Sun Java System Instant Messaging 7.2 管理ガイド

Instant Messaging HA の概要

Instant Messaging で Sun Cluster を使用して、高可用性配備を作成します。この節では、HA の要件、この章の例で使用する用語、および HA の設定に必要なアクセス権について次の各項で説明します。

開始する前に、HA の一般的な概念、および特に Sun Cluster ソフトウェアについてよく理解しておいてください。詳細は、「HA 関連のマニュアル」を参照してください。

Instant Messaging HA 設定のソフトウェア要件

Instant Messaging HA の設定を行うには、表 4–1 に示されているソフトウェアが必要です。

表 4–1 Instant Messaging HA 設定のソフトウェア要件

ソフトウェアおよびバージョン 

注記およびパッチ 

Solaris 9 OS 

Solaris 9 OS のすべてのバージョンがサポートされています。 

Solaris 9 OS には Sun Cluster 3.0 U3 以降が必要です。 

Solaris 9 OS には、Solaris Logical Volume Manager (LVM) が含まれています。

Solaris 10 OS 

Solaris 10 OS のすべてのバージョンがサポートされています。 

Sun Cluster 3.1 

クラスタ内のすべてのノードに Sun Cluster ソフトウェアがインストールおよび設定されている必要があります。 

Sun Cluster をインストールするには、Communications Suite インストーラを使用します。インストール手順については、『Sun Java Communications Suite 5 インストールガイド』を参照してください。

Sun Cluster ソフトウェアのインストール後に、クラスタを設定する必要があります。詳細は、『Sun Cluster System Administration Guide for Solaris OS』を参照してください。関連するマニュアルについては、「HA 関連のマニュアル」を参照してください。

Sun Cluster パッチ

Solaris 9 および 10 の場合は、SunSolve Online からパッチをダウンロードできます。

Veritas Volume Manager (VxVM) 3.x 

バージョン 3.5 以降および必須パッチが必要です。 

Veritas File System (VxFS) 3.x 

バージョン 3.5 以降および必須パッチが必要です。 

HAStoragePlus では、パッチ 110435-08 以降が必要です。 

Instant Messaging HA 設定のアクセス権の要件

Instant Messaging HA 設定をインストールおよび設定するには、ユーパーユーザー (root) としてログインするか、スーパーユーザーになり、/dev/console に送信されたメッセージを表示するコンソールまたはウィンドウを指定します。

Instant Messaging HA 設定の用語とチェックリスト

表 4–2 は、この章の設定例で使用する変数の用語についての説明です。また、Instant Messaging 用の HA を設定する前に、情報を収集する必要があります。設定時に、この情報を指定するように求められます。このチェックリストを、表 1–1 に記載されているチェックリストとともに使用してください。

表 4–2 HA 設定のチェックリスト

例で使用される名前 

説明 

値 

/global/im

クラスタファイルシステムまたは HAStoragePlus で使用されるグローバルファイルシステムのマウントポイント。 

 

/local/im

HAStoragePlus を使用している場合に、共有ディスクのマウントポイントとして使用するローカルディレクトリ。 

 

im-logical-host

論理ホスト名 

 

im-logical-host-ip

論理ホストの IP アドレス (数値) 

 

im-node–1

ノード 1 の FQDN

 

im-node–2

ノード 2 の FQDN

 

im-resource-group

Instant Messaging リソースグループ 

 

im-resource-group-store

Instant Messaging ストレージリソース 

 

im-resource

Instant Messaging リソース 

 

im-runtime-base

(im-runtime-base/db および im-runtime-base/logs を含む)

実行時ディレクトリ (データベースおよびログサブディレクトリを含む) の場所には、グローバルな共有パーティションを選択します。次に例を示します。 

  • Instant Messaging 実行時ディレクトリ (im-runtime-base):

    /global/im/var/opt/SUNWiim/default

  • データベースサブディレクトリ (im-db-base):

    / global/im/var/opt/SUNWiim/default/db

  • ログサブディレクトリ:

    /global/ im/var/opt/SUNWiim/default/logs

実行時ディレクトリおよびデータベースとログサブディレクトリについては、「Instant Messaging サーバーのディレクトリ構造」を参照してください。