ユーザーカレンダの作成が完了すると、「cscal」 ユーティリティーを使用して次の管理作業を実行できます。
すべてのカレンダ、あるユーザーが所有するすべてのカレンダ、または特定のカレンダのプロパティーを表示するには、cscal ユーティリティーの list コマンドを使用します。
たとえば、カレンダデータベース内のすべてのカレンダを表示するには、次のように実行します。
cscal list
jsmith が所有するすべてのカレンダを表示するには、次のように実行します。
cscal -o jsmith list
カレンダ ID が jsmith:meetings のカレンダのすべてのプロパティーを表示するには、次のように実行します。
cscal -v list jsmith:meetings
Calendar Server から 1 つ以上のカレンダを削除するには、cscal ユーティリティーの delete コマンドを使用します。このユーティリティーはカレンダを削除しますが、ディレクトリサーバーからユーザーを削除することはありません。
delete コマンドはすべてのカレンダ情報をカレンダデータベースから削除します。実行した処理を取り消すことはできません。カレンダを削除すると、それを復元できるのはカレンダデータがバックアップされている場合だけです。詳細は、第 17 章「Calendar Server データのバックアップと復元」を参照してください。
cscal ユーティリティーを使用して、1 つのカレンダまたは複数のカレンダを削除できます。
たとえば、jsmith:meetings というカレンダ ID を持つカレンダを削除するには、次のように実行します。
cscal delete jsmith:meetings
一次所有者が jsmith のすべてのカレンダを削除するには、次のように実行します。
cscal -o jsmith delete
Calendar Server Utility コマンド csuser delete、あるいは Delegated Administrator Console または Utility を使用して 1 つ以上のユーザーを削除した場合、そのユーザーが所有していたカレンダがまだデータベース内に存在している可能性があります。
ユーザーのカレンダを消去するには、次の 2 つの方法があります。使用する方法は、ユーザーを削除するのに使用したツールにより異なります。
csuser ユーティリティーは、LDAP ディレクトリからユーザーを消去して、ユーザーのデフォルトのカレンダを消去しますが、ユーザーが所有していたその他のカレンダは消去しません。cscal を使用してこれらのカレンダを消去する方法については、「csuser を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには」を参照してください。
Delegated Administrator はカレンダを消去しません。Delegated Administrator を使用して削除するユーザーをマークし、Calendar Server Utility の csclean を使用してマークしたユーザーのカレンダを消去します。
csclean を使用して削除されたユーザーのカレンダを消去する方法については、「Delegated Administrator を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには」を参照してください。
Delegated Administrator Utility の使用方法については、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator Guide』を参照してください。
Delegated Administrator Console の使用方法については、オンラインヘルプを参照してください。
削除された所有者の uid のすべてのカレンダを検索するには、cscal list を実行します。
cscal -o owner list
所有者のすべてのカレンダを消去するには、cscal を使用します。
cscal -o owner delete
csuser list を再実行して、すべてのカレンダが消去されていることを確認します。
commadmin を使用してユーザーを「削除」としてマークし、ユーザーの LDAP エントリが削除されている場合は、この手順を使用します。
Delegated Administrator はカレンダを消去しません。Delegated Administrator によって「削除」とマークされたユーザーのすべてのカレンダを消去するには、csclean ユーティリティーを使用します。
csclean を使用して、「削除」とマークされているがまだ削除されていないユーザーのすべてのカレンダを消去します。
たとえば、過去 10 日間で sesta.com ドメ イン内の「削除」とマークされたユーザーのすべてのカレンダを消去するには、次の コマンドを実行します。
csclean -g 10 clean sesta.com
ユーザーが LDAP から削除されている場合は、cscal を使用してください。
手順については、「csuser を使用して削除されたユーザーのすべてのカレンダを消去するには」を参照してください。
カレンダを有効化してユーザーがカレンダにアクセスできるようにするときは、cscal ユーティリティーの enable コマンドを使用します。
たとえば、デフォルト設定を適用した jsmith:meetings カレンダを有効化するには、次のように実行します。
cscal enable jsmith:meetings
jsmith:meetings カレンダを有効化し、複数のユーザーからの予約を禁止するには、次のように実行します。
cscal -k no enable jsmith:meetings
ユーザーがカレンダにアクセスできないようにするには、cscal ユーティリティーの disable コマンドを使用します。disable コマンドはユーザーによるカレンダへのアクセスを禁止しますが、カレンダデータベースから情報を削除するわけではありません。
