Sun GlassFish Enterprise Server v3 管理ガイド

データベースの設定

多くのアプリケーションは、リレーショナルデータベースを使用してデータを保存、編成、および取得します。アプリケーションは、JDBC (JavaTM Database Connectivity) API を通してリレーショナルデータベースにアクセスします。

ここでは、次のテーマを取り上げます。

Procedureデータベースおよびデータベースドライバをインストールする

  1. サポートされたデータベース製品をインストールします。

    Enterprise Server でサポートされているデータベース製品の最新のリストを確認するには、『Sun GlassFish Enterprise Server v3 リリースノート』を参照してください。

  2. データベース製品用のサポートされている JDBC ドライバをインストールします。

    Enterprise Server でサポートされているドライバのリストについては、「JDBC ドライバに固有の構成」を参照してください。

  3. ドメイン管理サーバー (DAS) が JDBC ドライバの JAR ファイルにアクセスできるようにします。

    「JDBC ドライバの統合」を参照してください。

  4. データベースを作成します。

    通常はアプリケーションプロバイダが、データベースを作成しデータを生成するためのスクリプトを提供しています。

Procedureデータベースを起動する

Enterprise Server には、Java DB (以前の名称は Derby) の実装が含まれていますが、JDBC に準拠した任意のデータベースも使用できます。データベースは Enterprise Server の起動時に自動では起動されません。したがって、データベースを必要とするアプリケーションを使用する場合は、start-database サブコマンドを使用して Java DB を手動で起動する必要があります。

  1. start-database(1) サブコマンドを使用して、データベースを起動します。

    データベースサーバーの起動時、またはクライアントがデータベースサーバーに正常に接続したときに、--dbhome オプションで指定された場所に次のファイルが作成されます。

    • derby.log ファイルには、データベースサーバープロセスのログが、標準出力および標準エラー情報とともに保存されます。

    • データベースのファイルには、使用するスキーマ (たとえば、データベース表) が保存されます。


例 14–1 データベースの起動

この例では、host1 というホストのポート 5001 で Derby を起動します。


asadmin> start-database --dbhost host1 --dbport 5001 --terse=true
Starting database in the background. 
Log redirected to /opt/SUNWappserver/databases/javadb.log.
Command start-database executed successfully.

参照

コマンド行に asadmin help start-database と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Procedureデータベースを停止する

ローカルの stop-database サブコマンドを使用して、指定したポートの Java DB を停止します。同一のホストのほかのポートで、複数のデータベースサーバープロセスが動作している場合があります。

  1. 必要に応じて、データベースを停止することをユーザーに通知します。

  2. stop-database(1) サブコマンドを使用して、データベースを停止します。


例 14–2 データベースの停止

この例では、localhost のポート 5001 で動作している Java DB を停止します。


asadmin> stop-database --dbhost=localhost --dbport=5001
onnection obtained for host: localhost, port number 5001.
Apache Derby Network Server - 10.2.2.1 - (538595) shutdown at 2008-10-17 23:34:2
7.218 GMT
Command stop-database executed successfully.

注意事項

ネットワーク間を移動するノートパソコンでは、データベースのシャットダウンに関して問題が発生する場合があります。Java DB を起動したあとに IP アドレスを変更した場合は、--dbhost 引数を指定しなければ Java DB を停止できません。たとえば、asadmin start-database --dbhost = 0.0.0.0 を実行したあと、Ethernet を切断してワイヤレス接続に切り替えた場合、データベースを停止するには次のようなコマンドを実行する必要があります。

asadmin stop-database --dbhost localhost

参照

コマンド行に asadmin help stop-database と入力して、このサブコマンドの完全な構文とオプションを確認することもできます。

Java DB ユーティリティースクリプト

Enterprise Server で利用できる Java DB の構成には、Java DB の使用に役立つスクリプトが含まれます。次のスクリプトが、as-install/javadb/frameworks/NetworkServer/bin ディレクトリに格納されています。

startNetworkServer、startNetworkServer.bat

ネットワークサーバーを起動するスクリプト

stopNetworkServer、stopNetworkServer.bat

ネットワークサーバーを停止するスクリプト

ij、ij.bat

対話式の JDBC スクリプト作成ツール

dblook、dblook.bat

データベースのすべてまたは一部の DDL を表示するスクリプト

sysinfo、sysinfo.bat

Java DB 環境に関するバージョン情報を表示するスクリプト

NetworkServerControl、NetworkServerControl.bat

NetworkServerControl API でコマンドを実行するスクリプト

ProcedureJava DB ユーティリティースクリプトを実行するための環境を設定する

  1. JAVA_HOME 環境変数が JDK のインストールディレクトリを指定していることを確認します。

  2. as-install/derby ディレクトリをポイントするように JAVADB_HOME 環境変数を設定します。

参照

これらのユーティリティーの詳細については、次のドキュメントを参照してください。