Oracle Solaris Trusted Extensions 構成ガイド

ProcedureCDE アクションを使用してラベル付きゾーンをインストール、初期化、および起動する

ゾーン作成ではオペレーティングシステム全体をコピーしなければならないので、このプロセスには時間がかかります。時間がかからない方法として、1 つのゾーンを作成し、それをほかのゾーンのテンプレートにして、そのゾーンテンプレートをコピーまたはクローンを作成します。

始める前に

「CDE アクションを使用してゾーン名とゾーンラベルを指定する」を完了しています。

LDAP をネームサービスとして使用している場合は、「Trusted Extensions で大域ゾーンを LDAP クライアントにする」を完了しています。

ゾーンのクローンを作成する場合は、「ゾーンのクローンを作成するために ZFS プールを作成する」を完了しています。次の手順で、準備したゾーンをインストールします。

  1. Trusted_Extensions フォルダで「ゾーンのインストール」アクションをダブルクリックします。

    1. インストールするゾーンの名前を入力します。

      このアクションによって、ラベル付き仮想オペレーティングシステムが作成されます。この手順が終了するまでしばらくお待ちください。ゾーンのインストールの実行中は、システムでその他のタスクを実行しないでください。


      # zone-name: Install Zone
      Preparing to install zone <zone-name>
      Creating list of files to copy from the global zone
      Copying <total> files to the zone
      Initializing zone product registry
      Determining zone package initialization order.
      Preparing to initialize <subtotal> packages on the zone.
      Initializing package <number> of <subtotal>: percent complete: percent
      
      Initialized <subtotal> packages on zone.
      Zone <zone-name> is initialized.
      The file /zone/internal/root/var/sadm/system/logs/install_log 
      contains a log of the zone installation.
      
      *** Select Close or Exit from the window menu to close this window ***
    2. コンソールを開いて、インストールされたゾーンのイベントを監視します。

      1. 「ゾーン端末コンソール」アクションをダブルクリックします。

      2. インストールしたばかりのゾーンの名前を入力します。

  2. ゾーンを初期化します。

    • LDAP を使用している場合は、「LDAP 用ゾーンを初期化」アクションをダブルクリックします。


      Zone name:              Type the name of the installed zone
      Host name for the zone: Type the host name for this zone
      

      たとえば、共有論理インタフェースがあるシステムでは、値は次のようになります。


      Zone name:              public
      Host name for the zone: machine1-zones
      

      このアクションによって、ラベル付きゾーンが、大域ゾーンで動作する同じ LDAP サーバーの LDAP クライアントになります。次の情報が表示されたらこのアクションは完了です。


      zone-name zone will be  LDAP client of IP-address
      zone-name is ready for booting
      Zone label is LABEL
      
      *** Select Close or Exit from the window menu to close this window ***
    • LDAP を使用していない場合は、次の手順のいずれかを実行して手動でゾーンを初期化します。

      Trusted Extensions での手動の手順は、Solaris OS の手順と同一です。システムに少なくとも 1 つの all-zones インタフェースがある場合は、すべてのゾーンに対するホスト名が、大域ゾーンのホスト名に一致する必要があります。一般に、ゾーンの初期化中に発生する質問の回答は、大域ゾーンに対する回答と同じです。

      次のいずれかを実行してホスト情報を入力します。

      • 手順 3 でゾーンを起動したあと、ゾーン端末コンソールでシステム特性に関する質問に答えます。

        この回答を使用してゾーンに sysidcfg ファイルが生成されます。


        注 –

        ラベル付きゾーンから大域ゾーンへの Trusted CDE デスクトップのルートが存在するようにしてください。手順については、「Trusted CDE でローカルゾーンを大域ゾーンルーティングに解決する」を参照してください。


      • Step 3 でゾーンを起動する前に、このゾーンの /etc ディレクトリに 手順 3 カスタムファイルを置きます。

  3. 「ゾーンを起動」アクションをダブルクリックします。

    プロンプトに答えます。


    Zone name: Type the name of the zone that you are configuring
    

    このアクションによってゾーンが起動されると、そのゾーンで実行されるすべてのサービスが起動されます。サービスの詳細は、smf(5) のマニュアルページを参照してください。

    ゾーン端末コンソールは、ゾーン起動の進捗を追跡します。次のようなメッセージがコンソールに表示されます。


    [Connected to zone 'public' console]
    
    [NOTICE: Zone booting up]
    ...
    Hostname: zonename
    Loading smf(5) service descriptions: number/total
    Creating new rsa public/private host key pair
    Creating new dsa public/private host key pair
    
    rebooting system due to change(s) in /etc/default/init
    
    [NOTICE: Zone rebooting]
  4. コンソール出力を監視します。

    「起動したゾーンを Trusted Extensions でカスタマイズする」に進む前に、ゾーンが再起動されていることを確認します。次のコンソールログインプロンプトは、ゾーンが再起動されたことを示しています。


    hostname console login:
注意事項

ゾーンのインストールで、警告「Installation of these packages generated errors: SUNW pkgname」が表示された場合、インストールログを読み、パッケージのインストールを終了します。