおり :

blSWClientDestinationLocal=spam|spamfolder

Brightmail_verdict_0=spamfolder (| の左側にある spam ではなく) にしたいと思うかもしれない。直感的にはそう思えないとしても、実際に動作するのはこの方法である

デフォルト : none

CACHE_DEBUG (0 または 1)

1 に設定すると、さまざまな MTA コンポーネントに対して、終了前に、ドメイン、エイリアス、逆引きキャッシュの情報をデバッグログファイルに書き込むよう指示する

CHANNEL_TABLE_SIZE

(整数 <= 32,767)

チャネルテーブルのサイズを制御する。設定ファイル内の合計チャネル数は、この値を超えることができない。デフォルト値は 256 で、最大値は 32,767

CIRCUITCHECK_COMPLETED_BINS

(最高 8 個の整数をコンマで区切った一覧)

MTA 回路チェックカウンタの bin 部分を指定する (秒)。デフォルト値は 120、300、900、1800、3600、7200、14400、および 28800 (それぞれ 2分、5 分、30 分、1 時間、2 時間、4 時間、および 8 時間)

CIRCUITCHECK_PATCHS_SIZE

(整数 <= 256)

回路チェックパステーブルのサイズを制御する。そのため、回路チェック設定ファイルのエントリの総数は指定した数を超えることができない。デフォルトは 10

COMMENT_CHARS (整数リスト)

MTA 設定ファイルの comment 文字を設定する。このオプションの値は、10 進形式の ASCII 値のリストの形式をとる。デフォルトは {33, 59} のリストで、コメントの最初の文字として感嘆符とセミコロンを指定する

CONTENT_RETURN_BLOCK_LIMIT (整数)

通知メッセージ内で返される、送信元のメッセージの最大サイズを指定する。元のメッセージ内容が指定したサイズより大きい場合、メッセージは通知メッセージ内に返されない。単位はブロック (BLOCK_SIZE を参照)

CONVERSION_SIZE

(整数 <= 2000)

変換エントリテーブルのサイズを制御する。そのため、変換ファイルのエントリ数はこの数を超えることができない。デフォルトは 32

DEFER_GROUP_PROCESSING

メールグループがオンラインで展開される (たとえば tcp_smtp_server をキューに入れる) またはオフラインで展開される (reprocess チャネルに変更されないグループアドレスをキューに入れる) かどうかは、グループの LDAP エントリにある mailDeferprocessing 属性によって制御される。その属性がない場合、システムの動作は DEFER_GROUP_PROCESSING オプションによって制御される。この値が設定される場合、mailDeferProcessing 属性のないメールグループはオフラインで展開される。それ以外の場合は、オンラインで展開される。

デフォルトは 1 (yes)

DELIVERY_OPTIONS

mailDeliveryOption 属性から適切なアドレスへの変換を制御する。このオプションは、許容される mailDeliveryOption 値それぞれがどんなアドレスを生成するかだけではなく、mailDeliveryOption に許容される値は何か、またそれぞれの値がユーザー、グループ、あるいはその両方に該当するかどうかを指定する。このオプションの値は、deliveryoption=template がペアになったコンマ区切りのリストで、それぞれのペアには 1 つ以上のオプションの単一文字プレフィックスがある

デフォルト :

DELIVERY_OPTIONS=*mailbox=$M%$¥¥$2I$_+$2S@ims-ms-daemon,&members=*, *native=$M@native-daemon,/hold=@hold-daemon:$A,*unix=$M@native-daemon,&file=+$F@native-daemon,&@members_offline=*,program=$M%$P@pipe-daemon,#forward=**,*^!autoreply=$M+$D@bitbucket

DEQUEUE_DEBUG (0 または 1)

MTA のメッセージ取り出し機能 (QU) からデバッグ出力を生成するかどうかを指定する。1 の値を使って有効になっている場合は、QU ルーチンを使用するすべてのチャネルでこの出力が生成される。デフォルトは 0 で、この出力は無効になっている

DEQUEUE_MAP (0 または 1)

キューから取り出す際に、メッセージをマップするかどうかを決定する。デフォルトは 1

DOMAIN_FAILURE

ドメイン検索が失敗した場合に、使用するテンプレートを指定する

デフォルト : reprocess-daemon$Mtcp_local$1M$1~-error$4000000?Temporary lookup failure

DOMAIN_HASH_SIZE

(整数 <= 32,767)

ドメイン書き換えルールのハッシュテーブルのサイズを制御する。設定ファイルの各書き換えルールは、このハッシュテーブルで 1 つのスロットを使用する。そのため、書き換えルールの数はこのオプションの値を超えることができない。デフォルト値は 512 で、書き換えルールの最大数は 32,767

DOMAIN_MATCH_CACHE_SIZE

キャッシュのサイズの最大値を設定する

デフォルト : 100000

DOMAIN_MATCH_CACHE_TIMEOUT

キャッシュ内のエントリのタイムアウトを設定する

デフォルト : 600 (秒)

DOMAIN_MATCH_URL

バニティドメインチェックの URL を設定する。このオプションの値は次の値に設定する必要がある :

ldap:///$B?msgVanityDomain?sub?(msgVanityDomain=$D)

DOMAIN_UPLEVEL (整数、0-3)

MTA ドメインと電子メールアドレスのルックアップを制御する。2 ビットのバイナリ値 (0-3) を指定できる。ビット 0 (最下位ビット) はドメインルックアップを制御する。ビット 1 (最上位ビット) はアドレスルックアップを制御する。xxx にこの制御の詳細を説明する

たとえば MTAが desert.island.siroe.com に対してドメインルックアップを実行している場合、DOMAIN_UPLEVEL の値が 1 または 3 だと desert.island.siroe.comisland.siroe.comsiroe.com、および com をルックアップするように指定する。値が 0 または 2 の場合は、desert.island.siroe.com だけをルックアップするように指定する。同様に、MTAが rcrusoe@desert.island.siroe.com に対してアドレスルックアップを実行している場合、DOMAIN_UPLEVEL の値が 2 または 3 だと rcrusoe@desert.island.siroe.comrcrusoe@island.siroe.comrcrusoe@siroe.com、および rcrusoe@desert.island.siroe.com のドメインエイリアスに対する MTA 検索を指定する。DOMAIN_UPLEVEL の値が 0 または 1 の場合は、rcrusoe@desert.island.siroe.com だけに対する MTA 検索を指定する

デフォルト: 0

EXPANDABLE_DEFAULT

(整数 0 または 1)

デフォルトで、一覧を拡張表示できるかどうかを指定する。このオプションを 1 に設定すると、SMTP EXPN コマンドが有効になる。1 がデフォルトで、メール一覧の拡張表示が可能

EXPROUTE_FORWARD

(整数 0 または 1)

メッセージヘッダーにおける送信用アドレス (ToCc、および Bcc の行) のexproute チャネルキーワードに関する使用を制御する。デフォルト値は 1 で、これは exproute が前方を探すアドレスに影響するように指定するものである。値が 0 の場合は、前方を探すアドレスにおける exproute キーワードによるアクションが無効となる

FILE_MEMBER_SIZE

設定に貢献したファイルの一覧を追跡するテーブルの、最大サイズを指定する

FILTER_DISCARD (1 または 2)

メールボックスフィルタのパージアクションによって、パージメッセージをすぐにパージするか、FILTER_DISCARD チャネルに送るかを制御する。FILTER_DISCARD チャネルでは、そのようなメッセージをパージするまでの短い間保持する。デフォルトは FILTER_DISCARD=1 で、メールボックスフィルタによってパージされるメッセージをすぐにパージする。FILTER_DISCARD=2 に設定すると、パージするメッセージを filter_discard チャネルに転送する。

HEADER_LIMIT (整数)

最大のヘッダーサイズを指定する。メッセージのヘッダーがこの制限を超えた場合、このメッセージは拒否されるデフォルトは 2000

HISTORY_TO_RETURN (1-200)

返送されたメッセージに挿入される配信試行回数の履歴を制御する。配信履歴には、配信が試行された回数と、場合によっては配信が失敗した理由が表示される。このオプションのデフォルト値は 20

HELD_SNDOPR (整数 0 または 1)

Received: ヘッダー行の数が多すぎるためにメッセージが .HELD 状態になったときに syslog メッセージが生成されないことを制御する。デフォルトは 0 で、Received: ヘッダー行の数が多すぎるためにメッセージが .HELD 状態になったときに syslog メッセージが生成されないことを指定する。値 1 は、syslog メッセージが作成されることを指定する

HOST_HASH_SIZE

(整数 <= 32,767)

チャネルホストハッシュテーブルのサイズを制御する。MTA 設定ファイルのチャネル定義に指定された各チャネルホスト (正規のホストとエイリアス) は、このハッシュテーブルで 1 つのスロットを使用するため、チャネルホストの総数は指定された値を超えることができない。デフォルト値は 512 で、許容最大値は 32,767

ID_DOMAIN (U.S. ASCII 文字列)

メッセージ ID を作成するときに使用するドメイン名を指定する。デフォルトでは、ローカルチャネルの正規ホスト名が使用される

IMPROUTE_FORWARD

(整数 0 または 1)

メッセージヘッダーにおける前方を探すアドレス (ToCc、および Bcc の行) の improute チャネルキーワードに関する使用を制御する。デフォルト値は 1 で、これは improute が前方を探すヘッダードレスに影響するように指定するものである。値が 0 の場合は、前方を探すアドレスの improute キーワードによるアクションが無効になる

LDAP_ADD_HEADER

メッセージヘッダーが存在する場合にヘッダーに追加するヘッダーフィールド値を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAddHeader が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_ALIAS_ADDRESSES

mailAlternateAddress 属性の値の使用を上書きするために使用できる

LDAP_ATTR_DOMAIN_SEARCH_FILTER

ドメイン検索パターンを含むグローバルの Sun ONE LDAP Schema, v2 ドメイン検索テンプレートにある LDAP 属性名を指定する。このオプションは、LDAP_GLOBAL_CONFIG_TEMPLATE が設定されていない場合は無視される。このオプションのデフォルト値は inetDomainSearchFilter

LDAP_ATTR_DOMAIN1_SCHEMA2

Sun ONE LDAP Schema, v2 が使用するプライマリドメイン属性のための LDAP 属性名を指定する。デフォルト値は、sunPreferredDomain

LDAP_ATTR_DOMAIN2_SCHEMA2

Sun ONE LDAP Schema, v2 が使用するセカンダリドメイン属性のための LDAP 属性名である。デフォルト値は、associatedDomain

LDAP_ATTR_MAXIMUM_MESSAGE_SIZE

グループへ送信できる最大のメッセージサイズ (バイト数) を指定するために使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpMsgMaxSize が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_AUTH_DOMAIN

ユーザーがそこからメッセージをメールグループに送信することを許可されるドメイン (サブドメインも含む) を識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAllowedDomain が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_AUTH_PASSWORD

(メーリング) リストに投稿するために必要なパスワードを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAuthPassword が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_AUTH_POLICY

ブロードキャスタのアドレスのリストにアクセスするために必要な、認証のレベルを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpBroadcasterPolicy が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_AUTH_URL

メッセージをメールグループに送信することを許可されたメールユーザーを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpAllowedBroadcaster が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_AUTOSECRETARY

自動応答情報を保存する場所を制御する URL を指定する。このオプションが指定され属性が存在する場合、Messaging Server の自動応答機能で利用できるように値を保存する。LDAP_DOMAIN_ATTR_AUTOSECRETARY MTA オプションによって設定されるドメインレベル属性は、ユーザーエントリの値がない場合に、この URL のソースとして使用される

LDAP_BLOCKLIMIT

このユーザーまたはグループへ送信できるMTA ブロック単位のサイズ制限を指定するために使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailMsgMaxBlocks が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_CANT_DOMAIN

ユーザーがそこからメッセージをメールグループに送信することを許可されないドメインを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpDisallowedDomain が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_CANT_URL

メッセージをメールグループに送信することを許可されないメールユーザーを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpDisallowedBroadcaster が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_CAPTURE

1 つ以上のメッセージ取り込みのアドレスを指定するのに使用する属性を指定する

デフォルトなし

LDAP_CONVERSION_TAG

このユーザーまたはグループへのメッセージに添付される変換タグに使用する LDAP 属性を指定する。タグ特有の変換動作は、MTA 構成内で指定される。通常、このオプションは、デフォルト値 mailConversionTag が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DEFAULT_ATTR

単一の結果を返すことになっている URL に対する LDAP クエリに属性が指定されていない場合、デフォルトの属性を指定する

LDAP_DEFAULT_DOMAIN

service.defaultdomain configutil パラメータを上書きする

LDAP_DELIVERY_FILE

メーリングリストに送信されたすべてのメッセージに付加される、ファイルの完全指定ローカルパスを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDeliveryFileURL が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DELIVERY_OPTION

メール受取人の配信オプションを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDeliveryOption が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DISK_QUOTA

ユーザーのメールボックスに使用できるディスク容量 (バイト数) を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailQuota が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_ALIAS

Sun ONE LDAP Schema, v1 内でほかのドメインのノードへのポインタを含む LDAP 属性名を指定する デフォルト値は、aliasedObjectName

LDAP_DOMAIN_ATTR_AUTOREPLY_TIMEOUT

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_AUTOSECRETARY

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_BASEDN

Sun ONE LDAP Schema, v1 内で指定したドメインに関連付けられたユーザーサブツリーの、baseDN を含む LDAP 属性名を指定する。Sun ONE LDAP Schema, v2 モードでは、この属性はドメインインデックスノードによってポイントされる (ユーザーが置かれている) 標準組織ノードを指定する。デフォルト値は、inetDomainBaseDN

LDAP_DOMAIN_ATTR_BLOCKLIMIT

このドメイン内のアドレスへ送信されるすべてのメッセージに対して MTA ブロック単位のサイズ制限を指定するために使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainMsgMaxBlocks が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_CANONICAL

Sun ONE LDAP Schema, v1 ドメインエントリと関連付けられた標準ドメイン名を含む LDAP 属性名を指定する。デフォルト値は、inetCanonicalDomainName

LDAP_DOMAIN_ATTR_CATCHALL_ADDRESS

ドメイン内のどのユーザーまたはグループとも一致しないアドレスを置き換えるアドレスを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainCatchallAddress が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_CONVERSION_TAG

ドメイン内の任意のユーザーへのメッセージに添付する 1 つ以上の変換タグに使用する LDAP 属性を指定する。タグ特有の変換動作は、MTA 構成内で指定される。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainConversionTag が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_DISK_QUOTA

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_FILTER

ドメイン内の全ユーザーに対する Sieve フィルタを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainSieveRuleSource が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_MAIL_STATUS

