Sun Java Communications Suite 5 リリースノート

第 5 章 Sun Java System Delegated Administrator 6.4 リリースノート

Version 6.4

このリリースノートには、Sun JavaTM System Delegated Administrator 6.4 のリリース時点で利用可能な重要な情報が含まれています。ここでは、新機能、拡張機能、既知の問題、制限事項などについて説明します。Delegated Administrator 6.4 を使い始める前に、本書をお読みください。

このリリースノートは、次の節で構成されています。

Delegated Administrator リリースノートの改訂履歴

表 5–1 Delegated Administrator リリースノートの改訂履歴

日付 

変更点 

2006 年 6 月 14 日 

ベータリリースへのレビューアコメントを追加しました。 

2006 年 2 月 24 日 

このリリースの新機能、既知の問題、このリリースで修正された問題を更新しました。 

2006 年 9 月 

このリリースノートのベータリリース。 

2007 年 3 月 

このリリースノート (Version 6.4) の商用リリース 

Delegated Administrator について

Delegated Administrator 6.4 を使用すれば、Messaging Server や Calendar Server などの Communications Suite アプリケーションが利用する LDAP ディレクトリ内での、組織 (ドメイン)、ユーザー、グループ、およびリソースのプロビジョニングを行えます。

Delegated Administrator ツールには 2 つのインタフェースがあります。

管理者が GUI を使用して LDAP ディレクトリでユーザーをプロビジョニングする方法については、Delegated Administrator コンソールのオンラインヘルプを参照してください。

Delegated Administrator 6.4 を使用する場合は、ユーザーは LDAP Schema 2 ディレクトリのみでプロビジョニングできます。LDAP Schema 1 ディレクトリで Messaging Server ユーザーをプロビジョニングするには、推奨されなくなったツールの iPlanet Delegated Administrator を使用する必要があります。

Delegated Administrator を設定および管理する方法については、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』を参照してください。Delegated Administrator の commadmin コマンド行ツールについては、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』の第 5 章「コマンド行ユーティリティー」を参照してください。

このリリースの Delegated Administrator の新機能

Delegated Administrator 6.4 での変更内容および新機能は、次のとおりです。

カレンダグループのサポート

Delegated Administrator は、カレンダグループのプロビジョニングをサポートします。

Delegated Administrator を使用して、カレンダサービスをグループに割り当てることができます。このグループがはじめて予定への出席を依頼されたときに、グループのメンバーであるユーザーが共有するグループカレンダが、Calendar Server によって作成されます。グループへの出席依頼が、グループカレンダおよび個々のメンバーのカレンダ上に表示されます。

カレンダグループのサポートを実現する機能は、次のとおりです。

Web Server 7.x 配備

Delegated Administrator は、Sun Java System Web Server 7.x に配備できます。

設定プログラム config-commda を実行すると、Delegated Administrator のサーバーとコンソールを Web Server 7.x に配備するように設定できます。

Instant Messaging へのアクセス

サイトに Instant Messaging (IM) が配備されていれば、Delegated Administrator で作成されたユーザーが IM サービスにアクセスできます。ユーザーの作成時に、基本 IM サービスがユーザーに自動的に割り当てられます。

IM ユーザーアクセスレベルを設定および管理するには、Access Manager コンソールを使用する必要があります。このリリースの Delegated Administrator では、Delegated Administrator コンソールから IM サービスにアクセスすることはできません。IM ユーザーアクセスレベルの管理用インタフェースも提供されません。

Delegated Administrator サーバーの debug log コマンド

コマンド行ユーティリティーの commadmin debug log コマンドで、Web コンテナ上にインストールされた Delegated Administrator サーブレットが生成したデバッグ文を格納する、Delegated Administrator サーバーログを作成できます。

commadmin debug log コマンドでは、/tmp/ または /var/tmp/ ディレクトリにログを作成する必要があります。

この commadmin debug log コマンドは、Delegated Administrator サーバーのロギングを有効にする URL の使用に取って代わるものです。以前のリリースで使用されていた URL をこの目的で使用することはできなくなりました。