たとえば、ユーザーが jsmith:meetings にアクセスできないようにするには、次のように実行します。
cscal disable jsmith:meetings
カレンダのプロパティーを変更するには、cscal ユーティリティーの modify コマンドを使用します。
たとえば、AllAdmins のグループスケジュール機能のアクセス制御設定を変更し、もう一人の所有者として RJones を指定するには、次のように実行します。
cscal -a "@@o^c^wd^g" -y RJones modify AllAdmins
それぞれの意味は次のとおりです。
-a "@@o^c^wd^g" は、AllAdmins のコンポーネント (予定および作業) に対する書き込みと削除のアクセス権を所有者に付与します。
-y RJones は、このユーザー ID をもう一人の所有者に指定します。
カレンダからプロパティー値を消去するには、cscal ユーティリティーの modify コマンドを使用し、オプションの値を 2 つの二重引用符 ("") で指定することで対象となるオプションを指定します。
たとえば、jsmith:meetings から説明を消去するには、次のように実行します。
cscal -d "" modify jsmith:meetings
jsmith:meetings からすべてのカテゴリを消去するには、次のように実行します。
cscal -g "" modify jsmith:meetings
jsmith:meetings からその他の所有者を消去するには、次のように実行します。
cscal -y "" modify jsmith:meetings
ユーザーのデフォルトカレンダが Communications Express の「現在のカレンダ」ドロップダウンリストには表示されないが、データベースには存在する場合、ユーザーの LDAP エントリの次の属性を更新することで、カレンダを復元できます。
icsCalendar:default_calid
icsSubscribed:default_calid
ここで、default_calid はユーザーのデフォルトカレンダの ID (calid) です。
Schema 2 の場合は、次のいずれかの方法を使用して属性を更新します。
ldapmodify Directory Server ユーティリティーを使用します。
Calendar Server Utility の csuser reset コマンドを使用します。
Delegated Administrator Utility の commadmin user modify コマンドを使用します。
Delegated Administrator Console を使用して、「ユーザーのプロパティー」ページを編集してデフォルトのカレンダ名を追加します。
Schema 1 の場合は、csattribute add コマンドを使用して属性を更新できます。
あるバックエンドサーバーから別のバックエンドサーバーにユーザーカレンダを移動するには、次の手順を実行します。
元のサーバーで、「csuser」 ユーティリティーを実行してカレンダユーザーを無効にします。たとえば、ユーザー ID と calid が bkamdar のユーザーを無効にするには、次のように実行します。
csuser disable bkamdar |
元のサーバーで、「csexport」 ユーティリティーを実行してカレンダデータベースからファイルにユーザーの各カレンダをエクスポートします。次に例を示します。
csexport -c bkamdar calendar bkamdar.ics |
エクスポートしたカレンダファイル (*.ics) を元のサーバーから新しいサーバーにコピーします。
新しいサーバーで、エクスポートされた各カレンダに対して、「csimport」 ユーティリティーを実行してファイルからカレンダデータベースにカレンダをインポートします。次に例を示します。
csimport -c bkamdar calendar bkamdar.ics |
LDAP ディレクトリサーバーで 「csattribute」 ユーティリティーを実行し、カレンダ所有者の icsDWPHost LDAP 属性が新しいバックエンドサーバーをポイントするように変更します。属性を変更するには、まず属性を削除し、新しい値を持つ属性を追加します。たとえば、新しいサーバー名を sesta.com に設定するには、次のように実行します。
csattribute -a icsDWPHost delete bkamdar csattribute -a icsDWPHost=sesta.com add bkamdar |
新しいサーバーで、「csuser」 ユーティリティーを使用してユーザーカレンダのカレンダユーザーを有効にします。次に例を示します。
csuser enable bkamdar |
新しいサーバーで、次のコマンドを実行して属性が正しく、各カレンダが正常に移動されていることを確認します。次に例を示します。
cscal -v -o bkamdar list bkamdar ... csattribute -v list bkamdar |
元のサーバーで、移動した各カレンダを削除します。次に例を示します。
cscal -o bkamdar delete bkamdar |
-o オプションを指定することで、一次所有者が bkamdar であるすべてのカレンダが削除されます。
CLD キャッシュオプションを使用している場合、カレンダを別のバックエンドサーバーに移動した後に、CLD キャッシュをクリアしてサーバー名を消去してください。CLD キャッシュに古いエントリが残されていると、フロントエンドサーバーが移動後のカレンダを見つけられなくなります。CLD キャッシュをクリアするには、次の手順を実行します。
Calendar Server を停止します。
/var/opt/SUNWics5/csdb/cld_cache ディレクトリ内のすべてのファイルを消去します。ただし、cld_cache ディレクトリ自体は消去しません。
Calendar Server を再起動します。