Solaris 10 10/09 インストールガイド (ネットワークインストール)

パート I ネットワーク経由のインストールの計画

このパートでは、ネットワーク経由のインストールを計画する方法について説明します。

第 1 章 Solaris インストールの計画についての参照先

このマニュアルでは、Solaris OS をローカルエリアネットワークまたは広域ネットワーク経由でリモートインストールする方法について説明します。

この章では、インストールを正常に完了するための準備について説明します。準備作業の多くはすべての Solaris インストールに共通しているため、1 冊のマスター計画マニュアルで説明されています。

計画とシステム要件についての参照先

『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』には、システム要件と、ファイルシステムを計画するうえでのガイドラインやアップグレードの計画など、計画の概要が記載されています。次の一覧に、この計画マニュアルの章構成を示します。

計画マニュアルの章の説明 

参照 

この章では、Solaris インストールプログラムの新機能について説明します。 

『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』の第 2 章「Solaris インストールの新機能」

この章では、Solaris OS のインストールやアップグレードを実施する前に決定するべき内容について説明します。たとえば、ネットワークインストールイメージや DVD メディアをどのようなときに使用するかを判断するために必要な情報や、すべての Solaris インストールプログラムについての説明を記載しています。 

『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』の第 3 章「Solaris のインストールおよびアップグレード (ロードマップ)」

この章では、Solaris OS のインストールやアップグレードに伴うシステム要件について説明します。また、ディスク容量の計画に関しての一般的な指針や、スワップ空間のデフォルトの割り当てについても説明します。アップグレードの制限についても説明します。 

『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』の第 4 章「システム要件、ガイドライン、およびアップグレード (計画)」

この章には、システムのインストールやアップグレードに必要な情報の収集に役立つチェックリストが含まれています。これは、対話式インストールを行うときに使うと便利です。このチェックリストでは、対話式インストールを行うために必要なすべての情報が得られます。 

『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』の第 5 章「インストールやアップグレードの前に収集すべき情報 (計画)」

マニュアルのこのパートは、Solaris OS のインストールまたはアップグレードに関連するいくつかの技術の概要を説明する章が含まれています。これらの技術に関連するガイドラインと要件も含まれています。これらの章には、ZFS インストール、ブート、Solaris ゾーン区分技術、およびインストール時に作成できる RAID-1 ボリュームについての情報が含まれています。 

『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』のパート II「ZFS、ブート、Solaris ゾーン、および RAID-1 ボリュームに関連するインストールについて」

第 2 章 システム構成情報の事前設定 (作業)

この章では、sysidcfg ファイルを使用してシステム情報の事前構成を行う方法について説明します。事前に設定を行うと、Solaris OS をインストールする際に、システム構成情報の入力を求められません。この章では、さらに、Power ManagementTM 情報の事前設定についても説明します。この章の内容は次のとおりです。

システム構成情報を事前設定することの利点

どのインストール方法でも、周辺機器、ホスト名、IP (インターネットプロトコル) アドレス、ネームサービスなどのシステム構成情報が必要です。インストールプログラムは、構成情報の入力を求める前に、ほかの場所に格納されている構成情報を調べます。

システム情報を事前構成するには、2 つの方法があります。

表 2–1 事前構成オプション

事前構成ファイルまたは事前構成サービス 

説明 

詳細情報 

sysidcfg ファイル

sysidcfg ファイル内のキーワードを使用して、ドメイン名、ネットマスク、DHCP、IPv6 などのパラメータを事前設定します。

sysidcfg ファイルによる事前設定」

ネームサービス 

ネームサービスにシステム情報を事前構成する方法で、ホスト名と IP アドレスを事前設定します。 

「ネームサービスによる事前設定」

DHCP 

システムがブートするときに DHCP を使って、TCP/IP ネットワーク上のホストシステムをネットワーク用に自動的に設定できます。DHCP は、IP アドレスを必要とするクライアントに IP アドレスをリースすることにより、IP アドレスを管理します。 

「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)」

事前構成方法の選択の詳細については、「ネームサービスの選択」を参照してください。

Solaris インストールプログラムやカスタム JumpStartTM インストールプログラムは、事前設定されたシステム構成情報を検出すると、その情報の入力を求めることはありません。たとえば、いくつかのシステムがあり、各システムに Solaris 最新リリースをインストールするたびに時間帯を入力することは避けたい場合があります。この時間帯を sysidcfg ファイル中またはネームサービスデータベース中に指定できます。Solaris 最新リリースのインストール時に、インストールプログラムから時間帯の入力を求められなくなります。

sysidcfg ファイルによる事前設定

sysidcfg ファイルに一連のキーワードを指定すると、システムを事前設定できます。sysidcfg ファイルキーワード」は、これらのキーワードを示しています。


注 –

sysidcfg ファイルに name_service キーワードを指定すると、Solaris OS のインストール中にネームサービスが自動的に設定されます。この設定は、site.xml にすでに設定されている SMF サービスより優先されます。このため、インストール後にネームサービスの再設定が必要になる場合があります。


異なる構成情報を必要とするシステムごとに、固有の sysidcfg ファイルを作成する必要があります。すべてのシステムに同じ時間帯を割り当てる場合は、同じ sysidcfg ファイルを使用して、一連のシステムに時間帯を事前設定することができます。ただし、これらの各システムに異なる root (スーパーユーザー) パスワードを事前設定する場合は、各システムに固有の sysidcfg ファイルを作成する必要があります。

sysidcfg ファイルは、次のいずれかに置くことができます。

表 2–2 sysidcfg の場所

NFS ファイルシステム 

sysidcfg ファイルを共有 NFS ファイルシステムに置く場合は、ネットワークからのインストールをシステムに設定するときに、add_install_client(1M) コマンドの -p オプションを使用します。-p オプションは、Solaris 最新リリースのインストール時に sysidcfg ファイルを検索する場所を指定します。

UFS または PCFS フロッピーディスク 

sysidcfg ファイルをフロッピーディスクのルート (/) ディレクトリに置きます。

カスタム JumpStart インストールを実行していて、フロッピーディスク上の sysidcfg ファイルを使用する場合は、プロファイルフロッピーディスク上に sysidcfg ファイルを置きます。プロファイルフロッピーディスクを作成するには、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』「スタンドアロンシステム用のプロファイルフロッピーディスクの作成」を参照してください。

1 つのディレクトリまたはフロッピーディスクには、1 つの sysidcfg ファイルだけを入れることができます。複数の sysidcfg ファイルを作成する場合は、各ファイルを異なるディレクトリまたは異なるフロッピーディスクに置く必要があります。

HTTP または HTTPS サーバー 

WAN ブートインストールを実行する場合は、sysidcfg ファイルを Web サーバーのドキュメントルートディレクトリに置きます。

ネームサービスまたは DHCP を使用してシステムの事前構成を行うことができます。詳細については、第 3 章ネームサービスまたは DHCP による事前構成を参照してください。