Delegated Administrator で推奨されなくなった機能および削除された機能

iPlanet Delegated Administrator

iPlanet Delegated Administrator は非推奨になり、Communications Suite Delegated Administrator のコンソールおよびユーティリティーが推奨されることになりました。Sun Microsystems, Inc. は後日、iPlanet Delegated Administrator の生産中止スケジュールを発表する予定です。


注 –

iPlanet Delegated Administrator は非推奨になりましたが、iPlanet Delegated Administrator の imadmin user purge コマンドは、Messaging Server 6.3 と互換性を持つように更新されました。更新されたコマンドの詳細については、「iPlanet Delegated Administrator と Messaging Server 6.3 を使用したユーザーの削除」を参照してください。


Delegated Administrator の要件

ここでは、このリリースの Delegated Administrator に対する次のプラットフォーム、クライアント製品、およびソフトウェアの追加要件について説明します。

Delegated Administrator に関する重要なパッチ情報

Sun Java Communications Suite 5 の一般リリース時点では、次の Delegated Administrator 6.4 のアップグレードパッチが利用できます。

プラットフォーム 

パッチ番号 (英語) 

Solaris、SPARC 

121581–12 

x86 

121582–12 

Linux 

121583–12 

Delegated Administrator のオペレーティングシステム要件

このリリースは、Messaging Server、Calendar Server、およびその他の Java Enterprise System コンポーネントがサポートするのと同じプラットフォームをサポートします。

具体的には、このリリースは次の各プラットフォームをサポートします。


注 –

Delegated Administrator は HP-UX または Windows プラットフォームではサポートされなくなりました。


必須アップグレードパッチやカーネルバージョンなど、Solaris と Linux の要件の詳細については、『Sun Java Enterprise System インストールガイド』および『Sun Java Enterprise System リリースノート』を参照してください。

Java Enterprise System コンポーネント

このリリースの Delegated Administrator に必要な Java Enterprise System コンポーネント、ツール、および LDAP スキーマのバージョンは、次のとおりです。

Directory Server、Access Manager、Web Server、および Application Server の要件については、それらの製品の現在のリリースノートを参照してください。

この節で挙げた Java Enterprise System コンポーネントのインストール手順については、『Sun Java Enterprise System インストールガイド』を参照してください。

Delegated Administrator のハードウェア要件

Delegated Administrator のメモリーとディスク容量に関する要件は、Delegated Administrator の配備先 Web コンテナの要件と同じになります。

Web コンテナのハードウェア要件については、この Java Enterprise System コンポーネントの現在のリリースノートを参照してください。

Delegated Administrator でサポートされているブラウザ

Delegated Administrator コンソールは、JavaScript に対応したブラウザを必要とします。最適なパフォーマンスを得るには、「Messaging Server クライアントソフトウェアの要件」に記載されたブラウザの使用をお勧めします。

表 5–2 Delegated Administrator コンソール用の推奨ブラウザ

ブラウザ 

Windows XP 

Windows 2000 

Solaris 

Netscape NavigatorTM

7.2 以降 

7.2 以降 

7.2 

Microsoft Internet Explorer 

6.0 SP1 および 7.0 

6.0 SP1 および 7.0 

なし 

MozillaTM

1.4 以降 

1.4 以降 

1.4 以降 

Firefox 

2.0 

2.0 

2.0 

Delegated Administrator のインストールに関する注意事項

Delegated Administrator のインストールと設定に必要な手順の概要については、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』の第 2 章「インストールおよび設定の計画」を参照してください。

ACI の統合

Access Manager、Messaging Server、および LDAP Schema 2 ディレクトリのインストールを伴う大規模なインストールでは、ディレクトリにアクセス制御命令 (ACI: Access Control Instruction) を統合する必要がある場合があります。

Access Manager を Messaging Server とインストールすると、最初に多数の ACI がディレクトリにインストールされます。多数のデフォルトの ACI は、不要であるか Messaging Server では使用されません。ディレクトリ内のデフォルトの ACI を統合し数を減らすと Directory Server のパフォーマンスが向上し、その結果 Messaging Server の検索パフォーマンスも向上します。

使用されていない ACI を統合および破棄する方法については、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』の付録 E「Directory Server パフォーマンスのための ACI 統合」を参照してください。

