Java Desktop System Configuration Manager Release 1.1 開発者ガイド

ツリー

Configuration Manager は「ツリー」と呼ばれる 4 つの階層構造を扱います。Configuration Manager の仕組みを理解するには、これらのツリーを区別することが重要です。

最初のツリーは「組織ツリー」 ( 図 5–1 のグレーの部分で、組織単位間の関係を表しています。このツリーの最初のレベルは組織自体を表します。その次のレベルは、たとえば部門や課を表すことができます。最後のレベルは、これらの部署のメンバーを表すことができます。

2 番目のツリーは「ドメインツリー」で、ドメインやホストなどのネットワーク要素間の関係を表しています。このツリーの最初のレベルは、ネットワーク全体を表します。その次のレベルは、たとえば各種サブネットを表し、最後のレベルはこれらのサブネット内の実際のホストを表します。

Configuration Manager では、この 2 つのツリーは現在、企業構造の典型的なリポジトリである LDAP サーバーの内容を解釈して取得されます。LDAP でツリー内の各場所は「エンティティ」と呼ばれます。LDAP サーバーのエンティティは、Configuration Manager が認識するエンティティ、すなわち「組織」、「役割」、「ユーザー」、「ドメイン」、「ホスト」にマッピングされます。

3 番目のツリーは「設定ツリー」で、図 5–1 の青で表した部分です。設定ツリーは、バックエンドの設定オプションを階層的にグループ化します。設定ツリーのトップレベルはコンポーネントです。コンポーネントは、1 つのソフトウェアコンポーネントを設定する設定オプションで構成されています。コンポーネントの下にある要素はすべてノードかプロパティです。ノードにはノードまたはプロパティを含むことができます。プロパティには設定オプションが含まれています。設定オプションのそれぞれはパスで表されます。たとえば、org.openoffice.Office.Common/ExternalMailer/Program は、「Common」コンポーネントの下の「External Mailer」ノードにある「Program」設定オプションを表します。

組織ツリーとドメインツリーの各エンティティは独自の設定ツリーを持つことができるため、「ツリーのツリー」が 2 つ になります (設定ツリーが含まれた組織ツリーと、設定ツリーが含まれたドメインツリー)。

4 番目のツリーは「設定ポリシーツリー」で、図 5–1 の黄色の部分です。設定ポリシーツリーは、参照や編集がしやすいように設定オプションを視覚的に分類するために使用します。これは、設定ツリーの階層から完全に独立した階層を定義して行います。設定ポリシーツリーに表示される実際の値は、設定ツリーの設定オプションの場所を参照して取得されます。図 5–1 の矢印を参照してください。このようにすると、GUI とバックエンドのデータの異なる設計要件を分離できます。たとえば、設定オプションの位置はバックエンドよりも GUI の方が早く変わります。

設定ポリシーツリーのトップレベルにはアプリケーションがあり、次のレベルはそのアプリケーションの各種モジュールやサブモジュール、最後のレベルは実際の設定オプションに対応しています。多数のオプションを処理する StarSuiteTMMozilla のような設定システムでも同様に表されます。たとえば、 HomeUrl オプションは「設定」ダイアログの 「Mozilla/Navigator/ホームページ」 にあります。


注 –

このマニュアルで紹介する各種ツリーは、『Java Desktop System Configuration Manager Release 1.1 管理ガイド』の内容と異なります。Configuration Manager を使用するうえで、設定ツリーと設定ポリシーツリーという 2 種類のツリーに関する知識は不要のため、管理者ガイドでは設定ツリーについては触れていません。


図 5–1 「ツリーのツリー」

ツリーのツリー