Proceduresysidcfg 構成ファイルを作成する方法

  1. テキストエディタで、sysidcfg という名前のファイルを作成し、必要なキーワードを指定します。

  2. 表 2–2 の場所のいずれかを使用して、クライアントが sysidcfg ファイルを利用できるようにします。


例 2–1 SPARC: sysidcfg ファイル

SPARC ベースのシステムで使用される sysidcfg ファイルの例を次に示します。このシステムのホスト名、IP アドレス、およびネットマスクは、ネームサービスを編集することにより、すでに事前設定されています。このファイルにはすべてのシステム構成情報が事前設定されているので、カスタム JumpStart プロファイルを使ってカスタム JumpStart インストールを実行できます。この例では、NFSv4 ドメイン名はネームサービスから自動的に取得されます。この例に service_profile キーワードは含まれていないため、ネットワークサービスの設定はインストール中に変更されません。

keyboard=US-English
system_locale=en_US
timezone=US/Central
terminal=sun-cmd
timeserver=localhost
name_service=NIS {domain_name=marquee.central.example.com
                  name_server=nmsvr2(172.31.112.3)}
nfs4_domain=dynamic
root_password=m4QPOWNY
network_interface=hme0 {hostname=host1 
                       default_route=172.31.88.1 
                       ip_address=172.31.88.210 
                       netmask=255.255.0.0 
                       protocol_ipv6=no}
security_policy=kerberos {default_realm=example.com 
                          admin_server=krbadmin.example.com 
                          kdc=kdc1.example.com, 
                          kdc2.example.com}


例 2–2 x86: sysidcfg ファイル

x86 ベースのシステムで使用される sysidcfg ファイルの例を次に示します。この例では、NFSv4 ドメイン名が example.com になるように指定されています。このカスタム名は、デフォルトのドメイン名よりも優先されます。また、この例では、ネットワークサービスが無効になるか、あるいはローカル接続だけに制限されます。

keyboard=US-English
timezone=US/Central
timeserver=timehost1
terminal=ibm-pc
service_profile=limited_net

name_service=NIS {domain_name=marquee.central.example.com
                  name_server=nmsvr2(172.25.112.3)}
nfs4_domain=example.com
root_password=URFUni9


例 2–3 複数のインタフェースを構成する場合の sysidcfg ファイル

次の例に挙げる sysidcfg ファイルには、eri0 および eri1 ネットワークインタフェースの構成情報が指定されています。eri0 インタフェースは 1 次ネットワークインタフェースとして構成され、eri1 は 2 次ネットワークインタフェースとして構成されます。この例では、NFSv4 ドメイン名はネームサービスから自動的に取得されます。

timezone=US/Pacific
system_locale=C
terminal=xterms
timeserver=localhost
network_interface=eri0 {primary
                        hostname=host1
                        ip_address=192.168.2.7
                        netmask=255.255.255.0
                        protocol_ipv6=no
                        default_route=192.168.2.1}

network_interface=eri1 {hostname=host1-b
                        ip_address=192.168.3.8
                        netmask=255.255.255.0
                        protocol_ipv6=no
                        default_route=NONE}
root_password=JE2C35JGZi4B2
security_policy=none
name_service=NIS {domain_name=domain.example.com
                  name_server=nis-server(192.168.2.200)}
nfs4_domain=dynamic

インストールの続行

sysidcfg ファイルを使ってネットワーク経由のインストールを行うには、インストールサーバーを設定し、システムをインストールクライアントとして追加する必要があります。詳細については、第 4 章ネットワークからのインストール (概要)を参照してください。

sysidcfg ファイルを使って WAN ブートインストールを行うには、追加の作業を行う必要があります。詳細については、第 10 章WAN ブート (概要)を参照してください。

sysidcfg ファイルを使ってカスタム JumpStart インストールを行うには、プロファイルと rules.ok ファイルを作成する必要があります。詳細については、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の第 2 章「カスタム JumpStart (概要)」を参照してください。

参照

sysidcfg ファイルの詳細は、sysidcfg(4) のマニュアルページを参照してください。

sysidcfg ファイルの構文規則

sysidcfg ファイルで使用するキーワードには、 非依存型と依存型の 2 種類があります。依存型キーワードは、非依存型キーワード内でのみ固有であることが保証されています。依存型キーワードは、対応する非依存型キーワードによって識別される場合にのみ存在します。

次の例では、name_service が非依存型キーワードであり、domain_namename_server が依存型キーワードです。

name_service=NIS {domain_name=marquee.central.example.com
name_server=connor(192.168.112.3)}

構文規則 

例 

非依存型キーワードは任意の順序で指定可能です。 

pointer=MS-S
display=ati {size=15-inch}

キーワードは、大文字と小文字を区別しません。 

TIMEZONE=US/Central
terminal=sun-cmd

関連する非依存型キーワードを結合するには、すべての依存型キーワードを中括弧 { } で囲みます。 

name_service=NIS 
       {domain_name=marquee.central.example.com
        name_server=connor(192.168.112.3)}

値は単一引用符 (') または二重引用符 (“) で囲んで指定可能です。 

network_interface='none'

network_interface を除くすべてのキーワードは、1 回だけ指定可能です。キーワードを複数回指定した場合は最初のキーワードだけが有効です。

name_service=NIS
name_service=DNS

sysidcfg ファイルキーワード

表 2–3 に、sysidcfg ファイルでシステム情報を設定するときに使用できるキーワードの一覧を示します。

表 2–3 sysidcfg で使用するキーワード

構成情報 

キーワード 

キー配列とキーボード言語 

keyboard キーワード」

ネームサービス、ドメイン名、ネームサーバー 

name_service キーワード」

ネットワークインタフェース、ホスト名、IP アドレス、ネットマスク、DHCP、IPv6 

network_interface キーワード」

NFSv4 用のドメイン名の定義 

nfs4_domain キーワード」

root パスワード 

root_password キーワード」

セキュリティーポリシー 

security_policy キーワード」

ネットワークセキュリティープロファイル 

service_profile キーワード」

インストールプログラムとデスクトップで表示する言語 

system_locale キーワード」

端末タイプ 

terminal キーワード」

時間帯 

timezone キーワード」

日付と時刻 

timeserver キーワード」

次の節では、sysidcfg ファイルで使用できるキーワードについて説明します。

keyboard キーワード

sysidkdb ツールは、使用している USB 言語とそれに対応するキー配列を設定します。

次の手順で行われます。

keyboard キーワードを使用すると、キーボード言語とそれに対応するキー配列の情報を設定できます。各言語には、独自のキー配列があります。次の構文を使用して、言語とそれに対応する配列を選択します。

keyboard=keyboard_layout

たとえば、次のエントリでは、ドイツ語用のキーボード言語と対応するキー配列が設定されます。

keyboard=German

keyboard_layout には、有効な値を指定する必要があります。有効な値を指定しないと、インストール時に対話式の応答が必要になります。keyboard_layout の有効な文字列は、/usr/share/lib/keytables/type_6/kbd_layouts ファイルに定義されています。


SPARC のみ –

以前は、USB キーボードのインストール時の自己識別値を 1 としていました。そのため、自己識別型でないキーボードはすべて、インストール時に必ず米国英語 (U.S. English) キー配列に設定されていました。


キーボードが自己識別型でない場合に、JumpStart インストール時にプロンプトが表示されないようにするには、sysidcfg ファイルでキーボードの言語を選択します。JumpStart インストールの場合、デフォルトは米国英語 (U.S. English) 用です。別の言語とそれに対応するキー配列を選択するには、前の例に示してあるように、sysidcfg ファイルにキーボードエントリを設定します。

