この章では、rules ファイル、プロファイル、および 開始/終了スクリプトで使用できるキーワードと値のリストを示します。
表 8–1 に、rules ファイルで使用できるキーワードと値の説明を記載します。rules ファイルの詳しい作成方法については、「rules ファイルの作成」を参照してください。
表 8–1 ルールキーワードとルール値の説明
キーワード |
値 |
説明 |
||
---|---|---|---|---|
マイナス記号 (-) |
あらゆるものに一致することを意味します。 |
|||
processor_type processor_type に有効な値:
|
システムのプロセッサタイプを照合します。 システムのプロセッサタイプは、uname -p コマンドで調べることができます。 |
|||
actual_disk_name size_range actual_disk_name - cxtydz の形式のディスク名 (c0t3d0、c0d0 など)、または特別なワード rootdisk。rootdisk を使用する場合、照合するディスクは次の順番で決定されます。
size_range - ディスクのサイズ。M バイト単位の範囲 (x-x) で指定する必要があります。 注 – size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000 / 1,048,576 = 510 であるため、JumpStart プログラムは、「535M バイト」ディスクを 510M バイトのディスクと見なします。この「535M バイト」ディスクは、「530-550」の size_range には一致しません。 |
システムのディスクの名前とサイズを照合します (M バイト単位)。 例:
この例では、JumpStart プログラムは c0t3d0 というシステムディスクの照合を試みます。このディスクは 250M から 300M バイトの情報を保持できます。 例:
この例では、JumpStart プログラムは次の順でディスクを照合します。
|
|||
actual_domain_name |
システムのドメイン名を照合します。ドメイン名でネームサービスが情報を判別する方法を制御します。 システムがインストール済みの場合、domainname コマンドによりシステムのドメイン名を表示できます。 |
|||
actual_IP_address |
システムの IP アドレスを照合します。 |
|||
actual_host_name |
システムのホスト名を照合します。 システムがインストール済みの場合、uname -n コマンドによりシステムのホスト名を表示できます。 |
|||
slice version slice - cwtx dysz の形式のディスクスライス名 (c0t3d0s5 など)、あるいは特別なワード any または rootdisk。any を使用すると、システムに接続されたどのディスクも照合します (カーネルのプローブ順)。rootdisk を使用する場合、照合するディスクは次の順番で決定されます。
version - バージョン名、あるいは特別なワード any または upgrade。any を使用すると、Solaris または SunOS リリースのどれとでも照合します。upgrade を使用すると、サポートされていてアップグレード可能なすべての Solaris リリースと照合します。 Solaris リリースは検出されたが、バージョンを判断できないという場合は、返されるバージョンは SystemV になります。 |
Solaris ソフトウェアの特定バージョンに対応するルートファイルシステムが存在するディスクを照合します。 例:
この例では、c0t3d0s1 に Solaris のルートファイルシステムを持つシステムを照合しています。 |
|||
actual_platform_group 有効な値は、sun4u、i86pc、および prep。システムと対応するプラットフォームグループのリストは、『Solaris Sun ハードウェアマニュアル』(http://docs.sun.com) に記載されています。 |
システムのプラットフォームグループを照合します。 システムがインストール済みの場合は、arch -k コマンドまたは uname -m コマンドにより、システムのプラットフォームグループを表示できます。 |
|||
physical_mem 値は M バイト単位の範囲 (x-x) または 1 つの M バイト値で指定します。 |
システムの物理メモリーサイズを照合します (M バイト単位)。 例:
この例では、64M から 128M バイトの物理メモリーサイズを持つシステムと照合しています。 システムがインストール済みの場合は、prtconf コマンド (2 行目) によりシステムの物理メモリーサイズを表示できます。 |
|||
actual_platform_name |
システムのプラットフォーム名を照合します。有効なプラットフォーム名のリストは、『Solaris Sun ハードウェアマニュアル』(http://docs.sun.com) に記載されています。 インストール済みのシステムのプラットフォーム名を見つけるには、uname -i コマンドか prtconf コマンド (5 行目) の出力を使用します。 注 – actual_platform_name にスペースが含まれている場合は、スペースを下線 (_) で置き換える必要があります。 例: SUNW,Sun_4_50 |
|||
network_num |
システムのネットワーク番号を照合します。これは JumpStart プログラムが、システムの IP アドレスとサブネットマスクの論理積をとって判別します。 例:
この例では、IP アドレスが 192.168.2.8 のシステムを照合します (サブネットマスクが 255.255.255.0 の場合)。 |
|||
Solaris_x |
システムにすでにインストールされている Solaris のバージョンを照合します。 例:
この例では、JumpStart プログラムは Solaris 10 5/08 OS がすでにインストールされているシステムを照合します。 |
|||
probe_keyword |
有効なプローブキーワードまたは有効なカスタムプローブキーワード。 例:
この例は、システムのディスクサイズ (M バイト) をカーネルプローブ順に返します (例: SPARC システムでは c0t3d0s1、c0t4d0s0)。JumpStart プログラムは環境変数 SI_DISKLIST、 SI_DISKSIZES、 SI_NUMDISKS、および SI_TOTALDISK を設定します。 注 – probe キーワードには、属性を照合せず、プロファイルを実行しないという特徴があります。probe キーワードは、値を返すだけです。したがって、probe ルールキーワードで、開始スクリプト、プロファイル、および終了スクリプトは指定できません。 プローブキーワードについては、第 5 章「カスタムルールおよびプローブキーワードの作成 (作業)」を参照してください。 |
|||
size_range 値は M バイト単位の範囲 ( x-x) で指定する必要があります。 注 – size_range を計算するときは、1M バイトが 1,048,576 バイトであることに注意してください。「535M バイト」ディスクと明記されているディスクでも、ディスク空間が 510M バイトしかない場合があります。535,000,000 / 1,048,576 = 510 であるため、JumpStart プログラムは、「535M バイト」ディスクを 510M バイトのディスクと見なします。この「535M バイト」ディスクは、「530-550」の size_range には一致しません。 |
システムのディスク容量の全体量 (M バイト単位) を照合します。ディスク容量の全体量には、システムに接続されている使用可能なディスクがすべて含まれます。 例:
この例で JumpStart プログラムは、合計 300M から 500M バイトのディスク容量を持つシステムを照合しています。 |
次の節では、プロファイルで使用できるプロファイルキーワードとプロファイル値を説明します。プロファイルの詳しい作成方法については、「プロファイルの作成」を参照してください。
表 8–2 では、インストール方法に基づいて、どのキーワードを使用できるかをすばやく確認できます。プロファイルキーワードの説明で特に注記されていないかぎり、プロファイルキーワードは初期インストールオプションだけで使用できます。
表 8–2 プロファイルキーワードの概要
インストール方法 |
|||||
---|---|---|---|---|---|
プロファイルキーワード |
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されていない) |
スタンドアロンシステム (ネットワークに接続されている) またはサーバー |
OS サーバー |
アップグレード |
ディスク容量の再配置を使用するアップグレード |
archive_location (Solaris フラッシュアーカイブをインストールする場合) |
○ |
○ | |||
backup_media |
○ |
||||
boot_device |
○ |
○ |
○ | ||
bootenv createbe |
○ |
○ |
○ | ||
client_arch |
○ | ||||
client_root |
○ | ||||
client_swap |
○ | ||||
cluster (ソフトウェアグループを追加する場合) |
○ |
○ |
○ | ||
cluster (クラスタを追加または削除する場合) |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
dontuse |
○ |
○ |
○ | ||
fdisk (x86 のみ) |
○ |
○ |
○ | ||
filesys (リモートファイルシステムをマウントする場合) |
○ |
○ | |||
filesys (ローカルファイルシステムを作成する場合) |
○ |
○ |
○ | ||
filesys (ミラー化されたファイルシステムを作成する場合) |
○ |
○ |
○ |
|
|
forced_deployment (Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールする場合) |
○ |
○ |
|
|
|
geo |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
install_type |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
layout_constraint |
○ |
||||
local_customization (Solaris フラッシュアーカイブをインストールする場合) |
○ |
○ |
|
|
|
locale |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
metadb (状態データベースの複製を作成する場合) |
○ |
○ |
○ |
|
|
no_master_check (Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールする場合) |
○ |
○ |
|
|
|
no_content_check (Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールする場合) |
○ |
○ |
|
|
|
num_clients |
○ | ||||
package |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
partitioning |
○ |
○ |
○ |
|
|
patch |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
root_device |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
system_type |
○ |
○ |
○ |
|
|
usedisk |
○ |
○ |
○ |
archive_location retrieval_type location |
retrieval_type と location の値は、Solaris フラッシュアーカイブの格納場所によって異なります。retrieval_type と location に使用できる値や、archive_location キーワードの使用例については、次の各項を参照してください。
場所の詳細については、次の各節を参照してください。
非大域ゾーンがインストールされていると、Solaris フラッシュアーカイブは正常に作成できません。Solaris フラッシュ機能には Solaris ゾーン区分技術との互換性はありません。Solaris フラッシュアーカイブを作成する場合、そのアーカイブの配備条件が次のいずれかの場合は、作成されたアーカイブは正しくインストールされません。
アーカイブが非大域ゾーンに作成された場合
アーカイブが、非大域ゾーンがインストールされている大域ゾーンに作成された場合
アーカイブがネットワークファイルシステム (NFS) サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。
archive_location nfs server_name:/path/filename retry n |
アーカイブを格納するサーバーの名前です。
指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。
Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。
省略可能なキーワードです。n は、Solaris フラッシュユーティリティーがアーカイブのマウントを試みる最大回数です。
archive_location nfs golden:/archives/usrarchive archive_location nfs://golden/archives/usrarchive
アーカイブが HTTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。
archive_location http://server_name:port/path/filename optional_keywords |
アーカイブが HTTPS サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。
archive_location https://server_name:port/path/filename optional_keywords |
アーカイブを格納するサーバーの名前です。
オプションのポートです。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。
ポートを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデフォルトの HTTP ポート番号、80 を使用します。
指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。
Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。
Solaris フラッシュアーカイブを HTTP サーバーから取得するときに指定できるオプションのキーワードです。
archive_location http://silver/archives/usrarchive.flar timeout 5
auth basic user_name password キーワードの例:
archive_location http://silver/archives/usrarchive.flar timeout 5 user1 secret
アーカイブが FTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。
archive_location ftp://user_name:password@server_name:port/path/filename optional_keywords |
プロファイルファイルにおいて、FTP サーバーにアクセスするために必要なユーザー名とパスワードです。
アーカイブを格納するサーバーの名前です。
オプションのポートです。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。
ポートを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデフォルトの FTP ポート番号 21 を使用します。
指定したサーバーから取得するアーカイブの場所です。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。
Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。
Solaris フラッシュアーカイブを FTP サーバーから取得するときに指定できるオプションのキーワードです。
archive_location ftp://user1:secret@silver/archives/usrarchive.flar timeout 5
アーカイブがテープに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。
archive_location local_tape device position |
Solaris フラッシュアーカイブを格納したテープドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはデバイスノードへのパスからアーカイブを取得します。正規のパスでないデバイス名を指定した場合は、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはパスに /dev/rmt/ を加えます。
アーカイブを保存したテープドライブ上の位置を示します。位置が指定されないと、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはテープドライブの現在の位置からアーカイブを取得します。position を指定することにより、テープドライブ上でアーカイブの前に開始スクリプトまたは sysidcfg ファイルを配置できます。
archive_location local_tape /dev/rmt/0n 5 archive_location local_tape 0n 5
ファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスクや DVD など) に Solaris フラッシュアーカイブを格納した場合は、ローカルデバイスから Solaris フラッシュアーカイブを取得できます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。
ローカルテープ用の構文を使用すると、ストリーム指向のデバイス (テープなど) からアーカイブを取得できます。
archive_location local_device device path/filename file_system_type |
Solaris フラッシュアーカイブを格納したドライブの名前です。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーはパスに /dev/dsk/ を加えます。
Solaris フラッシュアーカイブへのパスです (指定したデバイス上のファイルシステムのルートからの相対的なパス)。このパスに $HOST を含めると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは $HOST をインストール先のクローンシステムの名前に置き換えます。
Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。
デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、Solaris フラッシュインストールユーティリティーは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。
UFS ファイルシステムとしてフォーマットされているローカルハードディスクからアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。
archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/$HOST
HSFS ファイルシステムを持つローカル CD-ROM からアーカイブを取得するには、次のコマンドを使用します。
archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/usrarchive
クローンシステムをブートしたミニルートに格納したローカルファイルのアーカイブを取得できます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、DVD、CD または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、DVD、CD または NFS ベースのミニルートに格納した Solaris フラッシュアーカイブは、ローカルファイルとしてアクセスできます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。
archive_location local_file path/filename |
アーカイブの位置です。このパスは、システムを Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムにローカルファイルとしてアクセスできるものでなければなりません。Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムは、/net などの自動マウントされたディレクトリへアクセスできません。
Solaris フラッシュアーカイブファイルの名前です。
archive_location local_file /archives/usrarchive
backup_media type path |
backup_media は、ディスク容量の再配置が必要なアップグレードオプションだけで使用できます。
backup_media は、ディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量の再配置が必要なファイルシステムのバックアップをとるために使用するメディアを定義します。バックアップ用に複数のテープまたはフロッピーディスクが必要な場合は、アップグレード中にテープまたはフロッピーディスクの挿入を求めるプロンプトが表示されます。
有効な type 値 |
有効な path 値 |
仕様 |
---|---|---|
local_tape |
/dev/rmt/n |
アップグレードされるシステムのローカルテープドライブを指定します。path は、テープドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスパスである必要があります。n はテープドライブの番号です。 |
local_diskette |
/dev/rdisketten |
アップグレードされるシステムのローカルフロッピーディスクドライブを指定します。path は、フロッピーディスクドライブのキャラクタ型 (raw) デバイスパスである必要があります。n はフロッピーディスクドライブの番号です。 バックアップに使用するフロッピーディスクはフォーマットされていなければなりません。 |
local_filesystem |
/dev/dsk/cwtxdysz /file_system |
アップグレードされるシステムのローカルファイルシステムを指定します。アップグレードで変更されるローカルファイルシステムは指定できません。path は、ディスクスライスのブロックデバイスパスでもかまいません。たとえば、/dev/dsk/cwtxdysz 内の tx は必須ではありません。あるいは、path は /etc/vfstab ファイルによってマウントされたファイルシステムへの絶対パスでもかまいません。 |
remote_filesystem |
host:/file_system |
リモートシステムの NFS ファイルシステムを指定します。path は、リモートシステム (host) の名前または IP アドレスと、NFS ファイルシステム (file_system) への絶対パスを含まなければなりません。NFS ファイルシステムは、読み取り権と書き込み権を持っている必要があります。 |
remote_system |
user@host :/directory |
リモートシェル (rsh) で到達できるリモートシステム上のディレクトリを指定します。アップグレードされるシステムは、リモートシステムの .rhosts ファイル経由で、リモートシステムにアクセスできなければなりません。path は、リモートシステム (host) の名前と、そのディレクトリ (directory) への絶対パスを含まなければなりません。ユーザーログイン ID (user) を指定しないと、デフォルトで root が使用されます。 |
backup_media local_tape /dev/rmt/0 backup_media local_diskette /dev/rdiskette1 backup_media local_filesystem /dev/dsk/c0t3d0s4 backup_media local_filesystem /export backup_media remote_filesystem system1:/export/temp backup_media remote_system user1@system1:/export/temp
boot_device device eeprom |
boot_device には、JumpStart がルート (/) ファイルシステムをインストールするデバイスと、システムのブートデバイスを指定します。boot_device は、ルート (/) ファイルシステムを指定する filesys キーワードと root_device キーワードに一致する必要があります。
プロファイルに boot_device キーワードを指定しなかった場合、インストール時にデフォルトで次の boot_device キーワードが指定されます。
boot_device any update |
次のいずれかの値を使用します。
JumpStart プログラムによってルート (/) ファイルシステムが配置されるディスクスライス (たとえば c0t0d0s0) です。
JumpStart プログラムによってルート (/) ファイルシステムが配置されるディスク (たとえば c0d0) です。
JumpStart プログラムは、システムの既存のブートデバイスにルート (/) ファイルシステムを格納します。
