Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド

20.7.1 メッセージタイプの概要

統合されたメッセージングアプリケーションでは、テキストメッセージ、ボイスメール、FAX メール、イメージデータ、その他のデータ形式など、多くの種類のメッセージの受信、送信、格納、および管理を行うことができます。メッセージストアでは、最大 63 種類のメッセージタイプを定義できます。

メッセージをタイプ別に操作する 1 つの方法は、メッセージをタイプごとのフォルダに振り分けることです。

メッセージタイプの機能を導入しても、異なるメッセージタイプを個別のメールボックスフォルダで管理する必要はありません。メッセージタイプを設定すると、メッセージストアはそのメッセージタイプを格納場所に関係なく識別できます。したがって、同じフォルダ内に異なるタイプのメッセージを格納できます。また、次のような作業も行えます。

20.7.1.1 メッセージタイプ設定の計画

統合されたメッセージングアプリケーションでは、Messaging Server がデータを格納して管理できるように、標準のインターネットメッセージヘッダーに異なる形式のデータが指定されます。たとえば、ボイスメールがエンドユーザーの電話に送信された場合、電話フロントエンドシステムは着信したボイスメールにメッセージヘッダーを追加し、それをメッセージストアに配信します。

タイプの異なるメッセージを認識して管理するには、統合メッセージングシステムのすべてのコンポーネントが同じメッセージタイプ定義と同じヘッダーフィールドを使用してメッセージを識別する必要があります。

メッセージタイプをサポートするようにメッセージストアを設定する前に、次の作業を実行してください。

たとえば、アプリケーションに電話メッセージが含まれる場合は、そのメッセージタイプを「multipart/voice-message」として定義し、Content-Type ヘッダーを使用してメッセージタイプを識別することができます。

その場合は、メッセージストアに配信される各電話メッセージに次のヘッダー情報を追加するように電話フロントエンドシステムを設定します。

Content-Type: multipart/voice-message

次に、次の各節の説明に従って、multipart/voice-message メッセージタイプを認識するようにメッセージストアを設定します。

20.7.1.2 メッセージタイプの定義と使用

メッセージタイプを定義するには、そのメッセージタイプに対して multipart/voice-message などの一意の定義を指定します。デフォルトでは、メッセージストアは Content-Type ヘッダーフィールドを読み取ってメッセージタイプを判定します。必要に応じて、メッセージタイプを識別するための別のヘッダーフィールドを設定できます。

メッセージストアは、Content-Type (または指定されたほかの) ヘッダーフィールドを読み取ります。値の大文字と小文字は区別されません。つまり、ヘッダーの大文字と小文字の組み合わせが予想される組み合わせと異なっても、メッセージストアはヘッダーフィールドを有効なものとして受け入れます。

メッセージストアは、ヘッダーフィールド内のメッセージタイプ名のみを読み取ります。ほかの引数やパラメータは無視されます。

メッセージタイプを定義するには、configutil ユーティリティーを使用して store.messagetype パラメータの値を設定します。手順については、「メッセージタイプを設定する」を参照してください。

メッセージタイプを設定することにより、メッセージストアは指定されたタイプのメッセージを識別して操作できるようになります。これは、統合メッセージングアプリケーションでメッセージタイプを管理するための最初の重要な手順です。

メッセージストアによって提供されるメッセージタイプの機能を十分に利用するには、次の作業の一部またはすべてを実行するようにしてください。

これらの作業については、次の各節で説明します。