詳細は、sysidcfg(4) および sysidtool (1M) のマニュアルページを参照してください。

name_service キーワード

name_service キーワードを使用して、システムのネームサービス、ドメイン名、およびネームサーバーを構成できます。次の例は、name_service キーワードの一般的な構文を示しています。


name_service=name-service {domain_name=domain-name 
                                 name_server=name-server
                                 optional-keyword=value}

name_service は 1 つの値だけを選択します。次に、domain_name キーワードと name_server キーワードの両方を設定し、必要に応じて、さらに追加のキーワードを設定します。あるいは、これらのキーワードをまったく設定しなくてもかまいません。キーワードを 1 つも使用しない場合には、中括弧 { } は省略します。


注 –

sysidcfg ファイルに name_service オプションを指定すると、Solaris OS のインストール中にネームサービスが自動的に設定されます。この設定は、site.xml にすでに設定されている SMF サービスより優先されます。このため、インストール後にネームサービスの再設定が必要になる場合があります。


次の各節では、特定のネームサービスを使用するようシステムを構成するための、キーワードの構文について説明します。

NIS 用の name_service キーワードの構文

NIS ネームサービスを使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。


name_service=NIS {domain_name=domain-name 
                   name_server=hostname(ip-address)}
domain-name

ドメイン名を指定します。

hostname

ネームサーバーのホスト名を指定します。

ip-address

ネームサーバーの IP アドレスを指定します。


例 2–4 name_service キーワードを使用して NIS サーバーを指定する

次の例では、ドメイン名 west.example.com の NIS サーバーを指定しています。このサーバーのホスト名は timber で、IP アドレスは 192.168.2.1 です。


name_service=NIS {domain_name=west.example.com 
                  name_server=timber(192.168.2.1)}

NIS ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

NIS+ 用の name_service キーワードの構文

NIS ネームサービスを使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。


name_service=NIS+ {domain_name=domain-name 
                   name_server=hostname(ip-address)}
domain-name

ドメイン名を指定します。

hostname

ネームサーバーのホスト名を指定します。

ip-address

ネームサーバーの IP アドレスを指定します。


例 2–5 name_service キーワードを使用して NIS+ サーバーを指定する

次の例では、ドメイン名 west.example.com の NIS+ サーバーを指定しています。このサーバーのホスト名は timber で、IP アドレスは 192.168.2.1 です。


name_service=NIS+ {domain_name=west.example.com 
                   name_server=timber(192.168.2.1)}

NIS+ ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)』を参照してください。

DNS 用の name_service キーワードの構文

DNS を使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。


name_service=DNS {domain_name=domain-name 
                  name_server=ip-address,ip-address,ip-address
                  search=domain-name,domain-name,domain-name,
                  domain-name,domain-name,domain-name} 
domain_name=domain-name

ドメイン名を指定します。

name_server=ip-address

DNS サーバーの IP アドレスを指定します。name_server キーワードの値として、最大 3 個の IP アドレスを指定できます。

search=domain-name

(省略可能) ネームサービス情報の検索ドメインを追加するときに指定します。検索ドメイン名は最大 6 個指定できます。各検索エントリの長さは、250 文字以下でなければなりません。


例 2–6 name_service キーワードを使用して DNS サーバーを指定する

次の例では、ドメイン名 west.example.com の DNS サーバーを指定しています。このサーバーの IP アドレスは、10.0.1.10 および 10.0.1.20 です。example.com および east.example.com が、ネームサービス情報の検索ドメインとして追加されています。


name_service=DNS {domain_name=west.example.com 
                  name_server=10.0.1.10,10.0.1.20 
                  search=example.com,east.example.com}

DNS ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

LDAP 用の name_service キーワードの構文

LDAP を使用するようシステムを構成するには、次の構文を使用します。


name_service=LDAP {domain_name=domain_name
                   profile=profile_name profile_server=ip_address 
                   proxy_dn="proxy_bind_dn" proxy_password=password}
domain_name

LDAP サーバーのドメイン名を指定します。

profile_name

システムの構成に使用する LDAP プロファイルの名前を指定します。

ip_address

LDAP プロファイルサーバーの IP アドレスを指定します。

proxy_bind_dn

(省略可能) プロキシバインド識別名を指定します。proxy_bind_dn の値は、二重引用符で囲む必要があります。

password

(省略可能) クライアントのプロキシパスワードを指定します。


例 2–7 name_service キーワードを使用して LDAP サーバーを指定する

次の例では、次の構成情報を使用して LDAP サーバーを指定しています。


name_service=LDAP {domain_name=west.example.com 
                   profile=default 
                   profile_server=172.31.2.1 
                   proxy_dn="cn=proxyagent,ou=profile,
                   dc=west,dc=example,dc=com" 
                   proxy_password=password}

LDAP の使用方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

network_interface キーワード

次の作業を実行するには、network_interface キーワードを使用します。

次の各節では、network_interface キーワードを使用してシステムインタフェースを構成する方法について説明します。

ネットワークに接続しないシステム用の構文

システムのネットワーク接続をオフにするには、network_interface 値に none を設定します。次に例を示します。


network_interface=none

1 つのインタフェースを構成するための構文

network_interface キーワードを使用して 1 つのインタフェースを構成するときには、次の方法を使用します。


例 2–8 network_interface キーワードを使用して、DHCP を使用する 1 つのインタフェースを構成する

次の例では、DHCP を使用して eri0 ネットワークインタフェースが構成されるように指定しています。IPv6 サポートは無効になります。


network_interface=eri0 {dhcp protocol_ipv6=no}


例 2–9 network_interface キーワードに構成情報を指定して 1 つのインタフェースを構成する

次の例では、インタフェース eri0 を次の設定で構成しています。


network_interface=eri0 {hostname=host1 ip_address=172.31.88.100
                        netmask=255.255.255.0 protocol_ipv6=no}

複数のインタフェースを構成するための構文

sysidcfg ファイルでは、複数のネットワークインタフェースを構成できます。構成するインタフェースごとに 、network_interface エントリを sysidcfg ファイルに追加します。

network_interface キーワードを使用して複数のインタフェースを構成するときには、次の方法を使用します。

同一の sysidcfg ファイル内において、一部のインタフェースだけが DHCP を使用するように構成し、ほかのインタフェース用には構成情報を直接記述することもできます。