メールステータスを指定するのに使用する LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainStatus が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_MESSAGE_QUOTA

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_OPTIN (ASCII)

ドメイン単位で Brightmail を有効にするために使用する LDAP 属性の名前。宛先ドメインに適用される。オブジェクトクラス mailDomain 内にある必要がある以外は、LDAP_optin と同様。

デフォルト : none

LDAP_DOMAIN_ATTR_PRESENCE

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_RECIPIENTCUTOFF

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_RECIPIENTLIMIT

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_REPORT_ADDRESS

ドメイン内の受取人アドレスに関連する問題を報告するために、DSN 内の「From:」アドレスヘッダーを指定するための LDAP 属性を指定する。また、ローカル以外のアドレスに関連するエラーについて、ドメイン内のユーザーに問題を報告するときにも使用される。この属性が設定されない場合、報告アドレスは、デフォルトの「postmaster@domain」になる。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainReportAddress が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_ROUTING_HOSTS

このドメイン内のユーザー、および他のドメイン内に含まれているすべてのユーザーのルーティングを決定する MTA の、完全指定ホスト名を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRoutingHosts が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_SOURCEBLOCKLIMIT

デフォルトなし

LDAP_DOMAIN_ATTR_SMARTHOST

ローカルディレクトリ内で検出されないユーザーのメール処理を実行するメールサーバーの、完全指定ホスト名を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRoutingSmarthost が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_STATUS

メールドメインの現在の状態 (activeinactivedeleted、または hold) を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailDomainStatus が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_ATTR_UID_SEPARATOR

デフォルトメールボックス (M バイト) のホームを上書きするための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 domainUidSeparator が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_DOMAIN_FILTER_SCHEMA1

これは、Sun ONE LDAP Schema, v1 ドメインルックアップで使用する LDAP 検索フィルタ

デフォルト : (|(objectclass=inetDomain)(objectclass=inetdomainalias))

LDAP_DOMAIN_FILTER_SCHEMA2

これは、Sun ONE LDAP Schema, v2 ドメインルックアップで使用する LDAP 検索フィルタ

デフォルト : (objectclass=sunManagedOrganization)

LDAP_DOMAIN_ROOT

設定すると、service.dcroot configutil パラメータを上書きする。

LDAP_END_DATE

休暇終了日属性を指定する

デフォルト : vacationEndDate

LDAP_EQUIVALENCE_ADDRESSES

mailEquivalentAddress 属性を上書きするのに使用される。

LDAP_ERRORS_TO

メッセージがこの (メーリング) リストに送信されたときに生成されるエラーメッセージの受取人を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpErrorsTo が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_EXPANDABLE

SMTP EXPN コマンドの一部として、グループの展開のチェックのための属性を指定する

デフォルト : mgmanMemberVisibility

LDAP_FILTER

メールをフィルタする Sieve ルールを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailSieveRuleSource が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_FORWARDING_ADDRESS

デフォルト : mailForwardingAddress

LDAP_GLOBAL_CONFIG_TEMPLATES

ドメイン検索のための、グローバルな Sun ONE LDAP Schema, v2 ドメインテンプレートを含む LDAP baseDN を指定する。このオプションの使用は推奨しない。デフォルト値はない

LDAP_GROUP_DN

名前の一意性を確実にするために、各名前に uniqueIdentifier が指定された名前のグループのメンバーを識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 uniqueMember が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_GROUP_MAIL_STATUS

メール固有のグループステータス属性を制御する

LDAP_GROUP_OBJECT_CLASSES

グループの別のオブジェクトクラスのセットを指定する

LDAP_GROUP_RFC822

メールグループに送信されたメールの受取人を識別するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpRFC822MailMember (または下位互換性のための rfc822MailMember) が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_GROUP_STATUS

グループの、代替となる一般ステータス属性を選択するために使用する

LDAP_GROUP_URL1

メールグループのメンバーシップを指定する代替方法として使用される LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpDeliverTo が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_GROUP_URL2

エクスパンドするとメーリングリストのメンバーのアドレスが一覧表示される URL のリストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 memberURL が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_HASH_SIZE

LDAP 属性名の内部テーブルのサイズを指定する

LDAP_HOST (ホスト名)

設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.ugldaphost configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。

LDAP_HOST_ALIAS_LIST

設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.imta.hostnamealiases configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。

LDAP_LOCAL_HOST

設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.hostname configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。

LDAP_MAIL_REVERSES

アドレス逆引きの候補を含むアドレスを検索する属性のリストを指定する。このオプションを設定しないと、local.imta.schematag configutil パラメータがチェックされ、その値にしたがって適切なデフォルト属性のセットが選択される

LDAP_MAILHOST

この受取人に送信されたメッセージの最終的な宛先を示す、MTA の完全指定ホスト名を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailhost が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_MESSAGE_QUOTA

ユーザーに許可されたメッセージの最大数を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailMsgQuota が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_MODERATOR_URL

この (メーリング) リストにメッセージを送信することを許可されたモデレータを識別するための LDAP URI または mailto URL を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpModerator が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_OPTIN (ASCII)

ユーザー単位で Brightmail を有効にするために使用する LDAP 属性の名前。これは、inetMailUser オブジェクトクラス内の属性である必要がある。ほかに定義済みの属性がない場合、mailAntiUBEService を使用する

値そのものは (例 : mailAntiUBEService) 複数の値を指定可能で、大文字小文字を区別する。値は小文字で、spam または virus のどちらかとなる。ユーザーが両方を選択する場合、1 つは span を含む属性、1 つは virus を含む属性の 2 つの属性を指定することになる

デフォルト : none

LDAP_PASSWORD

設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.ugldapbindcred configutil パラメータの MTA の使用を上書きする。

LDAP_PERSONAL_NAME

デフォルトなし

LDAP_PORT (整数)

LDAP クエリを実行する際に接続する、ポートを指定する。デフォルトは、標準の LDAP ポート番号 389

LDAP_PREFIX_TEXT

メッセージテキストの先頭に追加されるテキストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpMsgPrefixText が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_PRESENCE

ユーザーのプレゼンス情報を返すために解決する URL を指定する。このオプションが指定され属性が存在する場合、Sieve プレゼンステストと連動して使用できるように値を保存する。LDAP_DOMAIN_ATTR_PRESENCE MTA オプションによって設定されるドメインレベル属性は、ユーザーエントリの値がない場合に、この URL のソースとして使用される

LDAP_PRIMARY_ADDRESS

mail 属性に一般的に保存されるプライマリアドレスを指定するために使用する LDAP 属性を上書きする

LDAP_PROGRAM_INFO

プログラム配信に使用する 1 つ以上のプログラムを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailProgramDeliveryInfo が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_RECIPIENTLIMIT

デフォルトなし

LDAP_RECIPIENTCUTOFF

デフォルトなし

LDAP_REJECT_ACTION

その後のアクセスチェックのどれかが失敗したときに何が生じるかを制御する、単一の値の属性。TOMODERATOR の 1 つの値だけが定義されており、設定すると、mgrpModerator 属性で指定したモデレータにアクセスのエラーをすべてリダイレクトするよう、MTA に指示する。デフォルト (およびこの属性のほかの値すべて) では、エラーを報告し、メッセージは拒否される

デフォルト : mgrpMsgRejectAction

LDAP_REJECT_TEXT

認証属性のいずれかによってメッセージが拒否される場合に返されるテキストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRejectText が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_REMOVE_HEADER

メッセージヘッダーが存在する場合にヘッダーから削除するヘッダーフィールドを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpRemoveHeader が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_REPROCESS

オフラインのメール処理に使用する属性を指定する

デフォルト : mailDeferProcessing

LDAP_ROUTING_ADDRESS

アドレスを今処理するか別のシステムに転送するかを判断するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mailRoutingAddress が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_SCHEMALEVEL

値を 2 に設定すると、Sun ONE LDAP Schema, v2 のサポートを有効にする

LDAP_SCHEMATAG

特に MTA で local.imta.schematag configutil パラメータの設定を上書きするために使用される

LDAP_SOURCEBLOCKLIMIT

デフォルトなし

LDAP_SPARE_1

カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし

LDAP_SPARE_2

カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし

LDAP_SPARE_3

カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし

LDAP_SPARE_4

カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし

LDAP_SPARE_5

カスタムのアドレス展開処理を作成するための追加属性用スロット。デフォルトなし

LDAP_START_DATE

休暇開始日属性を指定する

デフォルト : vacationStartDate

LDAP_SUFFIX_TEXT

テキストメッセージに追加するテキストを指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 mgrpMsgSuffixText が標準スキーマに対応するため、設定されない

LDAP_TIMEOUT (整数)

LDAP クエリがタイムアウトになるまでの待機時間を、100 分の 1 秒単位で制御する。デフォルトは 180000

LDAP_UG_FILTER

オブジェクトクラスの設定は、ユーザーまたはグループに正しいオブジェクトクラスがエントリにあるかを確認するために使用される、実際の LDAP 検索フィルタの構築に使用される。このフィルタは、$K メタ文字を経由してアクセスできる。また、コマンド imsimta cnbuild -option が使用されたときの LDAP_UG_FILTER と同様、チャネルプログラムで使用するために MTA の設定に内部的に保存され、MTA オプションファイル option.dat に書き込まれる。このオプションは、ファイルに書き込むだけである。MTA がオプションファイルから読み取ることはない

LDAP_UID

エントリのユーザー ID を指定するための LDAP 属性を指定する。通常、このオプションは、デフォルト値 uid が標準スキーマに対応するため、設定されない。エントリのユーザー ID を特定する

LDAP_USE_ASYNC

非同期 LDAP 検索の使用を制御する。このオプションは十進数の値。各ビットは、設定すると MTA 内の特定の LDAP の使用と連動して、非同期 LDAP 検索の使用を有効にする。この値は、ビットエンコード整数を表す 10 進整数。表 4-20 に、この値の解釈を示す

デフォルト : 0 (非同期 LDAP 検索は無効)

LDAP_USERNAME

設定すると、LDAP ディレクトリサーバーにアクセスする際の、local.ugldapbinddn configutil パラメータの MTA の使用を上書きする

LDAP_USER_MAIL_STATUS

メール固有のユーザーステータス属性を制御する

LDAP_USER_OBJECT_CLASSES

ユーザーの別のオブジェクトクラスのセットを指定する

LDAP_USER_ROOT

設定すると、MTA の local.ugldapbasedn パラメータの使用を無効にする

LDAP_USER_STATUS

ユーザーの、代替となる一般ステータス属性を選択するために使用する

LINE_LIMIT (整数)

MTA で送受信されるメッセージにおける全行数の絶対限界値を指定する。このサイズを超えるメッセージは、すべて拒否される。デフォルトでは、行数の限界値が設定されていない。linelimit チャネルキーワードを使うと、チャネルごとに限界値を設定することができる

LINES_TO_RETURN (整数)

MTA が送信する通知メッセージを生成する際に、メッセージの内容を何行まで挿入するかを制御する。LINES_TO_RETURN オプションを 0 に設定すると、Partial Content の戻りを無効にする。メッセージ部分のヘッダーだけが返される。デフォルトは 20

LOG_CONNECTION (整数)

LOG_CONNECTION オプションは、メッセージを送っている SMTP クライアントのドメイン名などの接続情報を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。また、そのチャネルに対して logging チャネルキーワードが有効になっている場合には、接続記録の書き出しを制御する。この値は、ビットエンコードされた整数を表す十進法の整数。以下に、その解釈を示す

Bit-0 値-1: これが設定されると、接続の情報が E ログレコードと D ログレコードに含まれる

Bit-1 値-2: これが設定されると、SMTP や X.400 クライアント / サーバーなどのメッセージエンキュー / デキューエージェントによって、接続の開閉と失敗の記録がログされる

Bit-2 値-4: これが設定されると、I レコードがログされ、ETRN イベントが記録される

ビット 0 が最下位のビット

このチャネルオプションは、MTA オプションファイルに設定されている、グローバル MTA オプション LOG_CONNECTION の設定にデフォルト設定されているこのチャネルオプションを明示的に設定すると、グローバルオプションで要求される動作をチャネル単位で上書きできる

LOG_CONNECTIONS_SYSLOG (0 または 1)

MTA 接続ログファイルのエントリを syslog (UNIX) またはイベントログ (Windows NT) に送る。0 はデフォルトで、syslog (イベントログ) が実行されないことを示す。1 は syslog が実行されることを示す

LOG_SENSITIVITY (0 または 1)

メッセージの Sensitivity: ヘッダーの値をログエントリに含めるかどうかを制御する。値が 1 の場合は、そのようにログを取得する。デフォルトは 0 で、そのようなログ取得は無効になっている。ログの取得を有効にすると、接続情報の後でトランスポート情報の前に、重要度の値が整数表記でログに記録される

LOG_DELAY_BINS

配信遅延範囲カウンタ用のビンを指定する。このオプションのパラメータは、コンマで区切った最高 5 つの整数を指定する。デフォルトの値は、60、600、6000、60000、600000

LOG_FILENAME (0 または 1)

メッセージが保存されたファイルの名前を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。値が 1 の場合、ファイル名のログが有効になる。値が 0 の場合 (デフォルト) はログされない

LOG_FILTER (0 または 1)

一重引用符で囲まれたアクティブなフィルタのリストを、ログファイルのエンキューレコードの、診断フィールドの直前に書き込むかどうかを指定する。デフォルトは 0 で、リストをエンキューレコードに書き込まない

LOG_FORMAT (1、2、または 3)

mail.log ファイルのフォーマットのオプションを制御する。値が 1 (デフォルト) の場合は、標準のフォーマットとなる。値が 2 の場合は、非 null フォーマット ("<>" という文字列に変換される空のアドレスフィールド) が要求される。値 3 の場合は、カウント済みのフォーマットが要求される。すべての可変長フィールドの先頭には N が付けられる。この N は、フィールド内の文字数を示す

LOG_FRUSTRATION_LIMIT

「フラストレーション度数」の限界を指定する。プロセスでカウンタへの書き込みの試みに繰り返し失敗した場合、「フラストレーション度数」が増加していく。カウンタが限界値に達すると、そのプロセスはカウンタへの書き込みの試みを停止する

LOG_HEADER (0 または 1)

MTA により mail.log ファイルにヘッダーを書き込むかどうかを制御する。値が 1 の場合、メッセージヘッダーのログが有効になる。ログファイルに書き込まれる特定のヘッダーは、サイト提供の log_header.opt ファイルで制御される。このファイルのフォーマットは、MTA ヘッダーオプションファイルと同様である。たとえば、次の内容を含む log_header.opt ファイルの場合は、メッセージごとに最初の To ヘッダーと最初の From がログファイルに書き込まれる。値が 0 の場合 (デフォルト) は、メッセージヘッダーがログされない

