この章では、IBM BladeCenter サーバーに Solaris オペレーティングシステム (Solaris OS) をインストールして使用する際に発生する可能性のあるバグと問題について説明します。この章の情報は、次の各 Solaris 10 リリースに適用されます。
Solaris 10 8/07
Solaris 10 11/06
Solaris 10 6/06
Solaris 10 1/06
バグと問題は、最新の Solaris リリースである Solaris 10 8/07 リリースを先頭に、リリースごとに一覧表示されています。複数のリリースに該当するバグと問題については、適宜その旨が記載されています。
入手可能な場合には、バグまたは問題の説明とともにパッチの情報も提供されています。入手可能なパッチの情報がない場合は、回避方法やより詳しい指示が提供されています。
一部のパッチは制限されていて、アクセスするには Sun Service Plan または Solaris の登録を必要とする場合があります。Sun Service Plan を入手したり、Solaris の登録を行なったり、推奨されるパッチのダウンロードや適用に関する情報を入手したりするには、SunSolve Web サイト (http://sunsolve.sun.com/) を参照してください。
次に、この章に含まれる情報の一覧を示します。
一般的なインストールの情報については、第 1 章「IBM BladeCenter サーバーへの Solaris オペレーティングシステムのインストール (作業)」を参照してください。
トラブルシューティングの情報については、第 3 章「IBM BladeCenter サーバーにおけるインストールの問題のトラブルシューティング (作業)」を参照してください。
IBM BladeCenter サーバーに Solaris 10 8/07 OS をインストールして使用する際に注意すべきバグと問題の一覧を、次に示します。これらのバグや問題は、Solaris 10 11/06 リリースにも適用されます。
これらのバグと問題の詳しい説明については、「Solaris 10 11/06 のバグと問題」を参照してください。
これらのバグの中には、カスタムインストールイメージの作成が必要になるものがあります。この回避方法についてのより詳しい情報は、バグの個別の説明と、第 3 章「IBM BladeCenter サーバーにおけるインストールの問題のトラブルシューティング (作業)」に記載されています。
IBM BladeCenter サーバーに Solaris 10 11/06 OS をインストールして使用する際に注意すべきバグと問題の一覧を、次に示します。
BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなど、Broadcom NetXtreme II ネットワークインタフェースカード (NIC) を搭載したシステムには、次のバグが該当します。
BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなど、PCI Express に対応したサーバーには、次のバグおよび問題が該当します。
「6474277: 一部の IBM BladeCenter サーバーで、キーボード入力の障害のために Solaris OS のインストールを完了できない」
「6477887: 一部の IBM BladeCenter サーバーで、不当な NMI エラーのために Solaris OS のインストールが失敗する」
「6505757: 一部の新しい PCI Express ハードウェアでは、デフォルトで PCI Express ソフトウェアサポートが有効ではない」
BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなど、ATI ES1000 515E チップセットを使用するシステムには、次のバグが該当します。
次のバグは、マルチプロセッサ拡張ユニット (MPE) を備えた BladeCenter LS41 のように、4 つ以上の NetXtreme II ギガビット Ethernet インタフェースが搭載されたシステムに該当します。
これらのバグの中には、カスタムインストールイメージの作成が必要になるものがあります。この回避方法についてのより詳しい情報は、以降に示すバグの個別の説明と、第 3 章「IBM BladeCenter サーバーにおけるインストールの問題のトラブルシューティング (作業)」に記載されています。
説明: このバグは、IBM BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの、Broadcom NetXtreme II NIC を利用するシステムに該当します。このドライバのサポートは、Broadcom から直接入手できます。
回避方法: Solaris OS 用 Broadcom bnx ドライバの最新版をダウンロードしてインストールします。
Broadcom bnx ドライバのダウンロード方法については、Broadcom Web サイト (http://ja.broadcom.com/support/ethernet_nic/downloaddrivers.php) を参照してください。
説明: IBM BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの、PCI Express 機能を備えたシステムがこのバグの影響を受けます。Solaris の PCI サポートに問題があるため、USB 割り込みが正しく処理されません。特に、これらのシステムの USB ホストコントローラは、デフォルトではメモリーマップ PCI 構成空間 (MCFG) アクセスをサポートしません。この結果、インストールの段階でキーボード入力が機能を停止して、インストールが失敗します。
回避方法: Solaris 10 11/06 リリースをインストールする前に、新しいインストールイメージを作成する必要があります。このインストールイメージにはパッチ 125034 を含める必要があり、このパッチはさらに 123840-04 と 118855-36 の 2 つのパッチのインストールを必要とします。手順については、「IBM BladeCenter LS21、LS41、および HS21 サーバーへの Solaris 10 11/06 のインストールのトラブルシューティング」を参照してください。
あるいは、Solaris 10 8/07 OS 以降をインストールします。
この問題は、6474277 で説明した問題と関連があります。