Delegated Administrator の互換性に関する問題

次の表は、Communications Suite Delegated Administrator 6.4 と以前のバージョンとの間における既知の非互換性を、一覧にまとめたものです。

非互換性 

影響 

コメント 

Access Manager には 2 つのインストールタイプがあります。レルムモード (version 7.x のスタイル) とレガシーモード (version 6.x のスタイル) です。レガシーモードがデフォルトです。 

インストール時に、次のパネル上でレガシーモードをインストールタイプとして選択する必要があります。 

Access Manager: Administration (1 of 6)

「レルムモード」インストールタイプの Access Manager がインストールされた場合、Delegated Administrator を実行することはできません。 

Delegated Administrator を version 6.4 にアップグレードしないまま、Access Manager を version 6.x から 7.0 (Java ES Release 5) にアップグレードした場合。 

注: この非互換性は、Delegated Administrator version 6 2005Q1 (Java ES Release 3) 以前を実行している場合にのみ発生します。version 6 2005Q4 (Java ES Release 4) を実行している場合は、この非互換性は発生しません。 

Delegated Administrator コンソールまたはユーティリティーで、メールまたはカレンダサービスからユーザーを作成しようとすると失敗します。 

回避方法があります。詳細については、「Delegated Administrator のインストール、アップグレード、および設定に関する問題」を参照してください。(問題番号 6376896)

5.2.4 より前のリリースの Directory Server を実行している場合。 

5.2.4 より前のバージョンでは、メール属性に一意の値を適用する Directory Server の機能は利用できません。 

回避方法: Directory Server 5.2.5 以降にアップグレードします。 

Directory Server 5.2.4 をインストールすることもできますが、パッチ 5.2_Patch_4_6313027 を適用する必要があります。詳細については、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』「メール属性に対する一意の値の強制」を参照してください。

Delegated Administrator 6.4 のマニュアルの更新

このリリースの Delegated Administrator に関するマニュアルの更新はありません。

このリリースの Delegated Administrator で修正された既知の問題

Delegated Administrator で修正された問題は、次のとおりです。

6434908

Access Manager で Delegated Administrator のコールバッククラスが見つからないため、commadmin domain purge コマンドで削除操作を実行できない。

6432403

Delegated Administrator コンソールで calmaster ユーザーエントリを編集できない。

6324413、6239311

満杯状態の組織の「ドメインの状態」または「メールサービスの状態」を変更すると、「ドメインのディスク制限容量」の値が失われる。

6321748

ルートサフィックスをドメインにすると、Delegated Administrator が正しく機能しない。

6319257

Application Server 7.x (Java ES Release 2) から Application Server 8.x (Java ES Release 4) にアップグレードしたあと、Delegated Administrator 6 2005Q4 (Java ES Release 4) にアップグレードすると、そのアップグレード後の Application Server への Delegated Administrator の再配備が失敗する。

6317925

コマンド行ユーティリティー (commadmin group create) を使ってサービスなしのグループを作成したあと、Delegated Administrator コンソールでそのグループに特定のサービスパッケージを割り当てた場合、メールサービスの詳細情報の入力を求めるプロンプトが表示されない。

6308579

Delegated Administrator コンソールが、『Schema Reference』に記載されている値とは異なる icsAllowRights 値をディレクトリに書き込む。

6307846

Delegated Administrator コンソールのオンラインヘルプ内に「ユーザープロパティー」ページの「利用可能な言語」リストに関する記述がない。

6307209

ローカライズ版の Delegated Administrator の GUI 設定プログラム config-commda では、デフォルトのページサイズが小さすぎて、すべての入力フィールドとそれらのフィールドのラベルを適切に表示できない。

6303551、4931958

commadmin group create を使ってグループを作成する場合、-f オプションを使って追加可能な動的メンバーシップフィルタ (LDAP URL) は、1 つだけである。