To:MAXIMUM=1

From:MAXIMUM=1

デフォルト : MAXIMUM=-1

LOG_LOCAL (0 または 1)

ドメイン名を含んでいないログ済みのアドレスにローカルホストのドメイン名を追加するかどうかを制御する。値が 1 の場合はこの機能が有効になる。この機能は、MTA を実行する多数のシステムによるログを連結および処理するときに役立つ。また、値が 0 の場合 (デフォルト) は、この機能が無効になる

LOG_MESSAGE_ID (0 または 1)

メッセージ ID を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。値が 1 の場合、ID のログが有効になる。値が 0 の場合 (デフォルト) はログされない

LOG_MESSAGES_SYSLOG (0 or 1)

MTA メッセージログファイルのエントリを syslog (UNIX) またはイベントログ (Windows NT) に送る。0 はデフォルトで、syslog (イベントログ) が実行されないことを示す。1 は syslog が実行されることを示す

LOG_PROCESS (0 または 1)

MTA のログエントリにキュー処理 ID を含める

LOG_SNDOPR (0 または 1)

MTA のメッセージログ機能による syslog メッセージの生成を制御する

LOG_SIZE_BINS

メッセージサイズ範囲カウンタのビンサイズを指定する。値は、コンマで区切った最高 5 つの整数のリスト。デフォルトの値は、2、10、50、100、500

LOG_USERNAME (0 または 1)

LOG_USERNAME オプションは、メールをキューに入れるプロセスに関連付けられたユーザー名を mail.log ファイルに保存するかどうかを制御する。認証付きの SMTP (SMTP AUTH) で送信されたメッセージは、認証されたユーザー名の前にアスタリスク * が付いたユーザーが所有しているとみなされる。値が 1 の場合は、ユーザー名をログに記録する。ユーザー名のログ取得を有効にすると、ユーザー名はログエントリで最終形のエンベロープ To: アドレスフィールドの後、LOG_MESSAGE_ID=1 も有効な場合はメッセージ ID の後に記録される。値が 0 の場合 (デフォルト) はログされない

MAIL_OFF (文字列)

(メーリング) リストのアドレスに対して、メール配信を無効にするためのコメント文字列を指定する。デフォルトは NOMAIL

MAP_NAMES_SIZE

(整数 > 0)

マッピングテーブルとネームテーブルのサイズを指定する。そのため、マッピングテーブルの総数は指定した数を超えることができない。デフォルトは 32

MAX_ALIAS_LEVELS (整数)

エイリアスの階層レベルを制御する。つまり、エイリアスをどの階層までネスティングさせるか、または 1 つのエイリアスが別のエイリアスを参照するレベルを制御する。デフォルトは 10

MAX_FILEINTOS (整数)

メールボックスフィルタの fileinto 演算子で指定されるファイルの最大数を指定する

デフォルト : 10

MAX_FORWARDS (整数)

メールボックスフィルタの forward 演算子で指定される転送先アドレスの最大数を指定する。

デフォルト : 10

MAX_HEADER_BLOCK_USE

(0 から 1 の間の実数)

メッセージブロックでどれだけの部分をメッセージヘッダーに使用するかを制御する

MAX_HEADER_LINE_USE

(0 から 1 の間の実数)

メッセージ行でどれだけの部分をメッセージヘッダーに使用するかを制御する

MAX_INTERNAL_BLOCKS (整数)

MTA がメモリに保存するメッセージの最大サイズ (MTA ブロック単位) を指定する。このサイズよりも大きいメッセージは一時ファイルに書き込まれる。デフォルトは 30 に設定されている。容量の大きいシステムの場合は、この値を大きくすることにより、パフォーマンスが向上する

MAX_LOCAL_RECEIVED_LINES (整数)

MTA がメッセージを処理する際、正規のローカルホスト名を参照するメッセージに付属する Received: ヘッダー行がスキャンされる。(MTA が挿入する Received 行にはすべてこの名前が含まれる。) この名前を含む Received 行の数が MAX_LOCAL_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留状態として MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 10 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある

MAX_MIME_LEVELS (整数)

MTA が MIME メッセージを処理する最大の深度を指定する。デフォルトは 100 に設定されている。つまり、MTA はメッセージのネスティングを最高 100 レベルまで処理する

MAX_MIME_PARTS (整数)

MTA が MIME メッセージ内で処理する MIME 部分の最大数を指定する

MAX_MR_RECEIVED_LINES (整数)

MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある MR_Received: ヘッダー行数が数えられる。MR-Received: 行の数が MAX_MR_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 20 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある

MAX_RECEIVED_LINES (整数)

MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある Received: ヘッダー行の数が数えられる。Received 行の数が MAX_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 50 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある

MISSING_RECIPIENT_POLICY (整数)

受信者ヘッダーがないメッセージを有効にする

MAX_SIEVE_LIST_SIZE (整数)

MTA Sieve スクリプトで作成されるリストに表示される文字列の数を制御する。デフォルトは 64

MAX_TOTAL_RECEIVED_LINES (整数)

MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある Received:、MR-Recieved:、および X400-Recieved: ヘッダー行の数が数えられる。これらすべてのヘッダー行の数が MAX_TOTAL_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 100 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある

MAX_URLS (整数)

アドレス逆引きに対して検索する URL を指定する。標準 LDAP URL 構文が使用されるが、LDAP_HOST オプションと LDAP_PORT オプションで指定される LDAP サーバーとポートは省略される

MAX_X400_RECEIVED_LINES (整数)

MTA がメッセージを処理する際、メッセージのヘッダーにある X400-Received: ヘッダー行の数が数えられる。Received: 行の数が MAX_X400_RECEIVED_LINES の値を超える場合、メッセージは保留の状態で MTA キューに追加される。オプションファイルに値が指定されていない場合は、デフォルト値である 50 が使用される。その場合、ある種のメッセージ転送ループがブロックされる。処理を続行するには、メッセージを保留の状態から手作業で移動する必要がある

NORMAL_BLOCK_LIMIT (整数)

サイズに基づいたメッセージの優先度を下げるように MTA に指示を出す。指定したサイズよりも大きいメッセージは、優先度が緊急ではないレベルになる。これにより、メッセージの処理の優先度も影響を受ける。つまり、ジョブコントローラがメッセージを処理するスピードである

NON_URGENT_BLOCK_LIMIT (整数)

サイズに基づいたメッセージの優先度を下げるように MTA に指示を出す。指定したサイズよりも大きいメッセージは、優先度が緊急ではないレベルよりも低くなる。この値は、BLOCK_SIZE オプションで指定した MTA ブロックの条件に基づいて解釈される。また、nonurgentblocklimit チャネルキーワードを使って、チャネルごとに低下のしきい値を指定することもできる

NOTARY_DECODE_FLAGS (-1、0 または 1)

エンコードされた語のデコード条件を指定する。NOTARY_DECODE_FLAGS を 1 に設定すると、%H 置換によって DSN の先頭部分に追加された元のメッセージヘッダーのサブセットは、デコードされ、先頭部分の文字セットに一致するように変換される。値が 0 の場合、先頭部分の文字セットに一致する、ヘッダーにあるエンコードされた語のサブセットがデコードされるが、文字セットの変換は行われない。値が -1 の場合、エンコードされた語のデコードは無条件で行われない

1 に設定して使用するときは、情報の損失が起こるおそれがあり、また、UTF-8 のように情報量の多い文字セットが ISO-8859-1 や US-ASCII のように限定された文字セットに変換される場合に混乱が起こるおそれがあるため、注意が必要

デフォルトは 0

OR_CLAUSES (0 または 1)

メーリングリストのアクセス制御で、AND ではなく、デフォルトで OR が使用されるように指定する

POST_DEBUG (0 または 1)

デバッグの出力が MTA の周期配信ジョブで生成されるかどうかを指定する。1 の値を使って有効になっている場合は、post.log ファイルにこの出力が生成される。デフォルトは 0 で、この出力は無効になっている

RECEIVED_DOMAIN (文字列)

Received ヘッダーを作成するときに使用するドメイン名を設定する。デフォルトでは、ローカルチャネルの正規ホスト名が使用される

RECEIVED_VERSION (文字列)

Received: ヘッダー行を作成するときに使用する Sun ONE Messaging Server のバージョン文字列を設定する。デフォルトでは、文字列 "(Sun ONE Messaging Server version-info)" が使用される。デフォルトの使用が強く推奨される。このオプションは、推奨されていない CUSTOM_VERSION_STRING TCP/IP SMTP チャネルオプションを補足するものである

上記の説明で、Received: ヘッダー行の作成に注意すること。つまり、このオプションは、既存の Received: ヘッダー行を変更するわけではなく、新しい Received: ヘッダー行を作成するときに使われるものに影響を与える。このオプションは省略可能。CUSTOM_VERSION_STRING オプションは使用すべきではない

ASCII 文字列以外の文字列も指定できるが、その場合 MTA は、ASCII 以外の文字を MIME エンコードする必要がある。MIME エンコードされたヘッダー行のユーザーエージェントによる処理は常に有効とは限らないため、ASCII 以外の値の指定は勧められない。この値を ASCII 文字列にすることが厳密に制限されているわけではないが、ASCII 以外の文字列の使用は勧められない

RETURN_ADDRESS (文字列)

ローカル postmaster の返信アドレスを設定する。ローカル postmaster のアドレスはデフォルトで「postmaster@ローカルホスト」に設定されているが、希望のアドレスと置き換えることができる。この場合、アドレスの選択には注意する。不正なアドレスを選択すると、高速のメッセージループが発生し、膨大な数のエラーメッセージが返されることになる

RETURN_DEBUG (0 または 1)

毎終日実行するメッセージバウンサーバーッチジョブのデバッグ出力を有効または無効に設定する。値が 0 の場合はこの出力 (デフォルト) が無効になり、1 の場合は有効になる。デバッグ出力が有効になっている場合、その出力は出力ログファイルに記録される。出力ログファイルの有無は、返送ジョブの crontab エントリによって制御される

RETURN_DELIVERY_HISTORY

(0 または 1)

配信試行の履歴を返送メッセージに挿入するかどうかを制御する。配信履歴には、配信が試行された回数と、場合によっては配信に失敗した理由が表示される。値が 1 の場合 (デフォルト) はこの情報が履歴に含まれ、値が 0 の場合は含まれない。HISTORY_TO_RETURN オプションは、どれだけの履歴情報が実際に返されるかを制御する

RETURN_ENVELOPE (整数)

1 つの整数値を受け入れ、それを一連のビットフラグとして解釈する。ビット 0 (値 = 1) は、MTA が生成した返送通知を空白のエンベロープアドレスまたはローカル postmaster のアドレスのどちらで書き込むかを制御する。ビットを設定することにより、ローカル postmaster のアドレスが強制的に使用され、ビットをクリアすると空白のアドレスが強制的に使用される。RFC 1123 の規制により、空白アドレスの使用が義務付けられているが、システムによっては blank-envelope-from-address を正しく処理できないため、このオプションを使用する。ビット 1 (value = 2) は、MTA ですべての空白エンベロープアドレスをローカル postmaster のアドレスと置き換えるかどうかを制御する。このオプションも、RFC 821、RFC 822、または RFC 1123 に準拠しないシステムに使用する。returnenvelope チャネルキーワードを使うと、チャネルごとにこの種の制御機能を使用できる

RETURN_PERSONAL (文字列)

MTA が postmaster メッセージ (例: 返送メッセージ) を生成するときに使用する個人名を指定する。MTA は、デフォルトで Internet Mail Delivery という文字列を使用する

RETURN_UNITS (0 または 1)

メッセージ返送システムが使用する時間単位を制御する。値 0 は、日数を選択する。値 1 は、時間数を選択する。デフォルトでは、日数が使用される。返送ジョブのスケジュールは、local.schedule.return_job configutil パラメータによって制御される

REVERSE_ADDRESS_CACHE_SIZE

アドレス逆引きキャッシュのサイズの最大値を指定する

デフォルト : 100000

REVERSE_ADDRESS_CACHE_TIMEOUT

アドレス逆引きキャッシュ内のエントリのタイムアウトを、秒単位で指定する

デフォルト : 600

REVERSE_ENVELOPE (0 または 1)

MTA がエンベロープの From アドレスとヘッダードレスにアドレス逆引きを適用するかどうかを制御する。USE_REVERSE_DATABASE オプションが 0 に設定されている場合、または逆引きデータベースと逆引きマッピングが存在しない場合、このオプションは適用されない。デフォルトは 1 に設定されており、MTA がデータベースをエンベロープの From アドレスに適用しようとする。一方、値が 0 の場合はアドレス逆引きデータベースが使用されない

REVERSE_URL (URL)

アドレス逆引きに対して検索する URL を指定する。標準 LDAP URL 構文が使用されるが、LDAP_HOST オプションと LDAP_PORT オプションで指定される LDAP サーバーとポートは省略される

ROUTE_TO_ROUTING_HOST (0 または 1)

1 に設定すると、Messaging Server は、ドメインに関連付けされたすべてのアドレスを、mailRoutingHosts 属性にリストされた最初のホストに転送する。値 0 は、現行の mailRoutingHosts 属性に一致しないエラーによって、ドメインがローカルではないとして扱われてしまい、アドレスは書き換えルールに従って転送される。デフォルトは 0

SEPARATE_CONNECTION_LOG

(0 または 1)

LOG_CONNECTION =1 の設定によって生成された接続ログ情報を通常の MTA メッセージログファイルである mail.log* に保存するか、または connection.log* ファイルに別途保存するかを制御する。値がデフォルトの 0 に設定されている場合、接続ログ情報は通常のメッセージログファイルに保存される。値が 1 の場合、接続ログ情報は別途保存される

SNDOPR_PRIORITY (整数)

syslog メッセージの syslog レベルまたは Windows NT イベントログエントリの機密度を設定する

syslog の場合、このオプションは syslog 呼び出しの優先度引数に相当する。この機能と機密度は、両方とも、希望の値に論理 OR 演算子を適用することで設定できる。Solaris で有効な値の定義については、/usr/include/sys/syslog.h を参照する。SNDOPR_PRIORITY オプションと syslog メッセージの処理方法の設定は、syslog.conf ファイルで制御して必ず調整する

デフォルトは、UNIX では 5、Windows NT では 1

STRICT_REQUIRE (0 または 1)

必須の節の場所に対し、厳密な Sieve 準拠を強制する。デフォルトは 0

STRING_POOL_SIZE

(整数 <= 10,000,000)