例 2–10 network_interface キーワードを使用して複数のインタフェースを構成する

次の例では、ネットワークインタフェース eri0eri1 を次のように構成しています。


network_interface=eri0 {dhcp protocol_ipv6=no}
network_interface=eri1 {primary hostname=host1 
                        ip_address=172.146.88.100
                        netmask=255.255.255.0 
                        protocol_ipv6=no}

nfs4_domain キーワード

インストール時に NFSv4 ドメイン名を指定するよう求められないようにするには、sysidcfg ファイルの nfs4_domain キーワードを使用します。このキーワードを使用すると、インストール処理時にドメイン名を選択しなくて済みます。構文は次のとおりです。


nfs4_domain=dynamic or custom_domain_name
dynamic

この予約されたキーワードは、ネームサービスの設定に基づいて NFSv4 ドメイン名を動的に取得します。次に例を示します。


nfs4_domain=dynamic

この例では、ネームサービスからドメイン名を取得できます。

予約されたキーワード dynamic には、大文字小文字の区別がありません。


注 –

デフォルトでは、NFSv4 はシステムのネームサービスから自動的に取得されるドメイン名を使用します。ほとんどの構成では、このドメイン名で十分です。場合によっては、マウントポイントがドメイン境界を交差してしまい、ファイルの所有者が「nobody」のように見えることがありますが、これは、共通のドメイン名が存在しないからです。この事態を避けるために、デフォルトのドメイン名を無効にして、カスタムドメイン名を選択することができます。


custom_domain_name

この値は、デフォルトのドメイン名より優先されます。

この値は、有効なカスタムドメイン名でなければなりません。有効なドメイン名は、英数字、ドット、下線、ダッシュの組み合わせだけで構成されます。最初の文字は英字にする必要があります。次に例を示します。


nfs4_domain=example.com

この例では、nfsmapid デーモンが使用する値が example.com になるように設定されます。この選択は、デフォルトのドメイン名より優先されます。


注 –

以前のリリースでは、スクリプトを使って、インストール時に NFSv4 ドメイン名の入力を求められないようにできました。

Solaris 10 OS での JumpStart インストールでは、対処用の JumpStart サンプルスクリプト set_nfs4_domain を使って、インストール時に NFSv4 プロンプトが表示されないようにできました。このスクリプトはもう必要ありません。代わりに、sysidcfg のキーワード nfs4_domain を使用します。

以前のリリースでは、sysidnfs4 プログラムによって /etc/.NFS4inst_state.domain ファイルが作成されました。このファイルは、インストール時に NFSv4 ドメイン名の入力を求めるプロンプトを抑制するものでした。このファイルはもう作成されません。代わりに、sysidcfg のキーワード nfs4_domain を使用します。


root_password キーワード

sysidcfg ファイルにシステムの root パスワードを指定できます。root パスワードを指定するには、root_password キーワードを次の構文に従って使用します。


root_password=encrypted-password

encrypted-password は、/etc/shadow ファイルに設定される暗号化パスワードです。

security_policy キーワード

sysidcfg ファイルで security_policy キーワードを使用して、Kerberos ネットワーク認証プロトコルを使用するようにシステムを構成できます。Kerberos を使用するようにシステムを構成する場合には、次の構文を使用します。


security_policy=kerberos {default_realm=FQDN 
                          admin_server=FQDN kdc=FQDN1, FQDN2, FQDN3}

FQDN には、Kerberos のデフォルトレルム、管理サーバー、または鍵配布センター (Key Distribution Center, KDC) を、完全指定のドメイン名で指定します。KDC は 1 つ以上指定する必要があります (最大 3 つまで指定可能)。

システムのセキュリティーポリシーを設定しない場合は、security_policy=NONE と設定します。

Kerberos ネットワーク認証プロトコルの詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』を参照してください。


例 2–11 security_policy キーワードを使用して、Kerberos を使用するようにシステムを構成する

この例では、次の情報を使用して、Kerberos を使用するようにシステムを構成しています。


security_policy=kerberos 
                {default_realm=example.COM 
                 admin_server=krbadmin.example.com 
                 kdc=kdc1.example.com, 
                 kdc2.example.com}

service_profile キーワード

service_profile キーワードを使用してネットワークサービスを制限すれば、より強力にセキュリティー保護されたシステムをインストールできます。このセキュリティーオプションを使用できるのは、初期インストールのときだけです。アップグレードでは、以前に設定したサービスが保持されます。

このキーワードを設定するときは、次の構文のいずれかを使用します。


service_profile=limited_net

service_profile=open

limited_net は、Secure Shell を除くすべてのネットワークサービスを、無効またはローカル要求への応答だけに制限するように指定します。インストール後、svcadm コマンドおよび svccfg コマンドを使用して、任意のネットワークサービスを個別に有効にすることができます。

open を指定すると、ネットワークサービスはインストール中に変更されません。

service_profile キーワードが sysidcfg ファイルにない場合は、インストール中にネットワークサービスの状態は変更されません。

ネットワークサービスは、netservices open コマンドを使用するか、SMF コマンドを使用して個別にサービスを有効にする方法で、インストール後に有効にすることができます。詳細は、『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』「インストール後のセキュリティー設定の修正」を参照してください。

インストール中にネットワークセキュリティーを制限する方法の詳細は、『Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)』「ネットワークセキュリティーの計画」を参照してください。また、次のマニュアルページも参照してください。

system_locale キーワード

system_locale キーワードを使用して、インストールプログラムおよびデスクトップの表示言語を指定できます。ロケールを指定するには、次の構文を使用します。


system_locale=locale

locale には、インストールパネルおよび画面を表示する際の使用言語を指定します。有効なロケール値のリストについては、/usr/lib/locale ディレクトリまたは『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

terminal キーワード

terminal キーワードを使用して、システムの端末タイプを指定できます。端末タイプを指定するには、次の構文を使用します。


terminal=terminal_type

terminal_type には、システムの端末タイプを指定します。有効な端末値のリストについては、/usr/share/lib/terminfo ディレクトリのサブディレクトリを参照してください。

timezone キーワード

timezone キーワードを使用して、システムの時間帯を設定できます。次の構文を使用します。


timezone=timezone

上の例の timezone には、システムの時間帯値を指定します。/usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリにあるファイル名、またはそのサブディレクトリにあるファイル名を、時間帯値として設定できます。timezone の値は、/usr/share/lib/zoneinfo ディレクトリからの相対パス名です。また、有効な Olson 時間帯も指定できます。


例 2–12 timezone キーワードを使用してシステムの時間帯を構成する

次の例では、システムの時間帯を米国の山岳部標準時に設定しています。


timezone=US/Mountain

/usr/share/lib/zoneinfo/US/Mountain の時間帯情報を使用するようにシステムが構成されます。


timeserver キーワード

timeserver キーワードを使用して、インストール先のシステムに日付と時刻を設定するためのシステムを指定できます。

timeserver キーワードを設定するときには、次のいずれかの方法を選択します。

SPARC: Power Management 情報の事前設定

Solaris OS の Power Management ソフトウェアを使用すると、システムのアイドル状態が 30 分間続いたときに、自動的にシステム状態を保存し電源を切ることができます。EPA の省電力 (Energy Star) ガイドラインのバージョン 2 に準拠したシステム (Sun4UTM システムなど) に Solaris 最新リリースをインストールするときは、デフォルトで Power Management ソフトウェアもインストールされます。Solaris インストールプログラムの GUI を使用してインストールする場合、Power Management ソフトウェアを有効にするか無効にするかの指定を求められます。Solaris テキストインストーラでは、インストールが完了してシステムがリブートしたあとに、Power Management ソフトウェアを有効にするか無効にするかの指定を求められます。


注 –

システムに Energy Star バージョン 3 以降がある場合、この情報の入力は求められません。


対話式インストールを実行している場合は、Power Management 情報を事前設定してプロンプトを回避する方法はありません。カスタム JumpStart インストールでは、終了スクリプトを使ってシステムに /autoshutdown または /noautoshutdown ファイルを作成することで、Power Management 情報を事前設定できます。システムのリブート時に、/autoshutdown ファイルは Power Management を有効にし、/noautoshutdown ファイルは Power Management を無効にします。

