この手順では、CD または DVD メディアからスタンドアロンシステムをインストールする方法について説明します。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、x86 ベースのシステムの Solaris インストールプログラムは GRUB ブートローダーを使用します。
使用するハードウェアに Solaris OS をインストールするために必要なインストール時更新 (ITU) やドライバをすべて入手します。ITU や追加のドライバが必要かどうかを調べるには、ハードウェアのマニュアルを参照してください。
Solaris 10 11/06 OS を IBM BladeCenter LS21 サーバーにインストールする場合は、第 3 章「IBM BladeCenter サーバーにおけるインストールの問題のトラブルシューティング (作業)」で、新しいインストールイメージ作成時のトラブルシューティングに関する重要な情報を確認してください。
システムが次の最小要件を満たしていることを確認します。
メモリー – 256M バイト以上
ディスク容量 - 6.7G バイト以上
プロセッサ速度 - 120 MHz 以上。ハードウェアによる浮動小数点サポートが必要です
米国 Sun Microsystems, Inc. 以外で製造されたシステムに Solaris OS をインストールする場合は、インストールを開始する前に、Solaris Hardware Compatibility List (http://www.sun.com/bigadmin/hcl) を確認してください。
Solaris OS のインストールに必要な情報を収集します。
(省略可能) 既存のデータやアプリケーションを保存するには、システムのバックアップをとります。
適切なメディアをシステムに挿入します。
Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE – 1 CD からブートする場合は、該当するディスクを挿入します。この場合、システムの BIOS が DVD または CD からのブートをサポートしている必要があります。BIOS の設定方法については、ハードウェアのマニュアルを参照してください。
CD または DVD からブートするように BIOS を手動で設定する必要がある場合には、適切なキーシーケンスを入力してシステムのブート処理を中断します。
BIOS でブート優先順位を変更し、BIOS を終了してインストールプログラムに戻ります。
メモリーテストとハードウェア検出が実行され、画面が再表示され、GRUB メニューが表示されます。
GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory) +-------------------------------------------------------------------------+ | Solaris | | Solaris Serial Console ttya | | Solaris Serial Console ttyb (for lx50, v60x and v65x) | | | +-------------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
現在のシステムに CD または DVD から Solaris OS をインストールする場合は、「Solaris」を選択して Enter キーを押します。
デフォルト値を使用してシステムをインストールする場合は、このオプションを選択します。
インストールする Solaris OS の画面出力をシリアルコンソール ttya (COM1) に送信する場合は、「ttya」を選択します。
システムディスプレイをシリアルポート COM1 に接続されたデバイスに変更する場合は、このオプションを選択します。
インストールする Solaris OS の画面出力をシリアルコンソール ttyb (COM2) に送信する場合は、「ttyb」を選択します。
システムディスプレイをシリアルポート COM2 に接続されたデバイスに変更する場合は、このオプションを選択します。
ブート引数を指定して Solaris OS をインストールする場合は、次の手順に従ってください。
インストール時にシステム構成をカスタマイズする場合は、ブート引数を使用します。
GRUB メニューで、編集するインストールオプションを選択してから、e を押して選択を編集します。
GRUB メニューに、次のようなブートコマンドが表示されます。
kernel /boot/multiboot kernel/unix -B install_media=cdrom module /boot/x86.miniroot |
ブートコマンドを編集して、使用するブート引数またはオプションを追加します。
GRUB 編集メニューでは、次のコマンド構文を使用します。
grub edit>kernel /boot/multiboot kernel/unix/install [url|ask] -B options install_media=media-type |
ブートするカーネルを指定します。
構成情報の入力を求めるプロンプトを表示します。
システムをシングルユーザーモードでブートします。
再構成用ブートを指定します。接続されているすべてのハードウェアデバイスを検索してから、実際に見つかったデバイスだけに、ファイルシステムのノードを割り当てます。
詳細メッセージを有効にした状態でシステムをブートします。
クラスタモードではブートしません。
カーネルデバッガを有効にした状態でシステムをブートします。