JumpStart プログラムは、ルート (/) ファイルシステムを配置する場所を選択します。システムの既存のブートデバイスを使用する場合もありますが、必要であれば異なるブートデバイスを選択します。
システムの EEPROM を変更または保存する場合に選択します。
システムの現在のブートデバイスを変更する場合、eeprom の値でもシステムの EEPROM を変更できます。これにより、システムは新しいブートデバイスから自動的にブートできます。
x86: preserve 値を指定する必要があります。
JumpStart プログラムは、インストールされるシステムが指定のブートデバイスから自動的にブートするように、システムの EEPROM をそのブートデバイスに変更します。
システムの EEPROM 中のブートデバイス値は変更されません。システムの EEPROM を変更しないで新しいブートデバイスを指定した場合は、システムが新しいブートデバイスから自動的にブートするように、システムの EEPROM を手作業で変更する必要があります。
boot_device c0t0d0s2 update
bootenv createbe bename new_BE_name filesystem mountpoint:device:fs_options [filesystem...] |
bootenv createbe キーワードを使用すると、Solaris OS のインストール時に、空の非アクティブブート環境をすばやく作成できます。少なくとも、ルート (/) ファイルシステムを作成する必要があります。スライスは、指定のファイルシステム用に予約されていますが、ファイルシステムはコピーされません。このブート環境は、名前が付けられてはいますが、実際には、Solaris フラッシュアーカイブがインストールされる時にはじめて作成されることになります。空のブート環境にアーカイブがインストールされると、ファイルシステムは予約されたスライスにインストールされます。bename および filesystem の値を次に示します。
bename は、新しく作成するブート環境の名前を指定します。new_BE_name は、30 文字以内の英数字で指定してください。マルチバイト文字は使用できません。この名前は、システム上で一意となるように指定する必要があります。
filesystem は、新しいブート環境に作成するファイルシステムの種類と数を決定します。少なくとも、ルート (/) ファイルシステムを置くスライスを指定する必要があります。複数のファイルシステムを同一のディスクに置くことも、複数のディスクに分散することもできます。
mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップスライスを示す - (ハイフン) を指定できます。
device には、インストール対象であるオペレーティングシステムが最初に起動したときに利用可能なデバイスを指定してください。このデバイスは、「free」などの JumpStart の特殊な記憶装置とは無関係です。デバイスとして Solaris ボリュームマネージャーのボリュームや Veritas Volume Manager のボリュームを指定することはできません。device はディスクデバイスの名前です。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます。
fs_options には、次のいずれかを指定できます。
ufs: UFS ファイルシステムを示します。
swap: スワップファイルシステムを示します。スワップマウントポイントはハイフン (–) で表します。
プロファイルの例とこのキーワードの基本的な使用方法については、次の関連情報を参照してください。
プロファイルの例 | |
非アクティブブート環境の作成、アップグレード、およびアクティブ化を行うための Solaris Live Upgrade の基本的な使用方法 |
『Solaris 10 5/08 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の第 2 章「Solaris Live Upgrade (概要)」 |
Solaris フラッシュアーカイブの基本的な使用方法 |
『Solaris 10 5/08 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の第 1 章「Solaris フラッシュ (概要)」 |
client_arch karch_value ... |
client_arch は、OS サーバーが、それ自体が使用するものとは異なるプラットフォームグループをサポートすることを定義します。プロファイルに client_arch を指定しない場合、OS サーバーを使用するどのディスクレスクライアントも、サーバーと同じプラットフォームグループでなくてはなりません。OS サーバーにサポートさせたいプラットフォームグループをすべて指定する必要があります。
karch_value の有効な値は、sun4u と i86pc です。プラットフォーム名とさまざまなシステムの詳細については、『Solaris Sun ハードウェアマニュアル』(http://docs.sun.com) を参照してください。
client_arch は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
client_root root_size |
client_root は、各クライアントに割り当てるルート領域の大きさ (root_size) を M バイト単位で定義します。サーバーのプロファイルに client_root を指定しないと、インストールソフトウェアは 1 つのクライアント当たり 15M バイトのルート領域を割り当てます。このクライアント用のルート領域の大きさは、num_clients キーワードを組み合わせて、/export/root ファイルシステム用に確保する領域の大きさを決定するときに使用されます。
client_root は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
client_swap swap_size |
client_swap は、各ディスクレスクライアントに割り当てるスワップ空間の大きさ (swap_size) を M バイト単位で定義します。client_swap を指定しない場合、32M バイトのスワップ空間がデフォルトで割り当てられます。
client_swap は、system_type に server を指定したときだけ使用できます。
次の例は、各ディスクレスクライアントが 64M バイトのスワップ空間を持つことを定義します。
client_swap 64
プロファイルが swap のサイズを指定していない場合、JumpStart プログラムはシステムの物理メモリーに基づいてスワップ空間のサイズを決定します。表 8–5 に、カスタム JumpStart インストール中に swap のサイズがどのように決定されるかを示します。
表 8–5 swap のサイズの決定
物理メモリー (単位: M バイト) |
スワップ空間 (単位: M バイト) |
---|---|
16–64 |
32 |
64–128 |
64 |
128–512 |
128 |
512 を超える場合 |
256 |
JumpStart プログラムは swap のサイズが swap が作成されるディスクの 20% を超えないようにします 。ただし、ほかのファイルシステムを配置したあとにディスクに空き領域が残っている場合を除きます。空き領域が残っている場合、JumpStart プログラムは空き領域を swap に割り当てて、可能であれば、表 8–5 に示されている量を割り当てます。
物理メモリーとスワップ空間の合計は、32M バイト以上必要です。
cluster group_name |
cluster は、どのソフトウェアグループをシステムに追加するかを指定します。
ソフトウェアグループは、クラスタおよびパッケージの集まりを含むメタクラスタです。ソフトウェアグループは、cluster キーワードおよび group_name 変数を使ってインストールされます。この cluster キーワードは、初期インストールのときにのみインストールできます。この cluster キーワードは、clustertoc(4) ファイル内のメタクラスタを表します。
クラスタは SUNWname という名前のパッケージの集まりです。クラスタは、cluster キーワードおよび cluster_name 変数を使ってインストールされます。クラスタは初期インストールまたはアップグレードのときに、ソフトウェアグループ (メタクラスタ) から追加または削除できます。
各ソフトウェアグループの group_name 名は次のとおりです。
ソフトウェアグループ |
group_name |
---|---|
限定ネットワークシステムサポート |
SUNWCrnet |
コアシステムサポート |
SUNWCreq |
エンドユーザーシステムサポート |
SUNWCuser |
開発者システムサポート |
SUNWCprog |
全体ディストリビューション |
SUNWCall |
全体ディストリビューションと OEM サポート |
SUNWCXall |
次の制約があります。
ソフトウェアグループは、ほかの cluster エントリおよび package エントリよりも前に指定する必要があります。
プロファイル内の cluster でソフトウェアグループを指定しない場合、デフォルトによりエンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループ (SUNWCuser) がシステムにインストールされます。
ソフトウェアグループの詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。
cluster cluster_name add_delete_switch |
cluster は、システムにインストールされるソフトウェアグループにクラスタを追加するか、削除するかを指定します。
クラスタ名は SUNWCname の形式で指定します。
指定のクラスタを追加するか削除するかを表すオプションのキーワードです。値 add または delete を使用します。値 add も delete も指定しなかった場合、デフォルトで add が適用されます。
アップグレード時に cluster を使用すると、次の条件が適用されます。
すでにシステムにあるすべてのクラスタが自動的にアップグレードされます。
cluster_name add を指定したが、cluster_name がシステムにインストールされていなかった場合、そのクラスタがインストールされます。
cluster_name delete を指定したが、cluster_name がシステムにインストールされていた場合、アップグレードが開始される前にそのパッケージは削除されます。
ソフトウェアグループは、クラスタおよびパッケージの集まりを含むメタクラスタです。ソフトウェアグループは、cluster キーワードおよび group_name 変数を使ってインストールされます。この cluster キーワードは、初期インストールのときにのみインストールできます。この cluster キーワードは、clustertoc(4) ファイル内のメタクラスタを表します。
クラスタはパッケージの集まりです。クラスタはグループ化され、ソフトウェアグループ (メタクラスタ) を形成できます。クラスタ名は常に SUNW<name> の形式となります。クラスタは、cluster キーワードおよび cluster_name 変数を使ってインストールされます。クラスタは初期インストールまたはアップグレードのときに、ソフトウェアグループ (メタクラスタ) から追加または削除できます。
dontuse disk_name ... |
partitioning default が指定されると、デフォルトではシステム上のすべての使用可能ディスクが使用されます。dontuse は、JumpStart プログラムに使用させないディスク (1 つ以上) を指定するために使用します。disk_name は、cxtydz または cydz の形式 (たとえば、c0t0d0) で指定する必要があります。
1 つのプロファイルで、dontuse キーワードと usedisk キーワードを同時に指定することはできません。
fdisk disk_name type size |
fdisk は、x86 システムで fdisk パーティションを設定する方法を定義します。fdisk は 2 回以上指定できます。次に、fdisk によって x86 システムのパーティション設定を行う際の動作を示します。
fdisk キーワードを使って (size に delete か 0 を指定して) 削除しないかぎり、ディスク上のすべての fdisk パーティションが保存されます。また、size に all を指定した場合は、既存のすべての fdisk パーティションが削除されます。
ルート (/) ファイルシステムを含む Solaris fdisk パーティションは、そのディスク上でアクティブパーティションとして常に指定されます。
システムは、デフォルトでアクティブパーティションから起動します。
プロファイルで fdisk キーワードを指定しないと、インストール時にデフォルトで次の fdisk キーワードが指定されます。
fdisk all solaris maxfree
fdisk エントリは、プロファイルに指定されている順序で処理されます。
次の値を使用して、fdisk パーティションを作成または削除する場所を指定します。
cxtydz または cydz - 特定のディスク。たとえば、c0t3d0。