たとえば、終了スクリプトに次の行を入れておくと Power Management ソフトウェアが有効になり、システムリブート後にプロンプトが表示されないようにすることができます。

touch /a/autoshutdown

終了スクリプトについては、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』「終了スクリプトの作成」を参照してください。

第 3 章 ネームサービスまたは DHCP による事前構成

この章では、ネームサービスや DHCP を使用してシステム情報の事前構成を行う手順について説明します。この章の内容は次のとおりです。

ネームサービスの選択

システム構成情報を事前設定するには、2 つの方法があります。システム構成情報は次の場所に設定できます。

次の表を使って、システム構成情報の事前設定に sysidcfg ファイルを使用するかネームサービスデータベースを使用するかを決定してください。

表 3–1 システム構成情報を事前設定するための方法

事前設定できるシステム構成情報 

sysidcfg ファイルでの事前設定の可否

ネームサービスでの事前設定の可否

ネームサービス

はい 

はい 

ドメイン名

はい 

いいえ 

ネームサーバー

はい 

いいえ 

ネットワークインタフェース

はい 

いいえ 

ホスト名

はい 

この情報はシステムに固有なため、各システム用に異なる sysidcfg ファイルを作成するよりも、ネームサービスを編集してください。

はい 

IP アドレス

はい 

この情報はシステムに固有なため、各システム用に異なる sysidcfg ファイルを作成するよりも、ネームサービスを編集してください。

はい 

ネットマスク

はい 

いいえ 

DHCP

はい 

いいえ 

IPv6

はい 

いいえ 

デフォルトルート

はい 

いいえ 

root パスワード

はい 

いいえ 

セキュリティーポリシー

はい 

いいえ 

インストールプログラムとデスクトップで表示する言語 (ロケール) 

はい 

NIS または NIS+ の場合、可能 

DNS または LDAP の場合、不可 

端末タイプ

はい 

いいえ 

時間帯

はい 

はい 

日付と時刻

はい 

はい 

Web プロキシ

いいえ 

Solaris インストールプログラムを使ってこの情報を設定できますが、その際に sysidcfg ファイルやネームサービスは使用できません。

いいえ 

x86: モニタータイプ

はい 

いいえ 

x86: キーボード言語、キー配列

はい 

いいえ 

x86: グラフィックスカード、発色数、表示解像度、画面サイズ

はい 

いいえ 

x86: ポインティングデバイス、ボタン数、IRQ レベル

はい 

いいえ 

SPARC: Power Management (autoshutdown) 

sysidcfg ファイルやネームサービスを通して Power Management の事前構成を行うことはできません。詳細は、「SPARC: Power Management 情報の事前設定」を参照してください。

いいえ 

いいえ 

ネームサービスによる事前設定

次の表は、システム構成情報を事前設定するために編集および入力を行う必要があるネームサービスデータベースの概要を示したものです。

事前設定するシステム情報 

ネームサービスデータベース 

ホスト名と IP アドレス 

hosts

日付と時刻 

hosts。インストール対象のシステムに、日付と時刻を提供するホスト名に続けて timehost という別名を記述します。

時間帯 

timezone

ネットマスク 

netmasks

DNS や LDAP のネームサービスでは、システムのロケールを事前設定することはできません。NIS や NIS+ のネームサービスを使用する場合は、次に挙げるネームサービスの使用手順に従ってシステムのロケールを事前設定します。


注 –

NIS や NIS+ を使ってシステムのロケールを正常に事前設定するためには、次の要件が満たされる必要があります。

これらの要件が満たされると、インストーラは事前設定された設定値を使用するため、インストール時にロケールの入力を求められることはありません。どちらかの要件が満たされないと、インストール時にインストーラからロケール情報の入力を求められます。


ProcedureNIS を使ってロケールを事前設定する方法

  1. ネームサーバー上で、スーパーユーザーになるか、またはそれと同等の役割になります。

  2. /var/yp/Makefile ファイルを編集して、ロケールマップを追加します。

    1. 最後の variable.time シェル手続きの後ろに、次のシェル手続きを追加します。

      locale.time:  $(DIR)/locale
              -@if [ -f $(DIR)/locale ]; then \
                     sed -e "/^#/d" -e s/#.*$$// $(DIR)/locale \
                     | awk '{for (i = 2; i<=NF; i++) print $$i, $$0}' \
                     | $(MAKEDBM) - $(YPDBDIR)/$(DOM)/locale.byname; \
                     touch locale.time; \
                     echo "updated locale"; \
                     if [ ! $(NOPUSH) ]; then \
                             $(YPPUSH) locale.byname; \
                             echo "pushed locale"; \
                     else \
                     : ; \
                     fi \
              else \
                     echo "couldn't find $(DIR)/locale"; \
              fi
    2. 文字列 all: を検索し、変数リストの最後に locale という語を挿入します。

      all: passwd group hosts ethers networks rpc services protocols \
      	netgroup bootparams aliases publickey netid netmasks c2secure \
      	timezone auto.master auto.home locale
    3. ファイルの下の方にある同じようなエントリの後に、文字列 locale: locale.time を新しい行として挿入します。

      passwd: passwd.time
      group: group.time
      hosts: hosts.time
      ethers: ethers.time
      networks: networks.time
      rpc: rpc.time
      services: services.time
      protocols: protocols.time
      netgroup: netgroup.time
      bootparams: bootparams.time
      aliases: aliases.time
      publickey: publickey.time
      netid: netid.time
      passwd.adjunct: passwd.adjunct.time
      group.adjunct: group.adjunct.time
      netmasks: netmasks.time
      timezone: timezone.time
      auto.master: auto.master.time
      auto.home: auto.home.time
      locale: locale.time
    4. ファイルを保存します。

  3. /etc/locale というファイルを作成し、ドメインや特定のシステムごとに 1 つずつエントリを作成します。

    • locale domain_name を入力します。

      たとえば次の行は、example.com ドメインに対してデフォルト言語として日本語を指定しています。

      fr example.com

      注 –

      使用できるロケール値のリストについては、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。


    • または、locale system_name を入力します。

      たとえば、次の例では、myhost というシステムに対してデフォルトロケールとして ja_JP.UTF-8 ロケールを指定しています。

      fr_BE myhost

    注 –

    ロケールは、Solaris DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD に入っています。


  4. マップを作成します。


    # cd /var/yp; make
    

    これでドメインまたは locale マップで個別に指定したシステムは、デフォルトのロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトのロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。

インストールの続行

NIS ネームサービスを使ってネットワーク経由のインストールを行うには、インストールサーバーを設定し、システムをインストールクライアントとして追加する必要があります。詳細については、第 4 章ネットワークからのインストール (概要)を参照してください。

NIS ネームサービスを使ってカスタム JumpStart インストールを行うには、プロファイルと rules.ok ファイルを作成する必要があります。詳細については、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の第 2 章「カスタム JumpStart (概要)」を参照してください。

参照

NIS ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』のパート III「NIS の設定と管理」を参照してください。

ProcedureNIS+ を使ってロケールを事前設定する方法

この手順は、NIS+ ドメインが設定されていると仮定しています。NIS+ ドメインの設定については、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。

  1. ネームサーバーに、スーパーユーザーまたは NIS+ admin グループのユーザーとしてログインします。

  2. locale テーブルを作成します。


    # nistbladm -D access=og=rmcd,nw=r -c locale_tbl name=SI,nogw=
    locale=,nogw= comment=,nogw= locale.org_dir.`nisdefaults -d`
    