サービス管理機能 (Service Management Facility、SMF) のブート動作を制御します。復元オプションとメッセージオプションという、2 種類のオプションがあります。
代替実行可能ファイルを原始プロセスとして指定します。 altinit は実行可能ファイルへの有効なパスです。
マルチブートプログラムによって構文解析されます。構文解析後、引数はプロパティーに変換されます。
Esc を押して GRUB メニューに戻ります。
GRUB メニューが表示されます。
インストールを開始するには、GRUB メニューに b と入力します。
Solaris インストールプログラムによって、デフォルトのブートディスクがシステムのインストール要件を満たしているか検査されます。Solaris インストールプログラムがシステム構成を検出できない場合は、不足している情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。
検査が完了すると、インストールの選択画面が表示されます。
インストールの選択画面には、次のオプションが表示されます。
Select the type of installation you want to perform: 1 Solaris Interactive 2 Custom JumpStart 3 Solaris Interactive Text (Desktop session) 4 Solaris Interactive Text (Console session) 5 Apply driver updates 6 Single user shell Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key. Alternatively, enter custom boot arguments directly. If you wait 30 seconds without typing anything, an interactive installation will be started. |
インストール選択画面の情報は、インストールする Solaris 10 OS のバージョンにより、多少異なる場合があります。
Solaris OS をインストールするには、次のいずれかの操作を行います。
デスクトップセッションの対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、3 を入力し、Enter キーを押します。
このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。
コンソールセッションの対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、4 を入力し、Enter キーを押します。
このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。
システムでデバイスとインタフェースが構成され、構成ファイルが検索されます。kdmconfig ユーティリティーでは、システムのキーボード、ディスプレイ、およびマウスの構成に必要なドライバが検出されます。インストールプログラムが開始します。手順 6 に進んでインストールを続行してください。
インストールする前にシステム管理作業を実行する必要がある場合は、次のいずれかのオプションから選択します。
ドライバを更新するか、インストール時更新 (ITU) をインストールする場合は、更新するためのメディアを挿入して 5 を入力し、Enter キーを押します。
使用するシステム上で Solaris OS を実行するために、ドライバの更新または ITU のインストールが必要になる場合があります。ドライバの更新または ITU のインストールを行う手順に従ってください。
システム管理作業を実行する場合は、6 を入力してから、Enter キーを押します。
これらのシステム管理作業が完了すると、前の手順で表示されたインストールオプションのリストが表示されます。インストールを続行する場合は、適切なオプションを選択してください。
kdmconfig ユーティリティーは、システムのビデオドライバを検出できないと 640x480 VGA ドライバを選択します。640x480 VGA ドライバでは、Solaris インストール GUI を表示できません。その結果、Solaris インストールのテキストインストーラが表示されます。Solaris インストール GUI を使用するには、kdmconfig ユーティリティーを使って、使用するシステムに適切なビデオドライバを選択する必要があります。
設定を変更する必要がない場合は、「Window System Configuration for Installation」画面をタイムアウトにします。手順 7 に進んでください。
設定を変更する必要がある場合は、次の手順に従ってください。
Esc キーを押します。
インストールを中断してデバイスの設定を変更するには、5 秒以内に Esc キーを押す必要があります。
「kdmconfig – Introduction」画面が表示されます。
「kdmconfig – View and Edit Window System Configuration」画面の構成情報を確認し、編集する必要のあるデバイスを判断します。
変更するデバイスを選択し、「F2_継続」を押します。
デバイスに適したドライバを選択し、「F2_継続」を押します。
変更するデバイスごとに、手順 c から手順 d を繰り返します。
