DHCP サービスの起動と停止をするには、DHCP デーモンの動作に影響する可能性がある処理を実行する必要があります。望む結果を得るための適切な手順を選択するには、DHCP サービスの開始と停止、有効と無効、構成と構成解除の違いについて理解しておく必要があります。次に、これらの用語について説明します。
DHCP サービスの開始、停止、再起動 - 現在のセッションでのみデーモンの実行に影響します。たとえば、DHCP サービスを停止した場合、現在実行中のデーモンも終了しますが、システムを再起動すると終了したデーモンも再起動します。DHCP データテーブルはサービスの停止に影響されません。
DHCP サービスの有効と無効 - 現在と将来のセッションでデーモンの実行に影響します。DHCP サービスを無効にすると、現在実行中のデーモンは終了し、サーバーを再起動しても終了したデーモンは起動しません。DHCP デーモンがシステム起動時に自動的に起動するように設定しておく必要があります。DHCP データテーブルは影響されません。
DHCP サービスの構成解除 - 現在実行中のデーモンを停止してシステムの再起動時に起動しないように設定し、ユーザーが DHCP データテーブルの削除を選択できるようにします。構成解除については、第 10 章「DHCP サービスの設定」で説明しています。
サーバーに複数のネットワークインタフェースがある場合に、すべてのネットワークでは DHCP サービスを提供したくない場合、「DHCP サービス用のネットワークインタフェースの監視と無視」を参照してください。
この節では、DHCP サービスの起動と停止、有効または無効にする手順について説明します。
DHCP Manager を起動します。
この手順については、「DHCP Manager を起動する方法」を参照してください。
次の操作の 1 つを選択します。
スーパーユーザーとして次のコマンドを入力し、dhcpconfig を起動します。
# /usr/sbin/dhcpconfig |
3 と入力して「Unconfigure DHCP or Relay Services」を選択します。
次のプロンプトに対して Y と入力して、DHCP を無効にします。
Unconfigure will stop the DHCP service and remove /etc/default/dhcp. Are you SURE you want to disable the DHCP service? ([Y]/N): Y |
この手順は、データを損なわずにサービスを無効にしたことがある場合のみ必要となります。
サーバーシステム上でスーパーユーザーになります。
次のコマンドを入力して dhcpconfig を起動します。
# /usr/sbin/dhcpconfig |
「Configure DHCP Service」または「Configure BOOTP Relay Agent」を、状況に応じて選択します。
Return キーを押して、すべてのプロンプトに対してデフォルト値を選択していくと、最後に次のプロンプトが表示されます。
Enable DHCP/BOOTP support of networks you select? ([Y]/N): |
このプロンプトに対して Y と入力し、DHCP サービスを使用可能にします。
次のプロンプトに対して次のように回答し、ネットワーク設定に関するプロンプトを回避します。
データを損なわずにサービスを無効にしたことがある場合は、このネットワーク情報を設定し直す必要はありません。
### Configure Local Networks ### Configure BOOTP/DHCP on local LAN network: 172.21.0.0? ([Y]/N):N ### Configure Remote Networks ### Would you like to configure BOOTP/DHCP service on remote networks? ([Y]/N):N |
次のプロンプトに対して Return キーを押して、DHCP サービスを再起動します。
Would you like to restart the DHCP service? (recommended) ([Y]/N): |