rootdisk – システムのルートディスク (インストールが行われる場所) の値を含む変数。ルートディスクは、「システムのルートディスクを決定する方法」に説明されているように、JumpStart プログラムによって決定されます。
all - 選択されたすべてのディスク。
次の値を使用し、指定したディスク上で作成または削除する fdisk パーティションのタイプを指定します。
solaris - Solaris fdisk パーティション (SUNIXOS fdisk タイプ)。
dosprimary - 一次 DOS の fdisk パーティション (データ DOS 用に拡張または予約された fdisk パーティションではない) の別名。size に値 delete を指定して fdisk パーティションを削除する場合、dosprimary は DOSHUGE、DOSOS12、および DOSOS16 fdisk タイプの別名になります。fdisk パーティションを作成する場合、dosprimary は DOSHUGE fdisk パーティションの別名になります。
DDD - 整数で表す fdisk パーティション。DDD は 1 から 255 までの整数です。
この値は size に delete を指定した場合のみ指定できます。
0xHH - 16 進数で表す fdisk パーティション。HH は 01 から FF までの 16 進数です。
この値は size に delete を指定した場合のみ指定できます。
いくつかの fdisk タイプの整数と 16 進数での表し方を次の表に示します。
fdisk タイプ |
DDD |
HH |
---|---|---|
DOSOS12 |
1 |
01 |
PCIXOS |
2 |
02 |
DOSOS16 |
4 |
04 |
EXTDOS |
5 |
05 |
DOSHUGE |
6 |
06 |
DOSDATA |
86 |
56 |
OTHEROS |
98 |
62 |
UNIXOS |
99 |
63 |
次のいずれかの値を使用します。
DDD - サイズが DDD (M バイト単位) の fdisk パーティションを、指定したディスク上に作成します。DDD は整数で指定する必要があります。JumpStart プログラムは、この数値を一番近いシリンダの境界に自動的に繰り上げます。値 0 を指定すると、delete を指定するのと同じになります。
all – fdisk ディスク全体に 1 つのパーティションを作成します(既存の fdisk パーティションはすべて削除される)。
値 all を指定できるのは、type が solaris の場合だけです。
maxfree - 指定したディスク上の最も大きい連続する空き領域に fdisk パーティションを作成します。指定した type の fdisk パーティションがディスク上にすでに存在する場合、その既存の fdisk パーティションが使用されます。新しい fdisk パーティションはディスク上に作成されません。
ディスクには、空き領域と未使用の fdisk パーティションが 1 つ以上存在しなければなりません。領域が確保されないとインストールは失敗します。値 maxfree を指定できるのは、type が solaris または dosprimary の場合だけです。
delete - 指定した type のすべての fdisk パーティションを指定したディスク上で削除します。
filesys server:path server_address mount_pt_name mount_options |
これらの値を指定して filesys を使用すると、JumpStart プログラムはインストールされているシステムがそのブート時に自動的にリモートファイルシステムをマウントするように設定します。filesys は 2 回以上指定できます。
リモートファイルシステムが存在するサーバー名 (後ろにコロンを付ける)。
リモートファイルシステムのマウントポイント名。 (例: /usr、/export/home など)
サーバーの IP アドレス。server:path で指定します。ネームサービスがネットワーク上で実行されていない場合、この値 server_address を使用して、サーバーのホスト名と IP アドレスを /etc/hosts ファイルに反映できます。サーバーの IP アドレスを指定しない場合は、マイナス記号 (-) を指定する必要があります。たとえば、ネットワーク上で実行中のネームサービスがある場合、サーバーの IP アドレスを指定する必要はありません。
リモートファイルシステムをマウントするマウントポイント名。
1 つ以上のマウントオプション。mount(1M) コマンドの -o オプションと同じです。これらのマウントオプションは、指定された mount_pt_name の /etc/vfstab エントリに追加されます。
複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota
filesys sherlock:/export/home/user2 - /home
filesys slice size file_system optional_parameters |
これらの値を指定して filesys を使用すると、JumpStart プログラムによりインストール時にローカルファイルシステムが作成されます。filesys は 2 回以上指定できます。
次のいずれかの値を使用します。
JumpStart プロファイルは、ファイルシステムを任意のディスクに配置します。
size が existing、all、free、start:size、または ignore の場合は、any は指定できません。
JumpStart プログラムがファイルシステムを配置するディスクスライス。たとえば、c0t0d0s0 または c0d0s0。
システムのルートディスクの値を含む変数。ルートディスクは、「システムのルートディスクを決定する方法」に説明されているように、JumpStart プログラムによって決定されます。拡張子 sn は、ディスク上の特定のスライスを示します。
ルートディスクは、JumpStart プログラムによって決定され、OS がインストールされる場所を指定します。rules ファイルでは、プローブキーワード「rootdisk」を使用しますが、このキーワードは JumpStart プロファイルで使用される「rootdisk」キーワードとは使い方が異なります。rules ファイルのプローブキーワード「rootdisk」を使って、インストールの場所を設定することはできません。プローブキーワード rootdisk は、インストール時のブート元を決定します。表 8–10 を参照してください。
次のいずれかの値を使用します。
ファイルシステムのサイズを num (M バイト単位) で設定します。
既存のファイルシステムの現在のサイズを使用します。
existing の値を使用すると、別の mount_pt_name として file_system を指定することによって、既存のスライス名を変更できます。
選択したソフトウェアに応じて、ファイルシステムのサイズを自動的に決定します。
指定した slice は、そのファイルシステム用にディスク全体を使用します。この値を指定すると、指定したディスク上にほかのファイルシステムは存在できません。
ディスク上の残りの未使用領域をファイルシステム用に使用します。
filesys の値として free を使用する場合は、filesys はプロファイルの最後のエントリにする必要があります。
ファイルシステムを明示的にパーティションに分割します。start はスライスが始まるシリンダであり、size はそのスライスのシリンダ数です。
file_system 値はオプションで、slice に any または cwtxdysz を指定しているときに使用できます。この値を指定しないと unnamed がデフォルトで設定されますが、この場合 optional_parameters 値を指定できません。次のいずれかの値を使用します。
ファイルシステムのマウントポイント名です (たとえば、/var)。
指定した slice が swap として使用されます。
指定した slice がディスク領域を表すものとして定義されます。VTOC 値は V_BACKUP です。デフォルトでは、スライス 2 はディスク全体を表すオーバーラップスライスです。
size に existing、all、または start:size を指定した場合だけ overlap を指定できます。
指定した slice が raw スライスとして定義されるので、slice にはマウントポイント名がありません。file_system を指定しないと、デフォルトで unnamed が設定されます。
指定した slice を使用しないか、JumpStart プログラムで認識しません。このオプションは、インストール時にディスク上の特定のファイルシステムを無視させるために使用できます。JumpStart プログラムは、同じディスク上に同じ名前で新しいファイルシステムを作成します。ignore は、partitioning existing を指定したときだけ使用できます。
次のいずれかの値を使用します。
指定した slice 上のファイルシステムを保存します。
size に existing、slice に cwtxdysz を指定した場合だけ preserve を指定できます。
1 つ以上のマウントオプション。mount(1M) コマンドの -o オプションと同じです。これらのマウントオプションは、指定された mount_pt_name の /etc/vfstab エントリに追加されます。
複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースではなくコンマで区切ってください。例: ro,quota
filesys mirror[:name]slice [slice] size file_system optional_parameters |
JumpStart プログラムでは、filesys mirror キーワードと一覧にある値を使用して、ミラー化されたファイルシステムの作成に必要な RAID-1 および RAID-0 ボリュームを作成できます。複数のファイルシステムの RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成する場合は、filesys mirror を繰り返し指定できます。
filesys mirror キーワードは、初期インストールでのみサポートされます。
任意のキーワードです。RAID-1 ボリューム (ミラー) に名前を付けることができます。ミラー名の先頭の文字は必ず「d」で、その後ろに 0 – 127 の数字が続きます (例: d100)。ミラー名を指定しない場合は、カスタム JumpStart プログラムによって名前が割り当てられます。ミラー名の指定方法については、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「カスタム JumpStart と Solaris Live Upgrade を行うときの RAID ボリューム名の要件とガイドライン」を参照してください。
ディスクスライスを指定します。カスタム JumpStart プログラムは、このディスクスライスに、複製するファイルシステムを配置します。スライスの値は、cwtxdysz の形式になります (例: c0t0d0s0、c0t0d0s5 など)。カスタム JumpStart プログラムは、スライス上に RAID-0 ボリューム (単一スライス連結) を作成し、この連結をミラー化するための RAID-1 ボリュームを作成します。2 つの RAID-0 ボリュームに、最大 2 つのスライスを指定できます。
ファイルシステムのサイズを M バイト単位で指定します。
複製するファイルシステムを指定します。カスタム JumpStart プログラムは、指定されたスライスから RAID-1 ボリュームを作成し、この RAID-1 ボリュームを指定されたファイルシステムにマウントします。ルート (/)、/usr、/var などのクリティカルファイルシステムに加えて、swap もファイルシステムとして指定できます。
1 つ以上のマウントオプション。mount(1M) コマンドの -o オプションと同じです。これらのマウントオプションは、指定された file_system の /etc/vfstab エントリに追加されます。複数のマウントオプションを指定する場合は、マウントオプションはスペースを入れずにコンマで区切ってください (例: ro,quota)。
ミラー化されたファイルシステムをインストール時に作成する方法の詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の第 8 章「インストール時の RAID-1 ボリューム (ミラー) の作成 (概要)」を参照してください。
forced_deployment |
forced_deployment は、ソフトウェアで想定されているものとは異なるクローンシステムに、Solaris フラッシュ差分アーカイブを強制的にインストールします。
forced_deployment を使用すると、クローンシステムを期待される状態にするために、新規ファイルがすべて削除されます。ファイルを削除して良いかどうか判断できない場合には、デフォルトを使用してください。デフォルトでは、新規ファイルが削除されそうになると、インストールが停止します。
geo region |
geo は、システムにインストールする地域ロケールか、あるいはシステムのアップグレード時に追加する地域ロケールを指定します。region は、インストールするロケールを含んだ地理的地域を指定します。region に指定できる値を、次の表に一覧表示します。
