Solaris 10 IBM BladeCenter サーバーインストールガイド

Procedureadd_install_client を実行してネットワークからインストールするシステムを追加する方法

始める前に

ブートサーバーを使用する場合、インストールサーバーのインストールイメージを共有していること、および適切なサービスを起動していることを確認します。「x86 CD メディアを使ってインストールサーバーを作成する方法」または 「x86 DVD メディアを使ってインストールサーバーを作成する方法」を参照してください。

インストールする各システムは、次の各項目にアクセスできる必要があります。

  1. インストールサーバーまたはブートサーバーで、スーパーユーザーになるか同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. Solaris DVD イメージの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /install-dir-path/Solaris_10/Tools
    
    install-dir-path

    Tools ディレクトリのパスを指定します。

  3. ネットワークからインストールできるよう、クライアントシステムを設定します。


    # ./add_install_client -d -s install-server:install-dir_path -c jumpstart-server:jumpstart-dir-path -p sysid-server:path
    -t boot-image-path -b "boot-property=value" -e ethernet-address client-name platform-group
    
    -d

    クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。-d だけを使用した場合、add_install_client コマンドは、同じクラスに属するクライアントシステム (たとえばすべての x86 ベースのクライアントマシン) のインストール情報を設定します。特定のクライアントのインストール情報を設定する場合は、-d-e オプションを併用します。

    PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートするには、このオプションを指定します。このオプションを指定すると、DHCP サーバーに作成する必要のある DHCP オプションの一覧が出力されます。

    DHCP を使用した特定のクラスのインストールの詳細は、「Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成」を参照してください。

    -s install-server:install-dir-path

    インストールサーバーの名前とパスを指定します。

    install-server はインストールサーバーのホスト名で、install-dir-path は Solaris DVD または CD イメージへの絶対パスです。

    -c jumpstart-server :jumpstart-dir-path

    カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。jumpstart-server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を指定します。jumpstart-dir-path は、JumpStart ディレクトリへの絶対パスです。

    -p sysid-server :path

    システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルのパスを指定します。sysid-server は、このファイルを含むサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルを含むディレクトリへの絶対パスです。

    -t boot-image-path

    Solaris OS ネットインストールイメージ、CD、または DVD の Tools ディレクトリにあるイメージ以外のブートイメージを使用する場合は、代替ブートイメージへのパスを指定します。

    -bboot-property= value

    ネットワークからクライアントをブートするときに使用するブートプロパティー変数の値を設定できます。-b オプションは、-e オプションと組み合わせて使用する必要があります。

    ブートプロパティーについては、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。

    -e ethernet-address

    インストールするクライアントの Ethernet アドレスを指定します。このオプションを指定すると、特定のクライアントが使用するインストール情報 (クライアントのブートファイルなど) を設定できます。たとえば、クライアントの Ethernet アドレスとして -e 00:07:e9:04:4a:bf と指定した場合、このコマンドによってブートファイル 010007E9044ABF.i86pc/tftpboot ディレクトリに作成されます。


    注 –

    以前のリリースでは、-e オプションによって接頭辞が nbp. のブートファイルが作成されました。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、ブートファイル名には nbp. 接頭辞は使用されません。ただし、Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、接頭辞が nbp. の従来のブートファイルの使用がサポートされています。


    DHCP を使用した特定のクライアントのインストールの詳細は、「Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成」を参照してください。

    client-name

    ネットワークからインストールするシステムの名前を指定します。この名前はインストールサーバーのホスト名ではありません。

    platform-group

    インストールするシステムのプラットフォームグループを指定します。


例 1–12 DHCP 使用時のインストールサーバーへのインストールクライアントの追加: Solaris 10 1/06

次の例に、DHCP を使用してネットワーク上のインストールパラメータを設定しているときに、インストールサーバーにインストールクライアントを追加する方法を示します。-d オプションを指定すると、クライアントのネットワークインストールパラメータを構成する際に、DHCP プロトコルが使用されます。PXE ネットワークブートを実行するには、DHCP プロトコルを使用する必要があります。ここで使用されている -s オプションは、クライアントが、rosemary という名前のインストールサーバーからインストールされることを示しています。このサーバーには、/export/home/dvdx86 に Solaris 10 1/06 DVD イメージがあります。


# cd /export/boot/dvdx86/Solaris_10/Tools
# ./add_install_client -d -s rosemary:/export/home/dvdx86 i86pc


例 1–13 DHCP を使用するときのインストールサーバーへの単一のインストールクライアントの追加

次の例では、DHCP を使用してネットワークのインストールパラメータを設定しているときに、インストールクライアントをインストールサーバーに追加する方法を説明します。-d オプションを指定すると、クライアントのネットワークインストールパラメータを構成する際に、DHCP プロトコルが使用されます。PXE ネットワークブートを実行するには、DHCP プロトコルを使用する必要があります。-e オプションは、Ethernet アドレスが 00:07:e9:04:4a:bf であるクライアントでのみインストールが行われることを示します。-s オプションには、rosemary という名前のインストールサーバーからクライアントをインストールすることを指定します。このサーバーには、/export/home/dvdx86 にイメージがあります。


# cd /export/boot/dvdx86/Solaris_10/Tools
# ./add_install_client -d -e 00:07:e9:04:4a:bf -s rosemary:/export/home/dvdx86 i86pc

これらのコマンドにより、インストールクライアントとして、Ethernet アドレスが 00:07:e9:04:4a:bf であるクライアントが設定されます。ブートファイル 010007E9044ABF.i86pc がインストールサーバー上に作成されます。以前のリリースでは、このブートファイルは nbp.010007E9044ABF.i86pc と命名されていました。



例 1–14 ネットワークインストール時に使用するシリアルコンソールの指定 (DVD)

次の例で、インストールクライアントをインストールサーバーに追加し、インストール時に使用するシリアルコンソールを指定する方法を示します。この例では、インストールクライアントは次のように設定されます。


# cd /export/boot/dvdx86/Solaris_10/Tools
# ./add_install_client -d -e 00:07:e9:04:4a:bf -b "console=ttya" i86pc

-b オプションで使用可能なブートプロパティー変数と値の詳細は、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris OS インストール後の Serial Over LAN (SOL) 接続の設定の詳細は、「Serial Over LAN 接続を設定する方法」を参照してください。SOL 接続は、リモートでのシステムの管理に使用します。


インストールの続行

DHCP サーバーを使用してネットワーク経由でクライアントをインストールする場合は、DHCP サーバーを構成して、add_install_client -d コマンドの出力で一覧表示されるオプションおよびマクロを作成します。ネットワークインストールをサポートするよう DHCP サーバーを構成する方法については、「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業マップ)」を参照してください。

DHCP サーバーを使用していない場合は、ローカルの Solaris OS DVD または CD からシステムをブートする必要があります。

参照

add_install_client コマンドの詳細は、install_scripts(1M) のマニュアルページを参照してください。