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Sun Java Enterprise System 2004Q2 配備実例集: 評価のシナリオ 

第 2 章
評価配備のインストール

この章では、評価配備で使用されるコンポーネントをインストールする方法について説明します。インストール先のシステムにソフトウェアをコピーし、Java ES インストーラを実行します。インストーラにより、コンポーネントの設定を要求するプロンプトが表示されます。指定した値は、インストールするほとんどのコンポーネントの設定に使用されます。

インストーラによって設定されないコンポーネントもあります。それらのコンポーネントについては、コンポーネント設定ツールを使用して、インストール後に設定します。

この章で説明する内容は、次のとおりです。


インストール要件の確認

評価配備をインストールする前に、インストール先のシステムが次の要件を満たしていることを確認します。


事前作業

ここでは、インストーラを実行する前に行う必要のある 2 つのタスクについて説明します。これらのタスクを行うことで、システムへのインストールが正常に行われる準備が整います。

インターネットホストテーブルの確認

システムのインターネットホストテーブルには、システムの完全修飾ホスト名が含まれている必要があります。

インターネットホストテーブルを確認するには
  1. Java Enterprise System のインストール先システムにroot としてログインします。
  2. テキストエディタで /etc/host ファイルを開きます。
  3. /etc/host ファイルに、システムの完全修飾ホスト名が含まれていることを確認します。
  4. たとえば、evaluation.example.com という名前のシステムの場合、/etc/host ファイルに次の行が含まれます。

    #
    # Internet host table
    #

    127.0.0.1      localhost
    192.18.78.28   evaluation.example.com   evaluation

    完全修飾のホスト名は、非修飾名の前にある必要があります。実際の /etc/host ファイルには、使用するシステムについての同様の情報が含まれている必要があります。

sendmail プロセスの無効化

sendmail プロセスは、Java Enterprise System の通信サービスと衝突する可能性があります。Java Enterprise System をインストールする前に、このプロセスを無効にします。

sendmail プロセスを無効にするには
  1. 次のコマンドを実行して、sendmail プロセスを停止します。
  2. /etc/init.d/sendmail stop

  3. 次のコマンドを実行して、sendmail の起動を無効にします。
  4. rm /etc/init.d/sendmail


コンポーネントのインストール

Java ES インストーラを実行して、評価配備で使用するコンポーネントをインストールします。評価配備の場合は、インストーラによって示されるほとんどのデフォルト設定値を受け入れます。

運用配備の場合は、インストーラを実行する前に、設定値を注意深く計画します。インストーラで指定する情報の詳細については、『Java Enterprise System インストールガイド』 (http://docs.sun.com/db/prod/entsys?l=ja) の第 4 章「インストールおよび設定に関する情報の収集」、および付録 A 「情報収集用ワークシート」を参照してください。

インストールプロセスを開始するには
  1. Java Enterprise System をインストールするマシンにroot としてログインします。
  2. 次のいずれかの方法で、Java ES ソフトウェアを入手します。
    • ソフトウェアをダウンロードする: ソフトウェア用のディレクトリ (download-directory) を作成します。ソフトウェアをダウンロードし、アンパックします。ソフトウェアをアンパックすると、download-directory のサブディレクトリが作成されます。
    • CD または DVD からインストーラを実行する: CD または DVD を適切なドライブに挿入します。
  3. インストールするプラットフォームの platform-directory に移動します。platform-directory は、Solaris_sparc または Solaris_X86 のいずれかです。
    • ソフトウェアをダウンロードしてアンパックした場合、platform-directory は、download-directory のサブディレクトリです。次のコマンドを実行します。
    • cd download-directory/platform-directory

    • CD からインストーラを実行している場合、platform-directory は、cdrom ディレクトリのサブディレクトリです。次のコマンドを実行します。
    • cd cdrom/platform-directory

    • DVD からインストーラを実行している場合は、DVD 上の platform-directory に移動します。
  4. 次のコマンドを実行して、Java Enterprise System インストーラを起動します。
  5. ./installer

    「ようこそ」ページが表示されます。

  6. 「次へ」をクリックします。
  7. 「ソフトウェアライセンス契約」ページが表示されます。

  8. 「はい」をクリックし、ライセンスの条項に同意します。
  9. 「言語サポート」ページが表示されます。

  10. 評価配備でサポートする英語以外の言語を選択します。英語は必ずサポートされます。
  11. 「次へ」をクリックします。「コンポーネントの選択」ページが表示されます。