説明: Xsun -probe コマンドは、Solaris OS のインストール中に PCI バスを列挙するとき、使用できる可能性のあるすべての PCI デバイスと機能の PCI 構成空間を読み取ります。一部の BladeCenter ハードウェアは、機能 0 と 2 だけをサポートします。機能 1 へのアクセスが行われると、マスク不可割り込み (NMI) が発生し、管理プロセッサにより BladeCenter サーバーのリブートが実行されます。
この問題は、BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの PCI Express 対応のハードウェアで発生します。
回避方法: Solaris 10 11/06 リリースをインストールする前に、新しいインストールイメージを作成する必要があります。このインストールイメージにはパッチ 125034 を含める必要があり、このパッチはさらに 123840-04 と 118855-36 の 2 つのパッチのインストールを必要とします。手順については、「IBM BladeCenter LS21、LS41、および HS21 サーバーへの Solaris 10 11/06 のインストールのトラブルシューティング」を参照してください。
あるいは、Solaris 10 8/07 OS 以降をインストールします。
説明: これは、ATI ES1000 ビデオコントローラを使用するシステムに固有の問題です。サーバーのコンソールにはグラフィカルログイン画面が表示されますが、管理モジュール (MM) の遠隔制御機能を使用してサーバーへのアクセスを試みると、グラフィカルログイン画面が表示されません。
次のメッセージが表示されます。
No video available
回避方法: パッチ 125720 の最新バージョンをダウンロードしてインストールするか、Solaris 10 8/07 OS 以降をインストールします。
説明: Broadcom bnx ドライバの Version 3.0.0 は、Solaris bge ドライバと競合します。この競合は、Version 3.0.0 より前のドライババージョンでも発生します。
bnx ドライバが Broadcom NetXtreme II ギガビット Ethernet インタフェースのサポートを提供するのに対し、bge ドライバは Broadcom NetXtreme I ギガビット Ethernet インタフェースのサポートを提供します。存在する NetXtreme II インタフェースが 2 つだけである場合には、bnx ドライバで何の問題も発生しません。ところが、マルチプロセッサ拡張ユニット (MPE) が接続された BladeCenter LS41 サーバーのように、1 つのシステム上に 4 つ以上のインタフェースが存在していると、システムパニックのかたちで障害が発生します。
回避方法: Solaris OS 用 Broadcom bnx ドライバの最新版をダウンロードしてインストールします。
詳細手順については、「IBM BladeCenter LS21、LS41、および HS21 サーバーへの Solaris 10 11/06 のインストールのトラブルシューティング」を参照してください。
説明: BladeCenter LS21、LS41、HS21 サーバーなどの一部の IBM BladeCenter サーバーは、デフォルトではメモリーマップ PCI 構成空間 (MCFG) をサポートしていません。これらのシステムでは、何らかの回避方法を実行しない限り Solaris PCI Express ソフトウェアは動作しません。
回避方法: Solaris 10 11/06 OS 以降のリリースをインストールするには、まずシステム BIOS を更新する必要があります。
システム BIOS を更新するには、次の手順に従います。
システムをリブートします。
システムのリブート時に F1 を押して、システム BIOS にアクセスします。
MCFG を有効にするには、「Advanced Setup」->「PCI Bus Control」->「PCI Enhanced Configuration Access」の順に選択します。
右矢印キーまたは左矢印キーを使って、「PCI Enhanced Configuration Access」を「Enabled」に設定します。
IBM BladeCenter サーバーに Solaris 10 6/06 OS をインストールして使用する際に注意すべきバグと問題の一覧を、次に示します。
説明: ATI Rage XL ビデオチップが搭載されている IBM BladeCenter サーバーでは、システムに負荷がかかっていると、マウスの反応が目に見えて遅くなることがあります。
回避方法: パッチ 118966 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 11/06 OS 以降をインストールします。
説明: BladeCenter HS40 サーバーには、e1000g ドライバがサポートしているオンボード Intel NIC が搭載されています。現在、このドライバは Serial over LAN (SOL) 接続を完全にはサポートしていません。接続は開始できますが、ログインプロンプトは表示されません。
回避方法: パッチ 118855 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 11/06 OS 以降をインストールします。SOL 接続を設定する手順については、「Serial Over LAN 接続を設定する方法」を参照してください。
パッチ 118966 をインストールすると、この問題が発生します。詳細は、「6339315: 不正なコンパイラによって IBM BladeCenter HS20 がリセットされる」を参照してください。
説明: 絶対座標マウス入力イベントは、システムでのマウスのホットプラグ中は Xorg サーバー起動に送られません。結果として、両方のマウスポインタが、画面上で同じ位置に配置されなくなります。マウスを移動すると、両方のマウスポインタはさらに離れていきます。2 つのマウスポインタの分散の度合いは、X サーバーの解像度によって異なります。
回避方法: パッチ 118855 の最新バージョンをダウンロードしてインストールするか、Solaris 10 11/06 OS 以降をインストールします。
説明: BladeCenter HS40 サーバーで、/dev/ttyb デバイスが作成されないことがあります。Solaris OS は、ACPI テーブルを使用してシステムに存在するシリアルポートを特定します。BladeCenter HS40 の BIOS では、ACPI テーブルに COM2 が載っていないため、/dev/ttyb デバイスが作成されません。
回避方法: パッチ 118855 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 11/06 OS 以降をインストールします。
