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Sun ONE Calendar Server インストールガイド



第 1 章   インストールの準備


この章では、Sun™ ONE Calendar Server のインストールの準備に有用な次の項目について説明します。

使用しているシステムにすでに Calendar Server バージョン 2.x がインストールされている場合にも、バージョン 5.1.1 をインストールできます。バージョン 2.x と 5.1.1 は、その後同一システム上に共存できます。 また、バージョン 2.x のカレンダーデータおよびユーザ情報をバージョン 5.1.1 に移送することもできます。詳細については、第 4 章 「Calendar Server  データの移行」を参照してください。

Calendar Server 5.x がすでにシステムにインストールされている場合には、5.1.1 にアップグレードするか、5.x を削除してから 5.1.1 バージョンを再インストールしてください。

アップグレードを実行すると、インストールプログラムにより古いバージョンのリソースが削除されます。 たとえば、Solaris システムに Calendar Server 5.1 が英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、および日本語に対応したリソースとともにインストールされていると想定します。
ics-5_1_1-export-en-de-es-fr_sparc-sun-solaris2_6_tar.gz という名前のインストールアーカイブを使用したアップグレードでは、インストールプログラムにより、英語、ドイツ語、スペイン語、およびフランス語に対応した新しいリソースがインストールされますが、日本語に対応した古いリソースは削除されます。

今回のリリースの時点ですでに分かっている問題の最新情報については、『Calendar Server リリースノート』を参照してください。このリリースノートは次の Web サイトにあります。

http://docs.sun.com/db/prod/s1calsrv


インストールの概要

カレンダーサーバのインストール作業には、3 つの基本的な段階があります。

  1. インストールに必要な情報の収集

  2. LDAP ディレクトサーバ の使用.

  3. Calendar Server のインストール。「UNIX システムでの Calendar Server のインストール」または「Windows NT システムでの Calendar Server のインストール」を参照してください

UNIX システムでは、次の点を考慮してください。

  • インストールプログラムは X-Window のグラフィカルユーザインタフェースを使用します。ローカルのターミナルウィンドウを使って Calendar Server をインストールすることをお勧めします。

  • リモートで X-Window を使用できない場合や、使用しているマシンに X-Window がインストールされていない場合は、コマンドラインを使ってインストールを行う必要があります。コマンドラインを使ったインストールは、グラフィカルインストールと同じ手順に従います。グラフィカルインタフェースとコマンドラインインタフェースでは、インストールセットアップスクリプトの起動方法が異なります。

  • リモートターミナルからインストールプログラムを起動する必要がある場合は、DISPLAY 環境変数がリモートマシンに正しく設定されていること、およびそのマシンからの X-Window 接続が端末で表示できることを確認します (たとえば、xhost + ユーティリティを使います)。


システム要件

Calendar Server をインストールする前に、ハードウェア構成とオペレーティングシステムの最低要件を満たしていることを確認してください。サポートされているプラットフォーム、およびソフトウェア/ハードウェア要件についての最新情報は、次の Web サイトにある『Calendar Server リリースノート』を参照してください。

http://docs.sun.com/db/prod/s1calsrv


インストール権限

Calendar Server のインストール、再インストール、アップグレードを行うには、スーパーユーザの権限が必要です。Solaris や他の UNIX システムの場合には、root (ユーザ ID = 0) としてログインするか root になる必要があります。Windows NT システムの場合には、システムに対する管理権限をすべて持つ管理者としてログインする必要があります。


インストールに必要な情報の収集

インストール処理を開始する前に、インストールと構成に必要な情報を収集しておくと便利です。この情報は選択するインストールの種類によって異なります。

インストールの種類には次の 2 つがあります。

標準 (Typical) インストール. 最も簡単なインストール方法です。ほとんどのオプションは自動的にデフォルト値に設定されますが、オプションによっては別の値を選択したり入力したりする必要があります。ほとんどの管理者にこのインストールをお勧めします。 また、カスタム構成を必要としないインストール環境では、常にこのタイプを選択することをお勧めします。このインストールを行うために必要な情報のチェックリストについては、「標準インストールのチェックリスト」を参照してください

カスタム (Custom) インストール. 標準インストールよりも複雑なインストールです。すべての構成値を選択または入力しなければなりません。カスタムインストールは、熟練した管理者だけが行うようにしてください。このインストールを完了するために必要な情報のチェックリストについては、「カスタムインストールのチェックリスト」を参照してください