書き換えルールテンプレートとエイリアスリストメンバーを保持するためのストリングプールに割当てられる文字スロットの数を制御する。これらの設定部分とエイリアスファイルによって使われる文字の総数が限界値を超えると、致命的なエラーが発生する。デフォルト値は 60,000 で、許容最大値は 10,000,000

URGENT_BLOCK_LIMIT (整数)

サイズに基づいたメッセージの優先度を下げるように MTA に指示を出す。指定したサイズよりも大きいメッセージは、優先度が通常のレベルまで下げられる。この優先度は、ジョブコントローラがメッセージを処理する優先度に影響を与える。この値は、BLOCK_SIZE オプションで指定している MTA ブロックの条件に基づいて解釈される。また、urgentblocklimit チャネルキーワードを使って、チャネルごとに低下のしきい値を指定することもできる

USE_ALIAS_DATABASE (0 または 1)

MTA がエイリアスデータベースをローカルアドレス用のシステムエイリアスソースとして使用するかどうかを制御する。値が 1 (デフォルト) の場合は、MTA がエイリアスデータベースをチェックする (データベースが存在する場合)。値が 0 の場合、エイリアスデータベースは使用されない

USE_DOMAIN_DATABASE (0 または 1)

ドメインデータベースの使用を制御する。値が 1 (デフォルト) の場合は、MTA がドメインデータベースをチェックする (データベースが存在する場合)

USE_FORWARD_DATABASE (整数)

転送データベースの使用を制御する

USE_ORIG_RETURN

ビットエンコードフィールドを制御する

USE_PERMANENT_ERRORS (0-15)

MTA によって返されたあるエラーが、一時的と永久的、どちらでマークされているかどうかを制御する。このオプションの各ビットは、特定のエラー条件に対応している。設定すると、このオプションによって MTA が永久的なエラーを返す。この値は、ビットエンコード整数を表す 10 進整数。表 4-18 に、この値の解釈を示すデフォルトは 0

USE_PERSONAL_ALIASES (0 または 1)

MTA が個人用のエイリアスデータベースを、ローカルアドレスのエイリアスのソースとして使用するかどうかを制御する。デフォルトは 1 で、MTA がエイリアスデータベースをチェックする (データベースが存在する場合)。値 0 は、個人用エイリアスを無効にし、すべてのユーザーで使用不可にする

USE_REVERSE_DATABASE (0-31)

MTA がアドレス逆引きデータベースと REVERSE マッピングを代替アドレスのソースとして使用するかどうかを制御する。この値は、ビットエンコード整数を表す 10 進整数。表 4-19 に、この値の解釈を示す

ビット 0 は重要性が最も低いビット。

USE_REVERSE_DATABASE のデフォルト値は 5。これは MTA がエンベロープの From アドレスとフォワードおよび後方を探すアドレスを逆引きしてから、通常のアドレス書き換え処理に渡すことを意味する。REVERSE マッピングと逆引きデータベースには、簡単なアドレス文字列がある。値が 0 の場合、アドレス逆引きはまったく使用されない

WILD_POOL_SIZE (整数)

マッピングテーブルに含まれるパターンの総数を制御する。デフォルトは 8000 で、最大値は 200,000

表 4-17 DOMAIN_UPLEVEL のビット値

ビット 1 (アドレスルックアップ)

ビット 0 (ドメインルックアップ)

0

0 - 指定したドメイン内のアドレスのみを検索する。その他のドメインは検索しない

0 - 指定したドメインのみを検索する

1

0 - 指定したドメイン内のアドレスのみを検索する。その他のドメインは検索しない

1 - 指定したドメインとそのサブツリーを検索する

2

1 - 指定したドメイン内、サブドメイン内、およびそれらのエイリアスドメイン内のアドレスを検索する

0 - 指定したドメインのみを検索する

3

1 - 指定したドメイン内、サブドメイン内、およびそれらのエイリアスドメイン内のアドレスを検索する

1 - 指定したドメインとそのサブツリーを検索する

表 4-18 USE_PERMANENT_ERRORS のビット値 

ビット

エラー

0

1

メールボックスが一時的に無効 (アクティブでない)

1

2

グループが一時的に無効 (アクティブでない)

2

4

ユーザーの容量制限超過。新規メールを受信できない

3

8

さまざまなエイリアスのエクスパンドエラー

表 4-19 USE_REVERSE_DATABASE のビット値  

ビット

使用目的

0

1

MTA アドレス書き換え処理を通じて書き換えが実行された後、アドレスにアドレス逆引きが適用される

1

2

アドレスにアドレス逆引きが適用された後、それらのアドレスに MTA アドレス書き換えが適用される

2

4

返信用アドレスだけでなく、すべてのアドレスにアドレス逆引きが適用される

3

8

REVERSE マッピングがチャネルレベルで行われる。REVERSE マッピングテーブル (パターン) のエントリは、次の形式で記述されていなければならない (垂直の棒 [|] に注目)

source-channel|destination-channel|address

4

16

アドレス逆引きデータベースのエントリがチャネルレベルになる。逆引きデータベースのエントリは、次の形式で記述されていなければならない (垂直の棒 [|] に注目)

source-channel|destination-channel|address

表 4-20 LDAP_USE_ASYNC のビット値 

ビット

LDAP の具体的な使用法

0

1

LDAP_GROUP_URL1 (mgrpDeliverTo) URL

1

2

LDAP_GROUP_URL2 (memberURL) URL

2

4

LDAP_GROUP_DN (UniqueMember) DN

3

8

auth_listmoderator_listsasl_auth_list、および sasl_moderator_list リストパラメータの前後は無関係

4

16

cant_listsasl_cant_list リストパラメータの前後は無関係

5

32

originator_reply リストパラメータの前後は無関係

6

64

deferred_listdirect_listhold_listnohold_list リストパラメータの前後は無関係

7

128

username_auth_listusername_moderator_listusername_cant_list リストパラメータの前後は無関係

8

256

エイリアスファイルリストの URL

9

512

エイリアスデータベースリストの URL

10

1024

LDAP_CANT_URL (mgrpDisallowedBroadcaster) 外部レベル URL

11

2048

LDAP_CANT_URL 内部レベル URL

12

4096

LDAP_AUTH_URL (mgrpAllowedBroadcaster) 外部レベル URL

13

8192

LDAP_AUTH_URL 内部レベル URL

14

16384

LDAP_MODERATOR_URL (mgrpModerator) URL


ヘッダーオプションファイル

キュー内のメッセージからヘッダーを切り取る方法について記述しているチャネルには、いくつかの特殊なオプションファイルが関連付けられている場合があります。この機能は一般的なもので、どのチャネルにも適用できます。この機能は、headertrimnoheadertrimheaderreadnoheaderread チャネルのキーワードで制御されます。

MTA チャネルは、それぞれ専用のチャネルレベルのオプションファイルを持ちます。ヘッダーオプションファイルは、ほかの MTA オプションファイルとは異なるフォーマットを使用するため、常に独立したファイルとなります。

ヘッダーオプションファイルの場所

通常のヘッダー処理の後にメッセージをキューに入れるときに適用されるヘッダートリミング機能に基づく宛先チャネルの場合は、config ディレクトリ (msg_svr_base/config) でチャネル_headers.opt という形式の名前を持つヘッダーオプションファイルが探し出されます。この「チャネル」は、ヘッダーオプションファイルが関連付けられているチャネルの名前です。このようなヘッダーオプションファイルを使用できるようにするには、チャネルで headertrim キーワードを指定しておく必要があります。

通常のヘッダー処理の前にメッセージをキューに入れるときに適用されるヘッダートリミング機能に基づくソースチャネルの場合は、config ディレクトリ (msg_svr_base/config) でチャネル_read_headers.opt という形式の名前を持つヘッダーオプションファイルが探し出されます。この「チャネル」は、ヘッダーオプションファイルが関連付けられているチャネルの名前です。このようなヘッダーオプションファイルを使用できるようにするには、チャネルで headerread キーワードを指定しておく必要があります。

ヘッダーオプションファイルは誰でも読み取り可能でなければなりません。

ヘッダーオプションファイルのフォーマット

端的に説明すると、ヘッダーオプションファイルは、一連のメッセージヘッダー行から構成されています。ただし、ヘッダー行の本文は RFC 822 に準拠していません。

ヘッダーオプションファイルの一般的な行構造は次のとおりです。

ヘッダー名: オプション=値、オプション=値、 オプション=値、 ...

「ヘッダー名」は、MTA が認識できるヘッダー行の名前です (このマニュアルで説明されているヘッダー行のほか、RFC 822、RFC 987、RFC 1049、RFC 1421、RFC 1422、RFC 1423、RFC 1424、RFC 1327、および RFC 1521 (MIME) の規格に適合するヘッダー行を指定できます)。

MTA が認識できないヘッダー行は、特殊ヘッダー行名である Other: によって制御されます。ヘッダーオプションファイルで名前の付いていないすべてのヘッダー行に適用される一連のオプションは、特殊な Defaults: 行にも適用できます。Defaults: を使用することによって、今後のリリースで MTA のヘッダー行テーブルが必然的に拡大することを防ぐことができます。

さまざまなオプションを指定して、ヘッダー行の保持を制御することができます。表 4-21 に、使用可能なオプションを示します。

表 4-21 ヘッダーオプション 

オプション

説明

ADD (引用符で囲まれた文字列)

指定されたタイプのヘッダー行を新規に作成する。新規のヘッダー行には指定された文字列が含まれる。ADD で作成したヘッダー行は、同じタイプのヘッダー行がある場合、そのヘッダー行の後に表示される。ADD オプションは、Defaults ヘッダー行タイプとともに使用することはできない。Other: オプションの一覧の一部として指定されると、このオプションは無視される

FILL

(引用符で囲まれた文字列)

指定したタイプの新規ヘッダー行を、同じタイプのヘッダー行がない場合にのみ作成する。新規のヘッダー行には指定された文字列が含まれる。FILL オプションは、ヘッダー行タイプとともに使用することはできない。Other オプションの一覧の一部として指定されると、このオプションは無視される

GROUP

(整数 0 または 1)

特定の優先順位で同じタイプのヘッダー行グループを制御する。GROUP のデフォルト値 (0) は、特定タイプのヘッダー行がすべて一緒に表示されることを意味する。また、値が 1 の場合は、対応するタイプのヘッダー行が 1 つだけ出力され、関連付けられたレベルの全ヘッダー行のスキャンが再開される。その場合、同じタイプのヘッダー行は処理されない。スキャンが完了すると、ほかにもヘッダー行が残っているかどうかを確認するため、再度スキャンが行われる。このヘッダーオプションは主に Privacy Enhanced Mail (PEM) ヘッダーを処理するためのものである

LINELENGTH (整数)

ヘッダーを折り返す長さを制御する。「headerlinelength」チャネルキーワードを参照

MAXCHARS (整数)

指定したタイプの 1 つのヘッダー行に表示される最高文字数を制御する。指定した最高文字数の長さを超える場合は MAXCHARS の長さに合うように、その一部が切り取られる。このオプションでは、ヘッダー行の構文が無視されるため、アドレスやその他の情報を含むヘッダー行には適用しない。編成されたヘッダー行の長さは、maxheaderchars および maxheaderaddrs チャネルキーワードを使って指定する

MAXIMUM (整数)

このタイプのヘッダー行の最大行数を制御する。この値は、改行してできる行の数とは関係がない。つまり、各ヘッダー行が使用できる行数には制限がない。-1 という値は、このタイプのヘッダー行を完全になくす要求として解釈される

MAXLINES (整数)

指定したタイプの全ヘッダー行が使用できる最大行数を制御する。このオプションは、MAXIMUM と相対するもので、そのタイプのヘッダー行が使用する全行数を制御するものである。ヘッダー行自体の数には関係ない。ヘッダーは、MAXIMUM と同様に、指定した条件を満たすように下の方から切り取られる

PRECEDENCE (整数)

ヘッダー行が出力される順序を制御する。すべてのヘッダー行には、デフォルトの優先順位 (0) が設定されている。値が低くなるほど優先順位は高くなる。PRECEDENCE の値が正の場合はヘッダー行が下方に移動し、負の場合は上方に移動する。優先順位が等しい場合は、ヘッダー行出力の順序に関する MTA の内部ルールにより優先順位が決定される

RELABEL
(ヘッダー名)

ヘッダー行を別のヘッダー行に変更する。以下に例を示す

    X-MSMail-Priority: RELABEL="Priority"

    X-Priority: RELABEL="Importance"


テイラーファイル

MTA テイラーファイル (imta_tailor) は、さまざまな MTA コンポーネントの場所が設定されているオプションファイルです。MTA の機能が正常に動作するには、このファイルが msg_svr_base/config に保存されていなければなりません。このファイルは、特定のインストールにおける変更を反映させるように編集することができます。ただし、このファイルには編集してはならないオプションもあります。ファイルに変更を加えた後は MTA を再起動してください。MTA が停止しているときに変更を行うのが望ましい方法です。

オプション設定は、次の形式で記述されています。

オプション=値

値は、オプションの要件に基づき、文字列または整数のいずれかとなります。この場合、コメントが使用できます。感嘆符 (!) で始まる行は、コメント行として解釈されるため、無視されます。また、空白行も無視されます。編集できるオプションおよび使用可能なオプションについては、表 4-22 を参照してください。

表 4-22 テイラーファイルのオプション 

オプション

説明

IMTA_ALIAS_DATABASE

エイリアスデータベース。デフォルトは msg_svr_base/data/db/aliasesdb.