  3. locale に必要なエントリを追加します。


    # nistbladm -a name=namelocale=locale comment=comment
    locale.org_dir.`nisdefaults -d`
    
    name

    デフォルトのロケールを事前設定するドメイン名または特定のシステム名。

    locale

    システムにインストールし、システムのリブート後にデスクトップ上で使用するロケール。使用できるロケール値のリストについては、『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。

    comment

    コメントフィールド。複数の単語を使ったコメントは、前後を二重引用符で囲んでください。


    注 –

    ロケールは、Solaris DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD に入っています。


    これでドメインまたは locale テーブルで個別に指定したシステムは、デフォルトのロケールを使用するように設定されました。ここで指定したデフォルトロケールは、インストール時に使用されるとともに、システムのリブート後のデスクトップでも使用されます。

インストールの続行

NIS+ ネームサービスを使ってネットワーク経由のインストールを行うには、インストールサーバーを設定し、システムをインストールクライアントとして追加する必要があります。詳細については、第 4 章ネットワークからのインストール (概要)を参照してください。

NIS+ ネームサービスを使ってカスタム JumpStart インストールを行うには、プロファイルと rules.ok ファイルを作成する必要があります。詳細については、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の第 2 章「カスタム JumpStart (概要)」を参照してください。

参照

NIS+ ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)』を参照してください。

DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)

DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) を使用すると、TCP/IP ネットワーク内のホストシステムを、ブート時にネットワークに合わせて自動的に構成できます。DHCP では、クライアント/サーバーメカニズムが使用されます。サーバーは、クライアントの構成情報を格納、管理し、クライアントの要求に応じてその構成情報を提供します。構成情報には、クライアントの IP アドレスと、クライアントが使用可能なネットワークサービス情報が含まれます。

DHCP の主な利点は、リースを通して IP アドレス割り当てを管理できることです。リースを使用すると、使用されていない IP アドレスを回収し、ほかのクライアントに割り当て直すことができます。この機能によって、1 つのサイトで使用する IP アドレスプールは、すべてのクライアントに常時アドレスを割り当てた場合に比べて、小さくなります。

ネットワーク上のいくつかのクライアントシステムでは、DHCP を使用して Solaris OS をインストールできます。この機能を使用できるのは、Solaris OS がサポートしているすべての SPARC システムと、Solaris OS を実行するためのハードウェア要件を満たしている x86 システムです。

次の作業マップに、クライアントが DHCP を使用してインストールパラメータを取得するために必要な作業を示します。

表 3–2 作業マップ: DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定

作業 

説明 

説明 

インストールサーバーを設定する。 

Solaris サーバーを設定して、ネットワークから Solaris OS をインストールする必要があるクライアントをサポートします。 

第 4 章ネットワークからのインストール (概要)

DHCP を使用してネットワーク経由で Solaris をインストールできるようにクライアントシステムを構成します。 

add_install_client -d を使用して、特定のクラスあるいはマシンタイプに属するクライアントや特定のクライアント ID に対して、DHCP ネットワークインストールのサポートを追加します。

Solaris DVD を使用する場合 

「DVD イメージを使用してネットワークからインストールするシステムの追加」

Solaris CD を使用する場合 

「CD イメージを使用してネットワークからインストールするシステムの追加」

add_install_client(1M)

DHCP サービスを使用するためにネットワークを準備します。 

DHCP サーバーをどのように構成するかを決定します。 

『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 13 章「DHCP サービスの使用計画 (手順)」

DHCP サーバーを構成します。 

DHCP マネージャを使用して DHCP サーバーを構成します。 

『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 14 章「DHCP サービスの構成 (手順)」

インストールパラメータ用の DHCP オプションとそのオプションを含むマクロを作成します。 

DHCP マネージャまたは dhtadm を使用して、DHCP サーバーがインストール情報をクライアントに渡すときに使用できる、新しいベンダーオプションとマクロを作成します。

「Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成」

Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成

インストールサーバー上で add_install_client -d スクリプトを使用してクライアントを追加すると、そのスクリプトは DHCP 構成情報を標準出力にレポートします。この情報は、ネットワークインストール情報をクライアントに伝えるために必要なオプションとマクロを作成する際に使用できます。

DHCP サービス内のオプションおよびマクロをカスタマイズして、次の種類のインストールを実行できます。

DHCP サーバーを使用してネットワークインストールを行うようにクライアントを設定する方法については、次の手順を参照してください。

DHCP オプションおよびマクロの値

ネットワークから DHCP クライアントに対してインストールを行うには、ベンダーカテゴリオプションを作成して、Solaris OS をインストールするために必要な情報を伝える必要があります。次の表では、DHCP クライアントのインストールに使用できる一般的な DHCP オプションを説明します。

DHCP オプションの詳細は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』「DHCP のオプション」を参照してください。

表 3–3 標準的な DHCP オプションの値

オプション名 

コード 

データ型 

データの単位数 (Granularity) 

最大値 

説明 

BootFile

なし 

ASCII 

クライアントのブートファイルへのパス 

BootSrvA

なし 

IP アドレス 

ブートサーバーの IP アドレス 

DNSdmain

15 

ASCII 

DNS ドメイン名 

DNSserv

IP アドレス 

DNS ネームサーバーの一覧 

NISdmain

40 

ASCII 

NIS ドメイン名 

NISservs

41 

IP アドレス 

NIS サーバーの IP アドレス 

NIS+dom

64 

ASCII 

NIS+ ドメイン名 

NIS+serv

65 

IP アドレス 

NIS+ サーバーの IP アドレス 

Router

IP アドレス 

ネットワークルーターの IP アドレス 

表 3–4 Solaris クライアント用にベンダーカテゴリオプションを作成するための値

名前 

コード 

データ型 

データの単位数 (Granularity) 

最大値 

ベンダークライアントクラス 

説明 

次のベンダーカテゴリオプションは、クライアントへの Solaris のインストールを DHCP サーバーでサポートするために必須のものです。これらのオプションは、Solaris クライアントの起動スクリプトで使用されます。


注 –

ここに示されているベンダークライアントクラスは単なる例です。ネットワークからインストールする必要がある実際のクライアントについて、クライアントクラスを指定する必要があります。


SrootIP4

IP アドレス 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ルートサーバーの IP アドレス 

SrootNM

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ルートサーバーのホスト名 

SrootPTH

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ルートサーバーにあるクライアントのルートディレクトリへのパス 

SinstIP4

10 

IP アドレス 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

JumpStart インストールサーバーの IP アドレス 

SinstNM

11 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

インストールサーバーのホスト名 

SinstPTH

12 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

インストールサーバーにあるインストールイメージへのパス 

次のオプションは、クライアントの起動スクリプトで使用できますが、必須ではありません。


注 –

ここに示されているベンダークライアントクラスは単なる例です。ネットワークからインストールする必要がある実際のクライアントについて、クライアントクラスを指定する必要があります。