6295181

共有組織の場合、「新しい組織を作成」ウィザードに「カレンダサービスの詳細」が表示されない。このことはオンラインヘルプで説明されていない。

6285713

ある組織内のグループに割り当てられたサービスパッケージの数が、その組織に割り当てられた数を超えることができる。

6281261

アンダースコアを名前に含むドメイン内でユーザーを作成できない。

6277314

サービス名、サービスパッケージ名、メールホストによる組織検索が正しく動作しない。

6275439

名前にコンマを含む組織を作成することができない。LDAP DN 構文に違反するため、現在でも組織名にコンマを含めることはできません。以前の問題は、コンマを含む無効な組織名を指定しても「組織の作成」ウィザードを終わりまで操作できるということでしたが、このリリースでは、その場でエラーの修正が要求されるようになりました。

6245878、6203605

commadmin domain delete コマンドを使ってあるドメインを削除したあと、commadmin を使ってそのドメインを削除できない。

6242611

言語タグ付きのようこそメッセージを含むドメインを作成できない。

6219610

ディレクトリに非常に多くの組織が配備されている場合、Delegated Administrator 設定プログラム (config-commda) が低速になる可能性がある。

6214638

sunpresenceuser と sunimuser の両方のオブジェクトクラスをユーザーエントリに割り当てた場合、commadmin user modify コマンドが失敗する。

6206160

新しく作成されたユーザーがドメインのタイムゾーン (TZ) を継承しない。

6201623

エラーメッセージ「The organization already exists」がローカライズされていない。

6195040

新しい組織の名前に非 ASCII 文字が含まれていると、デフォルト管理者の電子メールアドレスを指定できないため、エラーが発生する。

6178850

このリリースの Delegated Administrator ではユーザーのログイン ID を編集できない。

Delegated Administrator の既知の問題と制限事項

この節では、Communications Suite の Delegated Administrator の既知の問題を説明します。この節には、以下の項目があります。

Delegated Administrator のインストール、アップグレード、および設定に関する問題

6434047

Access Manager が Application Server ノードエージェントに配備されていると、Delegated Administrator を version 2004Q2 から version 6.4 (現在のリリース) にアップグレードできない。

この問題は、Delegated Administrator が Application Server に配備されている状況で Application Server を version 7 から version 8.x にアップグレードすると発生します。asupgrade ユーティリティーは、Application Server 7 server1 インスタンスをノードエージェント下で実行されている Application Server 8.x server1 ターゲットに移行します。ところが、asupgrade は、仮想サーバーの値を Application Server 7 の server1 から Application Server 8.x の server に変更します。

回避方法:

Delegated Administrator の設定プログラム config-commda の実行時に application server の設定の詳細で、ターゲットおよび仮想サーバーに次の値を指定します。

  • ターゲット: server1

  • 仮想サーバー: server

6376896、6294603

Delegated Administrator を version 6.4 (現在のリリース) にアップグレードしないで Access Manager 7.0 にアップグレードした場合、ユーザー作成が失敗する。


注 –

この問題は、現在 Delegated Administrator 6 2005Q1 (Java ES Release 3) 以前を実行している場合にのみ発生します。Delegated Administrator version 6 2005Q4 (Java ES Release 4) をインストール済み、または Delegated Administrator を version 6.4 にアップグレード済みの場合、この問題は発生しません。


Java Enterprise System Release 5 へのアップグレード時に、Access Manager は version 6.x から 7.0 にアップグレードしたが Delegated Administrator は version 6.4 にアップグレードしなかった場合、メールサービスまたはカレンダサービスによるユーザー作成が失敗します。

この問題を解決する方法として、Delegated Administrator を version 6.4 にアップグレードすることをお勧めします。Delegated Administrator をどうしてもアップグレードできない事情がある場合は、次の回避方法で説明している手順に従ってください。

回避方法:

  1. UserCalendarService.xml ファイルを更新します。このファイルはデフォルトで次のディレクトリに格納されています。


    /opt/SUNWcomm/lib/services/UserCalendarService.xml

    UserCalendarService.xml ファイル内で、mailicssubscribed、および icsfirstday 属性を、必須ではなく省略可能としてマークします。