説明: Xsun -probe コマンドは、Solaris OS のインストール中に PCI バスを列挙するとき、使用できる可能性のあるすべての PCI デバイスと機能の PCI 構成空間を読み取ります。一部の BladeCenter ハードウェアは、機能 0 と 2 だけをサポートします。機能 1 へのアクセスが行われると、マスク不可割り込み (NMI) が発生し、管理プロセッサによりマシンのリブートが実行されます。
この問題は、BladeCenter HS20 サーバー、モデル 7981 で発生します。
回避方法: BladeCenter サーバーのシステム BIOS を更新して、「Reboot on NMI」オプションを無効にします。
次の手順を実行します。
BladeCenter サーバーの電源をオンにします。
「Press F1 for Configuration/Setup」が表示されたら F1 を押します。
「Advanced Setup」->「Baseboard Management Controller (BMC) Settings」->「Reboot System on NMI」の順に選択します。
右矢印キーまたは左矢印キーを押して、「Disabled」オプションを選択します。
Esc キーを 2 回押します。
「Save Settings」を選択します。
表示される指示に従って、インストール手順を実行します。
次のメッセージが表示されると、システムがハングアップしたように見えます。
rebooting.. |
次のいずれかを実行します。
CD を取り出し、手動でシステムの電源を切ってすぐに入れ直します。
CD を取り出し、BladeCenter 管理モジュールでシステムの電源を切ってすぐに入れ直します。
インストールが完了したら、システムにログインします。
IBM BladeCenter サーバーに Solaris 10 1/06 OS をインストールして使用する際に注意すべきバグと問題の一覧を、次に示します。
Solaris 10 1/06 および Solaris 10 6/06 リリースに該当するバグと問題の一覧を、次に示します。
これらのバグと問題の詳しい説明については、「Solaris 10 6/06 のバグと問題」を参照してください。
説明: 一部の IBM BladeCenter HS20 サーバーでは、システムをリブートしようとすると、ハングアップしたようになります。ほとんどの場合、最後に表示される画面出力は次のようになります。
Rebooting... |
回避方法: パッチ 118855 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 6/06 OS 以降をインストールします。
説明: Xorg サーバーは、次のような条件下では起動できない場合があります。
シナリオ 1: この問題は、IBM BladeCenter サーバーに KVM (Keyboard Video Mouse) がない場合に発生します。Xorg サーバーの起動時にマウスが接続されていない場合は、あとでマウスを接続しようとしても、マウスは認識されず使用できません。
シナリオ 2: システムに KVM があるかどうかや、マウスが接続されているかどうかに関わらず、Xorg サーバーを起動するときに /etc/X11/xorg.conf ファイルが存在しない場合、Xorg は起動に失敗します。
回避方法: パッチ 118966 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 6/06 OS 以降をインストールします。
説明: 新しくインストールした、以前のログインセッションがないシステムで root ユーザーとしてログインすると、Solaris 共通デスクトップ環境 (CDE) または Sun JavaTM Desktop System (Java DS) を選択するための画面が表示されます。「取消し」をクリックすると、dtlogin 画面にリセットされます。以降、root ユーザーとしてシステムにログインしようとしても、Solaris CDE と JDS のデスクトップログインの選択画面は表示されなくなります。このバグでは、しばらくすると画面が dtlogin 画面にリセットされ、root ユーザーとしてシステムにログインすることができなくなります。
回避方法: パッチ 119279 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 6/06 OS 以降をインストールします。
説明: IBM BladeCenter HS20 および LS20 サーバーには、bge ドライバがサポートしているオンボード Broadcom ネットワークインタフェースカード (NIC) が搭載されています。Serial Over LAN 接続をサポートするように、このドライバを更新する必要があります。
回避方法: bge ドライバを更新して SOL 接続をサポートするには、パッチ 122028 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 6/06 OS 以降をインストールします。
SOL 接続を設定する手順については、「Serial Over LAN 接続を設定する方法」を参照してください。
説明: RADEON VE/7000 (R100 ベースの GPU)、Intel Xeon プロセッサが搭載されていて、Solaris 10 1/06 OS がインストールされている IBM BladeCenter サーバーで JDS に入ると、自動的にリセットが行われます。このリセットは、GNOME スプラッシュ画面が消えた直後に発生し、デスクトップが表示されます。カーソルが時計に変わり、システムが約 10 秒間動かなくなってから、システムがリセットされたことを示す BIOS POST が表示されます。
回避方法: パッチ 118966 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 6/06 OS 以降をインストールします。
パッチ 118966 をインストールすると、「6396086: マウスのホットプラグ中に、絶対座標マウスの入力イベントが Xorg サーバー起動に送られない」で説明されている問題が発生します。
説明: IBM BladeCenter サーバーに KVM があり、Xorg サーバーの起動前に物理マウスが接続されていない場合、/etc/X11/xorg.conf ファイルでマウスプロトコルが auto に設定されていると、/dev/mouse は使用できません。マウスをホットプラグしようとすると、拒否されます。
回避方法: パッチ 121803 の最新バージョンをダウンロードして適用するか、Solaris 10 6/06 OS 以降をインストールします。