IMTA_ALIAS_FILE

MTA エイリアスファイル。たとえば postmaster など、ディレクトリに設定されていないエイリアスはこのファイルに設定されている。デフォルトは msg_svr_base/config/aliases

IMTA_CHARSET_DATA

MTA のコンパイル済み文字セットデータがある場所。デフォルトは msg_svr_base/config/charset_data

IMTA_CHARSET_OPTION_FILE

文字セット変換オプションに使用されるファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/option_charset.dat

IMTA_COM

MTA コマンドの定義ファイルがある場所。デフォルトは msg_svr_base/bin/msg/imta/bin/

IMTA_CONFIG_DATA

MTA 用のコンパイル済み設定。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib/config_data

IMTA_CONFIG_FILE

MTA 設定ファイル。このファイルには、書き換えルールとチャネルごとのオプションが設定されている。デフォルトは msg_svr_base/config/imta.cnf

IMTA_CONVERSION_FILE

変換チャネルのルールを設定するファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/conversions

IMTA_DISPATCHER_CONFIG

MTA ディスパッチャの設定ファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/dispatcher.cnf

IMTA_DOMAIN_DATABASE

追加の書き換えルールを保存するデータベース。デフォルトは msg_svr_base/data/db/domaindb

IMTA_DNSRULES

MTA DNS 設定ライブラリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib/imdnsrules.so

IMTA_EXE

MTA 実行可能ファイルの場所。デフォルトは msg_svr_base/bin/msg/imta/bin

IMTA_FORWARD_DATABASE

使用されていない

IMTA_GENERAL_DATABASE

各サイトの顧客が使用するためのもの。通常、検索機能はマッピングと書き換えルールに組み込まれている。デフォルトは msg_svr_base/config/generaldb

IMTA_HELP

MTA ユーティリティのヘルプファイルがある場所。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib

IMTA_JBC_CONFIG_FILE

MTA ジョブコントローラ設定ファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/job_controller.cnf

IMTA_LANG

MTA の法規に関するメッセージがある場所。デフォルトは msg_svr_base/imta/locale/C/LC_MESSAGES

IMTA_LIB

MTA ライブラリと実行可能ファイルが保存されているディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/lib/

IMTA_LIBUTIL

MTA ユーティリティライブラリ。デフォルトは msg_svr_base/lib/libimtautil.so.1

IMTA_LOG

MTA ログファイルの場所。デフォルトは msg_svr_base/imta/log

IMTA_MAPPING_FILE

アクセス制御ルール、逆引きマッピングルール、フォワードマッピングルールなどを設定するときに使用するファイル。デフォルトは msg_svr_base/config/mappings

IMTA_NAME_CONTENT_FILE

特定の添付ファイルの処理ラベル用に MTA が使用するファイルの場所。デフォルトは msg_svr_base/config/name_content.dat

IMTA_OPTION_FILE

MTA のオプションファイルの名前。デフォルトは msg_svr_base/config/option.dat

IMTA_QUEUE

MTA メッセージキューディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/queue

注意 : 問題が発生する原因となるため、ファイルやディレクトリを MTA キューディレクトリに追加しないこと。MTA キューディレクトリに個別のファイルシステムを使用するときは、マウントポイントの下にサブディレクトリを作成し、そのサブディレクトリを IMTA_QUEUE の値として指定する

IMTA_RETURN_PERIOD

期限切れのメッセージの返送や、警告の生成を制御する。このオプションのデフォルト値は 1。このオプションが N という整数値に設定されている場合は、返送ジョブが N 回実行されるごとに、関連付けられたアクションが実行される。デフォルトでは、返送ジョブが 1 日に 1 回実行される

IMTA_RETURN_SPLIT_PERIOD

mail.log ファイルの分割を制御する。このオプションのデフォルト値は 1。このオプションが N という整数値に設定されている場合は、返送ジョブが N 回実行されるごとに、関連付けられたアクションが実行される。デフォルトでは、返送ジョブが 1 日に 1 回実行される

IMTA_REVERSE_DATABASE

MTA 逆引きデータベース。このデータベースは From アドレスを書き換えるときに使用される。デフォルトは msg_svr_base/data/db/reversedb

IMTA_ROOT

MTA インストールのベースディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/imta/

IMTA_SYSTEM_FILTER_FILE

MTA システムフィルタファイルの場所を指定する。このオプションの値はファイル名または URL

IMTA_TABLE

MTA 設定ディレクトリ。デフォルトは msg_svr_base/config/

IMTA_USER

postmaster の名前。デフォルト値は inetmail。この値を変更したときには、必ず msg_svr_base/config/aliases ファイルを編集して postmaster アドレスへの変更が反映されるようにする

IMTA_USER_PROFILE_DATABASE

ユーザーの休暇、転送、プログラムの配信に関する情報を保存するためのデータベース。デフォルトは msg_svr_base/data/db/profiledb

IMTA_USER_USERNAME

特定の「権限を必要としない」操作 (普通の MTA アカウントでは実行しない操作) を実行するために MTA が使用する従属アカウントのユーザー id を指定する。デフォルトは nobody

IMTA_VERSION_LIMIT

古いログファイルを消去するときに保持しておくことができるログファイルの最大数 (異なるバージョンの数)。デフォルトは 5

IMTA_WORLD_GROUP

特定の権限を必要とする操作を、このグループのメンバーとして実行できる。デフォルトは mail


ジョブコントローラの設定

ジョブコントローラは、起動時に、パラメータ、プール、およびチャネル処理に関する情報が含まれた設定ファイルを読み取ります。これらの設定情報は、msg_svr_base/config/ ディレクトリの job_controller.cnf ファイルに保存されています。

ジョブコントローラの詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』の「MTA サービスと設定について」の章を参照してください。

ジョブコントローラ設定ファイル

ジョブコントローラ設定ファイルは、MTA オプションファイルのフォーマットに基づいており、次の形式の行を含んでいます。

オプション=値

設定ファイルには、オプション設定のほか、場合によっては以下に示すような角括弧 ([ ]) で囲まれたセクションと値からなる行があります。

[セクション-タイプ=値]

この行は、この行に続くオプション設定が「値」で指定されたセクションにのみ適用されることを意味します。このようなセクションタグよりも前に記述されているオプション設定は、すべてのセクションに適用されます。セクションごとに指定されたオプション設定は、そのセクションに対するデフォルトのグローバル設定より優先されます。ジョブコントローラ設定ファイルで認識されるセクションタイプは、POOL (プールとプールのパラメータを定義)、CHANNEL (チャネル処理情報を定義)、および PERIODIC_JOB (ジョブコントローラが起動するさまざまな定期的ジョブ用) です。

POOL または CHANNEL セクションに指定できるオプションは、先頭 (一般的なオプション) に指定できるため、それがデフォルトになります。

以下の 3 つの表 (表 4-23表 4-24、および表 4-25) で、ジョブコントローラ設定ファイルのオプションについて説明します。これらの表では、それぞれ、一般的なオプション、プールオプション、チャネルオプションについて説明しています。

表 4-23 では、ジョブコントローラ設定の一般的なオプションを示しています。

表 4-23 ジョブコントローラ設定ファイルの一般的なオプション 

オプション

説明

COMMAND

PERIODIC_JOB セクションで定期的に実行するコマンドを指定する

DEBUG=整数

DEBUG がゼロ以外の値に設定されている場合、MTA はmsg_svr_base/imta/log ディレクトリ内の job_controller-固有 id という名前のファイルにデバッグ情報を書き込む。ここで、「固有 id」はファイル名を識別する固有の ID 文字列。imsimta purge ユーティリティは「固有 id」を認識するユーティリティで、古いログファイルを削除するのに使用できる。DEBUG の値は、どのようなデバッグ情報が要求されているのかを指定するビットマスクである

  • 1 - ジョブコントローラとその他の MTA コンポーネント間のプロトコルメッセージをトラッキング
  • 2 - メッセージとインタラクションの詳細な分析
  • 4 - 変更イベントを記述
  • 8 - 再構築の決定をトラッキング
  • 16 - 各キューアクションで各キューを削除
  • 32 - プールから項目を削除するときは慎重に行う
  • 64 - 各キュー操作でキューの完全性チェックを実行
  • 128 - 選択の操作に関する詳細な出力

ビット 16 を指定するとログファイルがすぐに大きくなる。また、ビット 32 を指定すると、出力はそれ以上生成されない。これは特別の場合にのみ使用する。DEBUG が指定されていない場合は、デフォルト値の 0 が使用される

INTERFACE_ADDRESS=アダプタ

ジョブコントローラがバインドする IP アドレスインタフェースを指定する。値 (アダプタ) には、ANYALLLOCALHOST、または IP アドレスのいずれかを指定できる。デフォルトで、ジョブコントローラはすべてのアドレスにバインドする (ALL または ANY の指定に相当)。INTERFACE_ADDRESS=LOCALHOST を指定すると、ジョブコントローラは、ローカルマシンからの接続しか受け付けられない。これは、ジョブコントローラではマシン間の操作はサポートされていないため、通常の操作には影響がない。ただし、HA エージェントがジョブコントローラの応答をチェックする HA 環境では、不適切かもしれない。Messaging Server の実行しているマシンが HA 環境にあり、「内部ネットワーク」アダプタと「外部ネットワーク」アダプタを持っている場合で、大きなポート番号への接続をブロックするファイヤウォール機能の信頼性が低い場合は、「内部ネットワーク」アダプタの IP アドレスを指定するよう勧める

MAX_MESSAGES=整数

ジョブコントローラは、メモリ内構造でメッセージに関する情報を保持する。バックログが大きくなった場合は、この構造のサイズを制限する必要がある。バックログのメッセージ数がこのパラメータ値を超えると、その後のメッセージに関する情報はメモリに保存されない。メールメッセージは常にディスクに書き込まれるため、失われることはないが、ジョブコントローラが認識するメッセージ数の半数になるまで配信されない。この時点では、ジョブコントローラが imsimta cache -sync コマンドを模倣してプールディレクトリをスキャンする

デフォルトは 100000

SECRET=ファイル_仕様

ジョブコントローラに送信される要求を保護するための共有の秘密情報

SYNCH_TIME=時間_仕様

ジョブコントローラは定期的にディスク上のキューファイルをスキャンして、ジョブコントローラにおいて追加する必要のあるメッセージのリストから、新しいメッセージファイルが不足していないかどうかをチェックする。デフォルトでは 4 時間ごとにスキャンされる (ジョブコントローラが起動してから 4 時間ごと)。time_spec のフォーマットは、HH:MM/hh:mm または /hh:mmhh.mm 変数は、イベントの間隔を時間数 (h) と分数 (m) で示す。HH:MM 変数は、1 日の中でイベントが最初に発生する時間である。たとえば 15:45/7:15 と指定すると、15:45 にイベントが開始し、その後 7 時間 15 分ごとにイベントが実行される

TCP_PORT=整数

ジョブコントローラが要求パケットをリッスンする TCP ポートを指定する。このオプションは、デフォルト値がシステム内の別の TCP アプリケーションと競合しないかぎり変更しない。このオプションを変更する必要がある場合は、対応する MTA テイラーファイル (msg_svr_base/config/imta_tailor) の IMTA_JBC_SERVICE オプションも同じように変更する必要がある。TCP_PORT オプションはグローバルに適用され、[CHANNEL] セクションまたは [POOL] セクション内にある場合は無視される

TIME=時刻_仕様

PERIODIC_JOB セクションの定期ジョブを実行する時間と頻度を指定する。デフォルト設定は /4:00 で、ジョブが 4 時間ごとに実行される。時間仕様のフォーマットは HH:MM/hh:mm または /hh:mm です。hh.mm はイベントの間隔の時間数 (h) と分数 (m)。HH:MM は、1 日の中でジョブが発生する最初の時間。たとえば 15:45/7:15 と指定すると、15:45 にイベントが開始し、その後 7 時間 15 分ごとにイベントが実行される

表 4-24 では、ジョブコントローラ設定の POOL オプションについて説明しています。

表 4-24 ジョブコントローラの POOL オプション

オプション

説明

JOB_LIMIT=整数

プールが同時に使用できるプロセスの最大数を指定する。JOB_LIMIT は各プールに個別に適用される。ジョブの最大合計数は、すべてのプールの JOB_LIMIT パラメータの合計数。この値をセクションの外に設定すると、JOB_LIMIT が指定されていない [POOL] セクションにより、デフォルトとして使用される。このオプションは、[CHANNEL] セクション内では無視される

表 4-25 では、ジョブコントローラ設定の CHANNEL オプションについて説明しています。

表 4-25 ジョブコントローラの CHANNEL オプション

オプション

説明

MASTER_COMMAND=ファイル_仕様

チャネルを実行し、そのチャネルからメッセージを取り出すために、ジョブコントローラによって作成された UNIX システムプロセスが実行するコマンドのフルパスを指定する。この値をセクションの外に設定すると、MASTER_COMMAND が指定されていない [CHANNEL] セクションにより、デフォルトとして使用される。[POOL] セクション内では、このオプションが無視される

MAX_LIFE_AGE=整数

チャネルマスタージョブに対する最大のライフタイムを秒数で指定する。このパラメータがチャネルに指定されていない場合は、グローバルなデフォルト値が使用される。デフォルト値が指定されていない場合は、1800 (30 分) が使用される

MAX_LIFE_CONNS=整数

マスターチャネルの寿命は、最長使用期間パラメータのほか、メッセージがあるかどうかをジョブコントローラに確認する回数によっても制限される。このパラメータがチャネルに指定されていない場合は、グローバルなデフォルト値が使用される。デフォルト値が指定されていない場合は 300 が使用される

SLAVE_COMMAND=ファイル_仕様

チャネルを実行し、そのチャネルに入れるメッセージをポーリングするために、ジョブコントローラによって作成された UNIX システムプロセスが実行するコマンドのフルパスを指定する。ほとんどの場合、MTA チャネルには SLAVE_COMMAND がない。その場合は、予約値である NULL を指定する。この値をセクションの外に設定すると、SLAVE_COMMAND が指定されていない [CHANNEL] セクションにより、デフォルトとして使用される。[POOL] セクション内では、このオプションが無視される


ディスパッチャ

MTA マルチスレッドディスパッチャとは、指定のサービスにおける負担を共有する複数のマルチスレッドサーバーを許可するマルチスレッド接続ディスパッチエージェントのことです。ディスパッチャを使用すると、複数のマルチスレッド SMTP サーバーを同時実行できるようになります。1 つのサービスに対して複数のサーバーを使用できるほか、各サーバーは 1 つ以上のアクティブな接続を同時に処理することができます。

ディスパッチャ設定ファイル

ディスパッチャ設定情報は、msg_svr_base/imta/dispatcher.cnf ファイルで指定されます。インスール時に作成されたデフォルトの設定ファイルをそのまま使用することができます。ただし、セキュリティやパフォーマンスなどの理由でデフォルトの設定ファイルを変更する場合には、dispatcher.cnf ファイルを編集します。

設定ファイルのフォーマット

ディスパッチャ設定ファイルのフォーマットは、他の MTA 設定ファイルのフォーマットに似ています。オプションを指定する行は、次の形式で記述されています。

オプション=値

「オプション」はオプション名で、「値」はオプションを設定する文字列または整数です。オプションが整数の値を受け入れる場合は、b%v の文字列表記ルールを使って基数を指定することができます。この場合、b は底 10 で表す基数であり、v は底 b で表す実際の値です。これらのオプションの仕様は、次のオプション設定を適用するサービスに対応するセクションに、グループ分けされています。各行では、次の形式が使用されます。

[SERVICE=サービス名]

サービス名はサービスの名前です。最初のオプション仕様、すなわちこのようなセクションタグよりも前に記述されているオプション仕様はすべてのセクションに適用されます。

表 4-26 に、使用可能なオプションを示します。

表 4-26 ディスパッチャ設定ファイルのオプション 

オプション

説明

BACKLOG=整数

ソケットの TCP バックログキュー範囲を制御する。各サービスのデフォルト値は MAX_CONNS*MAX_PROCS (最低値は 5)。このオプションは、該当する TCP/IP カーネルサポートよりも高く設定しない