    図 2-1 「コンポーネントの選択」ページ
    画面例、本文で挙げられているコンポーネントがインストール対象として選択された状態。

インストールするコンポーネントを選択するには
  1. 評価配備で使用するコンポーネントを選択します。次の操作を行います。
    • 「Sun Java System Messaging Server 6 2004Q2」を選択します。
    • 「Sun Java System Calendar Server 6 2004Q2」を選択します。
    • 「Sun Java System Portal Server 2004Q2」を選択します。
    • 「Sun Java System Communications Express」を選択します。
    • 「Sun Java System Web Server 6 2004Q1 Update 1 Service Pack 2」を選択します。
    • 「Sun Java System Message Queue 3.5 SP1」を選択します。
    • 「Sun Java System Identity Server 2004Q2」を選択します。
    • 「Sun Java System Directory Server 5 2004Q2」を選択します。
    • 「Sun Java System Administration Server 5 2004Q2」を選択します。
    • 「Sun JavaTM System Application Server 7.0 Update 3」を選択解除します。
    • これらの選択内容は、図 2-1 に示されています。「次へ」をクリックします。インストーラにより選択内容が検証され、選択したコンポーネントとすでにシステムにインストールされているソフトウェアとの間に互換性があるかどうかがチェックされます。互換性チェックの結果を示すページが表示されます。

  2. 選択内容に対するインストーラの応答を確認します。
  3. インストーラは、3 種類の互換性をチェックします。システムに応じて、互換性がないことを報告する次のページは、まったく表示されないか、1 〜 3 ページ表示されます。

    1. インストーラにより、選択したコンポーネントとすでにシステムに存在するコンポーネントとの間に互換性がないと判定される場合があります。図 2-2 に示されている、「製品の依存関係のチェック」ダイアログボックスが表示されます。
    2. 図 2-2 「製品の依存関係のチェック」ダイアログボックス
      画面例、 「コンポーネントの選択」ページの上に「製品の依存関係のチェック」ダイアログボックスが表示された状態。

      続行する前に、このダイアログボックスで示された非互換性を解決する必要があります。場合によっては、インストーラを終了し、互換性のないソフトウェアをアップグレードまたは削除してから、インストーラを最初からやり直す必要があります。


      インストーラにより、互換性のないバージョンの Message Queue がシステムに存在すると判定された場合は、付録 A を参照してください。


    3. インストーラにより、すでにシステムにインストールされている JavaTM 2 Software Development Kit, Standard Edition (J2SETM SDK) には、インストール対象として選択したコンポーネントとの互換性がないと判定される場合があります。「J2SE Software Development Kit のアップグレードが必要です」ページが表示されます。
    4. 「了解」をクリックして、デフォルト値の「Sun JavaTM Enterprise system コンポーネント製品用の J2SE SDK を別にインストール」を受け入れます。

    5. インストーラにより、すでにシステムにインストールされている共有コンポーネントには、インストール対象として選択したコンポーネントとの互換性がないと判定される場合があります。図 2-3 に示す、「アップグレードの必要がある共有コンポーネント」ページが表示されます。
    6. 図 2-3 「アップグレードの必要がある共有コンポーネント」ページ
      画面例、 アップグレードする必要のある共有コンポーネントのリストが表示された状態。

      「次へ」をクリックして、共有コンポーネントをアップグレードします。


      共有コンポーネントは、Java ES コンポーネントに対して、ローカルサービスとテクノロジサポートを提供します。Java ES をインストールする場合、インストーラは、選択した Java ES コンポーネントにとって必要な共有コンポーネントを自動的にインストールします。


    7. インストーラにより、システムには、選択したコンポーネントと全面的に互換性があると判定される場合があります。「インストールディレクトリ」ページが表示されます。
  4. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  5. 「システム要件の確認」ページが表示されます。

  6. 「システム要件の確認」ページが次のシステム要件についてシステムを検証している間、待機します。
    • ディスク容量
    • メモリ
    • オペレーティングシステムのパッチ
  7. システム要件チェックの結果を確認します。
    • メモリ不足の警告は無視します。評価配備では、運用配備ほど多くのメモリを必要としません。
    • インストーラを閉じる必要があると警告するパッチを受信した場合は、パッチをインストールし、インストーラを最初からやり直します。
    • システムチェックの結果に問題がなくなったら、「次へ」をクリックします。「設定タイプ」ページが表示されます。

