Instant Messaging は、XMPP/HTTP ゲートウェイ の設定を httpbind.conf ファイルに格納します。この付録では、設定パラメータと設定ファイルについて次の各節で説明します。
httpbind.conf ファイルを変更するたびに、Web コンテナまたはアプリケーションサーバーで提供されるツールを使用して XMPP/HTTP ゲートウェイ を再起動する必要があります。
configure ユーティリティーはデフォルトで、デフォルトサーバーインスタンスの設定ディレクトリ (im-cfg-base) 内に httpbind.conf ファイルを作成します。次に例を示します。
Solaris の場合:
/etc/opt/SUNWiim/default/config/httpbind.conf
Linux の場合:
/etc/opt/sun/im/default/config/httpbind.conf
Instant Messaging の複数のインスタンスを作成した場合、/default ディレクトリの名前はインスタンスごとに異なります。詳細は、「単一の Instant Messaging インストールからの複数インスタンスの作成」を参照してください。このファイルは configure ユーティリティーによって、デフォルトインスタンスの im-cfg-base ディレクトリ内にのみ作成されます。
httpbind.conf ファイルは ASCII 形式のプレーンテキストファイルであり、各行には次の規則に基づいて、特定のゲートウェイパラメータとその値が定義されます。
パラメータとその値 (複数可) は、1 つの等号 (=) で区切られます。なお、等号の前後には、スペースまたはタブを挿入できます。
値は、二重引用符 (" ") で囲むことができます。複数の値を設定可能なパラメータの場合、値文字列の全体を二重引用符で囲む必要があります。
コメント行の先頭文字は、感嘆符 (!) でなければなりません。コメント行は情報提供を目的とした行です。したがって、サーバーはコメント行を無視します。
同じパラメータが 2 回以上現れた場合、最後に現れたパラメータの値が有効になります。
\ (円マーク) は、行の継続を示すための記号であり、値 (複数可) が 1 行に収まらないことを示します。
各行は、行終端記号 (\n、 \r、または \r\n) で終端されます。
キーは、行内の、最初の非ホワイトスペース文字から最初の ASCII 等号 (=) またはセミコロン (;) の直前までの、すべての文字から構成されます。キーの末尾がセミコロンであった場合、そのあとに、文字列「lang-」と、値の解釈に用いる言語を示すタグが続きます。その言語タグのあとには、等号 (=) が続きます。等号の前後に存在するすべてのホワイトスペース文字は、無視されます。行内の残りの文字はすべて、関連する値文字列の一部となります。
値文字列内の複数の値は、コンマ (,) で区切られます。
単一の値の内側に、コンマ、空白、改行、タブ、二重引用符、バックスラッシュなどの特殊文字が含まれている場合、その値全体を二重引用符で囲む必要があります。さらに、値内のすべてのキャリッジリターン、改行、タブ、バックスラッシュ、二重引用符には、\ (円マーク) を付ける必要があります。
httpbind.conf を変更した場合、その新しい設定が有効になるように、ゲートウェイの Web コンテナを更新する必要があります。
configure ユーティリティーによって初期化された httpbind.conf ファイルを変更する際には、本書で説明した手順に必ず従ってください。
表 B–1 では、httpbind.conf の設定パラメータを説明しています。
表 B–1 httpbind.conf の XMPP/HTTP Gateway 設定パラメータ
パラメータ |
デフォルト値 |
説明 |
---|---|---|
httpbind.pool.nodeId |
なし |
httpbind.pool.support が true に設定されている場合、このパラメータはサーバープール内のサーバーノードの完全 URL を指定します。この URL は、ロードバランサを指すのではなく Instant Messaging サーバーインスタンスを指すようにしてください。 |
httpbind.pool.support |
false |
このパラメータは、ゲートウェイがサーバープール配備内にあるかどうかを定義します。httpbind.pool.nodeId が指定されていない場合、このパラメータの値は false に設定されます。 このパラメータに指定できる値は次のとおりです。
|
httpbind.config |
なし |
ID キー (gwdomain-id) のコンマ区切りリストを指定します。このキーは、ゲートウェイで使用するドメイン、ホスト、ホストパスワード、およびコンポーネントの JID を決定するための設定キーとして使用されます。ID キーについては、表 B–2 を参照してください。 |
httpbind.content_type |
text/xml; charset=utf-8 |
クライアントに応答を送信するときにゲートウェイが使用する content-type HTTP ヘッダーのデフォルト値です。 |
httpbind.hold |
なし |
JEP 124 で定義された、クライアント要求内の hold 属性の最大許容値を指定します。クライアントが要求でゲートウェイよりも大きい値を指定した場合、ゲートウェイの値が使用されます。そうでない場合は、クライアント要求での値が使用されます。 |
httpbind.inactivity |
180 |
ゲートウェイがクライアントへの接続を終了するまでに、クライアントの非アクティブ状態を許容する最大時間 (秒)。 |
httpbind.log4j.config |
なし |
ゲートウェイがロギングに使用する log4j 設定ファイルの場所。このパラメータが空のままの場合、ゲートウェイのロギングは無効になります。ロガー名は「httpbind」(log4j.logger.httpbind) です。 |
httpbind.polling |
1 (秒) |
次の要求を送信するまでにクライアントが待機しなければならない最小の時間 (秒)。 |
httpbind.requests |
2 |
クライアントがゲートウェイに対して行うことができる並行要求の数。このパラメータの値がクライアント要求の JEP 124 hold 属性の値よりも小さい場合、このパラメータの値は hold+1 に設定されます。このパラメータの値を 1 に設定しないでください。パフォーマンスが著しく低下する可能性があります。詳細は、httpbind.hold を参照してください。 |
httpbind.round_trip_delay |
1 (秒) |
ネットワーク遅延を考慮して、ラウンドトリップに関してタイムアウトに加えて許容する時間 (秒)。この値を高く設定しすぎると、パフォーマンスが低下する場合があります。 |
httpbind.wait_time |
120 (秒) |
ゲートウェイがクライアントに応答を送信しなければならないデフォルトの期限 (秒)。クライアントの待ち時間がゲートウェイの待ち時間よりも長く設定されている場合、ゲートウェイの待ち時間が使用されます。 |
表 B–2 は、httpbind.config パラメータ内の各 ID を定義するために使用されるキーの説明です。表で説明されている各キー内で、gwdomain-id は、httpbind.config で指定されるドメイン ID です。
表 B–2 httpbind.config の ID キー
キー |
説明 |
---|---|
gwdomain-id.domains |
この ID に対応するドメインのコンマ区切りリスト。 |
gwdomain-id.hosts |
この ID に対応するホストのスペース区切りリスト。これらの各ホストは、gwdomain-id .domains に指定されたドメインにサービスを提供できる必要があります。このリストは、ドメイン間のフェイルオーバーを行いやすくするために使用します。要求で経路制御を行うホストが明示的に定義されていない場合、このキーに指定されたホストのいずれかが、その要求にサービスを提供するために使用されます。 |
gwdomain-id.componentjid |
ホストへの接続に使用するコンポーネント JID。 |
gwdomain-id.password |
ホストへの接続に使用するパスワード。 |