値 |
説明 |
---|---|
N_Africa |
北アフリカ。エジプトを含みます |
C_America |
中央アメリカ。コスタリカ、エルサルバドル、グァテマラ、メキシコ、ニカラグア、パナマを含みます |
N_America |
北アメリカ。カナダ、アメリカ合衆国を含みます |
S_America |
南アメリカ。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラを含みます |
Asia |
アジア。日本、韓国、中華人民共和国、台湾、タイを含みます |
Ausi |
オーストラリア。オーストラリア、ニュージーランドを含みます |
C_Europe |
中央ヨーロッパ。オーストリア、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、スイスを含みます |
E_Europe |
東ヨーロッパ。アルバニア、ボスニア、ブルガリア、クロアチア、エストニア、ラトビア、リトアニア、マケドニア、ルーマニア、ロシア、セルビア、スロヴェニア、トルコを含みます |
N_Europe |
北ヨーロッパ。デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンを含みます |
S_Europe |
南ヨーロッパ。ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインを含みます |
W_Europe |
西ヨーロッパ。ベルギー、フランス、イギリス、アイルランド、オランダを含みます |
M_East |
中近東。イスラエルを含みます |
前記の各地域ロケールを構成するコンポーネントロケール値の完全なリストは、『国際化対応言語環境の利用ガイド』に記載されています。
システムに追加する必要がある各ロケールごとに、geo キーワードを指定します。
install_type initial_upgrade_flash_switch |
install_type は、システムに対し、新しい Solaris OS を上書きインストールするか、既存の Solaris OS をアップグレードするか、あるいは、Solaris フラッシュアーカイブをインストールするかを定義します。
install_type は必須であり、各プロファイル内で最初のプロファイルキーワードとして指定する必要があります。
initial_upgrade_flash_switch には、次のオプションのうちの 1 つを使用する必要があります。
Solaris OS の初期インストールの実行を指定します。
Solaris OS のアップグレードの実行を指定します。
すべてのファイルを上書きする Solaris フラッシュアーカイブをインストールすることを指定します。
指定したファイルだけを上書きする Solaris フラッシュ差分アーカイブをインストールすることを指定します。
プロファイルキーワードの中には、initial_install オプションでしか使用できないものがあります。upgrade オプションでしか使用できないものもあります。また、flash_install オプションでしか使用できないものがあります。
layout_constraint slice constraint minimum_size |
layout_constraint は、ファイルシステムがディスク容量不足のためにアップグレード中にディスク容量を再配置する必要がある場合に、制約付き自動配置がファイルシステムで行われることを示します。
制約を指定するファイルシステムのディスクスライスを指定します。システムのディスクスライスは、cwtxdysz または cxdysz の形式で指定する必要があります。
指定したファイルシステムに対して、次のいずれか 1 つの制約を選択します。
自動配置機能はファイルシステムをほかの場所に移動して、そのサイズを変更できます。changeable 制約は、/etc/vfstab ファイルによってマウントされたファイルシステムにしか指定できません。minimum_size 値を指定すれば、ファイルシステムのサイズを変更できます。
ファイルシステムを changeable とマークして、minimum_size 値を指定しないと、そのファイルシステムの最小サイズは、必要な最小サイズより 10% 大きな値に設定されます。たとえば、ファイルシステムの最小サイズが 100M バイトの場合、変更されるサイズは 110M バイトになります。minimum_size を指定した場合、残りの空き領域 (元のサイズから最小サイズを引いたもの) はほかのファイルシステム用に使用されます。
自動配置機能はファイルシステムを (同じディスクまたは異なるディスク上の) ほかのスライスに移動できますが、サイズは変更しません。
自動配置機能は、ファイルシステムのすべての領域を使用して領域を割り当て直します。ファイルシステムのすべてのデータは失われます。available 制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされないファイルシステムだけに指定できます。
自動配置機能は、指定したファイルシステムをその親ファイルシステムに移動して閉じこめます。このオプションは、アップグレードの一部としてシステム上のファイルシステム数を減らすために使用できます。たとえば、システムにファイルシステム /usr と /usr/share が存在する場合、/usr/share ファイルシステムを閉じ込めると、このファイルシステムは /usr (その親) に移動します。collapse 制約は、/etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムにしか指定できません。
この値は、自動配置機能がディスク容量を再配置するときに、ファイルシステムに割り当てる最小サイズを指定します(基本的にファイルシステムのサイズを変更する)。まだ割り当てられていない領域が追加される場合、ファイルシステムのサイズは最終的にこの指定した値より大きくなる可能性があります。しかし、指定される値よりサイズが小さくなることはありません。minimum_size 値は省略可能です。このオプション値を使用できるのは、ファイルシステムを changeable とマークした場合だけです。最小サイズは、ファイルシステムの既存の内容に必要なサイズより小さい値には設定できません。
layout_constraint c0t3d0s1 changeable 200 layout_constraint c0t3d0s4 movable layout_constraint c0t3d1s3 available layout_constraint c0t2d0s1 collapse
local_customization local_directory |
クローンシステムに Solaris フラッシュアーカイブをインストールする前に、カスタムスクリプトを作成して、クローンシステム上のローカル構成を保存できます。local_customization キーワードは、これらのスクリプトの格納先ディレクトリを示します。local_directory は、クローンシステム上のスクリプトのパスです。
配置前および配置後スクリプトについては、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の「カスタムスクリプトの作成」を参照してください。
locale locale_name |
locale は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。
locale は、指定した locale_name に対して、どのロケールパッケージをインストール (アップグレードの場合は追加) するかを指定します。locale_name 値は、$LANG 環境変数で使用されるのと同じです。使用できるロケール値のリストについては、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。
locale キーワードを使用する場合は、次の点を考慮してください。
デフォルトロケールを事前設定している場合は、そのロケールは自動的にインストールされます。English 言語パッケージはデフォルトでインストールされます。
locale キーワードは、システムに追加するロケールごとに指定できます。
metadb slice [size size-in-blocks] [count number-of-replicas]
metadb キーワードでは、カスタム JumpStart インストール時に、Solaris ボリュームマネージャーの状態データベースの複製 (mediates) を作成できます。metadb キーワードをプロファイルファイル内で複数回使用して、複数のディスクスライス上に状態データベースの複製を作成することができます。
カスタム JumpStart プログラムが状態データベースの複製を配置するディスクスライスを指定する必要があります。slice の値の形式は、cwtxdysz です。
size オプションキーワードでは、作成する状態データベースの複製のサイズをブロック単位で指定できます。size を指定しないと、カスタム JumpStart プログラムは、状態データベースの複製のデフォルトのサイズ、8192 ブロックを使用します。
プロファイル内にオプションの count キーワードを設定することにより、作成する状態データベースの複製の数を指定できます。count を指定しないと、カスタム JumpStart プログラムは、デフォルトで、状態データベースの複製を 3 つ作成します。
インストール時に Solaris ボリュームマネージャーの状態データベースの複製を作成する方法については、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「状態データベースの複製のガイドラインと要件」を参照してください。
no_content_check |
Solaris フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_content_check キーワードを使用してファイルごとの検証を省略できます。ファイルごとの検証により、クローンシステムがマスターシステムの複製であることが保証されます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。
no_content_check を使用すると、クローンシステムを期待される状態にするために、新規ファイルがすべて削除されます。ファイルを削除して良いかどうか判断できない場合には、デフォルトを使用してください。デフォルトでは、新規ファイルが削除されそうになると、インストールが停止します。
Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール方法については、「カスタム JumpStart インストールを使用して Solaris フラッシュアーカイブをインストールする方法」を参照してください。
no_master_check |
Solaris フラッシュ差分アーカイブを使用してクローンシステムをインストールする場合、no_master_check キーワードを使用して、クローンシステムが元のマスターシステムから構築されたものかどうかのチェックを省略できます。クローンシステムが元のマスターシステムの複製であることが確実である場合を除き、このキーワードの使用は避けてください。
Solaris フラッシュ差分アーカイブのインストール方法については、「カスタム JumpStart インストールを使用して Solaris フラッシュアーカイブをインストールする方法」を参照してください。
num_clients client_num |
サーバーがインストールされているときには、各ディスクレスクライアントのルート (/) とスワップファイルシステムに領域が割り当てられます。num_clients は、サーバーがサポートするディスクレスクライアント数 (client_num) を定義します。プロファイルで num_clients を指定しないと、デフォルトで 5 つのディスクレスクライアントが割り当てられます。
num_clients は、system_type が server として指定されているときだけ使用できます。
package package_name [add [retrieval_type location]| delete] |
package は、初期インストールとアップグレードオプションの両方で使用できます。package キーワードを指定すると、次の処理が可能になります。
インストールするディストリビューション以外からソフトウェアグループにパッケージを追加します。
インストールまたはアップグレードするソフトウェアグループからパッケージを除外 (削除) します。
Solaris フラッシュアーカイブのインストール時に、インストールするディストリビューション以外からパッケージを追加します。
パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。
指定されたパッケージを追加または削除します。値 add も delete も指定しなかった場合、デフォルトで add が適用されます。
プロファイルに別のパッケージエントリを追加し、場所を省略することで、複数のパッケージを追加できます。場所を指定しない場合、直前のパッケージの場所が、後続のすべてのパッケージに適用されます。
インストールする Solaris ディストリビューションに含まれないパッケージ (複数可) を追加します。retrieval_type と location の値は、パッケージの格納場所によって異なります。以降の節では、retrieval_type と location に指定可能な値と、package_name キーワードの使用例を示します。
