Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

Solaris 10 リリース FTP サービスの変更点

Solaris 10 リリースでは、FTP サーバーの機能強化、ftpcount ftpwhoftp コマンドの変更など、いくつかの点で FTP サービスの変更が行われています。

FTP サーバーの機能強化により、スケーラビリティーと転送のロギングが向上しました。これらのオプションの説明は、「多忙なサイトにおける構成についてのヒント」と、ftpaccess(4) のマニュアルページに挙げられています。次に、具体的な変更点を示します。

また、このリリースでは ftpcountftpwho-v オプションが追加されました。このオプションは、仮想ホスト ftpaccess ファイルに定義されている FTP サーバークラスのユーザー数とプロセス情報を表示するものです。詳細は、ftpcount(1)ftpwho(1) のマニュアルページを参照してください。

このリリースでは、FTP クライアントとサーバーは Kerberos をサポートするようになりました。詳細は、ftp(4) のマニュアルページと、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「Kerberos ユーザーコマンド」を参照してください。

ftp コマンドは変更されました。デフォルトでは、Solaris FTP サーバーに接続された Solaris FTP クライアントは、クライアントに対して ls コマンドが発行されるとディレクトリとプレーンファイルの一覧を表示します。FTP サーバーが Solaris OS で稼働していない場合は、ディレクトリは表示されない可能性があります。Solaris 以外の FTP サーバーに接続している場合に Solaris のデフォルト動作が起きるようにするには、Solaris クライアントごとに /etc/default/ftp ファイルを適宜編集します。個々のユーザーについてこの変更を行うには、FTP_LS_SENDS_NLST 環境変数を yes に設定します。詳細は、ftp(4) のマニュアルページを参照してください。

ftpd デーモンは、サービス管理機能によって管理されます。このサービスに関する有効化、無効化、再起動などの管理アクションは svcadm コマンドを使用して実行できます。すべてのデーモンのサービスの状態は、svcs コマンドを使用して照会することができます。サービス管理機能の概要については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 18 章「サービスの管理 (概要)」を参照してください。