標準 (Typical) インストールのチェックリスト

標準インストールの手順を完了するには、次の情報が必要です。

コンポーネントの選択

インストールするコンポーネントを、次の中から1つまたは複数選択します (デフォルトではすべて選択)。

  • Calendar Server

  • Calendar Server API (CSAPI)

インストールディレクトリ

サーバのインストール先ディレクトリの名前とパスを指定します。たとえば、/opt と入力します。大量のユーザを想定する場合は、十分な空き容量のある大容量ハードドライブや RAID (Redundant Array of Inexpensive Disks) など、インストールするマシンのストレージデバイスに、負荷を処理するのに必要な容量が十分にあることを確認してください。

サービスポート

サービスポートは、Web (HTTP) アクセスをユーザに提供するために Calendar Server が使用する TCP ポート番号です (デフォルトでは 80)。すべての Web ブラウザでポート番号 80 をデフォルト使用しているため、インストールプログラムが提示する Web ポート番号を使用することをお勧めします。80 以外のポート番号を指定すると、カレンダーユーザは Calendar Server 上のカレンダーにアクセスするとき、URLにこのポート番号を明示的に含めなければなりません。ポート 80 がすでに使用中の場合は、他のサービスが使用しているポート 80 を解放してから、iPlanet Calendar Server をインストールすることをお勧めします。

今後のリリースには、リモート管理を組み込む予定です。現在のリリースのインストールプログラムは 管理ポートを指定できないようになっているので、デフォルト時の管理ポートは無効です (service.admin.port.enable = "no")。

Calendar Server ユーザとグループのアカウント (UNIX システムのみ)

これらのアカウントは、Calendar Server が実行される UNIX ユーザとグループを示しています。デフォルトの icsuser および icsgroup を使用することをお勧めします。これらのアカウントが存在しない場合は、インストールプログラムによって自動的に作成されます。

Calendar Server 管理者 (Windows NT システムのみ)

これは、Windows NT システム上で Calendar Server が実行する ID です。インストールプログラムでは、この ID は現在システムにログインしているユーザ (およびパスワード) であることを前提としています。 インストールプログラムの実行中にこの ID を変更することはできません。

このユーザは、システムに対して完全な管理者権限を持っている必要があります。



管理者のパスワードを空欄のままにすることはできません。



このため、インストールプログラムを実行する前に、Calendar Server のユーザとしてログインし、このユーザが Calendar Server をインストールするシステムに対して完全な管理者権限を持っていることを確認してください。

Calendar Server 管理者

Calendar Server 管理者は、Calendar Server の管理を行えるユーザアカウントです。たとえばこのユーザアカウントは、Calendar Server の起動・停止やログインしているユーザ全員のリストアップといった操作を行う Calendar Server 管理ユーティリティを実行することができます。

Calendar Server にログインし管理作業を行うには、Calendar Server 管理者のユーザアカウントがユーザ認証ディレクトリサーバに存在している必要があります。別のディレクトリサーバにユーザの基本設定が保存されている場合は、その保存先のディレクトリサーバにもこのユーザアカウントが存在している必要があります。インストールする時点で Calendar Server 管理者のユーザアカウントがディレクトリサーバに存在していない場合、このアカウントが Calendar Server にログインできるようにするには、インストール後にアカウントを追加する必要があります。

Calendar Server 管理者のユーザ ID は、service.admin.calmaster.userid パラメータの ics.conf ファイルに保存されます。デフォルトは、calmaster です。

カスタマイズ可能ファイル

Calendar Server のアップグレードや再インストールを行うと、カスタマイズしたファイルを含め、既存の Calendar Server ファイルすべてがインストールプログラムによって上書きされます。ただし、次の拡張子を持つ Calendar Server の設定ファイルとカスタマイズ可能ファイルをインストールプログラムに保存させることは可能です。

.xsl .xml .conf .gif .htm

これらの拡張子を持つ Calendar Server ファイルのカスタマイズを行なっていない場合でも、インストールプログラムはこれらのファイルを保存します。また、どのファイルが変更されたかを示すレポートも生成します。インストール終了後、保存されたファイルからこのレポートを使ってカスタマイズ内容を取り出し、新しくインストールされた Calendar Server ファイルにマージすることができます。

