Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

NFS におけるバージョンのネゴシエーション

NFS 起動プロセスには、サーバーとクライアントのプロトコルレベルのネゴシエーションが含まれています。バージョンのレベルを指定しない場合、デフォルトにより最適なレベルが選択されます。たとえば、クライアントとサーバーの両方が version 3 をサポートしていると、version 3 が使用されます。クライアントまたはサーバーが version 2 しかサポートしていないと、version 2 が使用されます。

Solaris 10 以降のリリースでは、/etc/default/nfs ファイルにキーワード NFS_CLIENT_VERSMIN、NFS_CLIENT_VERSMAX、NFS_SERVER_VERSMIN、NFS_SERVER_VERSMAX を設定できます。これらのキーワードのデフォルト値に代わって、クライアントとサーバーに最小値と最大値を指定できます。クライアントとサーバーの最小値は 2 がデフォルトで、最大値は 4 がデフォルトです。/etc/default/nfs ファイルのキーワード」 を参照してください。サーバーがサポートするバージョンを検出するために、NFS クライアントは NFS_CLIENT_VERSMAX の設定から始めて、NFS_CLIENT_VERSMIN のバージョン設定に到るまで各バージョンを試行し続けます。サポートされるバージョンが検出されるとすぐに、この処理は終了します。たとえば、NFS_CLIENT_VERSMAX=4 および NFS_CLIENT_VERSMIN=2 と設定すると、クライアントは version 4、version 3、version 2 の順に試行します。NFS_CLIENT_VERSMIN と NFS_CLIENT_VERSMAX が同じ値に設定されていると、クライアントは常にこの設定されたバージョンを使用し、その他のバージョンは試行しません。サーバーがこのバージョンをサポートしていない場合、マウントは失敗します。


注 –

ネゴシエーションによって決まった値を変更するには、mount コマンドで vers オプションを使用します。mount_nfs(1M) のマニュアルページを参照してください。


手順については、「NFS サービスの設定」を参照してください。