この節では、ゲストドメインへの仮想ディスクの追加、仮想ディスクオプションとタイムアウトオプションの変更、およびゲストドメインからの仮想ディスクの削除について説明します。仮想ディスクオプションの説明については、「仮想ディスクバックエンドオプション」 を参照してください。仮想ディスクのタイムアウトの説明については、「仮想ディスクのタイムアウト」 を参照してください。
仮想ディスクバックエンドをサービスドメインからエクスポートします。
# ldm add-vdsdev [options={ro,slice,excl}] [mpgroup=mpgroup] \ backend volume-name@service-name |
このバックエンドをゲストドメインに割り当てます。
# ldm add-vdisk [timeout=seconds] [id=disk-id] disk-name volume-name@service-name ldom |
id プロパティーを設定して、新しい仮想ディスクデバイスの ID を指定できます。デフォルトでは ID 値は自動的に生成されるため、OS で既存のデバイス名に一致させる必要がある場合に、このプロパティーを設定します。「仮想ディスクの識別子とデバイス名」 を参照してください。
バックエンドは、ゲストドメイン (ldom) がバインドされたときに、実際にサービスドメインからエクスポートされ、ゲストドメインに割り当てられます。
仮想ディスクバックエンドは、同じ仮想ディスクまたは別の仮想ディスクサーバーのいずれかを介して複数回エクスポートできます。仮想ディスクバックエンドのエクスポートされたインスタンスは、それぞれ同じゲストドメインまたは別のゲストドメインのいずれかに割り当てることができます。
仮想ディスクバックエンドを複数回エクスポートする場合は、排他 (excl) オプションを指定してエクスポートしないでください。excl オプションを指定すると、バックエンドのエクスポートは 1 回のみ許可されます。ro オプションを指定すると、バックエンドは読み取り専用デバイスとして問題なく複数回エクスポートできます。
仮想ディスクバックエンドが複数回エクスポートされる際は、ゲストドメインで動作中のアプリケーションおよびその仮想ディスクを使用中のアプリケーションが、同時の書き込みアクセスを調整および同期化して、データの一貫性を確保する役割を果たします。
次の例では、同じ仮想ディスクサービスを介して 2 つの異なるゲストドメインに同じ仮想ディスクを追加する方法について説明します。
次のコマンドを使用して、サービスドメインから仮想ディスクバックエンドを 2 回エクスポートします。
# ldm add-vdsdev [options={ro,slice}] backend volume1@service-name # ldm add-vdsdev -f [options={ro,slice}] backend volume2@service-name |
2 つめの ldm add-vdsdev コマンドでは、-f オプションを使用して、バックエンドの 2 回目のエクスポートを強制実行します。両方のコマンドに同じバックエンドパスを使用する場合や、仮想ディスクサーバーが同じサービスドメインに存在する場合に、このオプションを使用します。
次のコマンドを使用して、エクスポートされたバックエンドを各ゲストドメインに割り当てます。
ldom1 と ldom2 には、異なる disk-name を指定できます。
# ldm add-vdisk [timeout=seconds] disk-name volume1@service-name ldom1 # ldm add-vdisk [timeout=seconds] disk-name volume2@service-name ldom2 |
サービスドメインからバックエンドがエクスポートされたあとに、次のコマンドを使用して仮想ディスクオプションを変更できます。
# ldm set-vdsdev options=[{ro,slice,excl}] volume-name@service-name |
仮想ディスクがゲストドメインに割り当てられたあとに、次のコマンドを使用して仮想ディスクのタイムアウトを変更できます。
# ldm set-vdisk timeout=seconds disk-name ldom |