パッケージが NFS サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で package キーワードを使用します。
package package_name add nfs server_name:/path [retry n] package package_name add nfs://server_name:/path [retry n] |
パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。
パッケージを格納したサーバーの名前を指定します。
指定されたサーバー上のパッケージディレクトリの場所を指定します。パスに $HOST が含まれる場合、$HOST はインストールするホストシステムの名前で置き換えられます。
オプションのキーワードです。n は、インストールプロセスがディレクトリのマウントを試みる回数の最大値です。
この例の package プロファイルキーワードは、NFS の場所 nfs://golden/packages/Solaris_10/ から SUNWnew パッケージを追加します。マウントに失敗した場合、NFS マウントが 5 回試行されます。
package SUNWnew add nfs golden:/packages/Solaris_10 retry 5
パッケージが HTTP サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で package キーワードを使用します。
package package_name add http://server_name[:port] path optional_keywords package package_name add http server_name[:port] path optional_keywords |
パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。
パッケージを格納したサーバーの名前を指定します。
オプションポートを指定します。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。
ポートを指定しなかった場合、デフォルトの HTTP ポート番号 80 が使用されます。
指定されたサーバーから取得するパッケージの場所を指定します。HTTP サーバーを使用する場合、データストリーム形式のパッケージを使用する必要があります。
HTTP サーバーからパッケージを取得するとき使用するオプションのキーワードを指定します。
キーワード |
値の定義 |
---|---|
timeout min |
timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。 タイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。 |
proxy host:port |
proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris パッケージを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。 |
この例の package プロファイルキーワードは、HTTP の場所 http://package.central/10 から、Solaris 10 ディレクトリ内のすべてのパッケージを追加します。データが取得されないまま 5 分以上経過すると、パッケージデータが再度取得されます。以前のパッケージデータは破棄されます。次のいずれかの形式を使用できます。
package SUNWnew add http package.central/Solaris_10 timeout 5
package SUNWnew add http://package.central/Solaris_10 timeout 5
この例の package プロファイルキーワードは、HTTP の場所 http://package.central/10 から、Solaris_10 ディレクトリ内のすべてのパッケージを追加します。proxy キーワードを使用すると、ファイアウォール越しにパッケージを取得できます。
package SUNWnew add http://package.central/Solaris_10 proxy webcache.east:8080
パッケージをファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスク、DVD-ROM など) に格納している場合は、ローカルデバイスから Solaris パッケージを取得できます。package キーワードでは次の構文を使用します。
package package_name add local_device device path file_system_type
パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。
Solaris パッケージが格納されているドライブの名前を指定します。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、インストールユーティリティーはパスに /dev/dsk/ を加えます。
Solaris パッケージのパスを指定します。指定したデバイス上のルート (/) ファイルシステムからの相対パスで指定する必要があります。
デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、インストールユーティリティーは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、インストールユーティリティーは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。
この例の package プロファイルキーワードは、ローカルデバイス c0t6d0s0 の /Solaris_10/Product ディレクトリから SUNWnew パッケージを追加します。これは UFS ファイルシステムです。
package SUNWnew add local_device c0t6d0s0 /Solaris_10/Product ufs
この例の package プロファイルキーワードは、ローカルデバイス c0t6d0s0 の /Solaris_10/Product ディレクトリから SUNWnew パッケージを追加します。これは HSFS ファイルシステムです。
package SUNWnew add local_device c0t6d0s0 /Solaris_10/Product hsfs
システムをブートしたミニルートからパッケージをインストールできます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、DVD、CD または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、DVD、CD または NFS ベースのミニルートに格納したパッケージは、ローカルファイルとしてアクセスできます。package キーワードでは次の構文を使用します。
package package_name add local_file path |
パッケージ名は SUNWname の形式で指定します。パッケージの詳細とその名前を表示するには、インストール済みシステムで pkginfo -l コマンドを使用します。
パッケージの位置を指定します。このパスは、システムを Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムにローカルファイルとしてアクセスできるものでなければなりません。Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間は、システムは /net にアクセスできません。
この例の package プロファイルキーワードは、/Solaris_10/Product ディレクトリから SUNWnew パッケージを追加します。
package SUNWnew add local_file /Solaris_10/Product
package キーワードを使用する際には、次の制約があります。
いくつかのパッケージは必須であり、削除できないものもあります。
各国語対応パッケージを個々に追加または削除するとき、package プロファイルキーワードは使用できません。各国語対応パッケージを追加するには、locale プロファイルキーワードを使用します。
FTP サーバーやローカルバックアップ (テープなど) からパッケージを取得することはできません。
インストールする Solaris ディストリビューション内のパッケージを、別の場所から追加することはできません。Solaris ディストリビューション内のパッケージを指定した場合、これに続けて別の場所を指定することはできません。これは、インストール後のシステムとの整合性を確保するためです。
ユーザーの介入なしでインストールするには、pkgadd コマンドを使ってインストール可能なパッケージでなければなりません。ソフトウェアグループのパッケージと、別の場所にあるパッケージとは、同じ admin ファイルを使ってインストールする必要があります。
retrieval_type が HTTP の場合、パッケージはストリーム形式でなければなりません。
retrieval_type が NFS サーバー、ローカルデバイス、またはローカルファイルの場合、パッケージは標準パッケージフォーマットに従い、インストールするパッケージと同じ名前のディレクトリ名を指定する必要があります。
別の場所からパッケージを追加する場合で、パッケージが現在インストールされていない別のパッケージに依存している場合、このパッケージはインストールされません。インストールログファイルまたはアップグレードログファイルにエラーメッセージが記録されます。
Solaris フラッシュアーカイブを使ってパッケージをインストールする場合は、次のガイドラインに従います。
インストールされたすべてのパッケージとアーカイブに互換性がなければなりません。
パッケージがアーカイブ内にある場合、JumpStart は既存のパッケージを上書きします。
アップグレードに package を使用すると、JumpStart プログラムが次の処理を行います。
すでにシステム上にあるすべてのパッケージが自動的にアップグレードされます。
package_name add を指定したが、package_name がシステムにインストールされていなかった場合は、そのパッケージがインストールされます。
package_name delete を指定したが、package_name がシステムにインストールされていた場合、アップグレードが開始される前にそのパッケージは削除されます。
package_name delete を指定したが、package_name がシステムにインストールされていない場合、インストールするように指定したクラスタの一部にそのパッケージが含まれていても、パッケージはインストールされません。
partitioning type |
partitioning は、インストール時にファイルシステム用にディスクをスライスに分割する方法を定義します。
プロファイルで partitioning を指定しないと、デフォルトで default タイプのパーティションが使用されます。
次のいずれかの値を使用します。
JumpStart プログラムはディスクを選択して、指定したソフトウェアをインストールするファイルシステムを作成します。ただし、filesys キーワードで指定したファイルシステムを除きます。rootdisk が最初に選択され、指定したソフトウェアが rootdisk に収まらない場合は、さらに別のディスクが使用されます。
JumpStart プログラムは、システムのディスク上にある既存のファイルシステムを使用します。/、/usr、/usr/openwin、/opt、/var を除く、すべてのファイルシステムが保存されます。JumpStart プログラムは、ファイルシステムのスーパーブロックにある最後のマウントポイントフィールドを使用して、スライスがどのファイルシステムのマウントポイントを表しているかを判断します。
filesys プロファイルキーワードと partitioning existing を組み合わせる場合、size は existing である必要があります。
JumpStart プログラムは、ディスクを使用し、filesys キーワードで指定されるファイルシステムを作成します。filesys キーワードでルート (/) ファイルシステムだけを指定した場合、すべての Solaris ソフトウェアがルートファイルシステムにインストールされます。
explicit プロファイル値を使用するときには、filesys プロファイルキーワードを使用して、使用するディスクと作成するファイルシステムを指定してください。
patch patch_id_list | patch_file patch_location optional_keywords] |
インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、112467-01,112765-02 のように指定します。
patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。
パッチのある場所を指定します。次の場所を選択できます。
ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー
HTTP サーバー
ローカルデバイス
ローカルファイル
オプションのキーワードです。パッチが格納されている場所によって異なります。次の節では、指定可能な場所とオプションのキーワードについて説明します。
パッチが NFS サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で patch キーワードを使用します。
patch patch_id_list | patch_file nfs server_name:/patch_directory [retry n] patch patch_id_list | patch_file nfs://server_name/patch_director [retry n] |
インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。
patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。
パッチを格納したサーバーの名前を指定します。
指定されたサーバー上のパッチディレクトリの場所を指定します。標準形式のパッチを使用する必要があります。
オプションのキーワードです。n は、インストールユーティリティーがディレクトリのマウントを試みる回数の最大値です。
この例の patch プロファイルキーワードは、patch ファイルに記載されたすべてのパッチを NFS パッチディレクトリ nfs://patch_master/Solaris/v10/patches から追加します。パッチは、patch 内の順番でインストールされます。マウントに失敗した場合、NFS マウントが 5 回試行されます。
patch patch_file nfs://patch_master/Solaris/v10/patches retry 5
この例の patch プロファイルキーワードは、サーバー patch_master のパッチディレクトリ /Solaris/v10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。
patch 112467-01,112765-02 nfs patch_master:/Solaris/v10/patches
パッチが HTTP サーバーに格納されている場合、次のいずれかの構文で patch キーワードを使用します。
patch patch_id_list | patch_file http://server_name [:port] patch_directory optional_http_keywords |
patch patch_id_list | patch_file http server_name [:port] patch_directory optional_http_keywords |
インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、112467-01,112765-02 のように指定します。
patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。
パッチを格納したサーバーの名前を指定します。
オプションポートを指定します。port は、ポート番号でも、実行時に決定されるポート番号を持つ TCP サービスの名前でもかまいません。
ポートを指定しなかった場合、デフォルトの HTTP ポート番号 80 が使用されます。
指定されたサーバーから取得するパッチディレクトリの場所を指定します。HTTP サーバーを使用する場合、パッチは JAR 形式でなければなりません。
HTTP サーバーからパッチを取得するとき使用するオプションのキーワードを指定します。
キーワード |
値の定義 |
---|---|
timeout min |
timeout キーワードには、HTTP サーバーからのデータ受信を待機する最長の時間を分単位で指定できます。この時間に達すると、接続が切断され、再接続のあと、再開されます。timeout 値として0 (ゼロ) を指定すると、再接続は行われません。 タイムアウトによる再接続が発生すると、パッケージの先頭からインストールし直されます。タイムアウト以前に取得されたデータは破棄されます。 |
proxy host:port |
proxy キーワードを使用して、プロキシホストとプロキシポートを指定できます。プロキシホストを使用すると、ファイアウォール越しに Solaris パッケージを取得できます。proxy キーワードを指定する場合は、プロキシポートを指定する必要があります。 |
この例の patch プロファイルキーワードは、patch_file ファイルに記載されたすべてのパッチを HTTP の場所 http://patch.central/Solaris/v10/patches から追加します。パッチは、patch ファイルに指定された順でインストールされます。データが取得されないまま 5 分以上経過すると、パッチデータが再度取得されます。以前のパッチデータは破棄されます。
patch patch_file http://patch.central/Solaris/v10/patches timeout 5
この例の patch プロファイルキーワードエントリは、パッチの場所 http://patch_master/Solaris/v10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。
patch 112467-01,112765-02 http://patch.central/Solaris/v10/patches
パッケージをファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスク、DVD-ROM など) に格納している場合は、ローカルデバイスから Solaris パッケージを取得できます。patch キーワードでは次の構文を使用します。
patch patch_id_list | patch_file local_device \ device path file_system_type |
インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、112467-01,112765-02 のように指定します。
patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。
Solaris パッケージが格納されているドライブの名前を指定します。デバイス名が正規のパスである場合は、デバイスは直接マウントされます。正規のパスでないデバイス名を指定すると、インストールユーティリティーはパスに /dev/dsk/ を加えます。
Solaris パッチのパスを指定します。指定したデバイス上のルート (/) ファイルシステムからの相対パスで指定する必要があります。
デバイス上のファイルシステムのタイプを指定します。ファイルシステムのタイプを指定しない場合、インストールユーティリティーは、UFS ファイルシステムのマウントを試みます。UFS のマウントに失敗すると、インストールユーティリティーは HSFS ファイルシステムのマウントを試みます。
この例の patch プロファイルキーワードは、patch_file ファイルに記載されているすべてのパッチをローカルデバイスc0t6d0s0 の /Solaris_10/patches ディレクトリから追加します。パッチのインストールの順番は、patch ファイルによって決定されます。
patch patch_file c0t6d0s0 /Solaris_10/patches
この例の patch プロファイルキーワードは、ローカルデバイス c0t6d0s0 のパッチディレクトリ /Solaris_10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。
patch 112467-01,112765-02 local_device c0t6d0s0 /Solaris_10/patches
システムをブートしたミニルートからパッチをインストールできます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、DVD、CD または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、DVD、CD または NFS ベースのミニルートに格納したパッチは、ローカルファイルとしてアクセスできます。patch キーワードでは次の構文を使用します。
patch patch_id_list | patch_file local_file patch _directory
インストールするパッチ ID 番号を指定します。このリストには、Solaris パッチ ID をコンマで区切って指定する必要があります。パッチは、リスト内に指定された順にインストールされます。コンマのあとに空白文字を入力しないでください。たとえば、112467-01,112765-02 のように指定します。
patch_location 内のパッチのリストが格納されたファイルです。パッチは、ファイル内に指定された順にインストールされます。
パッチディレクトリの場所を指定します。システムを Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間、システムからローカルファイルとしてアクセスできるパッチディレクトリでなければなりません。Solaris SOFTWARE - 1 CD または Solaris Operating System DVD からブートしている間は、システムは /net にアクセスできません。
この例の patch プロファイルキーワードは、patch_file ファイルに記載されているすべてのパッチを /Solaris_10/patches ディレクトリから追加します。パッチのインストールの順番は、patch ファイルによって決定されます。
patch patch_cal_file /Solaris_10/patches
この例の patch プロファイルキーワードは、パッチディレクトリ /Solaris_10/patches からパッチ 112467–01 と 112765–02 を追加します。
patch 112467-01,112765-02 local_file /Solaris_10/patches
patch キーワードを使用する際には、次の制約があります。
FTP の場所やローカルバックアップ (テープなど) からパッチを取得することはできません。
署名付きパッチは追加できません。
patchadd コマンドでインストール可能なパッチでなければなりません。
現在インストールされていないパッチに依存しているパッチは、インストールされません。インストールログファイルまたはアップグレードログファイルにエラーメッセージが記録されます。
パッチを正常にインストールするためには、正しい順番でインストールする必要があります。
root_device slice |
root_device は、システムのルートディスクを指定します。「システムのルートディスクを決定する方法」に追加情報があります。
ルートディスクは、JumpStart プログラムによって決定され、OS がインストールされる場所を指定します。rules ファイルでは、プローブキーワード「rootdisk」を使用しますが、このキーワードは JumpStart プロファイルで使用される「rootdisk」キーワードとは使い方が異なります。rules ファイルのプローブキーワード「rootdisk」を使って、インストールの場所を設定することはできません。プローブキーワード rootdisk は、インストール時のブート元を決定します。表 8–10 を参照してください。
システムをアップグレードする場合、root_device は指定されるルート (/) ファイルシステムおよびその /etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムがアップグレードされることを示します。システム上で複数のルート (/) ファイルシステムがアップグレードできる場合は、root_device を指定する必要があります。slice は、cwtxdysz または cxdysz の形式で指定してください。
root_device キーワードを使用する場合は、次の点を考慮してください。
1 つだけのディスクを持つシステムで root_device を指定する場合、root_device とディスクが一致する必要があります。また、ルート (/) ファイルシステムを指定する任意の filesys キーワードは、root_device と一致する必要があります。
RAID-1 ボリューム (ミラー) をアップグレードする場合、root_device に指定する値はミラーの一方である必要があります。他方のミラーは自動的にアップグレードされます。
root_device c0t0d0s2
システムのルートディスクは、ルート (/) ファイルシステムを含むシステム上のディスクです。プロファイル内では、JumpStart プログラムがシステムのルートディスクを設定するディスク名の代わりに、この rootdisk 変数を使用できます。表 8–8 では、JumpStart プログラムがインストール用にシステムのルートディスクを決定する方法を説明します。
システムのルートディスクサイズが確認されるのは、初期インストール時だけです。アップグレードの場合、システムのルートディスクは変更できません。
手順 |
操作 |
---|---|
1 |
