Oracle Solaris Trusted Extensions 管理の手順

Solaris 管理コンソールツール

Solaris 管理コンソールから、GUI ベースの管理ツールのツールボックスにアクセスできます。これらのツールを使用して、さまざまな構成データベースの項目を編集できます。Trusted Extensions では、Solaris 管理コンソールはユーザー、役割、およびトラステッドネットワークデータベースの管理インタフェースになります。

Trusted Extensions は Solaris 管理コンソールを拡張します。

Solaris 管理コンソールツールはスコープとセキュリティーポリシーに従って「ツールボックス」にまとめられます。Trusted Extensions を管理するために、Trusted Extensions には Policy=TSOL のツールボックスが用意されています。ツールには、有効範囲、つまりネームサービスに従ってアクセスできます。利用可能な有効範囲は、ローカルホストと LDAP です。

次の図に Solaris 管理コンソールを示します。Scope=Files の Trusted Extensions ツールボックスがロードされ、Users ツールセットが開かれています。

図 2–3 Solaris 管理コンソールの一般的な Trusted Extensions ツールボックス

図については本文で説明します。

Solaris 管理コンソールの Trusted Extensions ツール

Trusted Extensions は、次の 3 つのツールに構成可能なセキュリティー属性を追加します。

Trusted Extensions は、「コンピュータとネットワーク」ツールセットに次の 2 つのツールを追加します。

図 2–4 では、「ファイル」ツールボックスの「ユーザー」ツールセットが強調表示されています。Trusted Extensions ツールは「コンピュータとネットワーク」ツールセットの下に表示されます。

図 2–4 Solaris 管理コンソールの「コンピュータとネットワーク」ツールセット

ウィンドウに「コンピュータとネットワーク」ツールのアイコンが表示されています。「コンピュータ」、「セキュリティーテンプレート」、および 127,10 と 192.168 のネットワークのアイコンが表示されています。

「セキュリティーテンプレート」ツール

セキュリティーテンプレート」は、ホストのグループに割り当てることができる一連のセキュリティー属性について説明します。「セキュリティーテンプレート」ツールを使用すると、特定の組み合わせのセキュリティー属性をホストのグループに簡単に割り当てることができます。これらの属性は、データをパッケージ、転送、および解釈する方法を制御します。1 つのテンプレートに割り当てられたホストは、いずれもセキュリティー設定が同じです。

ホストは「コンピュータ」ツールで定義されます。ホストのセキュリティー属性は「セキュリティーテンプレート」ツールで割り当てます。「テンプレートの変更」ダイアログボックスには、次の 2 つのタブがあります。

トラステッドネットワークとセキュリティーテンプレートについては、第 12 章トラステッドネットワーク (概要)で詳しく説明します。

「トラステッドネットワークゾーン」ツール

「トラステッドネットワークゾーン」ツールは、システムのゾーンを識別します。最初は、大域ゾーンが表示されています。ゾーンとそのラベルを追加すると、区画にゾーン名が表示されます。ゾーンの作成は、一般的にシステムの構成中に行います。ラベルの割り当て、マルチレベルポートの構成、およびラベルポリシーは、このツールで構成します。詳細については、第 10 章Trusted Extensions でのゾーンの管理 (手順)を参照してください。

Solaris 管理コンソール を使用したクライアントサーバー通信

一般に、Solaris 管理コンソール クライアントはシステムを遠隔で管理します。ネームサービスとして LDAP を使用しているネットワークでは、Solaris 管理コンソール クライアントは LDAP サーバー上で動作する Solaris 管理コンソール サーバーに接続します。この構成を示したのが次の図です。

図 2–5 LDAP サーバーを使用してネットワークを管理する Solaris 管理コンソール クライアント

Solaris 管理コンソールサーバーが動作する LDAP サーバーと通信する Solaris 管理コンソールクライアント。

図 2–6 は、LDAP サーバーが構成されていないネットワークを示します。管理者は、Solaris 管理コンソール サーバーを使用して各遠隔システムを設定しました。

図 2–6 ネットワーク上の個々の遠隔システムを管理する Solaris 管理コンソール クライアント

複数の遠隔システムと通信する Solaris 管理コンソールクライアント。各システムでは、Solaris 管理コンソールサーバーが動作しています。

Solaris 管理コンソールのマニュアル

Solaris 管理コンソールの主要なマニュアルは、オンラインヘルプで用意されています。現在選択している機能にコンテキストヘルプが関連付けられ、情報区画に表示されます。拡張ヘルプトピックは、「ヘルプ」メニューから、またはコンテキストヘルプのリンクをクリックして使用できます。詳細については、『System Administration Guide: Basic Administration』の第 2 章「Working With the Solaris Management Console (Tasks)」を参照してください。また、『System Administration Guide: Basic Administration』「Using the Solaris Management Tools With RBAC (Task Map)」も参照してください。