Solaris のシステム管理 (IP サービス)

リモートブートクライアントとディスクレスブートクライアントのサポート (作業マップ)

Oracle Solaris DHCP サービスは、オペレーティングシステムのファイルを別のマシン (OS サーバー) からリモートでマウントする Oracle Solaris クライアントシステムをサポートしています。このようなクライアントを「ディスクレスクライアント」と呼びます。ディスクレスクライアントは、固定的なリモートブートシステムであるといえます。ディスクレスクライアントが起動されるたびに、このクライアントは、自身のオペレーティングシステムファイルを提供するサーバーの名前と IP アドレスを取得する必要があります。それによって、リモートのこれらのファイルからこのディスクレスクライアントを起動できるようになります。

各ディスクレスクライアントは、OS サーバー上に自分のルートパーティションを持っており、これらはクライアントのホスト名で共有されます。DHCP サーバーは、ディスクレスクライアントに常に同じ IP アドレスを返す必要があります。そのアドレスは、DNS などのネームサービスで常に同じホスト名にマップされていなければなりません。ディスクレスクライアントは、固定した IP アドレスを受け取ると、固定したホスト名を使用します。このクライアントは、OS サーバーにある自身の root パーティションにアクセスできます。

DHCP サーバーは、IP アドレスとホスト名のほかに、ディスクレスクライアントのオペレーティングシステムファイルの場所を提供できます。ただし、DHCP メッセージパケットでこの情報を渡すためのオプションとマクロを作成する必要があります。

次の作業マップは、ディスクレスクライアントなどの固定的なリモートブートクライアントをサポートするのに必要な作業を示しています。さらに、作業マップには、作業の実行に必要な手順へのリンクが含まれています。

タスク 

説明 

参照先 

Oracle Solaris サーバーで OS サービスを設定します。 

smosservice コマンドを使用して、クライアント用のオペレーティングシステムファイルを作成します。

『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 7 章「ディスクレスクライアントの管理 (手順)」

smosservice(1M) のマニュアルページも参照してください。

ネットワークブートクライアントをサポートするための DHCP サービスを設定します。 

DHCP マネージャまたは dhtadm コマンドを使用して、ブート情報をクライアントに渡すために DHCP サーバーが使用できる新しいベンダーオプションとマクロを作成します。

ネットワークインストールクライアント用のオプションをすでに作成している場合は、ディスクレスクライアントのベンダークライアントタイプ用のマクロを作成するだけで十分です。 

『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 2 章「システム構成情報の事前設定 (作業)」

ディスクレスクライアントへ予約済み IP アドレスを割り当てます。 

DHCP マネージャを使用してアドレスを予約済みにするか、pntadm コマンドを使用してディスクレスクライアント用のアドレスを MANUAL にします。

「予約済み IP アドレスを DHCP クライアントに割り当てる」

OS サービス用のディスクレスクライアントを設定します。 

smdiskless コマンドを使用して、クライアントごとにオペレーティングシステムサポートを OS サーバーに追加します。クライアントごとに予約済みの IP アドレスを指定します。

『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 7 章「ディスクレスクライアントの管理 (手順)」

smdiskless(1M) のマニュアルページも参照してください。