カスタマイズ可能ファイルを保存するには、「Calendar Server Customizable ファイルを保存しますか」ウィンドウでディレクトリを指定する必要があります。 「参照」をクリックして既存のディレクトリを選択したり、ディレクトリ名を入力してインストールプログラムでディレクトリを作成したりすることができます。

Calendar Server 5.1.1 リリースでは、XSL ファイルの可視テキスト文字列は、ローカライズのため変数に変換されて、それぞれ各言語の i18n.xsl ファイルにあります。 XSL ファイルは次のディレクトリにインストールされます。

server-root\cal\bin\data\language\source

ここで language は特定の言語コードを識別します。

使用者のサイトで必要に応じて i18n.xsl ファイルをローカライズできます。 i18n.xsl ファイルには、date_format.xsl で使用されるテキスト文字列 (ローカライズされている) だけでなく、ローカライズされていない XSL ファイルで参照されるテキスト文字列があります。英語と異なる形式またはレイアウトの言語に限り date_format.xsl をローカライズする必要があります。

メールとメールアラームのアドレス

次の情報を指定します。

  • Calendar Server Administrator メールアドレス。 このアドレスは、次の構文を使用します。 userid@hostname.domainname。たとえば、次のようになります。 calmaster@sesta.com.

  • SMTP サーバのホスト名。Calendar Server がメールメッセージの送信に使用する SMTP サーバの完全指定のホスト名です。たとえば、次のように入力します。

    calhome.sesta.com

    calhome はマシンのホスト名、sesta.com はその SMTP サーバが稼動している DNS ドメインの名前です。

カレンダーデータベースディレクトリ

Calendar Server データベースを配置するディレクトリを指定します。

  • Solaris の場合、デフォルトは次のとおりです。

       /var/opt/SUNWics5/csdb

  • Solaris 以外の UNIX システムの場合、デフォルトは次のとおりです。

       /var/opt/iPlanet/CalendarServer5/csdb

  • Windows NT システムの場合、デフォルトは次のとおりです。

       c:\Program Files\iPlanet\CalendarServer5\var\csdb

    Windows NT システムについては、このディレクトリが、FAT ファイルシステムではなく NTFS フォーマット済みドライブ上に必ず存在するようにします。

LDAP サーバの情報

LDAP サーバのユーザの認証と基本設定に関する次の情報を指定します。

  • ホストLDAP サーバがインストールされているマシンのホスト名。デフォルトは、インストールプログラムを実行しているマシンのホスト名です。

  • ポートLDAP サーバのサービスポート。デフォルトは 389 です。

  • ベース DN: 検索の開始点として使用する LDAP ディレクトリのエントリ。 たとえば、ベース DN として ou=people, o=sesta.com を指定すると、Calendar Server が行う LDAP 検索では常に o=sesta.com ディレクトリツリー内の ou=people サブツリーだけを調べます。

  • 管理者のバインド DN:ユーザの基本設定を保存する LDAP ディレクトリのあらゆるカレンダーユーザ属性を管理する権限のあるアカウント DN。デフォルトは次のとおりです。

    uid=admin,ou=Administrators,ou=TopologyManagement,o=NetscapeRoot

    デフォルトのバインド DN は、4.x バージョンの Netscape Directory Serverあるいは 5.1 バージョンの iPlanet Directory Server で使用できます。このどちらかのディレクトリサーバの ldapsearch ユーティリティを使って、この DN の有無を確認できます。たとえば、次のように入力します。

    ./ldapsearch -b o=NetscapeRoot uid=admin

  • 管理者パスワード。前述した、管理者のバインド DN のユーザアカウントに対するパスワード。

  • ユーザおよびグループ情報を格納するディレクトリサーバのディレクトリ管理者 (「特権ユーザ」ともいう)。これは、ディレクトリサーバスキーマ内で変更を行う権限のあるユーザ名とパスワードです。このユーザは、ディレクトリサーバ、およびそのディレクトリサーバを使用するすべてのサーバ (Administration Server など) に対する管理者権限と、ディレクトリサーバのすべてのエントリに対する管理アクセス権限を有しています 。

    ディレクトリ管理者の識別名 (DN) は、そのディレクトリサーバのインストール時に与えられます。デフォルトの DN は、cn=Directory Manager です。この情報は、Calendar Server が特定の LDAP スキーマを更新するために必要です。