設定の種類を指定するには
  1. 「今すぐ設定」を選択します。
  2. 「今すぐ設定」を選択すると、インストールするほとんどのコンポーネントの設定値が指定されます。インストーラにより、インストーラのページで指定した値に基づいてコンポーネントが設定されます。

    「次へ」をクリックします。「カスタム設定」ページが表示されます。

  3. インストーラが設定できないコンポーネントのリストを確認します。
  4. Java ES インストーラは Calendar Server、Messaging Server、または Communications Express を設定しないことがメッセージで示されます。Calendar Server、Messaging Server、および Communications Express を設定する方法については、第 3 章「評価配備の設定および確認」を参照してください。

    「次へ」をクリックします。「共有サーバー設定」ページが表示されます。

    図 2-4 「共有サーバー設定」ページ
    画面例、本文の説明のとおり、インストール先のマシンについての値がフィールドに設定された状態。

共通サーバー設定を入力するには
  1. インストーラによって設定されるすべてのコンポーネントの設定に使用する値を指定します。次の操作を行います。
    • 「ホスト名」のデフォルト値を受け入れます。
    • 「DNS ドメイン名」のデフォルト値を受け入れます。
    • 「ホスト IP アドレス」のデフォルト値を受け入れます。
    • 「管理者ユーザー ID」のデフォルト値を受け入れます。
    • 「管理者ユーザーパスワード」テキストフィールドと「パスワード再入力」テキストフィールドに、「password」と入力します。評価配備では、あらゆるパスワードに「password」が使用されます。
    • 「システムユーザー」のデフォルト値を受け入れます。
    • 「システムグループ」のデフォルト値を受け入れます。

    • 「ホスト名」、「DNS ドメイン名」、および「ホスト IP アドレス」のデフォルト値は、インストール先のシステムに基づいています。

      図 2-4 には、evaluation.example.com という名前のシステムのデフォルト値が示されています。「ホスト名」フィールドは、システム名 evaluation で、「DNS ドメイン名」フィールドは、example.com です。インストール先システムについても同様の値が表示されます。


      「次へ」をクリックします。「Web サーバー: 管理 (1 / 2)」ページが表示されます。

Web Server の情報を入力するには
  1. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  2. 「Web Server: デフォルトの Web Server インスタンス (2 / 2)」ページが表示されます。

    図 2-5 Web Server: デフォルトの Web Server インスタンス (2 / 2)
    画面例、本文で説明されている値がフィールドに指定された状態。

  3. 次の操作を行います。
    • 「実行時ユーザー ID」テキストフィールドに、「root」と入力します。
    • 「実行時グループ」テキストフィールドに、「other」と入力します。
    • 「システムが再起動すると自動的に Web Server を起動します」を選択します。
    • 「次へ」をクリックします。「Directory Server: 管理 (1 / 5)」ページが表示されます。

Directory Server の情報を入力するには
  1. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。

  2. 「管理者ユーザーパスワード」テキストフィールドと「ディレクトリマネージャパスワード」テキストフィールドには、アスタリスクが表示されます。これらのテキストフィールドの値は、「共有サーバー設定」ページで指定したデフォルトのパスワード、つまり password です。


    「Directory Server: サーバー設定 (2 / 5)」ページが表示されます。

  3. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  4. 「Directory Server: 設定 Directory Server (3 / 5)」ページが表示されます。

  5. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  6. 「Directory Server: データの保存場所 (4 / 5)」ページが表示されます。

  7. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  8. 「Directory Server: データの読み込み (5 / 5)」ページが表示されます。

  9. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。

  10. このページのデフォルトの選択 (「データの読み込み」チェックボックスの下の「サンプルデータ」ラジオボタン) により、サンプルデータがある LDAP データベースが読み込まれる設定になります。


    「管理サーバー: サーバー設定 (1 / 2)」ページが表示されます。

Administration Server の情報を入力するには
  1. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  2. 「管理サーバー: 構成ディレクトリの設定 (2 / 2)」ページが表示されます。

  3. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  4. 「Identity Server: 管理 (1 / 6)」ページが表示されます。

    図 2-6 「Identity Server:管理」ページ
    画面例、本文の説明のとおり、「管理者ユーザーパスワード」フィールドおよび「LDAP パスワード」フィールドに、保護された入力 (*) が示された状態。

Identity Server の情報を入力するには
  1. 次の操作を行います。
    • 「管理者ユーザーパスワード」および「パスワード再入力」テキストフィールドのデフォルト値を受け入れます。

