次の表に、mount -o オプションで指定できる汎用オプションを示します。複数のオプションを指定する場合は、コンマ (空白を入れない) で区切ります。たとえば、-o ro,nosuid のようになります。
各ファイルシステムタイプで指定可能なマウントオプションのリストについては、各マウントコマンドのマニュアルページ (mount_ufs(1M) など) を参照してください。ZFS ファイルシステムのマウントについては、zfs(1M) を参照してください。
表 18–2 -o で指定する汎用マウントオプション
mount オプション |
ファイルシステム |
説明 |
---|---|---|
bg | fg |
NFS |
最初のマウントに失敗すると、バックグラウンド (bg) またはフォアグラウンド (fg) で再試行します。このオプションは重要でない vfstab エントリには安全です。デフォルトは fg です。 |
hard | soft |
NFS |
サーバーが応答しない場合の手続きを指定します。soft オプションは、エラーが返されることを示します。hard オプションは、サーバーが応答するまで再試行要求が継続されることを示します。デフォルトは hard です。 |
intr | nointr |
NFS |
ハードマウントされたファイルシステムに関する応答を待って実行を停止しているプロセスを、キーボード割り込みで強制終了できるかどうかを指定します。デフォルトは intr (割り込み可能) です。 |
largefiles | nolargefiles |
UFS |
2G バイトを超えるファイルを作成できるようにします。largefiles オプションを使ってマウントされたファイルシステムには、2G バイトを超えるファイルを格納できます。nolargefiles オプションを指定した場合、UFS ファイルシステムは以前の Solaris バージョンが動作しているシステムにはマウントできません。デフォルトは largefiles です。 |
logging | nologging |
UFS |
ファイルシステムのロギングを有効または無効にします。UFS ロギングとは、トランザクション (完全な UFS 処理を構成する変更) をログに保存してから、そのトランザクションを UFS ファイルシステムに適用するプロセスです。ロギングを使用すると、UFS ファイルシステムの整合性を保つことができます。つまり、fsck を省略できることを意味します。fsck を省略すると、システムがクラッシュしたとき、あるいはシステムをクリーンな状態でシャットダウンできなかったとき、システムをリブートする時間を省けます。 ログはファイルシステムの空きブロックから、1G バイトのファイルシステム領域ごとに約 1M バイトのサイズ (合計で 256M バイトまで) が割り当てられます。ファイルシステムに大量のシリンダグループが存在する場合、ログのサイズはこれより大きくなることがあります (最大で 512M バイトまで)。 |
atime | noatime |
UFS |
ファイルのアクセス時間更新を抑制します。ただし、最後にファイルの状態が変わった時間または最後にファイルが変更された時間に対する更新が同時に行われる場合を除きます。詳細は、stat(2) のマニュアルページを参照してください。このオプションによって、アクセス時間が重要でないファイルシステム (Usenet ニューススプールなど) でのディスクに対する動作が減ります。デフォルトでは、通常アクセス時間 (atime) が記録されます。 |
remount |
すべて |
すでにマウントされているファイルシステムに関連付けられているマウントオプションを変更します。このオプションは、通常、ro 以外のオプションと併用できます。ただし、このオプションを使って変更できる内容は、ファイルシステムの種類によって異なります。 |
retry=n |
NFS |
マウント処理に失敗した場合に再試行します。n は再試行回数です。 |
ro | rw |
CacheFS、NFS、 PCFS、UFS、HSFS |
読み取り / 書き込み (rw) または読み取り専用 (ro) を指定します。このオプションを指定しない場合のデフォルトは rw です。HSFS のデフォルトのオプションは ro です。 |
suid | nosuid |
CacheFS、HSFS、 NFS、UFS |
setuid 実行を許可または禁止します。デフォルトは、setuid 実行を許可します。 |