シリアル回線上の通信の特性を /etc/ppp/options.ttyname ファイルで設定できます。/etc/ppp/options.ttyname は特権ファイルです。既存の /etc/ppp/options および $HOME/.ppprc ファイルを構文解析したあとで pppd によって読み取られます。$HOME/.ppprc が存在しない場合、pppd は /etc/ppp/options を構文解析したあと /etc/ppp/options.ttyname を読み取ります。
ttyname は、ダイアルアップリンク、専用回線リンクの両方で使用されます。ttyname は、モデムまたは ISDN TA が接続されている可能性があるマシン上の特定のシリアルポート (cua/a、cua/b など) を表します。
/etc/ppp/options.ttyname ファイルに名前を付けるときは、デバイス名にあるスラッシュ (/) をドット (.) に置き換えます。たとえば、デバイス cua/b 用の options ファイルの名前は /etc/ppp/options.cua.b になります。
Solaris PPP 4.0 が正常に動作するうえで、/etc/ppp/options.ttyname ファイルは必要ありません。サーバーが PPP 用のシリアル回線を 1 つだけ持ち、オプションはほとんど必要ない場合、必要なオプションを別の構成ファイルまたはコマンド行で指定することができます。
ダイアルアップリンクでは、ダイアルインサーバー上のモデムが接続されているすべてのシリアルポートごとに、/etc/ppp/options. ttyname ファイルを個別に作成することもできます。通常のオプションは次のとおりです。
ダイアルインサーバーが必要とする IP アドレス
シリアルポート ttyname に着信する呼び出し元に特定の IP アドレスを使用させる必要がある場合は、このオプションを設定します。使用するアドレス空間により、予想される呼び出し元の数に比べて、PPP で使用可能な IP アドレスの数に制限がある場合があります。その場合は、ダイアルインサーバー上の PPP で使用されるシリアルインタフェースごとに IP アドレスを割り当てることを考えます。この割り当ては、PPP に動的なアドレス指定を実装します。
asyncmap map-value
asyncmap オプションは、特定のモデムまたは ISDN TA がシリアル回線上で受け取らない制御文字を割り当てます。xonxoff オプションを使用すると、pppd は自動的に 0xa0000 の asyncmap を設定します。
map-value は、16 進数で入力し、問題のある制御文字を指定します。
init "chat -U -f /etc/ppp/mychat"
init オプションは、chat -U コマンド内の情報を使用して、シリアル回線上で通信を開始するようにモデムに指示します。モデムは、/etc/ppp/mychat ファイル内の chat 文字列を使用します。
pppd(1m) のマニュアルページに一覧表示されているセキュリティーパラメータ
ダイアルアウトシステムでは、モデムが接続されているシリアルポート用に /etc/ppp/options.ttyname ファイルを作成することも、あるいは /etc/ppp/options.ttyname を使用しないでおくこともできます。
Solaris PPP 4.0 が正常に動作するうえで、/etc/ppp/options.ttyname ファイルは必要ありません。ダイアルアウトマシンが PPP 用のシリアル回線を 1 つだけ持ち、オプションはほとんど必要ない場合、必要なオプションを別の構成ファイルまたはコマンド行で指定することができます。
/etc/ppp/options.ttya.tmpl ファイルには、/etc/ppp/options.tty-name ファイルに関して有用なコメントが含まれています。また、テンプレートには /etc/ppp/options.tty-name ファイルに共通の次の 3 つのオプションが含まれます。
38400 asyncmap 0xa0000 :192.168.1.1 |
オプション |
定義 |
---|---|
38400 |
ポート ttya でこのボーレートを使用する |
asyncmap 0xa0000 |
ローカルマシンが接続に失敗したピアと通信できるように asyncmap 値 0xa0000 を割り当てる |
:192.168.1.1 |
接続上で着信しているすべてのピアに IP アドレス 192.168.1.1 を割り当てる |
サイトで /etc/ppp/options.ttya.tmpl を使用するには、/etc/ppp/options.tmpl の名前を /etc/ppp/options.ttya-name に変更します。ttya-name をモデムが接続しているシリアルポートの名前に置き換えます。次に、サイトの必要に応じてファイルの内容を変更します。
/etc/ppp/options.ttyname ファイルの例は、次の節を参照してください。
ダイアルアウトマシン用は、「シリアル回線を介した通信を定義する方法」を参照してください。
ダイアルインサーバー用は、「シリアル回線を介した通信を定義する方法 (ダイアルインサーバー)」を参照してください。