  2. Access Manager で、amadmin コマンドを実行して既存の xml ファイルを削除します。次に例を示します。


    amadmin -u amadmin -w netscape -r UserCalendarService
  3. Access Manager で、更新済みの xml ファイルを追加します。次に例を示します。


    amadmin -u amadmin -w netscape  
    -s /opt/SUNWcomm/lib/services/UserCalendarService.xml
  4. Web コンテナを再起動します。

6310711

Delegated Administrator 設定プログラムで「ドメイン区切り文字」フィールドに無効な値を入力できてしまう。

設定プログラム config-commda では、^ などの無効な文字を「ドメイン区切り文字」フィールドに入力できます。無効なドメイン区切り文字を含むログイン ID を使って Delegated Administrator コンソールにログインすることはできません。

回避方法: daconfig.properties ファイル内の commadminserver.domainseparator プロパティーの値を編集します。このファイルのデフォルトパスは次のとおりです。


/var/opt/SUNWcomm/da/WEB-INF/classes/
com/sun/comm/da/resources/daconfig.properties

@-_ など、有効な値を使用してください。

編集した daconfig.properties ファイルを Delegated Administrator コンソールが使用する Web コンテナに再配備します。

変更を有効にするには、カスタマイズした daconfig.properties ファイルを Web コンテナに配備するスクリプトを実行する必要があります。

カスタマイズしたプロパティーファイルを特定の Web コンテナに配備する方法については、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』「カスタマイズした設定ファイルを配備する」を参照してください。

6218713

config-commda プログラムによって Delegated Administrator が再設定されると、resource.properties ファイル内の値が上書きされる。

config-commda プログラムを再度実行して Delegated Administrator の既存の設定済みインストールを設定すると、resource.properties ファイル内のプロパティーがデフォルト値にリセットされます。

たとえば、以前にプロパティーを次のように設定していたとします。

jdapi-wildusersearchmaxresults=50

jdapi-wildorgsearchmaxresults=10

このとき、config-commda を実行すると、これらのプロパティーが次のようにデフォルト値にリセットされます。

jdapi-wildusersearchmaxresults=-1

jdapi-wildorgsearchmaxresults=-1

この問題を解決する必要が生じるのは、Delegated Administrator の設定を変更した場合 (プラグインを有効にしたか、resource.properties ファイル内のいずれかのプロパティーの値を変更した場合) だけです。

回避方法: Delegated Administrator をアップグレードする必要が生じた場合や、config-commda プログラムを何らかの理由で再実行する必要が生じた場合、次の手順に従えば既存の設定を維持できます。

  1. resource.properties ファイルをバックアップします。

    resource.properties ファイルは、次のデフォルトパスにあります。


    da_base/data/WEB-INF/classes/sun/comm/cli/server/servlet/
    resource.properties
  2. config-commda プログラムを実行します。

  3. config-commda プログラムによって作成された新しい resource.properties ファイルを編集します。次の手順を実行します。

    新しいファイルは、上記の手順 1「resource.properties ファイルをバックアップします」で示したデフォルトパスに格納されています。

    1. 新しい resource.properties ファイルを開きます。

      Delegated Administrator サーバーが使用する Web コンテナに配備されたファイルではなく、Delegated Administrator のインストールディレクトリ内の元の (標準の) 場所にある resource.properties ファイルを編集するように注意してください。

    2. resource.properties ファイルのバックアップコピーを開きます。

    3. バックアップコピーでカスタマイズしたプロパティーを探します。そのカスタマイズ値を、新しい resource.properties ファイル内の対応するプロパティーに適用します。

      新しい resource.properties ファイルの全体をバックアップコピーで単純に上書きしないでください。新しいファイルには、このリリースの Delegated Administrator をサポートするために作成された新しいプロパティーが含まれている可能性があります。

  4. 編集した resource.properties ファイルを Delegated Administrator サーバーが使用する Web コンテナに再配備します。

    変更を有効にするには、カスタマイズした resource.properties ファイルを Web コンテナに配備するスクリプトを実行する必要があります。

    カスタマイズしたプロパティーファイルを特定の Web コンテナに配備する方法については、『Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド』「カスタマイズした設定ファイルを配備する」を参照してください。

