Sun Identity Manager 8.1 システム管理者ガイド

「ゲートウェイデバッグ」ページからトレースを設定する方法

Identity Manager で Windows アカウントの問題をデバッグするには、「ゲートウェイデバッグ」ページ(Gateway.jsp) またはコマンドラインから有効にします。

次に、この手順について説明していきます。

「ゲートウェイデバッグ」ページから

ゲートウェイにアクセスできない場合は、「ゲートウェイデバッグ」ページ (Gateway.jsp) から、トレースを有効にします。このデバッグページから、ゲートウェイトレースファイルを指定して検索することができます。

Procedureトレースを有効にする

  1. Identity Manager 管理者インタフェースにログインします。

  2. この「ゲートウェイデバッグページ」を開くには、ブラウザに次の URL を入力します。

    http://host :port/idm/debug/Gateway.jsp

  3. 「ゲートウェイリソースリスト」から、トレースするリソースを選択します。

  4. 必要に応じて、今までの設定を修正します。

    設定を修正するには、次のボタンをクリックします。

    • 「バージョンの取得」。ゲートウェイを実行中のマシンのゲートウェイバージョンとオペレーティングシステムのバージョンを返します。

    • 「トレースファイルの取得」。トレースファイルのコンテンツを返します。

    • 「トレースパラメータの取得」。トレースファイルのパス、トレースレベル、およびトレースファイルの最大サイズを返します。

    • 「トーレスパラメータの設定」。以上のオプションについては、「トレース設定オブジェクトを新規作成する」を参照してください。

    • 「ロードされたモジュールの取得」。ゲートウェイで使用中のモジュール (DLL) のロードアドレスを返します。

    「ロードしたモジュールの取得」リストはロードアドレスから構成され、その後にモジュール名が続き、ロードされたモジュールだけが記載されます。このリストには、呼び出されずに遅延してロードされたモジュールは記載されません。

    「ロードしたモジュールの取得」オプションは、Active Directory と Domino にのみ対応しています。

コマンドラインから

幅広いオプションを使用するには、コマンドラインからのトレースを有効にすると便利です。

Procedureトレースを有効にする

  1. コマンドウィンドウを開きます。

  2. 必要なトレースのコマンド引数を指定して、ゲートウェイを起動します。

    ゲートウェイをトレースするコマンドライン引数は、次の表のとおりです。

    引数 

    説明 

    -f 

    トレースファイルへのパスを指定します。 

    -l 

    次のトレースレベルを指定します。 

    • レベル 0。トレースを無効にします。(デフォルト)

    • レベル 1。コンポーネント間のコントロールのフローをトレースし、高度な関数的メソッドからのエントリと終了を含む「精度の低い」トレースポイントを通常は定義します。

    • レベル 2。すべてのメソッドからのエントリと終了を含む「精度の中程度な」トレースポイント、および高度な機能メソッドの情報トレースポイントとデータトレースポイントを通常は定義します。レベル 2 は、各コンポーネント内、主要な決定ポイント内、および情報項目内のフローを追加します。

    • レベル 3。すべてのメソッドからのエントリと終了を含む「精度の高い」トレースポイント、高度な機能メソッドの情報トレースポイントとデータトレースポイント、および重要なサブルーチンを通常は定義します。レベル 3 は、低度の決定ポイントと情報項目を追加します。

    • レベル 4。ほかのトレースレベルでトレースされたものすべてを含み、「極めて精度の高い」トレースポイントを通常は定義します。レベル 4 は非常に低度でトレースし、ほとんど必要とされなくても一部のコンポーネントの複雑な動作を特徴付けるには役立つ精度のレベルを表示します。注意: すべてのコンポーネントがレベル 4 をサポートしているわけではありません。

      オーバーヘッドが追加されるため、取得メソッドと設定メソッドなどの簡易メソッドには通常、エントリまたは終了トレースポイントがありません。

    -m 

    トレースファイルの最大サイズを KB 単位で指定します。 

    トレースファイルが -m KB に到達すると、Identity Manager が現トレースファイルを閉じ、既存のバックアップファイルがあれば削除し、現トレースファイルを -f 引数で指定した名前に変更して .bk を付与し、-f 引数名が付いた新しいトレースファイルを開きます。

    たとえば、コマンドラインに -f beeble.trc を指定すると、-m KB が記録されてから以降は次の 2 ファイルが生成されます。

    beeble.trc.bk

    beeble.trc

    ここで beeble.trc には、最新のトレースが格納されます。

    使用状況: gateway -f name -l -m

    例を示します。


    cd %WSHOME%\bin\winnt
    gateway -d -p 11319 -f %CD%\gateway.trc -l 2 -m 500

    上記の呼び出しにより、次の特性を備えたゲートウェイが起動します。

    • -d – 通常アプリケーションを使用 (サービス以外)

    • -p 11319 – ポート 11319 を使用

      ゲートウェイリソースには、Identity Manager のリソース設定からこのポートを設定しておく必要があります。たとえば、Active Directory リソースの場合

    • -f %CD%\gateway.trc – トレース出力の書き込み先となるディレクトリ。Identity Manager は、このディレクトリのトレース出力をテキストファイルに書き込みます。

    • -l 2 – ゲートウェイトレースの出力レベル 2。

    • -m – トレースのログファイルの最大サイズ (KB 単位)。


    注 –

    指定されていれば、次回ゲートウェイをコマンドラインからまたはサービスとして実行したときに同じ値が使用されるように、Identity Manager が -f 値、-l 値、および -m 値をレジストリに保存します。

    Identity Manager はゲートウェイのトレース出力をコンソールおよびトレースファイルに送信します。