カスタムインストールのチェックリスト

カスタムインストールの手順を完了するには、標準インストールのチェックリストに示されている情報以外にも、次の情報が必要です。

システムリソース

次のシステムリソースに任意の値を指定して、Calendar Server を起動します。

  • 最大セッション数 (デフォルトは 5000)

  • 最大スレッド数 (デフォルトは 1000)

  • サーバプロセス数 (デフォルトは 1)


LDAP ディレクトサーバ の使用

Sun ONE Calendar Server は、カレンダー、カレンダーのプロパティ、アクセスコントロール情報、イベント、todo (仕事)、アラームの保存と管理を行います。ただし、Calendar Server でユーザ情報の保存を管理するには、ユーザ認証のほかユーザの基本設定の保存と検索といった処理を行うディレクトリサービスが必要になります。

デフォルトの Calendar Server のインストール設定では、次の LDAP ディレクトリサーバで定義され管理されているユーザがサポートされます。

  • iPlanet Directory Server 5.1

  • Netscape Directory Server 4.12 および 4.16

LDAP ディレクトリにすでにユーザが存在している場合、Calendar Server を導入する一番簡単な方法は、ディレクトリサーバを iPlanet Directory Server 5.1、Netscape Directory Server 4.12 または 4.16 にアップグレードすることです。この結果、Calendar Server のインストールプログラムがディレクトリサーバのスキーマを Calendar Server 5.1.1 に合わせて自動的に更新してくれます。

iPlanet Directory Server や Netscape Directory Server のインストール方法と設定方法については、次の Web サイトを参照してください。

http://docs.sun.com/db/prod/s1dirsrv

別のディレクトリサーバを使用している場合やインストールプログラムでディレクトリサーバを更新できない場合には、ユーザが Calendar Server にアクセスできるように、スキーマを手動で変更する必要があります。

LDAP サーバのスキーマの手動更新

iPlanet Directory Server 5.1

iPlanet Calendar Server 5.1 における LDAP スキーマの拡張については、次のファイルで定義されています。

60iplanet-calendar.ldif
um50-common-schema.conf
ns-wcal-schema.conf

Calendar Server のインストールプログラムは、これらのファイルを server-root\cal\bin\config ディレクトリにインストールします。


iPlanet Directory Server 5.1 を手動で更新する手順は次のとおりです。

  1. Calendar Server 5.1.1 をインストールします。

  2. Calendar Server が起動している場合は、これを停止します。

  3. Directory Server 5.1 が起動している場合は、これを停止します。

  4. 60iplanet-calendar.ldifum50-common-schema.conf、および ns-wcal-schema.conf ファイルを、ディレクトリサーバを実行しているサーバ上の次のディレクトリにコピーします。

    server-root\slapd-hostname\config\schema

    hostname は、サーバの名前です。

  5. Directory Server を再起動します。 OID エラーが発生した場合は、「LDAP スキーマディレクトリで重複する OID の解決」を参照してください。

  6. Calendar Server を再起動します。

Netscape Directory Server 4.12 および 4.16

Netscape Directory Server 4.12 および 4.16 の場合、Calendar Server が使用する LDAP スキーマの拡張は次のファイルで定義されています。

  • um50-common-schema.conf には、Sun ONE 製品が共有する LDAP 属性とオブジェクトクラスが定義されています。

  • ics50-schema.conf には、Calendar Server が使用する LDAP 属性とオブジェクトクラスが定義されています。

Calendar Server のインストールプログラムは、これらのファイルを server-root\cal\bin\config ディレクトリにインストールします。


Netscape Directory Server 4.12 または 4.16 を手動で更新する手順は次のとおりです。

  1. Calendar Server 5.1.1 をインストールします。

  2. server-root\cal\bin\config にある LDAP スキーマファイル (um50-common-schema.confics50-schema.conf) を、ディレクトリサーバを実行しているサーバ上の次のディレクトリにコピーします。

    server-root\slapd-hostname\config

    hostname は、サーバの名前です。

    Solaris や他の UNIX システムでは、次のようになります。

    /usr/Netscape/Server4/slapd-sesta/config

  3. Calendar Server が起動している場合は、これを停止します。

  4. Directory Server が起動している場合は、これを停止します。

  5. ns-schema.conf ファイルを編集します (um50-common-schema.conf ファイルと ics50-schema.conf ファイルをコピーしたディレクトリで)。以下の行がファイル末尾にない場合には、次のような行を追加して、これらのファイルをインクルードするようにします。

