Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド

9.2 Calendar Server 6.3 システムでの自動バックアップの概要

この節では、Calendar Server システムで自動バックアップを実装する方法の概要について説明します。

この節の内容は、次のとおりです。

9.2.1 Calendar Server 6.3 システムでの自動バックアップの機能

Calendar Server システムでは、カレンダデータベースの各トランザクション (カレンダやそのプロパティーへの追加、変更、または削除) をトランザクションログファイルに記録します。あらかじめ決められた間隔で、このログファイルは書き込みのために閉じて、別のログファイルが作成されます。次に、システムでは、時間があるときに、もっとも古い閉じたトランザクションログのトランザクションを実際のカレンダデータベースに適用します。ログに含まれているすべてのトランザクションがデータベースに適用されると、そのログには「適用済み」というマークが付けられます。

ホットバックアップが設定されている場合、実際のデータベースのスナップショットが 24 時間ごとに取得されます。適用済みのログは、その後、データベースのホットバックアップのコピーに適用されます。ホットバックアップデータベースは、まだ適用されていないトランザクションを除いては最新の状態です。

9.2.2 Calendar Server 6.3 システムでのバックアップに対する csstored の機能

起動時に開始される Calendar Server サービスの 1 つに csstored があります。このサービスを設定すると、カレンダデータベースの自動バックアップ (ホットバックアップかアーカイブバックアップのどちらか、またはその両方) が実行されます。

csstored の自動バックアップ用の設定は、設定プログラム csconfigurator.sh を実行するときに行うことができます。その時点で自動バックアップのどちらかまたは両方を選択した場合は、これ以上の設定手順は必要ありません。

csstored が無効の場合、データベースにアクセスするその他のデーモンは機能しません。csstored デーモンは、データベースに必要なその他のタスクを実行します。このため、デーモンは無効にしないでください。


注 –

自動バックアップが無効になっているときは、循環ログの ics.conf パラメータである caldb.berkeley.circularlogging"yes" に設定することをお勧めします。これにより、古いデータベーストランザクションログが破棄されるため、ディスク容量を節約できます。


9.2.3 Calendar Server 6.3 システムでの循環バックアップの機能

自動バックアップが有効になっている場合、csstored は、循環バックアップシステムを使用してバックアップデータベースファイルで保持されるバックアップコピーの数を自動的に管理します。

csstored は、バックアップコピーがその最大数まで蓄積されるか、許容される最大ディスク容量に達するまで、バックアップをバックアップデータベースディレクトリに格納します。どちらかの上限に達すると、保持されるコピー数が最小数になり、ディスク容量がしきい値を下回るまで、バックアップコピーは古いものから先に破棄されます。

循環バックアップの制御には、1 組の ics.conf パラメータが使用されます。これらのパラメータにはデフォルト値が用意されているため、特にカスタマイズは必要ありません。システム内でのバックアップの動作方法を調整する場合は、「21.7 自動バックアップの調整」を参照してください。

9.2.4 自動バックアップを有効にするための高レベルの手順

設定ファイルの実行時に自動バックアップを設定していなかった場合は、後で設定できます。この節には、設定プログラムの実行後、Calendar Server 6.3 システムで自動バックアップを有効にするために必要な高レベルの手順のリストを掲載しています。

高レベルの作業は、次のとおりです。