Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)

リモートシステム上のリムーバブルメディアへのアクセス (作業マップ)

次の作業マップでは、リモートシステム上のリムーバブルメディアにアクセスするための作業について説明します。

作業 

説明 

参照先 

1. ローカルのメディアをリモートシステムで使用できるようにします。 

システムのメディアドライブを共有するようにシステムを設定して、そのドライブ内のメディアをほかのシステムでも使用できるようにします。 

「ローカルのメディアをほかのシステムで使用可能にする方法」

2. リモートシステム上のリムーバブルメディアにアクセスします。 

ローカルシステムでリモートメディアにアクセスします。 

「リムーバブルメディア上の情報にアクセスする方法」

Procedureローカルのメディアをほかのシステムで使用可能にする方法

システムのメディアドライブを共有するようにシステムを設定すると、そのドライブに読み込まれているメディアがほかのシステムでも使用できるようになります。ただし、音楽用 CD は例外です。メディアドライブを共有すると、そのドライブをマウントするだけで、ドライブにロードされているメディアをほかのシステムでも使用できます。手順については、「リモートシステム上のリムーバブルメディアにアクセスする方法」を参照してください。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. メディアがロードされていることを確認します。

  3. 次のエントリを /etc/dfs/dfstab ファイルに追加します。

    次に例を示します。


    share -F nfs -o ro /cdrom/sol_10_910_sparc
  4. NFS サーバーサービスが実行中かどうかを確認します。


    # svcs *nfs*
    

    NFS サーバーサービスが実行中であれば、svcs コマンドの出力は次のようになります。


    online         14:28:43 svc:/network/nfs/server:default
  5. NFS サーバーの状態を確認し、次のいずれかの手順を選択します。

    • NFS サーバーサービスが実行されている場合は、手順 7 に進みます。

    • NFS サーバーサービスが実行されていない場合は、次の手順に進みます。

  6. NFS サーバーサービスを起動します。


    # svcadm enable network/nfs/server
    

    NFS デーモンが実行されていることを確認します。

    次に例を示します。


    # svcs -p svc:/network/nfs/server:default
    STATE          STIME    FMRI
    online         Aug_30   svc:/network/nfs/server:default
                   Aug_30        319 mountd
                   Aug_30        323 nfsd
  7. メディアが実際にほかのシステムで使用できるかどうかを確認します。

    メディアが使用可能な場合は、その共有設定が表示されます。


    # share
    -               /cdrom/sol_10_910_sparc   ro   ""  

例 3–3 ローカルの DVD または CD をほかのシステムで使用可能にする

次の例は、ローカル DVD をネットワーク上のほかのシステムでも使用できるようにする方法を示しています。


# vi /etc/dfs/dfstab
(Add the following line:)
# share -F nfs -o ro /media
# svcs *nfs*
# svcadm enable network/nfs/server
# svcs -p svc:/network/nfs/server:default
# share
-               /cdrom/sol_10_910_sparc   ro   ""


例 3–4 ローカルのフロッピーディスクをほかのシステムで使用可能にする

次の例は、ローカルのフロッピーディスクをネットワーク上のほかのシステムでも使用できるようにする方法を示しています。


# vi /etc/dfs/dfstab
(Add the following line, for example)
share -F nfs -o ro /floppy/myfiles
# svcs *nfs*
# svcadm enable network/nfs/server
# svcs -p svc:/network/nfs/server:default
# volcheck -v
media was found
# share
-               /floppy/myfiles   rw   ""  

Procedureリモートシステム上のリムーバブルメディアにアクセスする方法

リモートシステム上のメディアを手動でファイルシステムにマウントすることにより、そのメディアにアクセスできるようになります。ただし、リモートシステムが「ローカルのメディアをほかのシステムで使用可能にする方法」の手順に従って、そのメディアを共有していることが必要です。

  1. マウントポイントとして使用する既存のディレクトリを指定します。または、マウントポイントを作成します。


    $ mkdir /directory
    

    ここで /directory は、リモートシステムの DVD のマウントポイントとして作成するディレクトリの名前です。

  2. マウントするメディアの名前を確認します。


    $ showmount -e system-name
    
  3. スーパーユーザー権限で、メディアをマウントします。


    # mount -F nfs -o ro system-name:/media/media-name local-mount-point
    
    system-name:

    マウントするメディアを持つシステムの名前です。

    media-name

    マウントするメディアの名前です。

    local-mount-point

    リモートメディアのマウント先となるローカルディレクトリです。

  4. スーパーユーザーをログアウトします。

  5. メディアがマウントされていることを確認します。


    $ ls /media
    

例 3–5 リモートシステム上の DVD または CD にアクセスする

次の例は、リモートシステム starbugsol_10_910_sparc という名前のリモート DVD に、autofs を使って自動的にアクセスする方法を示しています。


% showmount -e starbug
export list for starbug:
/cdrom/sol_10_910_sparc (everyone)
$ /net/starbug/cdrom/sol_10_910_sparc


例 3–6 ほかのシステム上のフロッピーディスクにアクセスする

次の例は、リモートシステム mars にある myfiles というフロッピーディスクに、autofs を使用して自動的にアクセスする方法を示しています。


$ showmount -e mars
$ cd /net/mars
$ ls /floppy
floppy0     myfiles