SrootOpt

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

クライアントのルートファイルシステム用の NFS マウントオプション 

SbootFIL

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

クライアントのブートファイルへのパス 

SbootRS

数値 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

カーネルを読み込む際にスタンドアロンのブートプログラムが使用する NFS 読み込みサイズ 

SsysidCF

13 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

server:/path という形式での、sysidcfg ファイルへのパス

SjumpsCF

14 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

server:/path という形式での、JumpStart 構成ファイルへのパス

SbootURI

16 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

スタンドアロンのブートファイルへのパスまたは WAN ブートファイルへのパス。スタンドアロンのブートファイルの場合は、次の形式を使用します。 

tftp://inetboot.sun4u

WAN ブートファイルの場合は、次の形式を使用します。 

http://host.domain/path-to-file

このオプションを使用すると、BootFilesiaddr の設定を無効にし、スタンドアロンのブートファイルを検出させることができます。サポートされているプロトコルは、 tftp (inetboot) および http (wanboot) です。たとえば、次の形式を使用します。tftp://inetboot.sun4u

SHTTPproxy

17 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

ネットワーク上で使用されているプロキシサーバーの IP アドレスとポート番号。このオプションが必要なのは、クライアントが WAN を介してブートされる場合で、ローカルネットワークでプロキシサーバーが使用されているときのみです。たとえば、次の形式を使用します。 198.162.10.5:8080

次のオプションは、Solaris クライアントの起動スクリプトで現在は使用されていません。起動スクリプトを編集する場合だけ、これらのオプションを使用できます。


注 –

ここに示されているベンダークライアントクラスは単なる例です。ネットワークからインストールする必要がある実際のクライアントについて、クライアントクラスを指定する必要があります。


SswapIP4

IP アドレス 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

スワップサーバーの IP アドレス 

SswapPTH

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

スワップサーバーにあるクライアントのスワップファイルへのパス 

Stz

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

クライアントのタイムゾーン 

Sterm

15 

ASCII テキスト 

SUNW.Sun-Blade-1000、SUNW.Sun-Fire-880、SUNW.i86pc

端末タイプ  

オプションがすでに作成されていれば、これらのオプションを含んだマクロを作成することができます。次に、クライアントに対する Solaris のインストールをサポートするために作成できるマクロの例を示します。

表 3–5 ネットワークインストールクライアントをサポートするマクロの例

マクロ名 

含まれるオプションとマクロ 

Solaris

SrootIP4、SrootNM、SinstIP4、SinstNM

sparc

SrootPTH、SinstPTH

sun4u

Solaris マクロと sparc マクロ

sun4v

Solaris マクロと sparc マクロ

i86pc

Solaris マクロ、SrootPTH、SinstPTH、SbootFIL

SUNW.i86pc

i86pc マクロ


注 –

SUNW.i86pc ベンダークライアントクラスは、Solaris 10 3/05 リリースおよびその互換バージョンに対してのみ有効です。


SUNW.Sun-Blade-1000

sun4u マクロ、SbootFIL

SUNW.Sun-Fire-880

sun4u マクロ、SbootFIL

PXEClient:Arch:00000:UNDI:002001

BootSrvABootFile

xxx.xxx.xxx.xxx ネットワークアドレスマクロ

BootSrvA オプションは既存のネットワークアドレスマクロに追加できます。BootSrvA の値は tftboot サーバーを示す必要があります。

01client-MAC-address クライアント固有のマクロ (たとえば、010007E9044ABF)

BootSrvABootFile

上記の表に示されているマクロ名は、ネットワークからインストールする必要のあるクライアントのベンダークライアントクラスと一致します。これらの名前は、ネットワーク上にあるクライアントの例です。クライアントのベンダークライアントクラスを調べる方法については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』「DHCP オプションを使用した作業 (作業マップ)」を参照してください。

これらのオプションとマクロは、次の方法で作成できます。

特定のクライアントに提供されているベンダーオプションは、オプションコードや長さの情報も含めて、合計のサイズが 255 バイトを超えてはいけません。これは、現在の Solaris DHCP プロトコルの実装による制限です。一般に、渡すベンダー情報は、必要最小限に留めるべきです。さらに、パス名を必要とするオプションでは、短いパス名を使用すべきです。長いパス名に対してシンボリックリンクを作成すると、短いリンク名を使用できます。

DHCP マネージャを使用したインストールオプションとマクロの作成

DHCP マネージャーを使用して、表 3–4 に一覧表示されているオプションおよび表 3–5 に一覧表示されているマクロを作成できます。

ProcedureSolaris のインストールをサポートするオプションを作成する方法 (DHCP マネージャ)

始める前に

インストール用の DHCP マクロを作成する前に、次の作業を実行してください。

  1. DHCP サーバーシステムでスーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

  2. DHCP マネージャを起動します。


    # /usr/sadm/admin/bin/dhcpmgr &
    

    「DHCP マネージャ (DHCP Manager)」ウィンドウが表示されます。

  3. DHCP マネージャで「オプション (Options)」を選択します。

  4. 「編集 (Edit)」メニューから「作成 (Create)」を選択します。

    「オプションの作成 (Create Option)」パネルが開きます。

  5. 最初のオプションのオプション名を入力し、そのオプションに値を入力します。

    add_install_client コマンドの出力結果、表 3–3、および表 3–4 を使用して、作成するオプションの名前と値を調べます。ベンダークライアントクラスは推奨値に過ぎないことに注意してください。DHCP サービスから Solaris インストールパラメータを取得する必要がある実際のクライアントのタイプを示すクラスを作成する必要があります。クライアントのベンダークライアントクラスを調べる方法については、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』「DHCP オプションを使用した作業 (作業マップ)」を参照してください。

  6. すべての値を入力したら、「了解 (OK)」をクリックします。

  7. 「オプション (Options)」タブで、今作成したオプションを選択します。

  8. 「編集 (Edit)」メニューから「複製 (Duplicate)」を選択します。

    「オプションの複製 (Duplicate Option)」パネルが開きます。

  9. 別のオプションの名前を入力し、その他の値を適宜変更します。

    コード、データ型、データの単位数、最大値は通常は変更する必要があります。これらの値については、表 3–3 および表 3–4 を参照してください。

  10. すべてのオプションを作成するまで、手順 7 から手順 9 までを繰り返します。

    次の手順の説明に従って、ネットワークインストールクライアントにオプションを渡すマクロを作成できます。


    注 –

    これらのオプションはすでに Solaris クライアントの /etc/dhcp/inittab ファイルに含まれているので、わざわざ追加する必要はありません。


ProcedureSolaris のインストールをサポートするマクロを作成する方法 (DHCP マネージャ)

始める前に

インストール用の DHCP マクロを作成する前に、次の作業を実行してください。

  1. DHCP マネージャで「マクロ (Macros)」を選択します。

  2. 「編集 (Edit)」メニューから「作成 (Create)」を選択します。

    「マクロの作成 (Create Macro)」パネルが開きます。

  3. マクロの名前を入力します。

    使用できるマクロ名については、表 3–5 を参照してください。

  4. 「選択 (Select)」ボタンをクリックします。

    「オプションの選択 (Select Option)」パネルが開きます。

  5. 「カテゴリ (Category)」リストで「ベンダー (Vendor)」を選択します。

    作成したベンダーオプションがリストされます。

  6. マクロに追加するオプションを選択して、「了解 (OK)」をクリックします。

  7. オプションの値を入力します。

    オプションのデータ型については、表 3–3 および表 3–4 を参照してください。add_install_client -d の報告も参照してください。

  8. すべてのオプションを追加するまで、手順 6 から手順 7 までを繰り返します。

    別のマクロを追加するには、オプション名に Include と入力し、オプション値にそのマクロ名を入力します。

  9. マクロが完成したら、「了解 (OK)」をクリックします。

インストールの続行

DHCP を使ってネットワーク経由のインストールを行うには、インストールサーバーを設定し、システムをインストールクライアントとして追加する必要があります。詳細については、第 4 章ネットワークからのインストール (概要)を参照してください。