    • 「管理者ユーザーパスワード」にはアスタリスクが表示されます。このテキストフィールドの値は、デフォルトパスワードの password です。


    • 「LDAP パスワード」および「パスワード再入力」テキストフィールドに、「ldappassword」と入力します。

    • LDAP パスワードを、管理者パスワードと同一にすることはできません。


      「次へ」をクリックします。「Identity Server: Web コンテナ (2 / 6)」ページが表示されます。

  2. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  3. 「Identity Server: Sun Java System Web Server (3 / 6)」ページが表示されます。

  4. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  5. 「Identity Server: Identity Server サービスを実行するための Web コンテナ (4 / 6)」ページが表示されます。

  6. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  7. 「Identity Server: Directory Server 情報 (5 / 6)」ページが表示されます。

  8. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  9. 「Identity Server: Directory Server 情報 (6 / 6)」ページが表示されます。

  10. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  11. 「ポータルサーバー: Web コンテナ」ページが表示されます。

Portal Server の情報を入力するには
  1. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  2. 「ポータルサーバー: Sun Java System Web Server」ウィンドウが表示されます。

  3. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。
  4. 「Potal Server Web コンテナ配備」ページが表示されます。

  5. 「次へ」をクリックしてデフォルトの値を受け入れます。

  6. 「サンプルポータルのインストール」がデフォルトで選択されています。サンプルポータルをインストールすると、独自のポータルデスクトップを開発することなく使用できる、ポータルデスクトップが提供されます。


    「インストールの準備が完了しています」ページが表示されます。

    図 2-7 「インストールの準備が完了しています」ページ
    画面例、インストールするコンポーネントのリストを示す。 この例では、「コンポーネントの選択」ページにリストされたすべてのコンポーネント。

インストールを完了するには
  1. インストールするコンポーネントのリストを確認します。リストは、図 2-7 と一致する必要があります。
    • 入力内容を確認または変更する場合は、「戻る」をクリックします。任意のインストーラページに戻り、任意の値を変更できます。
    • インストールする準備が整ったら、「次へ」をクリックします。インストーラが共有コンポーネントをアップグレードします。このプロセスにはしばらく時間がかかることがあります。インストーラが共有コンポーネントのアップグレードを終了すると、「製品登録」ページが表示されます。
  2. 「製品登録」ページで、「インストール中に登録ウィンドウを開きます」の選択を解除し、「インストール」をクリックします。
  3. 「インストール中」ページが表示されます。インストールが終了すると、「インストールが完了しました」ページが表示されます。

    図 2-8 「インストールが完了しました」ページ
    画面例、「インストールが完了しました」ページ。インストールガイドを自動的に表示するオプションが選択解除された状態。

  4. 「Sun Java Enterprise System インストールガイドを自動的に表示します」を選択解除します。

  5. インストール後の評価配備の設定については、第 3 章「評価配備の設定および確認」を参照してください。


    「サマリーの表示」をクリックし、すべてのコンポーネントが正しくインストールされたことを確認します。

    インストールプロセスは完了です。「閉じる」をクリックして、インストーラを終了します。

インストールログファイルの確認

インストールの詳細を調べる場合は、インストールログファイルを確認します。ここでは、ログファイルを見つける方法を説明します。

インストールログファイルを確認するには
  1. ログファイルのディレクトリに移動します。
  2. cd /var/sadm/install/logs

  3. ls コマンドを実行してディレクトリの内容をリスト表示します。
  4. ls

    インストールしたコンポーネントのインストールログファイルのリストが表示されます。

  5. 確認する必要のあるインストールログファイルを開きます。
  6. たとえば、Directory Server のインストールログファイルは、ファイル名に日付スタンプが含まれています。Directory_Server_install.Bmmdd9999 のようになっています。


    次のログファイルには、インストーラによって行われた依存性チェックについての情報が含まれています。

    /var/sadm/install/log/installdependencies.txt



コンポーネントのアンインストール

評価が完了したら、Java Enterprise System アンインストーラを使用して、インストールしたコンポーネントを削除できます。/var/sadm/prod/entsys にアンインストーラがインストールされています。

Java Enterprise System コンポーネントをアンインストールするには
  1. アンインストーラのディレクトリに移動します。
  2. cd /var/sasdm/prod/entsys

  3. 次のコマンドを実行して、アンインストーラを起動します。
  4. ./uninstall

  5. アンインストーラのプロンプトに応答して、アンインストールするコンポーネントを指定します。

アンインストーラの使用方法の詳細については、『Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。http://docs.sun.com/db/prod/entsys?l=ja からオンラインでアクセスできます。



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