Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)

どの UFS ファイルシステムをバックアップするかの計画

頻繁に更新されるファイルシステムなど、ユーザーにとって重要なファイルシステムはバックアップしておく必要があります。次の表に、スタンドアロンシステムおよびサーバーについてバックアップすべきファイルシステムに関する一般的なガイドラインを示します。

表 23–2 スタンドアロンシステムにおけるバックアップ対象のファイルシステム

バックアップするファイルシステム 

説明 

バックアップ間隔 

ルート (/) – スライス 0

このファイルシステムにはカーネルが格納されていますが、/var ディレクトリが格納されていることもあります。/var ディレクトリには、一時ファイル、ロギングファイル、または状態ファイルのほか、頻繁に更新されるシステムアカウンティングファイルやメールファイルが含まれる場合もあります。

定期的 (毎週、毎日など) 

/usr – スライス 6、/opt

/usr および /opt ファイルシステムには、ソフトウェアと実行可能ファイルが含まれます。/opt ディレクトリは、ルート (/) の一部であるか、独自のファイルシステムです。

随時 

/export/home – スライス 7

このファイルシステムには、スタンドアロンシステム上のすべてのユーザーのディレクトリおよびサブディレクトリを格納できます。 

ルート (/) や /usr よりも頻繁に、サイトのニーズによっては毎日

/export/var、またはその他のファイルシステム

/export ファイルシステムには、ディスクレスクライアント用のカーネルおよび実行可能プログラムが含まれます。/var ディレクトリには、一時ファイル、ロギングファイル、または状態ファイルが含まれます。

サイトの必要に応じて 

表 23–3 UFS ファイルシステムをサーバー用にバックアップする

バックアップするファイルシステム 

説明 

バックアップ間隔 

ルート (/) – スライス 0

このファイルシステムには、カーネルおよび実行可能プログラムが含まれます。 

サイトの必要に応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。  

ネットワーク上でユーザーとシステムの追加および削除を頻繁に実行する場合、このファイルシステム内の構成ファイルを変更する必要があります。この場合、週に 1 度から月に 1 度の間隔で、ルート (/) ファイルシステムの完全バックアップを実行する必要があります。

サイトでユーザーのメールをメールサーバー上の /var/mail ディレクトリに保管しておき、後でクライアントシステムがマウントする場合は、ルート (/) ディレクトリを毎日バックアップすることをお勧めします。別のファイルシステムの場合は、/var を毎日バックアップすることをお勧めします。

/export – スライス 3

このファイルシステムには、ディスクレスクライアント用のカーネルおよび実行可能プログラムが含まれます。 

サイトの必要に応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。  

このファイルシステム内の情報はスライス 0 にあるサーバーのルートディレクトリと同様なので、ファイルシステムは頻繁に変化することはありません。サイトからメールをクライアントシステムに送信していない場合、このファイルシステムのバックアップは随時に実行するだけでかまいません。送信している場合は、/export のバックアップをさらに頻繁に実行する必要があります。

/usr – スライス 6、/opt

/usr および /opt ファイルシステムには、ソフトウェアと実行可能ファイルが含まれます。/opt ディレクトリは、ルート (/) の一部であるか、独自のファイルシステムです。

サイトの必要に応じて毎日 1 度ないし月に 1 度。 

ソフトウェアの追加や削除が頻繁に行われなければ、これらのファイルシステムは比較的静的です。 

/export/home – スライス 7

このファイルシステムには、システムの全ユーザーのホームディレクトリを格納できます。このファイルシステム内のファイルは、頻繁に変更されます。 

毎日または毎週。