DEBUG

デバッグ出力を有効にする。すべてのデバッグを有効にするには、このオプションを -1 に設定する。各ビットの実際の意味については、表 4-27 を参照

DNS_VERIFY_DOMAIN

受信接続のチェックに使用するホスト名と IP アドレスを指定する。迷惑メールの送信元や、オープンリレーサイトに関する情報は、さまざまなグループによって維持されている。一部のサイトでは、受信 IP 接続を、これらのグループが維持する一覧と照合する。各サービスに対し、最高 5 つの DNS_VERIFY_DOMAIN オプションを指定できる。通常は SMTP サービスが、このようなチェックが意味をなす唯一のサービスとなる。

例 :

[SERVICE=SMTP]

PORT=25

DNS_VERIFY_DOMAIN=rbl.maps.siroe.com

DNS_VERIFY_DMAIN=dul.maps.siroe.com

よく知られたポート (25、110、または 143) でこのオプションが有効になっている場合、接続を切断する前に次のような標準メッセージが送信される

500 5.7.1 access_control:host 192.168.51.32 found on DNS list and rejected

MTA でこのような拒否をログしたい場合は、ディスパッチャデバッグの 24 番目のビットである DEBUG オプションを「DEBUG=16%1000000」に設定すると、拒否が dispatcher.log ファイルにログされる。ログエントリは、次の形式をとる

access_control:host a.b.c.d found on DNS list and rejected

ENABLE_RBL=0 または 1

ENABLE_RBL=1 を指定すると、ディスパッチャにより受信接続がmaps.siroe.com の「ブラックホール」リストと比較される。たとえば、ディスパッチャが 192.168.51.32 から接続を受信した場合、ディスパッチャはホスト名 32.51.168.192.rbl.maps.siroe.com の IP アドレスを取得しようとする。クエリが成功すると、接続はワーカープロセスにハンドオフされるかわりに、切断される。このオプションが、一般的なポート (25、110、または 143) で有効になっている場合は、接続を閉じる前に以下のような標準メッセージが送信される

5.7.1 Mail from 192.168.51.32 refused, see http://maps.siroe.com/rbl/

MTA でこのような拒否をログする場合は、ディスパッチャデバッグのビット 24 である DEBUG オプションを「DEBUG=16%1000000」に設定すると、拒否が dispatcher.log ファイルにログされる。エントリは次の形式を取る

access_control:host a.b.c.d found on DNS list and rejected

詳細については、『Messaging Server 管理者ガイド』の「メールのフィルタリングとアクセス制御」の章の「SMTP リレーブロッキングに対する RBL 検査を含む DNS 検索を使用するには」を参照

HISTORICAL_TIME=整数

統計をとる目的で、期限切れの接続 (閉じた接続) やプロセス (終了したプロセス) をリスト内に残しておく期間を制御する

INTERFACE_ADDRESS=IP アドレス

INTERFACE_ADDRESS オプションは、ディスパッチャサービスがバインドする IP アドレスのインタフェースを指定するのに使用される。ディスパッチャは、デフォルトですべての IP アドレスにバインドする。ただし、それぞれに独自の IP アドレスを持つマルチネットワークインタフェースがシステムにあると、異なるサービスをいろいろなインタフェースにバインドするときに役立つ。サービスに INTERFACE_ADDRESS を指定した場合は、それがディスパッチャサービスによってバインドされる唯一のインタフェース IP アドレスとなる。このような専用インタフェース IP アドレスは、1 つの特定サービスに対して 1 つだけ指定できる (他のインタフェース IP アドレスには、他の類似したディスパッチャサービスを定義できる)

IDENT=0 または 1

サービスに IDENT=1 が設定されている場合、ディスパッチャは、そのサービスに対する受信接続について IDENT クエリを試み、リモートユーザー名 (ある場合) をディスパッチャの統計情報の一部として使用する。デフォルトは IDENT=0 に設定されているため、このようなクエリは実行されない

IMAGE=ファイル仕様

サーバープロセスで実行されるイメージを指定する。指定したイメージは、ディスパッチャによって制御されるように設計されたものでなければならない

LOGFILE=ファイル仕様

ディスパッチャによって、対応するサーバープロセスの出力が指定ファイルに直接送られるようになる。LOGFILE には、ファイル仕様にローカルシステムのホスト名を含む %s を使用することができる。たとえば freddy ノードの LOGFILE=tcp_smtp_server_%s.log の場合は、ログファイル名がtcp_smtp_server_freddy.log-* になる

MAX_CONNS=整数

任意のサーバープロセスでアクティブになり得る最大接続数を指定する。MAX_CONNS オプションは、ディスパッチャの接続管理に影響する。MAX_CONNS のデフォルト値は 10。MAX_CONNS の指定可能な最大値は 50

このオプションの設定は、主にプロセスの数とプロセスの仮想アドレス空間のサイズに関するパフォーマンスにしたがって選択する。

MAX_CONNS を高めの値に設定すると、より多くの接続が可能になるが、各接続のパフォーマンス低下に対処する費用がかかる可能性がある。1 に設定すると、受信するクライアント接続ごとにサーバープロセス 1 つだけが使用される。MAX_CONNS の値に MAX_PROCS の値を掛けた値が、受入可能な同時接続の最大数を制御する

MAX_HANDOFFS=整数

サービスポートに新たに確立された TCP/IP 接続に対し、ディスパッチャが同時に処理することのできる非同期ハンドオフの最大数を指定する。デフォルトは 5

MAX_IDLE_TIME=整数

サーバープロセスの最大アイドル時間を指定する。指定した時間内にサーバープロセスがアクティブにならなかった場合、そのサーバープロセスはシャットダウンする。このオプションは、このサービスに対するディスパッチャのプールに MIN_PROCS の値よりも多いサーバープロセスがある場合にのみ有効である

MAX_LIFE_CONNS

サーバープロセスがそのライフタイム (存続可能な期間) で処理できる最大接続数を指定する。これはワーカープロセスを管理するために使用される

MAX_LIFE_TIME=整数

指定した秒数の間だけ、サーバープロセスが保持されるように要求する。これは、ディスパッチャのワーカープロセス管理機能の一部である。サーバープロセスが作成されると、カウントダウンタイマーが指定した秒数に設定される。カウントダウン時間を過ぎると、SMTP サーバープロセスがシャットダウンするデフォルトは 86400 (1 日)

MAX_PROCS=整数

このサービスに対して作成されるサーバープロセスの最大数を制御する

MAX_SHUTDOWN=整数

シャットダウン状態にできるサーバープロセスの最大数を指定する。サービスに対して最低限の利用可能性を提供するために、シャットダウンすることによって、シャットダウン状態のそのサービスのサーバープロセス数が MAX_SHUTDOWN よりも多くなる場合、ディスパッチャはそれらのサーバープロセスをシャットダウンしない。つまり、それらのサーバープロセスは、シャットダウン「スロット」が空くまで実行し続ける

MIN_CONNS=整数

使用可能なサーバープロセスのプールに新しいサーバープロセスを追加するにあたり、各サーバープロセスが必要とする最低接続数を決定する。ディスパッチャは、このプール全体にわたって均等に接続を割り当てようとする

MIN_PROCS=整数

現在のサービスに対してディスパッチャが作成するサーバープロセスの最小数を決定する。初期化が終了すると、ディスパッチャは、指定された数だけプロセスを作成してプールを開始する。プロセスがシャットダウンしても、このサービスのプールには指定数のプロセス数が残る

PARAMETER

PARAMETER オプションの解釈および値は、サービスによって異なる。SMTP サービスの場合、PARAMETER オプションを CHANNEL=channelname に設定して、デフォルトの TCP/IP チャネルをそのサービスのポートに関連付けることができる。以下に例を示す

    [SERVICE=SMTP_SUBMIT]

    PORT=587

    ...

    PARAMETER=CHANNEL=tcp_incoming

これは、複数のポートでサーバーを実行する場合に有用である (内部 POP クライアントおよび IMAP クライアントがメッセージの送信に通常のポート番号 25 以外のポートを使用するように設定されており、そのためにメッセージトラフィックが外部のホストからの受信 SMTP メッセージから切り離されるためである)。また、別の TCP/IP チャネルを他のポート番号に関連付ける場合にも有用である

PORT=整数 ...

現在のサービスに対し、ディスパッチャが受信接続をリッスンする TCP ポートを指定する。このポートで確立された接続は、このサービスに対して作成された SMTP サーバープロセスの 1 つに転送される。PORT=0 を指定すると、現在のサービスが無効になる

STACKSIZE

サーバーのスレッドスタックサイズを指定する。このオプションの目的は、深くネスティングされた MIME メッセージ (数百レベルのネスティング) を処理するときにサーバーがスタックを使い切る可能性を低くすることである。このようなメッセージはスパムメッセージである場合が多く、メールハンドラが破壊される原因となる。したがって、サーバーを異常停止させることにより、他のメールハンドラを保護することができる

デバッグとログファイル

ディスパッチャエラーとデバッグ出力 (有効になっている場合) は、MTA ログディレクトリ内の dispatcher.log ファイルに書き込まれます。

デバッグ出力は、ディスパッチャ設定ファイルの DEBUG オプションを使って有効にするか、または IMTA_DISPATCHER_DEBUG 環境変数 (UNIX) を使ってプロセスレベルで有効にすることができます。

DEBUG オプションまたは IMTA_DISPATCHER_DEBUG 環境変数 (UNIX) は、16 進数で 32 ビットのデバッグマスクを定義するものです。すべてのデバッグ機能を有効にするには、オプションを -1 に設定するか、またはシステム全体で論理 / 環境変数を FFFFFFFF に定義します。表 4-27 に、各ビットの説明を示します。

表 4-27 ディスパッチャデバッグビット 

ビット

16進数 の値

10 進数の値

使用目的

0

x 00001

1

サービスディスパッチャのメインモジュールの基本的なデバッグ

1

x 00002

2

サービスディスパッチャのメインモジュールの特別なデバッグ

2

x 00004

4

サービスディスパッチャ設定ファイルのログ処理

3

x 00008

8

サービスディスパッチャに関するその他の基本的なデバッグ

4

x 00010

16

サービスの基本的なデバッグ

5

x 00020

32

サービスの特別なデバッグ

6

x 00040

64

プロセスに関連するサービスのデバッグ

7

x 00080

128

使用されていない

8

x 00100

256

サービスディスパッチャとプロセス通信の基本的なデバッグ

9

x 00200

512

サービスディスパッチャとプロセス通信の特別なデバッグ

10

x 00400

1024

パケットレベル通信のデバッグ

11

x 00800

2048

使用されていない

12

x 01000

4096

ワーカープロセスの基本的なデバッグ

13

x 02000

8192

ワーカープロセスの特別なデバッグ

14

x 04000

16384

その他のワーカープロセスのデバッグ (特に接続ハンドオフ)

15

x 08000

32768

使用されていない

16

x 10000

65536

サービスディスパッチャ I/O に対するワーカープロセスの基本的なデバッグ

17

x 20000

131072

サービスディスパッチャ I/O に対するワーカープロセスの特別なデバッグ

20

x 100000

1048576

統計の基本的なデバッグ

21

x 200000

2097152

統計の特別なデバッグ

24

x 1000000

16777216

PORT_ACCESS 拒否を dispatcher.log ファイルにログ


SMS チャネルオプションファイル

Messaging Server SMS (Short Message Service) チャネルは、SMS ゲートウェイへの片方向の電子メールです。メールは SMS ゲートウェイに送信することができますが、SMS 通知の処理 (つまり、返信や配信確認)、および SMS ユーザーからの電子メール作成 (モバイルからの電子メール) は、現時点ではサポートしていません。チャネルでは、キューに入れられた電子メールメッセージを SMS メッセージに変換します。この変換には、マルチパート MIME メッセージや、文字セットの変換問題の処理が含まれます。

生成された SMS メッセージは、Short Message Peer to Peer (SMPP) プロトコルを使用して、Short Message Service Centre (SMSC) に送信されます。SMSC の SMPP サーバーへの TCP/IP 接続では、特に SMPP V3.4 を使用しています。この機能で操作すると、チャネルは External Short Message Entity (ESME) として機能します。

SMS チャネルの詳細については、『Sun ONE Messaging Server 管理者ガイド』を参照してください。

オプションファイルは、SMS チャネルのさまざまな特徴を制御するために使用されます。チャネルオプションはテキストファイルとして、msg_svr_base/imta/config/ ディレクトリに保存されます。ファイルの名前は次の形式になります。

チャネル名_option

たとえばチャネルの名前が sms_mway の場合、チャネルオプションファイルは

msg_svr_base/imta/config/sms_mway_option

ファイルの形式

各オプションは、次の形式を使用して、ファイルの各行に記述します。

オプションの名前=オプションの値

例 :

PROFILE=GSM

SMSC_DEFAULT_CHARSET=iso-8859-1

USE_UCS2=1

Sun ONE Messaging Server には、サンプルのオプションファイル sms_option.sample が同梱されています。このオプションファイルをコピーし、このファイルを利用して作業を開始してください。

利用可能なオプション

SMS チャネルには多くのオプションがあり、電子メールから SMS への変換、SMS フィールド、SMPP プロトコル、およびローカライズの 4 つのカテゴリに大きく分けられます。以下の節では、これらのカテゴリのその対応するオプションについて説明します。

電子メールから SMS への変換

電子メールから SMS への変換オプションでは、電子メールから SMS への変換処理を制御します。一般に、1 通の電子メールメッセージは、1 つ以上の SMS メッセージに変換されます。表 4-28 ではオプションについて説明します。

表 4-28 SMS チャネルオプション : 電子メールから SMS への変換 

オプション

説明

GATEWAY_NOTIFICATIONS

電子メール通知メッセージを SMS メッセージに変換するかどうかを指定する

デフォルト : 0

MAX_MESSAGE_PARTS (整数)

電子メールメッセージから抽出するメッセージ部分の最大数

マルチパートの電子メールメッセージを SMS メッセージに変換すると、最初の MAX_MESSAGE_PARTS テキスト部分だけが変換される。残りの部分はパージされる。デフォルトでは、MAX_MESSAGE_PARTS は 2。メッセージ部分を無制限に許可するには、値に -1 を指定する。値を 0 にすると、SMS メッセージに変換されるメッセージコンテンツはない。これは、電子メールメッセージからヘッダー行 (たとえば Subject:) だけを使用して SMS メッセージを生成するときに、効果がある

