Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

rpc.nisd デーモン

NIS+ サービスを有効にすると、rpc.nisd デーモンが起動します。NIS+ デーモンを起動するにはアクセス権は不要ですが、そのすべての前提条件と関連作業を知っておく必要があります。前提条件については、「NIS+ サーバーを設定するための前提条件」を参照してください。


注 –

NIS+ サービスは、サービス管理機能 (SMF) によって管理されます。このサービスに対する有効化、無効化、再起動などの管理操作を実行するには、svcadm コマンドを使用します。SMF を NIS+ で使用する方法については、「NIS+ とサービス管理機能」を参照してください。SMF の概要については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「サービスの管理 (概要)」を参照してください。詳細については、svcadm(1M)svcs(1) の各マニュアルページも参照してください。


rpc.nisd デーモンを起動する

NIS+ サービスを有効にすると、rpc.nisd デーモンが起動します。サービスを起動するには、svcadm enable コマンドを使用します。


rootmaster# svcadm enable /network/rpc/nisplus:default

rpc.nisd デーモンを停止する

NIS+ サービスを無効にすると、rpc.nisd デーモンが停止します。まず、svcs コマンドを使って FMRI とサービスの状態を確認します。次に、svcadm disable コマンドを使ってサービスを停止します。その際、サービスが通常モードで動作しているか、NIS 互換モードで動作しているかは関係ありません。


rootmaster# svcs \*nisplus\*
STATE          STIME    FMRI
online         Oct_07   svc:/network/rpc/nisplus:default

rootmaster# svcadm disable /network/rpc/nisplus:default

rpc.nisd 構文オプションを変更する

デフォルトでは、NIS+ デーモンはセキュリティレベル 2 で起動し、通常モードで動作します。サービス管理機能を使って rpc.nisd デーモンを呼び出すときに特定のオプションを指定する場合は、そのオプションを含むように /lib/svc/method/nisplus ファイルを変更します。詳細については、「NIS+ とサービス管理機能」を参照してください。

表 18–3 に、一般的な rpc.nisd 構文オプションをいくつか示します。

表 18–3 一般的な rpc.nisd 構文オプション

オプション 

目的 

-Y

デーモンが NIS 互換モードで動作することを指定します。これにより、デーモンは NIS クライアントからの要求に応答できます。ルートマスターを含む任意のサーバーで、NIS+ デーモンを NIS 互換モードで起動できます。 

-B

NIS 互換モードで動作している NIS+ デーモンに DNS 転送機能を追加します。このオプションでは、/etc/resolv.conf ファイルが DNS ネームサーバーとの通信用に設定されている必要があります。 

-S security-level

セキュリティレベルを指定する。0 は「NIS+ セキュリティを使用しない」、2 は「最高レベルの NIS+ セキュリティを使用する」という意味 (レベル 1 はサポートされない)

-F

デーモンによって提供されるディレクトリのチェックポイント設定を強行する。この動作は、ディレクトリのトランザクションログを空にして、ディスク空間を解放することになる