構成情報の確認が終わったら、「No changes needed – Test/Save and Exit」を選択し、「F2_継続」を押します。
「kdmconfig Window System Configuration Test」画面が表示されます。
「F2_継続」を押します。
画面が再表示され、「kdmconfig Window System Configuration Test palette and pattern」画面が表示されます。
ポインタを移動でき、パレット上に示されている色が正しく表示されていることを確認します。
色が正しく表示されていない場合は、「No」をクリックします。可能な場合、キーボードのいずれかのキーを押すか、「kdmconfig Window System Configuration Test」画面が自動的に終了するのを待ちます。色が正確に表示され、ポインタを思いどおりに移動できるようになるまで、手順 b から手順 h を繰り返します。
一連の色が正しく表示されている場合は、「Yes」をクリックします。
数秒後に「Select a Language」(言語選択) 画面が表示されます。
インストールで使用する言語を選択し、Enter キーを押します。
数秒後に「Solaris インストールプログラム」画面が表示されます。
Solaris GUI インストールプログラムを実行する場合は、Solaris GUI インストールプログラムの「ようこそ (Welcome)」画面が表示されます。
Solaris テキストインストーラをデスクトップセッションで実行する場合は、Solaris テキストインストールプログラムの「ようこそ (Welcome)」画面が表示されます。
「次へ」をクリックしてインストールを開始します。構成に関する残りの質問が表示される場合は、それらに答えます。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合は、構成情報の指定は求められません。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合以外は、インストールプログラムの以降のいくつかの画面でこの情報の指定が求められます。
構成の質問に答え終わると、「ようこそ」画面が表示されます。
システムのリブートとディスクの取り出しを自動的に行うかどうかを決定します。「次へ (Next)」をクリックします。
「媒体の指定 (Specify Media)」画面が表示されます。
インストールに使用するメディアを指定します。「次へ (Next)」をクリックします。
初期インストールを実行するかどうかを決定します。「次へ (Next)」をクリックします。
実行するインストールの種類を選択します。「次へ (Next)」をクリックします。
全体ディストリビューションをインストールするには、「デフォルトインストール」を選択します。
次のいずれかの作業を行うには、「カスタムインストール」を選択します。
特定のソフトウェアグループをインストールする。
追加ソフトウェアをインストールする。
特定のソフトウェアパッケージをインストールする。
特定のロケールをインストールする。
ディスク配置をカスタマイズする。
テキストインストーラでは、デフォルトインストールかカスタムインストールかの選択を求めるプロンプトは表示されません。デフォルトインストールを実行するには、テキストインストーラに表示されるデフォルト値をそのまま使用します。カスタムインストールを実行するには、テキストインストーラの画面で値を編集します。
構成に関する追加の質問が表示される場合は、それらに答えます。
システムのインストールに必要な情報を指定し終わると、「インストールの準備完了」画面が表示されます。
「インストール開始」をクリックして、Solaris ソフトウェアをインストールします。画面に示される手順に従って、Solaris ソフトウェアと追加ソフトウェア (必要な場合) をシステムにインストールします。
Solaris インストールプログラムによる Solaris ソフトウェアのインストールが終了すると、システムは自動的にリブートするか、または手動でリブートするように促します。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、/var/sadm/system/logs ディレクトリと /var/sadm/install/logs ディレクトリに作成されます。
インストール時に自動リブートを選択しなかった場合は、システムをリブートします。
# reboot |
Solaris 10 1/06 OS をインストールしている場合には、パッチ 118966 の最新版をダウンロードして適用します。「6339315: 不正なコンパイラによって IBM BladeCenter HS20 がリセットされる」を参照してください。
このバグに該当するのは Solaris 10 1/06 OS のみです。Solaris 10 6/06 以降をインストールしている場合、この手順を実行する必要はありません。
パッチは、SunSolveSM の Web サイトからダウンロードできます。詳細については、http://sunsolve.sun.com/ を参照してください。
システムをリブートします。
# reboot |
使用するマシンに複数のオペレーティングシステムをインストールしようとする場合、ブートするためには、それらのオペレーティングシステムを GRUB ブートローダーに認識させる必要があります。詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の「GRUB ベースのブート (概要)」を参照してください。