『Solaris ボリュームマネージャの管理』では、 SolarisTM ボリュームマネージャを使用してシステムに必要な記憶装置を管理する方法について説明します。Solaris ボリュームマネージャを使用すると、RAID-0 (連結方式とストライプ方式) ボリューム、RAID-1 (ミラー) ボリューム、 RAID-5 ボリューム、およびソフトパーティションを作成、変更、および使用できます。
このリリースでは、SPARC® および x86 系列のプロセッサアーキテクチャー (UltraSPARC®、SPARC64、AMD64、Pentium、Xeon EM64T) を使用するシステムをサポートします。サポートされるシステムについては、Solaris 10 Hardware Compatibility List (http://www.sun.com/bigadmin/hcl) を参照してください。本書では、プラットフォームにより実装が異なる場合は、それを特記します。
本書の x86 に関連する用語については、以下を参照してください。
「x86」は、64 ビットおよび 32 ビットの x86 互換製品系列を指します。
「x64」は、AMD64 または EM64T システムに関する 64 ビット特有の情報を指します。
「32 ビット x86」は、x86 をベースとするシステムに関する 32 ビット特有の情報を指します。
サポートされるシステムについては、Solaris 10 Hardware Compatibility List を参照してください。
システムおよび記憶装置の管理者は、本書で下記の内容を学ぶことができます。
Solaris ボリュームマネージャがサポートする作業
Solaris ボリュームマネージャを使用して、より信頼性が高くアクセスしやすいデータを提供する方法
本書は、次のように構成されています。
第 1 章「Solaris ボリュームマネージャで行う作業の概要」では、本書で説明する概念や作業の詳細な「ロードマップ」を示します。この章によって、このマニュアルの内容全体を理解できます。
第 2 章「記憶装置管理の概念」では、記憶装置の管理にまだ精通していない読者のために、その一般的な概念を紹介します。
第 3 章「Solaris ボリュームマネージャの概要」では、Solaris ボリュームマネージャについて説明します。この章では、この製品に関連する重要な概念とともに、Solaris ボリュームマネージャの各種ツールの利用方法について説明します。
第 4 章「Solaris Volume Manager for Sun Cluster (概要)」では、複数所有者ディスクセット について紹介します。複数所有者ディスクセットにより、SunTM Cluster 環境で Solaris ボリュームマネージャを拡張することができます。
第 5 章「Solaris ボリュームマネージャの構成と使用」では、このマニュアル全体で使用する記憶装置の構成例を示します。これは、Solaris ボリュームマネージャ 製品を理解しやすくするための事例です。
第 6 章「状態データベース (概要)」では、状態データベースと状態データベースの複製に関連する概念について説明します。
第 7 章「状態データベース (作業)」では、状態データベースと状態データベースの複製に関連する作業の実行方法について説明します。
第 8 章「RAID-0 (ストライプ方式および連結方式) ボリューム (概要)」では、RAID-0 (ストライプ方式と連結方式) ボリュームに関連する概念について説明します。
第 9 章「RAID-0 (ストライプ方式および連結方式) ボリューム (作業)」では、RAID-0 (ストライプ方式と連結方式) ボリュームに関連する作業の実行方法について説明します。
第 10 章「RAID-1 (ミラー) ボリューム (概要)」では、RAID-1 (ミラー) ボリュームに関連する概念について説明します。
第 11 章「RAID-1 (ミラー) ボリューム (作業)」では、RAID-1 (ミラー) ボリュームに関連する作業の実行方法について説明します。
第 12 章「ソフトパーティション (概要)」では、Solaris ボリュームマネージャのソフトパーティション機能に関連する概念について説明します。
第 13 章「ソフトパーティション (作業)」では、ソフトパーティションに関連する作業の実行方法について説明します。
第 14 章「RAID-5 ボリューム (概要)」では、RAID-5 ボリュームに関連する概念について説明します。
第 15 章「RAID-5 ボリューム (作業)」では、RAID-5 ボリュームに関連する作業の実行方法について説明します。
第 16 章「ホットスペア集合 (概要)」では、ホットスペアとホットスペア集合に関連する概念について説明します。
第 17 章「ホットスペア集合 (作業)」では、ホットスペアとホットスペア集合に関連する作業の実行方法について説明します。
第 18 章「ディスクセット (概要)」では、ディスクセットに関連する概念について説明します。
第 19 章「ディスクセット (作業)」では、ディスクセットに関連する作業の実行方法について説明します。
第 20 章「Solaris ボリュームマネージャの保守 (作業)」では、特定の Solaris ボリュームマネージャ コンポーネントに関連しない、一般的な保守作業について説明します。
第 21 章「Solaris ボリュームマネージャで構築可能な最善の記憶装置構成」では、Solaris ボリュームマネージャを使用して構築できる最善の記憶装置構成について説明します。
第 23 章「ボリュームのトップダウン作成 (作業)」では、Solaris ボリュームマネージャの自動 (トップダウン) ボリューム作成機能に関連する作業の概念について説明します。
第 24 章「監視とエラーレポート (作業)」では、Solaris ボリュームマネージャ SNMP エージェントやその他のエラーチェック手法の概念と使用手順について説明します。
第 25 章「Solaris ボリュームマネージャのトラブルシューティング (作業)」では、Solaris ボリュームマネージャ環境におけるトラブルシューティングと一般的な問題の解決方法を示します。
付録 A 「Solaris ボリュームマネージャの重要なファイル」では、Solaris ボリュームマネージャの重要なファイルの一覧を示します。
付録 B 「Solaris ボリュームマネージャのコマンド行リファレンス」では、コマンドとその他の有用な情報を要約した表を示します。
付録 C 「Solaris ボリュームマネージャの CIM/WBEM API」では、WBEM 準拠の管理ツールからオープンな Solaris ボリュームマネージャを利用するための CIM/WBEM API について簡単に紹介します。
Solaris ボリュームマネージャは、Solaris オペレーティングシステムで使用できるシステム管理ツールの 1 つです。システム管理の全体的な特徴や機能、および関連するツールについては、次のマニュアルを参照してください。
Sun の Web サイトでは、次のサービスに関する情報も提供しています。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
|
---|---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
|
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
|
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
|
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
|
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
|
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
|
コード例は次のように表示されます。
C シェル
machine_name% command y|n [filename] |
C シェルのスーパーユーザー
machine_name# command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェル
$ command y|n [filename] |
Bourne シェルおよび Korn シェルのスーパーユーザー
# command y|n [filename] |
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。