Solaris iSCSI マルチパス (MPxIO) デバイスを使用する場合には、次のガイドラインを考慮してください。
Solaris iSCSI および MPxIO – MpxIO は、iSCSI イニシエータの MS/T (Multiple Sessions per Target) を設定する Solaris iSCSI 構成での、ターゲットポート集約と可用性をサポートします。
複数の NIC を集約およびフェイルオーバーする場合は、IPMP を使用してください。
iSCSI ホストの基本的な構成は、iSCSI トラフィック専用の 2 つの NIC を備えたサーバーです。NIC は IPMP を使用して設定されます。パフォーマンスを最適化するために、iSCSI 以外のトラフィック用に追加の NIC が用意されます。
アクティブマルチパスは、Solaris iSCSI MS/T 機能、および IPMP 構成のフェイルオーバーと冗長性を使用する場合のみ実現できます。
IPMP 構成で 1 つの NIC に障害が発生すると、IPMP はフェイルオーバーの処理を行います。MPxIO ドライバでは障害は認識されません。IPMP 以外の構成では、MPxIO ドライバは障害状態になり、パスがオフラインになります。
IPMP 構成で 1 つのターゲットポートに障害が発生すると、MPxIO ドライバは障害を認識し、フェイルオーバーの処理を行います。IPMP 以外の構成では、MPxIO ドライバは障害を認識し、フェイルオーバーの処理を行います。
Solaris iSCSI MS/T 機能を IPMP およびマルチパス化とともに使用する方法については、SunSolve Infodoc 207607「Understanding an iSCSI MS/T multi-path configuration」を参照してください。
MS/T の構成方法については、「ターゲットの複数の iSCSI セッションを有効にする方法」を参照してください。IPMP の構成方法については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』のパート VI「IPMP」を参照してください。
Solaris iSCSI、ファイバチャネル (FC)、および MPxIO – より複雑な iSCSI/FC 構成では、MPxIO ドライバは次のように動作します。
FC SAN にデュアル iSCSI-FC ブリッジが存在する場合、iSCSI はターゲットパスを MPxIO に提示します。MPxIO は、一意の SCSI/LUN 識別子を照合し、それらが同一である場合は 1 つのパスを iSCSI ドライバに提示します。
iSCSI と FC の両方を使用してターゲットを接続する構成の場合、MPxIO ドライバは同じデバイスに対して異なるトランスポートを提供できます。この構成では、MPxIO は両方のパスを使用します。
iSCSI と FC を MPxIO と組み合わせて使用する場合は、/kernel/drv/fp.conf ファイルおよび /kernel/drv/iscsi.conf ファイルの MPxIO の設定が、サポートしたい MPxIO 構成と一致していることを確認します。たとえば、fp.conf では、MPxIO を HBA 全体で有効にするのか、ポート単位で有効にするのかを決定できます。
他社製ハードウェアに関する注意事項 – 他社製の HBA が Solaris iSCSI および MPxIO での使用に適しているかどうかを確認します。
他社製の HBA を使用する場合は、その HBA ベンダーに /kernel/drv/scsi_vhci.conf ファイルの対称オプション情報を問い合わせる必要があります。