    Solaris および他の UNIX システムの場合

    include /netscape/server4/slapd-hostname/config/um50-common-schema.conf

    include /netscape/server4/slapd-hostname/config/ics50-schema.conf

    Windows NT システムの場合

    include "C:\Netscape\Server4\slapd-hostname\config\um50-common-schema.conf"

    include "C:\Netscape\Server4\slapd-hostname\config\ics50-schema.conf"

    hostname は、ディレクトリサーバが稼動しているサーバの名前です。



    上で示した順序に従って各行を追加します。
    um50-common-schema.confics50-schema.conf の前にくるようにしてください。



  6. Netscape Directory Server を再起動します。 OID エラーが発生した場合は、「LDAP スキーマディレクトリで重複する OID の解決」を参照してください。

  7. Calendar Server を再起動します。

LDAP スキーマディレクトリで重複する OID の解決

LDAP スキーマディレクトリに重複する OID があると、Directory Server は使用する OID を認識しないで、エラーメッセージを戻します。 たとえば、次のメッセージは、iPlanet Directory Server 5.1 について icsCalendarUser オブジェクトクラスの重複する OID を示しています。

[24/Jul/2002:23:45:28 -0700] dse - The entry cn=schema in file /export/iplanet/servers/slapd-ical/config/schema/99user.ldif is invalid, error code 20 (Type or value exists) - object class icscalendaruser: The name does not match the OID. Another object class is already using the name or OID.

[24/Jul/2002:23:45:28 -0700] dse - Please edit the file to correct the reported problems and then restart the server.

この問題は、Calendar Server 5.1.1 をインストールする際に、LDAP サーバスキーマ 99user.ldif ファイルを動的に更新した古い Calendar Server リリースが残っている場合に発生します。

OID の重複を解決するには、99user.ldif ファイルを編集して、古い OID を削除する必要があります。 Calendar Server 5.1.1 については、次の表で問題を起こす可能性のある具体的な OID を説明します。


表 1-1    LDAP スキーマディレクトリの Calendar Server OID

オブジェクトクラス

古い OID

新しい OID

icsCalendarUser  

2.16.840.1.113730.3.2.141  

1.3.6.1.4.1.42.2.27.9.2.2  

icsCalendarResource  

2.16.840.1.113730.3.2.143  

1.3.6.1.4.1.42.2.27.9.2.3  

icsCalendarDomain  

2.16.840.1.113730.3.2.144  

1.3.6.1.4.1.42.2.27.9.2.4  

99user.ldif ファイルを編集してから Directory Server を再起動します。


注意事項

Sun ONE Calendar Server 5.1.1 をインストールする前に、次のことに注意してください。

  • UNIXシステムでは、インストールプログラムはコマンド/usr/bin/ domainname を使用して、システムに関連する DNS ドメイン名を識別します。この設定が正しいことを確認するには、コマンドプロンプトで次のように入力します。

    domainname

    このコマンドによって、システムの DNS ドメイン名が正しく返されます。ドメイン名が返されない場合は、次のように入力してドメイン名を設定してください。

    domainname your-system-domain-name

    DNS ドメイン名をこの方法で識別できないとき、インストールプログラムは etc\resolv.conf ファイルからこの値を読み取ろうとします (可能な場合)。

  • 一部の UNIX システムでは、hostname によって返された値をそのシステムの IP アドレスで使用できないことがあります。たとえば、x.example.com という名前のマシンに、TCP/IP アプリケーションが y.example.com を使用して接続しなければならない場合などです。このようなマシンの設定は適切でないと考えられます。

    このようなマシンに Calendar Server をインストールすると、ics.conf ファイルのエントリに不正な値が含まれる可能性があります。このような場合は、マシンを再設定してください。マシンの設定を変更できないときは、テキストエディタを使って ics.conf ファイルを編集し、ホスト名の値を正しく修正する必要があります。

    また、プロパティに、Null 値を持つ「host」および「hostname」の文字列がプロパティ名に含まれているものがあります。 Null 値によりサーバは、gethostname(3C) により戻される値を使用します。 これらのプロパティの値として TCP/IP サブシステムで認識されるホスト名を手動で追加する必要があります。


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最終更新日 2002 年 8 月 30 日