5107441

Delegated Administrator の設定プログラム (config-commda) で作成されたデフォルトの組織名の先頭部分がルートサフィックスの名前と一致する場合、組織を作成できない。

config-commda プログラムの実行時に、デフォルトの組織 DN の先頭部分をルートサフィックスと同じ文字列にすると、名前の衝突エラーが発生します。たとえば、o=ispsesta.com という名前の組織を作成するときに、ルートサフィックスが o=isp であるとこのエラーが発生します。

回避方法: 状態ファイルを使用して config-commda プログラムをサイレントインストールモードで実行します。サイレントインストールモードでは設定プログラムが組織 DN 値を検証しないので、組織を作成できます。

デフォルトの組織 DN がルートサフィックス名と同じ文字列で始まらないようによく確認して指定することも一つの方法です。

Delegated Administrator コンソールとコマンド行ユーティリティー

6485784、2146157

Messaging Server の設定プログラムで作成されたデフォルトのポストマスターを変更できない。

Messaging Server の設定時に作成されたデフォルトのポストマスターの「ユーザープロパティー」ページにあるフィールドを変更しようとすると、変更操作が失敗します。

この状況では、ポストマスターの組織へのサービスパッケージの割り当てに Delegated Administrator コンソールが使用されなかったため、ポストマスターユーザーにサービスパッケージが割り当てられなかったことに注意してください。

回避方法: この問題を解決するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • Delegated Administrator コンソールで、組織にメールサービスパッケージを割り当てたあと、ユーザーにメールサービスパッケージを割り当てます。

  • Delegated Administrator ユーティリティー (commadmin コマンド) に -S mail オプションを指定して実行し、組織およびユーザーにメールサービスを追加します。

6431459

サービスパッケージで IMAPS が有効になっているが IMAP アクセスが無効になっている場合、Delegated Administrator コンソールに IMAP アクセスが無効と表示される。

IMAPS アクセスは提供するが IMAP アクセスは提供しないサービスパッケージがあると考えられます。次に例を示します。

mailuserallowedservice: +imaps:ALL$+smpts:ALL$+http:ALL

このサービスパッケージは、Delegated Administrator コンソールの「サービスパッケージ」ページで IMAP アクセスが無効として表示されます。

bronze サービスパッケージなど IMAP アクセスが有効になっているサービスパッケージは、IMAP が有効として表示されます。

6426148

Delegated Administrator コンソールの「新規グループを作成」ウィザードで、「先頭に戻る」メッセージの場所に間違ったメッセージが表示される。

「新規グループを作成」ウィザードでユーザーを検索する場合 — たとえば、内部メンバーまたは所有者を追加している場合 — に「先頭に戻る」リンク上にマウスを移動すると、「先頭に戻る」の場所にツールチップメッセージの「「xxx」セクションに移動」が表示されます。

6317850

commadmin コマンドの –A オプションを使って渡された属性が、そのコマンドが –A を使って渡された属性を含む入力ファイルも呼び出している場合に無視される。

この問題が発生するのは、commadmin コマンドを次のように実行し、


./commadmin user create -D tla -w pass -d <domain> 
-F test -L User -W pass -i /tmp/comm.in -A preferredlanguage:es

かつその入力ファイル comm.in に、-A オプションを使って渡された属性が含まれていた場合です。その結果、コマンド行の -A オプションが無視されます。上記の例では、preferredlanguage:es が追加されません。

回避方法: -A オプションを使って渡される属性が入力ファイル内に存在する場合には、-A のすべての値を入力ファイル経由で渡します。-A をコマンド行でも使用してはいけません。

6314711

組織管理者 (OA) が、OA として組織の「プロパティー」ページを変更することで、自分自身を削除できる。

Delegated Administrator コンソールに OA としてログインすると、組織の「プロパティー」ページにアクセスし、OA 権限を持つユーザーのリストから自身を削除することができます。何のエラーも発生せず、そのユーザーはコンソールを使い続けることができます。OA が自身を削除できないようにするか、自身を削除した OA はすぐにログアウトされるようにすべきです。

回避方法: ありません。

6309418

削除されたドメインの名前と衝突するドメイン名を使用すると、不適切なエラーメッセージが表示される。

この問題が発生するのは、削除されたドメインと同じドメイン名を持つ組織を作成した場合です (組織の名前は削除された組織の名前とは異なる)。次のエラーメッセージが表示されます。Attribute uniqueness violated.

