SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris ZFS からのブートをサポートするために、2 つの新しいブートオプションが追加されました。
ZFS プール内の使用可能なブート可能データセットのリストを表示します。
boot -L コマンドは、コマンド行からではなく OBP から実行されます。
指定の ZFS ブート可能データセットのルートファイルシステムをブートします。
ZFS ルートファイルシステムからシステムをブートする場合は、最初に OBP から -L オプションを指定して boot コマンドを実行して、システム上の使用可能な BE のリストを表示します。次に、-Z オプションを使用して指定の BE をブートします。
詳細は、boot(1M) のマニュアルページを参照してください。
SPARC システムでは、menu.lst ファイルに次の 2 つの GRUB コマンドが含まれています。
title – ブート環境 (BE) のタイトルを指定する
bootfs – ブート可能データセットのフルネームを指定する
ZFS プール内のブート可能データセットのリストを表示するには、次のどちらかの方法を選択します。
lustatus コマンドを使用する。このコマンドを実行すると、指定の ZFS プール内のすべての BE のリストが表示されます。
lustatus コマンドは x86 システムでも使用できます。
boot -L コマンドを使用する。このコマンドを実行すると、指定の ZFS プール内の使用可能な BE のリストが表示され、システムをブートするための方法も示されます。
次の手順は、boot -L コマンドを使用してシステム上の使用可能な BE のリストを表示する方法を示しています。このコマンドの実行後に指定の BE をブートするには、画面に表示された指示に従います。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
システムを ok PROM プロンプトにします。
# init 0 |
ZFS プール内の使用可能な BE のリストを表示します。
ok boot device-specifier -L |
表示されているいずれかのエントリをブートするには、そのエントリに対応する番号を入力します。
画面に出力される指示に従って、指定した BE からブートします。
方法については、「SPARC: 指定した ZFS ルートファイルシステムからブートする方法」を参照してください。
# init 0 # svc.startd: The system is coming down. Please wait. svc.startd: 94 system services are now being stopped. svc.startd: The system is down. syncing file systems... done Program terminated ok boot -L . . . Boot device: /pci@1f,0/pci@1/scsi@8/disk@0,0 File and args: -L zfs-file-system Loading: /platformsun4u/bootlst 1.s10s_nbu6wos 2 zfs2BE Select environment to boot: [ 1 - 2 ]: 2 to boot the selected entry, invoke: boot [<root-device] -Z rpool/ROOT/zfs2BE |
詳細は、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の第 5 章「Oracle Solaris ZFS ルートファイルシステムのインストールと起動」を参照してください。
Oracle Solaris ZFS からブートする方法は、UFS からブートする方法とは異なります。 ZFS からブートするときは、デバイス識別子によって単一のルートファイルシステムではなく、ストレージプールが識別されます。ストレージプールには、複数のブート可能データセット (ルートファイルシステム) が含まれていることがあります。そのため、ZFS からブートするときは、ブートデバイスによってデフォルトと見なされるプール内のルートファイルシステムも識別する必要があります。デフォルトでは、デフォルトのブートデバイスはプールの bootfs プロパティーによって識別されます。この手順では、ZFS ブート可能データセットを指定してシステムをブートする方法を示します。使用可能なすべてのブートオプションの詳細は、boot(1M) のマニュアルページを参照してください。
bootfs プロパティーを以前に正しく設定した場合 (luactivate コマンドを使用して BE をアクティブにした場合など)、システムは自動的に ZFS ルートをブートします。
詳細は、zpool(1M) のマニュアルページを参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
システムを ok PROM プロンプトにします。
# init 0 |
(省略可能) 使用可能な BE のリストを表示するには、-L オプションを指定して boot コマンドを実行します。
方法については、「SPARC: ZFS ルートプール内の使用可能なブート可能データセットのリストを表示する方法」を参照してください。
指定のエントリをブートするには、そのエントリの番号を入力し、Return キーを押します。
Select environment to boot: [1 - 2]: |
システムをブートするには、画面に表示された指示に従います。
To boot the selected entry, invoke: boot [<root-device>] -Z rpool/ROOT/dataset
ok boot -Z rpool/ROOT/dataset |
次に例を示します。
# boot -Z rpool/ROOT/zfs2BE |
システムのブートが完了したら、次のコマンドを入力してアクティブな BE を確認します。
# prtconf -vp | grep whoami |
次の例は、boot -Z コマンドを使用して SPARC システムで ZFS データセットをブートする方法を示しています。
# init 0 # svc.startd: The system is coming down. Please wait. svc.startd: 79 system services are now being stopped. svc.startd: The system is down. syncing file systems... done Program terminated ok boot -Z rpool/ROOT/zfs2BEe Resetting LOM event: =44d+21h38m12s host reset g ... rProcessor Speed = 648 MHz Baud rate is 9600 8 Data bits, 1 stop bits, no parity (configured from lom) Firmware CORE Sun Microsystems, Inc. @(#) core 1.0.12 2002/01/08 13:00 software Power ON Verifying nVRAM...Done Bootmode is 0 [New I2C DIMM address] . . . Environment monitoring: disabled Executng last command: boot -Z rpool/ROOT/zfs2BE Boot device: /pci@1f,0/pci@1/scsi@8/disk@0,0 File and args: -Z rpool/ROOT/zfs2Be zfs-file-system Loading: /platform/SUNW,UltraAX-i2/boot_archive Loading: /platform/sun4u/boot_archive ramdisk-root hsfs-file-system Loading: /platform/SUNW,UltraAX-i2/kernel/sparcv9/unix Loading: /platform/sun4u/kernel/sparcv9/unix . . . Hostname: mallory NIS domainname is boulder.Central.Sun.COM Reading ZFS config: done. Mounting ZFS filesytems: (6/6) mallory console login: |
指定の ZFS ブート可能データセットのフェイルセーフアーカイブをブートする方法については、「SPARC システムをフェイルセーフモードでブートする方法」を参照してください。