DHCP を使って WAN ブートインストールを行うには、追加の作業を行う必要があります。詳細については、第 10 章WAN ブート (概要)を参照してください。

DHCP を使ってカスタム JumpStart インストールを行うには、プロファイルと rules.ok ファイルを作成する必要があります。詳細については、『Solaris 10 10/09 インストールガイド (カスタムJumpStart/ 上級編)』の第 2 章「カスタム JumpStart (概要)」を参照してください。

参照

DHCP の詳細は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』のパート III「DHCP」を参照してください。

dhtadm を使用してオプションとマクロを作成するスクリプトの作成

例 3–1 の例を応用して Korn シェルスクリプトを作成し、表 3–3 および表 3–4 に一覧表示されているすべてのオプションと、いくつかの便利なマクロを作成できます。引用符に囲まれたすべての IP アドレスと値を、実際のネットワークの IP アドレス、サーバー名、およびパスに変更してください。また、Vendor= キーを編集して、使用するクライアントのクラスを示す必要もあります。add_install_client -d の情報を使って、スクリプトを変更するために必要なデータを取得します。


例 3–1 ネットワークインストールをサポートするスクリプトの例

# Load the Solaris vendor specific options. We'll start out supporting 
# the Sun-Blade-1000, Sun-Fire-880, and i86 platforms. Note that the 
# SUNW.i86pc option only applies for the Solaris 10 3/05 release. 
# Changing -A to -M would replace the current values, rather than add them.
dhtadm -A -s SrootOpt -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,1,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SrootIP4 -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,2,IP,1,1'
dhtadm -A -s SrootNM -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,3,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SrootPTH -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,4,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SswapIP4 -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,5,IP,1,0'
dhtadm -A -s SswapPTH -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,6,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SbootFIL -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,7,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s Stz -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,8,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SbootRS -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,9,NUMBER,2,1'
dhtadm -A -s SinstIP4 -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,10,IP,1,1'
dhtadm -A -s SinstNM -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,11,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SinstPTH -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,12,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SsysidCF -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,13,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SjumpsCF -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,14,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s Sterm -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,15,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SbootURI -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,16,ASCII,1,0'
dhtadm -A -s SHTTPproxy -d \
'Vendor=SUNW.Sun-Blade-1000 SUNW.Sun-Fire-880 SUNW.i86pc,17,ASCII,1,0'
# Load some useful Macro definitions.
# Define all Solaris-generic options under this macro named Solaris.
dhtadm -A -m Solaris -d \
':SrootIP4=10.21.0.2:SrootNM="blue2":SinstIP4=10.21.0.2:SinstNM="red5":'
# Define all sparc-platform specific options under this macro named sparc.
dhtadm -A -m sparc -d \
':SrootPTH="/export/sparc/root":SinstPTH="/export/sparc/install":'
# Define all sun4u architecture-specific options under this macro named sun4u. 
#  (Includes Solaris and sparc macros.)
dhtadm -A -m sun4u -d ':Include=Solaris:Include=sparc:'
# Solaris on IA32-platform-specific parameters are under this macro named i86pc.
# Note that this macro applies only for the Solaris 10 3/05 release.
dhtadm -A -m i86pc -d \
':Include=Solaris:SrootPTH="/export/i86pc/root":SinstPTH="/export/i86pc/install"\
:SbootFIL="/platform/i86pc/kernel/unix":'
# Solaris on IA32 machines are identified by the "SUNW.i86pc" class. All
# clients identifying themselves as members of this class will see these
# parameters in the macro called SUNW.i86pc, which includes the i86pc macro.
# Note that this class only applies for the Solaris 10 3/05 release.
dhtadm -A -m SUNW.i86pc -d ':Include=i86pc:'
# Sun-Blade-1000 platforms identify themselves as part of the 
# "SUNW.Sun-Blade-1000" class.
# All clients identifying themselves as members of this class
#  will see these parameters.
dhtadm -A -m SUNW.Sun-Blade-1000 -d \
':SbootFIL="/platform/sun4u/kernel/sparcv9/unix":\
Include=sun4u:'
# Sun-Fire-880 platforms identify themselves as part of the "SUNW.Sun-Fire-880" class.
# All clients identifying themselves as members of this class will see these parameters.
dhtadm -A -m SUNW.Sun-Fire-880 -d \
':SbootFIL="/platform/sun4u/kernel/sparcv9/unix":Include=sun4u:'
# Add our boot server IP to each of the network macros for our topology served by our
# DHCP server. Our boot server happens to be the same machine running our DHCP server.
dhtadm -M -m 10.20.64.64 -e BootSrvA=10.21.0.2
dhtadm -M -m 10.20.64.0 -e BootSrvA=10.21.0.2
dhtadm -M -m 10.20.64.128 -e BootSrvA=10.21.0.2
dhtadm -M -m 10.21.0.0 -e BootSrvA=10.21.0.2
dhtadm -M -m 10.22.0.0	-e BootSrvA=10.21.0.2
# Make sure we return host names to our clients.
dhtadm -M -m DHCP-servername -e Hostname=_NULL_VALUE_
# Create a macro for PXE clients that want to boot from our boot server.
# Note that this macro applies for the Solaris 10 3/05 release.
dhtadm -A -m PXEClient:Arch:00000:UNDI:002001 -d \
:BootFile=nbp.i86pc:BootSrvA=10.21.0.2:
# Create a macro for PXE clients that want to boot from our boot server.
# Note that this macro applies for the Solaris 10 2/06 release.
dhtadm -A -m PXEClient:Arch:00000:UNDI:002001 -d \
:BootFile=i86pc:BootSrvA=10.21.0.2:
# Create a macro for the x86 based client with the Ethernet address 00:07:e9:04:4a:bf 
# to install from the network by using PXE.
dhtadm -A -m 010007E9044ABF -d :BootFile=010007E9044ABF:BootSrvA=10.21.0.2:
# The client with this MAC address is a diskless client. Override the root settings
# which at the network scope setup for Install with our client's root directory.
dhtadm -A -m 0800201AC25E -d \
':SrootIP4=10.23.128.2:SrootNM="orange-svr-2":SrootPTH="/export/root/10.23.128.12":'

スーパーユーザーになり、dhtadm をバッチモードで実行します。オプションとマクロを dhcptab に追加するためのスクリプトの名前を指定します。たとえば、スクリプトの名前が netinstalloptions の場合、次のコマンドを入力します。


# dhtadm -B netinstalloptions

Vendor= 文字列に指定されているベンダークライアントクラスを持つクライアントが、DHCP を使ってネットワーク経由でインストールできるようになります。

dhtadm コマンドの使用方法の詳細については、dhtadm(1M) のマニュアルページを参照してください。dhcptab ファイルの詳細は、dhcptab(4) のマニュアルページを参照してください。