回避方法: 新しいドメイン名を指定します。

6300923

Delegated Administrator コンソールで動的メンバーをグループに追加した場合、手動作成された LDAP URL をテストできない。

新しいグループを作成し、そのグループに動的メンバーを追加した場合、ユーザーは、LDAP URL を手動で作成することもできますし、ドロップダウンメニューで利用可能なフィールドを使って LDAP URL を作成することもできます。ドロップダウンメニューを使用した場合、「LDAP URL のテスト」ボタンをクリックできます。LDAP URL を手動で作成した場合、この機能は無効になります。

6292610

Delegated Administrator コンソールでブラウザまたはシステムのコントロールを使用すると、予期しない結果になることがある。

回避方法: ページ自体に用意されたタブ、ボタン、ナビゲーションリンクなど、Delegated Administrator の組み込みコントロールのみを使用してナビゲーションを行います。ブラウザの「戻る」ボタンやダイアログウィンドウの「閉じる」アイコンなど、ブラウザまたはシステムのコントロールは使用しないでください。

6283567

すでに使用されているログイン ID を使って新しいユーザーを作成しようとすると、間違ったエラーメッセージが表示される。

一意の電子メールアドレスとすでに使用されているログイン ID を使って新しいユーザーを作成しようとしても、そのユーザーは作成されません。これは正しい動作ですが、その際に「ユーザーを作成できません。メールアドレスがすでに使用されています。」というエラーメッセージが表示されます。このエラーメッセージは、「ログイン ID がすでに使用されています。」に変えるべきです。

回避方法: ありません。

6234660

ユーザー、組織、またはグループのリストページの読み込みが完了した際にメッセージが何も表示されない。

リストページの読み込み中にボタンをクリックすると、エラーが発生します。

回避方法: ページの読み込み中は、ユーザーに待機を要求するメッセージが表示されます。ページの準備が整うまで、ボタンやリンクをクリックしないでください。

5094680

詳細検索機能が組織に対して正しい結果を返さない。

この問題は、次のように操作すると発生します。

  1. 「詳細検索」機能を選択します。

  2. ドロップダウンリストから「組織」を選択します。

  3. 「すべてに一致」、「いずれかに一致」のいずれかのラジオボタンをクリックします。

  4. ドロップダウンリストから特定の組織名を選択します。

  5. テキストフィールドに有効な値を入力します。

  6. 「検索」をクリックします。

Delegated Administrator は、検索条件に一致する組織のみを返す代わりに、すべての組織を表示します。

回避方法: ありません。

4934768

ASCII 以外のグループを変更できない。

ASCII 以外の文字を含むグループ名を使って作成されたグループは、commadmin group modify コマンドを使っても変更できません。

たとえば、commadmin group create コマンドの -G オプションに対して ASCII 以外の文字を含むグループ XYZ を指定すると、XYZ のメールアドレスはそのグループの LDAP エントリに自動的に追加されます。ASCII 以外の文字はメールアドレスでは許可されないため、commadmin group modfiy を使ってグループを変更しようとしても失敗します。

回避方法: グループを作成するときは、-E email オプションを使用してください。このオプションには、グループのメールアドレスを指定します。次に例を示します。commadmin group create -D admin -w password -d siroe.com -G XYZ -S mail -E testgroup@siroe.com

Delegated Administrator のローカライズとグローバル化に関する問題

この節では、Delegated Administrator のローカライズに関する問題について説明します。このリリースにローカライズの問題はありません。

Delegated Administrator のマニュアル

この節では、Delegated Administrator のマニュアルやオンラインヘルプに含まれる、間違った情報や不完全な情報について説明します。

問題番号なし

Delegated Administrator のオンラインヘルプに、現在のバージョンが Delegated Administrator 6.4 ではなく Communications Suite 5 Delegated Administrator と表示される。

6525830

「グループのプロパティーを編集」ページの Delegated Administrator のオンラインヘルプに、次の UI フィールド「ヘッダーフィールドを追加」と「ヘッダーフィールドを削除」が間違って記載されている。