プロファイル内で root_device キーワードが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をルートデバイスに設定します。 |
2 |
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、boot_device キーワードが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をブートデバイスに設定します。 |
3 |
プロファイル内で rootdisk が設定されていなくて、filesys cwtxdysz size / エントリが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をエントリで指定されたディスクに設定します。 |
4 |
プロファイル内で rootdisk が設定されておらず、rootdisk.sn エントリが指定されている場合、JumpStart プログラムは、システムのディスクから、カーネルのプローブの順番で、指定されたスライス上の既存のルートファイルシステムを検索します。ディスクが見つかった場合、JumpStart プログラムは見つかったディスクに rootdisk を設定します。 |
5 |
プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、partitioning existing が指定されている場合、JumpStart プログラムはシステムのディスクで、(カーネルのプローブ順で) 既存のルートファイルシステムを検索します。ルートファイルシステムが見つからなかった場合、あるいは複数のルートファイルシステムが見つかった場合は、エラーが発生します。ルートファイルシステムが見つかった場合、JumpStart プログラムは見つかったディスクに rootdisk を設定します。 |
6 |
プロファイル内で rootdisk が設定されていない場合、JumpStart プログラムは、ルート (/) ファイルシステムがインストールされるディスクに rootdisk を設定します。 |
system_type type_switch |
system_type は、Solaris OS のインストール先のシステムのタイプを定義します。
type_switch は、オプション standalone または server を表します。このオプションは、Solaris ソフトウェアをインストールするシステムのタイプを指定するために使用します。system_type をプロファイルに指定しないと、デフォルトによって standalone が使用されます。
usedisk disk_name ... |
partitioning default を指定すると、デフォルトではシステム上のすべての使用可能ディスクが使用されます。usedisk プロファイルキーワードには、JumpStart プログラムに使用させる 1 つ以上のディスクを指定します。disk_name は、cxtydz または cydz 形式 (たとえば c0t0d0 または c0d0s0) で指定する必要があります。
プロファイル内に usedisk を指定した場合、JumpStart プログラムは、usedisk キーワードの後ろに指定されたディスクだけを使用します。
同じプロファイルに usedisk キーワードと dontuse キーワードを同時に指定することはできません。
開始および終了スクリプトには、環境変数を使用できます。たとえば、開始スクリプトは、ディスクサイズ (SI_DISKSIZES) を抽出し、実際のディスクサイズにもとづいてシステムに特定のパッケージをインストールするかどうかを決定できます。
システムについて収集された情報は、これらの環境変数に格納されます。これらの変数は、通常、rules ファイルに使用するルールキーワードと値によって設定するかどうかが決まります。
たとえば、すでにシステムにインストールされているオペレーティングシステムに関する情報は、installed キーワードを使用した後にのみ、SI_INSTALLED から入手できます。
表 8–9 では、これらの変数とその値について説明します。
表 8–9 インストール環境変数
環境変数 |
値 |
---|---|
SI_ARCH |
インストールクライアントのハードウェアアーキテクチャー。SI_ARCH 変数は、rules ファイルで arch キーワードを使用する場合に設定されます。 |
SI_BEGIN |
開始スクリプトを使用している場合はその名前。 |
SI_CLASS |
インストールクライアントをインストールするために使用されるプロファイルの名前。 |
SI_DISKLIST |
コンマで区切られた、インストールクライアント上のディスク名のリスト。SI_DISKLIST 変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定されます。SI_DISKLIST および SI_NUMDISKS 変数は、rootdisk に使用する物理ディスクを決定するために使用します。rootdisk については、「システムのルートディスクを決定する方法」を参照してください。 |
SI_DISKSIZES |
コンマで区切られた、インストールクライアント上のディスクサイズのリスト。SI_DISKSIZES 変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
SI_DOMAINNAME |
ドメイン名。SI_DOMAINNAME 変数は、rules ファイルで dommainname キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
SI_FINISH |
終了スクリプトを使用する場合はその名前。 |
SI_HOSTADDRESS |
インストールクライアントの IP アドレス。 |
SI_HOSTNAME |
インストールクライアントのホスト名。SI_HOSTNAME 変数は、rules ファイルで hostname キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
SI_INSTALLED |
特定のオペレーティングシステムが入っているディスクのデバイス名 (Solaris、SunOS、System V など)。SI_INSTALLED 変数は、rules ファイルで installed キーワードを使用して照合する場合に設定されます。SI_INST_OS と SI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。 |
SI_INST_OS |
オペレーティングシステムの名前。SI_INST_OS と SI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。 |
SI_INST_VER |
オペレーティングシステムのバージョン。SI_INST_OS と SI_INST_VER は、SI_INSTALLED の値を決定するために使用します。 |
SI_KARCH |
インストールクライアントのカーネルアーキテクチャー。SI_KARCH 変数は、rules ファイルで karch キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
SI_MEMSIZE |
インストールクライアントの物理メモリーの量。 SI_MEMSIZE 変数は、rules ファイルで memsize キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
SI_MODEL |
インストールクライアントのモデル名。SI_MODEL 変数は、rules ファイルで model キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
SI_NETWORK |
インストールクライアントのネットワーク番号。SI_NETWORK 変数は、rules ファイルで network キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
SI_NUMDISKS |
インストールクライアントのディスク数。SI_NUMDISKS 変数は、rules ファイルで disksize キーワードを使用して照合する場合に設定されます。SI_NUMDISKS および SI_DISKLIST 変数は、rootdisk に使用する物理ディスクを決定するために使用します。rootdisk については、「システムのルートディスクを決定する方法」を参照してください。 |
SI_OSNAME |
Solaris ソフトウェアイメージのオペレーティングシステムリリース。SI_OSNAME 変数は、たとえば、Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD イメージ上のオペレーティングシステムのバージョンに基づいたシステムに Solaris ソフトウェアをインストールする場合にスクリプト内で指定できます。 |
SI_ROOTDISK |
論理名 rootdisk によって表されるディスクのデバイス名。SI_ROOTDISK 変数は、rules ファイルで disksize または installed キーワードを rootdisk に設定した場合に設定されます。SI_ROOTDISK 変数は、インストール時のブートデバイスを設定します。 注 – rules ファイルのプローブキーワード「rootdisk」を使って、インストールの場所を設定することはできません。JumpStart プロファイルで設定される「rootdisk」変数については、「システムのルートディスクを決定する方法」を参照してください。 |
SI_ROOTDISKSIZE |
論理名 rootdisk によって表されるディスクのサイズ。SI_ROOTDISKSIZE 変数は、rules ファイルで disksize または installed キーワードを rootdisk に設定した場合に設定されます。 |
SI_TOTALDISK |
インストールクライアント上のディスク容量の合計。SI_TOTALDISK 変数は、rules ファイルで totaldisk キーワードを使用して照合する場合に設定されます。 |
表 8–10 では、ルールキーワードと対応するプローブキーワードについて説明します。
プローブキーワードは、rules ファイルの最初、またはその近くに指定してください。
ルールキーワード |
対応するプローブキーワード |
プローブキーワードの説明 |
---|---|---|
なし |
|
|
カーネルアーキテクチャー (i386 または SPARC) を判断して SI_ARCH を設定します。 |
||
システムのディスクサイズ (M バイト) をカーネルプローブ順 (c0t3d0s0、c0t3d0s1、c0t4d0s0) で返します。disksize は、SI_DISKLIST 、SI_DISKSIZES、SI_NUMDISKS、および SI_TOTALDISK を設定します。 |
||
システムの NIS または NIS+ ドメイン名、あるいは空を返して、SI_DOMAINNAME を設定します。domainname キーワードは、domainname(1M) の出力を返します。 |
||
システムの IP アドレス (lo0 ではない ifconfig(1M) -a の出力にリストされた最初のアドレス) を返して、SI_HOSTADDRESS を設定します。 |
||
システムのホスト名 (uname(1) -n からの出力) を返して、SI_HOSTNAME を設定します。 |
||
システムにインストールされた Solaris OS のバージョン名を返して、SI_ROOTDISK と SI_INSTALLED を設定します。 Solaris リリースは検出されたが、バージョンを判断できないという場合は、返されるバージョンは SystemV になります。 |
||
システムのプラットフォームグループ (i86pc または sun4u) を返し、SI_KARCH を設定します。プラットフォーム名のリストは、『Solaris Sun ハードウェアマニュアル』(http://docs.sun.com) に記載されています。 |
||
システム上の物理メモリーのサイズ (M バイト) を返して、SI_MEMSIZE を設定します。 |
||
システムのプラットフォーム名を返して、SI_MODEL を設定します。プラットフォーム名のリストは、『Solaris Sun ハードウェアマニュアル』(http://docs.sun.com) に記載されています。 |
||
システムのネットワーク番号を返します。これは JumpStart プログラムがシステムの IP アドレスとサブネットマスクの論理和をとって判断します。システムの IP アドレスとサブネットマスクは、lo0 ではない ifconfig(1M) -a 出力にリストされた最初のアドレスから抽出されます。network キーワードは SI_NETWORK も設定します。 |
||
CD で検出された Solaris OS のバージョンおよびオペレーティングシステム名を返して、SI_OSNAME を設定します。 Solaris リリースは検出されたが、バージョンを判断できないという場合は、返されるバージョンは SystemV になります。 |
||
|
システムのルートディスクの名前とサイズ (M バイト) を返して、SI_ROOTDISK を設定します。 |
|
システム上のディスク領域の合計 (M バイト) を返して、SI_TOTALDISK を設定します。ディスク容量の合計には、システムに接続された操作可能なディスクすべてが含まれます。 |