テキストと添付ファイルの両方を含む電子メールメッセージは、通常、2 つの部分で構成されている。タイプがテキストのメッセージ部分だけが変換されることに注意。その他の MIME コンテンツタイプはすべてパージされる

MAX_MESSAGE_SIZE (整数、>=10)

電子メールメッセージから抽出する最大バイト数

このオプションを使用すると、電子メールメッセージから生成される SMS メッセージに、合計バイト数の上限を設けることができる。特に、MAX_MESSAGE_SIZE バイトの最大値は、1 つ以上の生成された SMSメッセージに使用される。それ以上のバイトはパージされる

デフォルトでは、960 バイトが上限となる。これは MAX_MESSAGE_SIZE=960 に対応する。任意のバイト数を使用するには、値に 0 を指定する

使用されるバイト数の計算は、電子メールメッセージを Unicode から SMSC のデフォルト文字セットまたは UCS2 に変換してから行う。つまり、UCS2 を例にすると、UCS2 の各文字は、最低でも 2 バイト長であるため、MAX_MESSAGE_SIZE が 960 バイトだと、最高でも 480 文字しか確保できない

MAX_MESSAGE_SIZE オプションおよび MAX_PAGES_PER_MESSAGE オプションはどちらも生成される SMS メッセージ全体のサイズを制限するという同じ目的がある。たとえば MAX_MESSAGE_SIZE=960 かつ MAX_PAGE_SIZE=160 は、MAX_PAGES_PER_MESSAGE=6 を意味する。2 つの異なるオプションが存在することにより、SMS メッセージ 1 つあたりの最大サイズ MAX_PAGE_SIZE を考える必要なく、全体のサイズやページ数を制御できる。これは、チャネルオプションファイルでは重要ではないが、xxx (管理者ガイド) で説明する属性を扱う MAXPAGES または MAXLEN を使用する場合には重要となる。

さらに、MAX_MESSAGE_SIZEMAX_PAGE_SIZE * MAX_PAGES_PER_MESSAGE のどちらか小さい制限が使用されることに注意

MAX_PAGE_SIZE (整数、>=10)

単一の SMS メッセージにする最大バイト数。デフォルトでは、160 バイトが値として用いられる

MAX_PAGES_PER_MESSAGE (整数、1-255)

電子メールメッセージから生成される SMS メッセージの最大数。このオプションでは電子メールメッセージが切り捨てられ、MAX_PAGES_PER_MESSAGE 個のSMS メッセージに相当する部分だけが SMS メッセージに変換される。

デフォルトで MAX_PAGES_PER_MESSAGE は 1 よりも大きい値、または MAX_MESSAGE_SIZEMAX_PAGE_SIZE で割った値に設定される

ROUTE_TO

SMS メッセージを指定した IP ホスト名にルーティングする

SMSC_DEFAULT_CHARSET (文字列)

SMSC で使用されるデフォルトの文字セット。msg_svr_base/imta/confic/charsets.txt ファイルに記述された文字セット名が使用される。US-ASCII がデフォルト

電子メールの処理では、まずヘッダー行とテキストメッセージ部分がデコードされてから Unicode に変換される。次に、データが次のように SMCS のデフォルト文字セットまたは USC2 に変換される

  • 1 - 可能な限り、SMSC のデフォルト文字セットが使用される。元の電子メールメッセージに SMSC のデフォルト文字セットに含まれない文字がある場合は、UCS2 文字セットが使用される
  • 0 - 常に SMSC のデフォルト文字セットが使用される。その文字セットで利用できない文字は、代替的な表示になる (たとえば「AE」が連結した文字は「AE」となる)

USE_HEADER_FROM

SMS ソースアドレスを設定する

デフォルト : 0

USE_HEADER_PRIORITY (0 または 1)

電子メールヘッダーから優先度情報 (RFC822 Priority: ヘッダー行) を使用するかどうか制御する。デフォルトでは、Priority: ヘッダー行からの情報は、生成される SMS メッセージの優先度フラグを設定するために使用され、DEFAULT_PRIORITY で指定したデフォルトの SMS 優先度を上書きする。これは、USE_HEADER_PRIORITY=1 に相当する。RFC822 Priority: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_PRIORITY=0 を指定する

デフォルトは USE_HEADER_PRIORITY =1

SMS 優先度フラグの処理について詳細は、DEFAULT_PRIORITY オプションの説明を参照

USE_HEADER_REPLY_TO (0 または 1)

SMS ソースアドレスを生成するときの Reply-to: ヘッダー行の使用を制御する。SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 の場合、このオプションでは、Reply-to: または Resent-reply-to: ヘッダー行を SMS ソースアドレスとして使用するかどうかを制御する。デフォルトでは、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行は無視される。これはオプションの値 0 に相当する。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使う

RFC 2822 では、Reply-to: および Resent-reply-to: ヘッダー行の使用を廃止した。そのため、デフォルトは USE_HEADER_REPLY_TO=0 になっている

USE_HEADER_RESENT (0 または 1)

差出人の情報を生成するときの Resent-*: ヘッダー行の使用を制御する。SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 の場合、このオプションでは、Resent- ヘッダー行を SMS ソースアドレスとして使用するかどうかを制御する。デフォルトで Resent- ヘッダー行は無視される。これはオプションの値 0 に相当する。これらのヘッダー行を考慮するようにするには、オプションの値として 1 を使う

RFC 2822 では Resent- ヘッダー行の使用を廃止した。そのため、このオプションはデフォルトが 0 になっている

USE_HEADER_SENSITIVITY (0 または 1)

電子メールヘッダーからプライバシー情報 (RFC822 Sensitivity: ヘッダー行) を使用するかどうか制御する。デフォルトでは、Sensitivity: ヘッダー行からの情報は、生成される SMS メッセージのプライバシーフラグを設定するために使用され、DEFAULT_PRIVACY で指定したデフォルトの SMS プライバシーを上書きする。これがデフォルトで、USE_HEADER_SENSITIVITY=1 に相当する。RFC822 Sensitivity: ヘッダー行の使用を無効にするには、USE_HEADER_SENSITIVITY=0 を指定する

SMS プライバシーフラグの処理について詳細は、DEFAULT_PRIVACY オプションの説明を参照

USE_UCS2 (0 または 1)

適用可能なときは、UCS2 文字セットを SMS メッセージで使用するように指定する。デフォルトの動作は UCS2 文字セットの使用であり、これは USE_UCS2=1 に相当する。UCS2 文字セットの使用を無効にするには、USE_UCS2=0 を指定する。文字セットの問題について詳細は、SMSC_DEFAULT_CHARSET オプションの説明を参照

SMS Gateway Server オプション

「SMS Gateway Server オプション」は、ゲートウェイプロファイルを指定します。表 4-29 で、このオプションについて説明します。

表 4-29 SMS チャネルオプション : SMS Gateway Server オプション

オプション

説明

GATEWAY_PROFILE

SMS ゲートウェイサーバーの設定ファイル、sms_gateway.cnf で設定されたゲートウェイプロファイル名に一致する

SMS フィールド

SMS フィールドオプションでは、生成した SMS メッセージでの、SMS 特有のフィールドを制御します。表 4-28 ではこのオプションについて説明します。

表 4-30 SMS チャネルオプション : SMS フィールド 

オプション

説明

DEFAULT_DESTINATION_NPI (整数、0-255)

SMS 宛先アドレスのデフォルト NPI。デフォルトで、宛先アドレスには NPI (Numeric Plan Indicator) 値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の整数値を割り当てることができる。一般的な NPI 値は次のとおり

0不明
1ISDN (E.163、E.164)
3データ (X.121)
4テレックス (F.69)
6移動体通信 (E.212)
8国内
9プライベート
10ERMES
14IP アドレス (インターネット)
18WAP クライアント ID
>=19 未定義

このオプションの値は、次の 3 つのいずれかの方法で指定する

  • 10 進数値 (例 : 10)
  • プレフィックスに 0x を用いた 16 進数値 (例 : 0x0a)
  • 大文字小文字を区別しない次のテキスト文字列のどれか (かっこ内は関連付けられた 10 進数値) : data (3)、default (0)、e.163 (1)、e.212 (6)、ermes (10)、f.69 (4)、internet (14)、ip (14)、isdn (1)、land-mobile (6)、national (8)、private (9)、telex (4)、unknown (0)、wap (18)、x.121 (3)

DEFAULT_DESTINATION_TON (整数、0-255)

SMS 宛先アドレスのデフォルト TON。デフォルトで、宛先アドレスには TON (Type of Number) 指定子の値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の、代わりとなる整数値を割り当てることができる。一般的な TON 値は次のとおり

0不明
1国際
2国内
3ネットワーク固有
4加入者の番号
5英数字
6省略形
>=7未定義

このオプションの値は、次の 3 つのいずれかの方法で指定する

  • 10 進数値 (例 : 10)
  • プレフィックスに 0x を用いた 16 進数値 (例 : 0x0a)
  • 大文字小文字を区別しない次のテキスト文字列のどれか (かっこ内は関連付けられた 10 進数値) : abbreviated (6)、alphanumeric (5)、default (0)、international (1)、national (2)、network-specific (3)、subscriber (4)、munknown (0)

DEFAULT_PRIORITY (整数、0-255)

SMS メッセージのデフォルト優先度設定。すべての SMS メッセージには、必須の優先度フィールドがある。表 4-31 に、SMS 優先度の値の解釈を説明する

このオプションを使用すると、SMS メッセージに割り当てるデフォルトの優先度を指定できる。指定しない場合のデフォルトは、PROFILE=GSM および CDMA が優先度 0、PROFILE=TDMA が優先度 1

USE_HEADER_PRIORITY=1 および電子メールメッセージに RFC822 Priority: ヘッダー行がある場合は、そのヘッダー行で指定した優先度が代わりに使用されて、生成される SMS メッセージの優先度が設定される。特に、この結果は次のようになる

0SMS 優先度フラグは、常に DEFAULT_PRIORITY オプションに合うように設定される。RFC822 Priority: ヘッダー行は常に無視される

1 (デフォルト) 元の電子メールメッセージの RFC822 Priority: ヘッダー行が SMS メッセージの優先度フラグに設定される。このヘッダー行が存在しない場合、SMS 優先度フラグは DEFAULT_PRIORITY オプションを使用して設定される

RFC822 Priority: ヘッダー行を SMS 優先度フラグに変換する際に使用されるマッピングを表 4-32 で説明する

DEFAULT_PRIVACY (整数、-1、0-255)

SMS メッセージのデフォルトのプライバシー値。SMS メッセージにプライバシーフラグを設定するかどうか、および使用する値は、DEFAULT_PRIVACY、および USE_HEADER_SENSITIVITY オプションを使用して制御される。DEFAULT_PRIVACY のデフォルトは -1。

DEFAULT_PRIVACY および USE_HEADER_SENSITIVITY の値の組み合わせで得られる結果を表 4-33 で説明する。

プライバシー値の SMS による解釈は以下のとおり

  • 0制約なし
  • 1制限あり
  • 2機密
  • 3秘密
  • >=4未定義

Sensitivity: ヘッダー行の値を SMS プライバシーの値に変換するには、次のマッピングが用いられる

  • Personal1 (制限あり)
  • Private2 (機密)

DEFAULT_SERVICE_TYPE (文字列、055 バイト)

送信された SMS メッセージに関連する SMS アプリケーションサービス。デフォルトでは、指定されているサービスタイプはない (つまり、長さ 0 の文字列)。一般的なサービスタイプには、CMT (携帯メッセージング)、SPT (携帯ページング)、VMN (ボイスメール通知)、VMA (ボイスメールアラート)、WAP (ワイヤレスアプリケーションプロトコル)、USSD (Unstructured Supplementary Data Services) などがある

DEFAULT_SOURCE_ADDRESS (文字列、0-20 バイト)

電子メールメッセージから生成された SMS メッセージに使用される、デフォルトの SMS ソースアドレス。このオプションで指定した値は、SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 の場合、通常、電子メールメッセージの差出人アドレスで上書きされる。デフォルトは、ソースアドレスの指定なし (長さ 0 の文字列)

DEFAULT_SOURCE_NPI (整数、0-255)

SMS ソースアドレスのデフォルト NPI。デフォルトで、ソースアドレスには NPI 値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の、代わりとなる整数値を割り当てることができる。一般的な NPI 値の一覧については、DEFAULT_DESTINATION_NPI オプションの説明を参照

DEFAULT_SOURCE_TON (整数、0-255)

SMS ソースアドレスのデフォルト TON。デフォルトで、ソースアドレスには TON 指定子の値 0 が割り当てられている。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の、代わりとなる整数値を割り当てることができる。一般的な TON 値の一覧については、DEFAULT_DESTINATION_TON オプションの説明を参照

DEFAULT_VALIDITY_PERIOD (文字列、0-252 バイト)

SMS メッセージのデフォルト有効期間。このオプションでは、さまざまな相対的な有効期間を指定する。デフォルトでは、SMS メッセージには相対的な有効期間はなく、SMSC のデフォルト値を使用する。値は秒、分、時、または日単位で指定できる

nnn暗黙的に単位は秒。例 : 604800
nnns単位は秒。例 : 604800s
nnnm単位は分。例 : 10080m
nnnh単位は時。例 : 168h
nnnd単位は日。例 : 7d

00s0m0h、または 0d は、仕様上、SMSC のデフォルト有効期間を選択するために使用される。つまり、00s0m0h、または 0d が使用されると、生成された SMS メッセージの有効期間として、空の文字列が指定される

このオプションは UTC 形式の値は使用できない

DEFAULT_ADDRESS_NUMERIC (0 または 1)

宛先 SMS アドレスを文字 0-9 だけに減らす。このオプションでは、電子メールのエンベロープ To: アドレスから抽出した SMS 宛先アドレスの数字以外の文字を取り除く。たとえば、エンベロープ To: アドレスが次の場合

"(800) 555-1212"@sms.siroe.com

このアドレスは次のように短くなる

8005551212@sms.siroe.com

このような削除を有効にするには、このオプションの値に 1 を指定する。デフォルトでは無効になっており、これはオプションの値 0 に相当する。有効にすると、宛先アドレスのプレフィックスが DESTINATION_ADDRESS_PREFIX オプションで追加される前に、この削除が実行される

DESTINATION_ADDRESS_PREFIX (文字列)

宛先 SMS アドレスのプレフィックスとして使用するテキスト文字列。場合によっては、すべての SMS 宛先アドレスに固定テキスト文字列 (たとえば「+」) のプレフィックスを付ける必要がある。このオプションを使用すると、そのようなプレフィックスを指定することができる。プレフィックスは、指定したプレフィックスが付けられていない SMS 宛先アドレスに追加される。DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC オプションによって削除されるのを防ぐには、このオプションを DESTINATION_ADDRESS_NUMERIC オプションの後で適用する

