Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

20.8.1 制限容量の概要

制限容量は、特定のユーザーまたはドメインを対象とし、メッセージ数またはバイト数に関して設定できます。特定のフォルダやメッセージタイプを対象として設定することもできます。メッセージタイプの制限容量では、ボイスメールや電子メールなどのメッセージタイプごとに制限容量を指定できます。フォルダの制限容量は、ユーザーのフォルダ (バイト単位) またはメッセージのサイズに制限を設定します。たとえば、ごみ箱フォルダの制限容量を設定できます。Messaging Server では、ドメインおよびユーザーに対して、デフォルトおよびカスタムの制限容量を設定することができます。

制限容量を設定すると、制限容量を超えた、または制限容量に近づいているユーザーやドメインに対するシステムの対応方法を設定することもできます。1 つの対応方法は、制限容量超過通知をユーザーに送信することです。もう 1 つの対応方法は、制限容量を超過したときにメッセージストアへのメッセージ配信を停止することです。これは、制限容量の適用と呼ばれ、指定された猶予期間が経過したあとで行われます。猶予期間とは、メールボックスが制限容量を超過してから制限容量が適用されるまでの期間です。制限容量を超過したためにメッセージ配信が停止された場合、次のどちらかの状態になるまで、着信メッセージは MTA キューに残ったままとなります。

ユーザーがメッセージを削除するか、サーバーが設定された有効期限ポリシーに従ってメッセージを削除すると、ディスク容量が使用可能になります (「20.9 自動メッセージ削除 (有効期限および消去) 機能を設定する」を参照)。

20.8.1.1 Telephony Application Server に関する例外

統一されたメッセージング要件をサポートするために、Messaging Server ではメッセージストアによって課された制限容量を無効にする機能を提供しています。これにより、特定のエージェント、つまり Telephony Application Servers (TAS) が受け取ったメッセージが確実に配信されます。TAS によって受け入れられたメッセージは特別な MTA チャネルを通るようにルーティングされ、メッセージは制限容量に関係なくストアに配信されるようになります。これは、かなり難解な使用法ですが、テレフォニーアプリケーションに使用できます。TAS チャネルの設定の詳細については、Sun のメッセージング担当者にお問い合わせください。

統合されたメッセージングを使用するテレフォニーアプリケーションでは、メッセージタイプごとの制限容量が役に立ちます。たとえば、テキストやボイスメールなどの混在したメッセージがユーザーのメールボックスに保存されている場合、管理者はメッセージのタイプごとに異なる制限容量を設定できます。ユーザーの電子メールに特定の制限容量を設定し、ユーザーのボイスメールに別の制限容量を設定できます。