これらの UI フィールドは、Delegated Administrator には実装されていません。LDAP 属性 mgrpAddHeader および mgrpRemoveHeader は、Delegated Administrator コンソールからはプロビジョニングされません。

6525829

Delegated Administrator のオンラインヘルプで、「新しいグループを作成」ウィザードおよび「グループのプロパティー」ページの「メッセージプレフィックステキスト」フィールドが、間違って説明されている。

正しい説明は以下のとおりです。

グループに送信されるメッセージテキストの先頭に追加されるテキストを入力します。書式設定を指定する必要があります。つまり、テキストの適切な場所に CRLF を挿入する必要があります。

6512161

Delegated Administrator のオンラインヘルプで、「新しい組織を作成」ウィザードおよび「組織のプロパティー」ページの「添付制限容量」の値が、間違って定義されている。

「新しい組織を作成」ウィザードの「メールサービスの詳細」パネルおよび「組織のプロパティー」ページの「メールサービス」セクションについて説明しているオンラインヘルプには、「添付制限容量」フィールドに「各メッセージに添付できるファイルのサイズ」が表示されると記載されています。オンラインヘルプは、ユーザーに添付ファイルの最大サイズをキロバイトで入力するよう指示しています。 これは誤りです。

「添付制限容量」は、電子メールメッセージごとの添付ファイルの最大数を設定します。たとえば、値に 2 を設定すると、ユーザーはメッセージにファイルを 2 つまで添付できます。各添付ファイルのサイズは、この属性には影響されません。

6507859

Delegated Administrator のオンラインヘルプには、組織の検索時に記号「>」および「<」を使用できると間違って記載されている。

オンラインヘルプのトピック「組織を検索」には、次の間違った文章が含まれています。「値の前に > または < 記号を入力することにより、テキストボックスに入力した値より大きい値または小さい値を持つ組織を検索することもできます。」

組織を検索するときに、任意の値よりも大きい値、または小さい値を検索することはできません。

6483254

Delegated Administrator のオンラインヘルプに、ログイン ID には ASCII 以外の文字は使用できないことが説明されていない。

Delegated Administrator コンソールで、新しいユーザーの作成やユーザープロパティーの編集を行うためにログイン ID を入力する場合、オンラインヘルプには次のように表示されるべきです。

ログイン ID: ユーザーのログイン ID を入力します。このフィールドに入力できる値は ASCII 文字のみです。

6479759

Access Manager のオンラインヘルプに、「ユーザー削除時に削除フラグをつける」オプションの選択を解除すると、Delegated Administrator の削除コマンドを使ってメールおよびカレンダユーザーを削除する際に問題が発生することが説明されていない。

Delegated Administrator コンソールの削除操作および commadmin の削除操作でユーザー、グループ、リソースを削除できるようにするには、Access Manager 管理コンソールの「ユーザー削除時に削除フラグをつける」オプションを選択しておく必要があります。

Access Manager の「ユーザー削除時に削除フラグをつける」オプションについて、次のように説明するべきです。

ディレクトリからユーザーのエントリを削除するか、それとも削除マークを付けるだけかを指定します。この属性は、Access Manager が旧バージョンモードでインストールされている場合にのみ適用可能です。

このオプションが選択されている (true) 状態でユーザーのエントリを削除すると、ユーザーのエントリは実際にはまだディレクトリに存在していても、削除マークが付きます。ユーザーエントリに削除マークを付けたあと、Communications Suite Delegated Administrator の commadmin domain purge コマンドを使用すると、そのエントリをディレクトリから永久に削除することができます。

ディレクトリ内のユーザーデータに対する Messaging Server および Calendar Server データベースの完全性を適切に維持するには、このオプションを選択しておく必要があります。

Access Manager で Directory Server を検索しても、削除マークの付いたユーザーエントリは返されません。

このオプションが選択されていない場合は、ユーザーのエントリはディレクトリから削除されます。このオプションが選択されていない状態で Messaging Server または Calendar Server のユーザーのエントリを削除すると、ユーザーのメールボックスまたはカレンダが孤立する原因になります。