Identity Manager のデータは、アクセスパターン、カーディナリティー、有効期間、データの変更頻度などの点で類似したプロパティーを持つクラスにほぼ分類できます。リポジトリのテーブルセットに対応しているクラスは、次のとおりです。
エクスポートキューデータ「エクスポートキューデータ」
ユーザーデータは、ユーザーオブジェクトから構成されます。
管理対象 ID ごとにオブジェクトがあるため、このデータはかなり大きくなることが予想されます。大部分の演算は既存オブジェクトを更新したものになるため、最初に生成してからは、作成されるものはあまりないはずです。
ユーザーオブジェクトは有効期間が長いものが多く、削除される確率は比較的低くなります。
ユーザーデータは、USEROBJ テーブル、USERATTR テーブル、および USERCHANGE テーブルに格納されます。
ロールデータは、ビジネスロール、IT ロール、アプリケーション、アセットなどのロールのサブタイプを含む Role オブジェクトから構成されます。
ロールデータは組織データと似ており、お客様が Identity Manager を配備した後、このオブジェクトは比較的固定されます。
ただし、権限ロールセットがある外部ソースと一体化した配備は例外です。たとえば、一体化型にすると Identity Manager にロール変更の入力が必要になり、Identity Manager の Role データが変動しやすくなります。
(複数のユーザーが各ロールを共有しているとすれば) ロールオブジェクト数は、ユーザーなどの ID オブジェクト数よりも少ないと言えますが、これは企業のロール定義の仕方によって異なります。
ロールデータは、ROLEOBJ テーブル、ROLEATTR テーブル、および ROLECHANGE テーブルに格納されます。
アカウントデータは、Account Index のアカウントオブジェクトからのみ構成されます。
ユーザーデータと同様、既知のリソースアカウントごとにオブジェクトがあるため、アカウントデータは大きくなりがちです。アカウントオブジェクトは、一般的に有効期間が長く、削除される確率は比較的低く、最初に生成されてからは、作成されることはあまりありません。ネイティブアカウントの追加や削除を頻繁に行わない限り、またはネイティブ変更の検出を有効に設定しない限り、アカウントオブジェクトの変化はあまり発生しません。
Identity Manager は、アカウントデータを ACCOUNT テーブル、 ACCTATTR テーブル、および ACCTCHANGE テーブルに格納します。
コンプライアンス違反データには、監査ポリシーの評価に失敗した時期を表す違反レコードが記載されます。この違反レコードは、同じユーザーに対して同じ監査ポリシーが評価され、評価に合格するまで保持されます。違反レコードは、監査ポリシーのスキャンまたはアクセスレビューの一環として作成、変更、または削除されます。
違反レコードの数は、スキャンで使用される監査ポリシー数とユーザー数に比例します。インストールユーザー数が 5000、監査ポリシー数が 10 とすると、違反レコードは 500 (5000 x 10 x 0.01) と考えられます。この乗数 0.01 は、ポリシーの厳密度とユーザーアカウントの変更の仕方によって変わります。
Identity Manager は、コンプライアンス違反レコードを OBJECT テーブル、ATTRIBUTE テーブル、および OBJCHANGE テーブルに格納します。
権限付与データは、コンプライアンスのアクセスレビューを実行する場合にのみ作成される、ユーザー権限付与オブジェクトから主に構成されます。
権限付与レコードは大きなバッチに作成され、最初の作成から (何日もかけて) ゆっくりと変更され、その後は手つかずのままになります。このレコードは、アクセスレビューが削除されてから削除されます。
Identity Manager は、権限付与データをENTITLE テーブル、ENTATTR テーブル、および ENTCHANGE テーブルに格納します。
組織データは、オブジェクトグループまたは組織オブジェクトから構成されます。
オブジェクトグループデータは構成データと似ており、このデータは配備された後は比較的固定されます。一般的に、タスクオブジェクトと比べたり、ユーザーやアカウントなどの ID オブジェクトと比べるとオブジェクト数は (定義されている組織を単位とすると) 少ないですが、ほかの構成オブジェクトと比べるとこの数の方が多くなることがあります。
組織データは、ORG, ORGATTR テーブルと ORGCHANGE テーブルに格納されます。
タスクデータは、状態と結果データを含むタスクとワークフローに関するオブジェクトから構成されます。
オブジェクトが高速で作成、変更、および削除されるため、これらのテーブルにあるこのデータの有効期間は、ほかのクラスと比べると短いです。このテーブルのデータ量は、使用システムの動作量に比例します。
タスクデータは、TASK テーブル、TASKATTR テーブル、TASKCHANGE およびテーブルに格納されます。
構成データは、フォーム、ロール、ルールなどの Identity Manager のシステム構成に関するオブジェクトから構成されます。
構成データの特徴は、一般的に次のとおりです。
ほかのクラスと比べると比較的小さい。
変更は配備中とアップグレード中にのみ、大きいバッチで行われる。
配備された後は、あまり変更されることがない。
Identity Manager は、構成データを ATTRIBUTE テーブル、OBJCHANGE テーブル、および OBJECT テーブルに格納します。
データのエクスポートを有効に設定すると、レコードの中には、エクスポートタスクがレコードをデータウェアハウスに書き込むまで、Identity Manager のキューに入れられるものがあります。キューに入れられるレコードの数は、データエクスポートの構成と、キューの中のすべての型に対するエクスポート間隔と相関関係にあります。
デフォルトでキューに入れられるデータ型は次のとおりです。これ以外のデータ型はすべてキューに入れられません。
ResourceAccount
WorkflowActivity
TaskInstace
WorkItem
これらのテーブルのレコード数は、エクスポートタスクがキューを排出するまで増えます。最新のテーブルサイズは、JMX TM Bean から表示できます。
このテーブルに追加されたレコードは、変更されることがありません。これらのレコードは、調整、プロビジョニング、ワークフローの実行など、ほかの Identity Manager 動作中に書き込まれます。このデータエクスポータがタスク実行をエクスポートすると、タスクがテーブルを排出します。
Identity Manager は、エクスポートキューデータレコードを QUEUE テーブル、QATTR テーブル、および QCHANGE テーブルに格納します。
ログデータは、監査オブジェクトとエラーログオブジェクトから構成されます。ログデータは 1 度限り書き込めるので、新規の監査オブジェクトとエラーログオブジェクトは作成できても、これらのオブジェクトを変更することはできません。
ログデータは明示的要求によってのみ消去できるため、ログデータの有効期間は非常に大きくなりがちです。ログデータに頻繁にアクセスするかどうかは、属性テーブル内ではなくオブジェクトテーブル内に格納されている属性によって決まります。ログに対する属性値の分布もクエリーも、具体的には Identity Manager の使い方によって決まります。
たとえば、ログテーブル内の属性値の分布は、次によって決まります。
どの種類の変更が加えられたか。
どちらの Identity Manager インタフェースから変更が加えられたか。
どのオブジェクト型が変更されたか。
ログテーブルに対するクエリーのパターンは、お客様がそのログテーブルに対して実行する Identity Manager レポート、カスタムレポート、または外部データマイニングのクエリーによっても異なります。
Identity Manager は、監査ログレコードを LOG テーブルと LOGATTR テーブルに、そしてエラーログレコードを SYSLOG テーブルと SLOGATTR テーブルに格納します。このデータには、対応する変更テーブルがありません。