PROFILE (文字列)

SMSC で使用される SMS プロファイルを指定する。取りうる値は、GSMTDMA、および CDMA。指定しない場合は、GSM であるとみなされる。このオプションは、DEFAULT_PRIORITYDEFAULT_PRIVACY など他のチャネルオプションのデフォルトを選択するためだけに使用する

SET_SMS_SOURCE_ADDRESS (0 または 1)

SMS ソースアドレスに電子メールメッセージの差出人アドレスを設定する。このオプションを使用すると、SMS ソースアドレスの TON に英数字 (0x05) が設定され、SMS ソースアドレスが電子メールメッセージから抽出した差出人アドレスとなる。電子メールメッセージには差出人アドレスが多く設定されている場合があるため、選択するアドレスは、直接返信する可能性の高いアドレスにする。つまり、表 4-34 に示す 7 つのヘッダー行から 1 つを選択する。この表は、望ましい順番に並べてある

選択したアドレスは、そのローカル部分とドメイン部分とに減らされ、ソースルート、フレーズ、コメントなどはアドレスから削除される。さらに、短くなったアドレスの長さが 20 バイトを超える場合は、20 バイトに切り捨てられる

適したヘッダー行が 7 つのうちにない場合は、DEFAULT_SOURCE_ADDRESS オプションで指定したデフォルトのソース SMS アドレスが代わりに使用される。この場合、TON は DEFAULT_SOURCE_TON ごとに設定される

このオプションを有効にするには SET_SMS_SOURCE_ADDRESS=1 と指定する。このオプションはデフォルトで有効になっている

USE_SAR (0 または 1)

SMS sar_ フィールドを使用して、複数の SMS メッセージに順番を付ける。十分に大きな電子メールメッセージは、複数の SMS メッセージに分割する必要がある。このとき、SMS sar_ フィールドを使用すると、個別の SMSM メッセージに順番の情報を付加することができる。これにより、「セグメント化された」SMS メッセージが生成され、受信端末で単一の SMS メッセージに再組立することができる。USE_SAR=1 を指定すると、可能な場合にこの順番情報が付加される。デフォルトでは順番情報を付加しない。これは USE_SAR=0 に相当する

USE_SAR=1 と指定すると、REVERSE_ORDER オプションは無視される

表 4-31 に、DEFAULT_PRIORITY オプションの優先度フィールドの解釈を示します。

表 4-31 DEFAULT_PRIORITY の優先度フィールド 

GSM

TDMA

CDMA

0

優先でない

バルク

Normal

1

優先

Normal

インタラクティブ

2

優先

Urgent

Urgent

3

優先

Urgent

緊急

表 4-32 に、DEFAULT_PRIORITY オプションで Priority: ヘッダー行の値を SMS 優先度フラグに変換する際に使用されるマッピングを説明します。

表 4-32 優先度フラグのマッピング 

RFC 822

SMS 優先度フラグ

Priority: の値

GSM

TDMA

CDMA

Third

優先でない (0)

バルク (0)

標準 (0)

Second

優先でない (0)

バルク (0)

標準 (0)

Non-urgent

優先でない (0)

バルク (0)

標準 (0)

Normal

優先でない (0)

標準 (1)

標準 (0)

Urgent

優先 (1)

速達 (2)

速達 (2)

DEFAULT_PRIVACY および USE_HEADER_SENSITIVITY の値の組み合わせで得られる結果を表 4-33 で説明します。

表 4-33 DEFAULT_PRIVACY と USE_HEADER_SENSITIVITY の値による結果 

DEFAULT_PRIVACY

USE_HEADER_SENSITIVITY

結果

1

0

SMS プライバシーフラグは SMS メッセージに設定されない

n >= 0

0

SMS プライバシーフラグは常に値 n で設定される。RFC822 Sensitivity: ヘッダー行は常に無視される

-1 (デフォルト)

1 (デフォルト)

SMS メッセージのプライバシーフラグは、元の電子メールメッセージに RFC822 Sensitivity: ヘッダー行がある場合だけ設定される。この場合、SMS プライバシーフラグは、Sensitivity: ヘッダー行の値に対応するように設定される。これがデフォルト

n >= 0

1

SMS メッセージのプライバシーフラグは、元の電子メールメッセージの RFC822 Sensitivity: ヘッダー行に対応するように設定される。電子メールメッセージに Sensitivity: ヘッダー行がない場合は、SMS プライバシーフラグの値は n に設定される

SET_SMS_SOURCE_ADDRESS オプションで使用される 7 つのヘッダー行、その制約、および SMS ソースアドレスの TON (使用できる場合) について、望ましい順番で表 4-34 に示します。

表 4-34 SET_SMS_SOURCE_ADDRESS ヘッダーの制約 

電子メールメッセージのフィールド

制約

TON

1. Resent-reply-to:

USE_HEADER_RESENT=1 および USE_HEADER_REPLY_TO=1 が必要

 

2. Resent-from:

USE_HEADER_RESENT=1 が必要

 

3. Reply-to:

USE_HEADER_REPLY_TO=1 が必要

0x05

4. From:

 

 

5. Resent-sender:

USE_HEADER_RESENT=1 が必要

 

6. Sender:

 

 

7.エンベロープ From:

 

 

8. DEFAULT_SOURCE_ADDRESS

最後の手段として使用 (つまり、エンベロープ From: アドレスが空の場合)

DEFAULT_SOURCE_TON ごとに

SMPP プロトコル

SMPP プロトコルオプションは、TCP/IP 上の SMPP プロトコルの使用と関連付けされています。文字列 ESME_ で始まる名前のオプションは、MTAが External Short Message Entity (ESME) として動作するときに MTA を特定するために使用します。つまりそれは、SMS メッセージをサーバーに関連付けされた SMSC に送信するために、MTA が SMPP サーバーにバインドされているときです。表 4-35 ではこのオプションについて説明します。

表 4-35 SMS チャネルオプション : SMPP プロトコル 

オプション

説明

ESME_ADDRESS_NPI (整数、0-255)

SMPP サーバーにバインドする時期を指定する ESME NPI。デフォルトでは、バインド操作で ESME NPI 値 に不明 NPI を表す 0 を指定する。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができる。一般的な NPI 値の表については、DEFAULT_DESTINATION_NPI オプションの説明を参照

ESME_ADDRESS_TON (整数、0-255)

SMPP サーバーにバインドする時期を指定する ESME TON。デフォルトでは、バインド操作で ESME TON 値 に 0 を指定する。このオプションを使用すると、0 から 255 までの範囲の代替整数値を割り当てることができる。一般的な TON 値の表については、DEFAULT_DESTINATION_TON オプションの説明を参照

ESME_IP_ADDRESS (文字列、0-15 バイト)

Messaging Server を実行しているホストの IP アドレス。SMPP サーバーにバインドするとき、バインド PDU は、クライアント (つまり ESME) のアドレス範囲が IP アドレスであることを示す。これは、TON に 0x00、NPI に 0x0d を指定して行う。アドレス範囲フィールドの値は、SMS チャネルを実行するホストの IP アドレスに設定される。IP アドレスは「127.0.0.1」のように、ドット付きの 10 進形式で指定する

ESME_PASSWORD (文字列、0-9 バイト)

SMPP サーバーにバインドするときに指定するパスワード。パスワードが必要な場合は、このオプションで指定する。デフォルトでは、長さ 0 のパスワード文字列が指定されている

ESME_SYSTEM_ID (文字列、0-15 バイト)

バインド時に SMSC に指定するシステム ID。パスワードが必要な場合は、このオプションで指定する。デフォルトでは、長さ 0 のパスワード文字列が指定されている

ESME_SYSTEM_TYPE (文字列、0-12 バイト)

バインド時に SMSC に指定する MTA のシステムタイプ。デフォルトでは、指定されているシステムタイプはない (つまり、長さ 0 の文字列を使用)

MAX_PAGES_PER_BIND (整数、>=0)

SMPP サーバーとのシングルセッション中に送信される SMS メッセージの最大数。SMPP サーバーによっては、バインドされたシングルセッション中に送信される SMS メッセージの最大数を制限している場合がある。このため、このオプションではシングルセッション中に送信される SMS メッセージの最大数について、規定することができる。上限に達すると、チャネルのバインドが解除される。そして TCP/IP 接続が閉じてから再接続し、再バインドされる

MAX_PAGES_PER_BIND のデフォルトは 1024。また、チャネルが ESME_RTHROTTLED エラーを検出すると、それに応じて、チャネルの単独実行中に MAX_PAGES_PER_BIND が調整される

REVERSE_ORDER (0 または 1)

複数部分からなる SMS メッセージの転送順序。電子メールメッセージから複数の SMS メッセージを生成したら、その SMS メッセージを正順 (REVERSE_ORDER=0) に送信することも、逆順 (REVERSE_ORDER=1) に送信することもできる。受信端末が最後に受信したメッセージから先に表示するような場合は、逆順が便利である。そのような場合、最後に受信したメッセージは、電子メールの末尾部分ではなく、先頭部分になる。デフォルトでは REVERSE_ORDER=1 が使用される

このオプションは USE_SAR=1 が指定されているときは無視される

SMPP_MAX_CONNECTIONS (整数、1-50)

プロセスごとの同時 SMPP サーバー接続最大数。それぞれの接続には関連付けされたスレッドがあるが、このオプションでは、プロセスごとの「ワーカー」スレッドの最大数も制限する。デフォルトは SMPP_MAX_CONNECTIONS=20.

SMPP_PORT (整数、1-65535)

SMPP サーバーがリッスンする TCP ポート。TCP ポートは、このオプションか port チャネルキーワードのどちらかで指定する。このポート番号は、それら 2 つのメカニズムのどちらかで指定する必要がある。両方のメカニズムで指定した場合は、SMPP_PORT オプションによる設定が優先される。このオプションのデフォルト値はない

SMPP_SERVER (文字列、1-252 バイト)

接続先の SMPP サーバーのホスト名。デフォルトでは、接続先 SMPP サーバーの IP ホスト名は、チャネルに関連付けされた公式なホスト名。これは、MTA 設定のチャネル定義の 2 行目にあるホスト名のことである。このオプションは、別のホスト名や IP アドレスを指定して、チャネル定義で指定された内容を上書きするために使用される。指定する IP アドレスは「127.0.0.1」のように、ドット付きの 10 進表記で指定する

TIMEOUT (整数、>=2)

SMPP サーバーの読み書き動作完了までのタイムアウト値。デフォルトでは、SMPP サーバーへのデータの「書き込み」完了までの待機や、SMPP サーバーからデータを受信するまでの待機で、タイムアウト値に 30 秒が使用される。別のタイムアウト値 (秒) を使用するときは、TIMEOUT オプションを使用する。指定する値は 2 秒以上でなければならない

他言語対応

他言語対応オプションでは、SMS メッセージに挿入されるテキストフィールドをローカライズできます。表 4-36 ではこのオプションについて説明します。SMS メッセージの作成で、SMS チャネルには、メッセージに使用される多くの固定テキスト文字列があります。これらの文字列は、たとえば電子メールの From: アドレスや Subject: ヘッダー行に使用されます。これから説明するチャネルオプションを使用すると、多くの文字列をさまざまな言語や、指定したチャネルのデフォルト言語で指定できます。オプションファイルのこの部分は、次のようになっています

LANGUAGE=default-language

[language=i-default]
FROM_PREFIX=From:
SUBJECT_PREFIX=Subj:
CONTENT_PREFIX=Msg:
LINE_STOP=
NO_MESSAGE=[no message]
REPLY_PREFIX=Re:

[language=en]
FROM_PREFIX=From:
SUBJECT_PREFIX=Subj:
CONTENT_PREFIX=Msg:
LINE_STOP=
NO_MESSAGE=[no message]
REPLY_PREFIX=Re:
...

それぞれの [language=x] ブロックでは、その言語に関するローカライズオプションを指定します。ブロック内の特定のオプションが指定されていない場合は、そのオプションのグローバル値が使用されます。[language=x] ブロックの外で指定されたローカライズオプションが、そのオプションのグローバル値になります。

これから示すオプションでは、文字列値を US-ASCII または UTF-8 文字セットで指定する必要があります。US-ASCII 文字セットは、UTF-8 文字セットの特殊な場合です。

表 4-36 SMS チャネルオプション : 他言語対応 

オプション

説明

CONTENT_PREFIX (文字列、0-252 バイト)

電子メールメッセージの内容自体の前に SMS メッセージに入れるテキスト文字列。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「Msg:

DSN_DELAYED_FORMAT

配信遅延通知の文字列の書式を設定する

DSN_FAILED_FORMAT

配信遅延失敗の文字列の書式を設定する

DSN_RELAYED_FORMAT

リレー通知の文字列の書式を設定する

DSN_SUCCESS_FORMAT

成功した配信通知の文字列の書式を設定する

FROM_FORMAT (文字列、0-252 バイト)

電子メールメッセージの差出人を表すテキスト。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「$a」で、差出人の電子メールアドレスに置換される

FROM_NONE (文字列、0-252 バイト)

表示する差出人アドレスがない場合に表示するテキスト。デフォルトのグローバル値は空の文字列

一般に、差出人アドレスのない電子メールメッセージはサイトが拒否するため、通常、このオプションは使用しない

LANGUAGE (文字列、0-40 バイト)

テキストフィールドを選択する言語グループ。指定しない場合、ホストのデフォルトロケール設定に基づいて言語が選択される。ホストのロケール設定が利用できない場合や、「C」に対応する場合は、i-default が使用される。i-default は、「国際的な対象者を意図した英文テキスト」に相当する

LINE_STOP (文字列、0-252 バイト)

電子メールメッセージから抽出した各行の末尾に使用されるテキスト。デフォルトのグローバル値は US-ASCII の空白文字。

NO_MESSAGE (文字列、0-252 バイト)

メッセージに内容がないことを表すテキスト。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「[no message]

REPLY_PREFIX (文字列、0-252 バイト)

将来のバージョンで使用するために予約。デフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「Re:

SUBJECT_FORMAT (文字列、0-252 バイト)

SMS メッセージに表示される Subject: ヘッダー行の内容の形式を整えるための書式かテンプレート。このオプションのデフォルトのグローバル値は US-ASCII 文字列「($s)」

Subject: ヘッダー行がない場合や、空の文字列である場合の処理については、SUBJECT_NONE オプションを参照

SUBJECT_NONE (文字列、0-252 バイト)

電子メールメッセージの件名が存在しない場合や、Subject: ヘッダー行の値が空文字列の場合に表示するテキスト。このオプションのデフォルトのグローバル値は空の文字列

その他

デバッグ : 詳細なデバッグ出力を可能にします。



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