JFP ユーザーズガイド

第 8 章 日本語 Solaris CDE と日本語 OpenWindows 環境に共通の機能

日本語入力システムの切り替え方法

日本語入力システムは、ATOK12、Wnn6、ATOK8、cs00 の 4 種類から選択できます。Solaris CDE と日本語 OpenWindows のどちらを使用している場合でも、ワークスペースメニューから日本語入力システムを切り替えることができます。なお、新しい日本語入力システムを有効にするには、一度ログインセッションからログアウトして、再度ログインし直す必要があります。

日本語入力サーバー (htt)

日本語入力サーバー htt は、 X11R5 XIMP4.0 プロトコルのほか、X11R6 XIM プロトコルをサポートしています。詳細は、htt(1) のマニュアルページを参照してください。

日本語フォント

ウィンドウ環境で使用される日本語フォントには、次の機能が提供されます。

日本語フォントに関する技術的な情報については、『JFP 開発ガイド』を参照してください。

日本語 TrueType フォント

X Window System と Adobe Display PostScriptTM 上で日本語 TrueType フォントを使用できます。これに伴って、株式会社リコーの開発による HG ゴシック体 B、HG 明朝体 L、平成明朝体 W3H の TrueType フォントが新たに追加されました。これらのフォントは、日本語 Solaris CDE および 日本語 OpenWindows 環境でアウトラインフォントとして使用できます。

HG ゴシック体 B と HG 明朝体 L は、X ウィンドウシステムと Adobe Display PostScript 上では、それぞれ中ゴシック BBB (GothicBBB-Medium) とリュウミン L-KL (Ryumin-Light) として利用できます。

日本語ビットマップフォント

次の日本語ビットマップフォントが提供されています。

表 8-1 JFP で提供される日本語ビットマップフォント
 字体 サイズ (単位はポイント)
gotm (ゴシック体) 12、14、16、20、24
gotb (ゴシック体ボールド) 12、14、16、20、24
minm (明朝体) 16、20、24
minb (明朝体ボールド) 16、20、24
hg gothic b (HG ゴシック体 B) 10、12、14、16、18、20、24
hg mincho l (HG 明朝体 L) 16、18、20、24
heiseimin (平成明朝体 W3H) 10、12、14、16、18、20、24

これらのフォントに X プログラムからアクセスする際には、XLFD 名を使用します。XLFD 名は、xlsfonts コマンドで確認できます。

Solaris CDE 環境では、スタイルマネージャを使って、使用するフォントを簡単に切り替えることができます。 詳細は、第 9 章「Solaris CDE の機能概要」を参照してください。

JIS X 0208-1990 文字集合

JIS X 0208-1990 年度版文字集合のサポートとして、84 区 5 点 (JIS 0x7425) および 6 点 (JIS 0x7426) の 2 文字を使用できます。なお、X プログラムからアクセスする際に使用する XLFD 名のレジストリフィールドは、既存のアプリケーションとの互換性のため、jisx0208.1983 になっています。

JIS X 0212-1990 補助漢字

JIS X 0212-1990 補助漢字用のフォントとして、株式会社リコーの開発による平成明朝体 W3H を提供しています。このフォントは、Solaris CDE および日本語 OpenWindows 環境上で、X ウィンドウシステムと Adobe Display PostScript アプリケーションから使用できます。

IBM 拡張文字と NEC 選定 IBM 特殊文字

マイクロソフト標準キャラクタセットで使用されている IBM 拡張文字 (SJIS 0xfa40 - 0xfc4b) と NEC 選定 IBM 特殊文字 (13区、SJIS 0x2d20 以降) を使用できます。

ユーザー定義文字フォント

ユーザー定義文字は、既存のフォントファイルとは別のユーザー定義文字フォントファイルとして処理され、ユーザー定義文字の登録には「Solaris 外字ツール (sdtudctool)」を使用します。「Solaris 外字ツール」の詳細は、第 14 章「ユーザー定義文字の登録 (Solaris 外字ツール)」を参照してください。

フォントのディレクトリ構造

日本語表示用のフォントは、/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts ディレクトリに存在します。表 8-2 に、このディレクトリの構成について示します。

表 8-2 /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/ の構成
 ディレクトリ ファイル拡張子 内容
75dpi*.pcf ビットマップフォント
TT*.ttf TrueType フォント
TTbitmap*.pcf TrueType ビットマップフォント

EUC コードセット

日本語ロケールの文字集合として、コードセット 0、1、2 に加えて、コードセット 3 (JIS X 0212-1990 補助漢字) をサポートします。

なお、印刷方法については、「JIS X 0212、ユーザー定義文字、ベンダー定義文字の印刷サポート」を参照してください。

ロケール

Solaris CDE と CDE/Motif アプリケーションは、 ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 の 4 つの日本語ロケールをサポートします。


注 -

日本語 OpenWindows や XViewTM/OLIT ライブラリで作成されたアプリケーションは、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 ロケールでは動作しません。


ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK ロケール間の文字変換

ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK の各ロケールで動作する別のアプリケーション間で、文字列のカット&ペーストなどを実行すると、自動的にコードが変換されます。

日本語化されているプログラム

インストールツール

インストール用ユーザーインタフェースのラベルとヘルプメッセージが日本語で表示されます。使い方については、インストール関連のマニュアルを参照してください。

システム管理ツール

システム管理ユーザーインタフェース (admintool) のラベルとヘルプメッセージが日本語で表示されます。

グラフィックスライブラリ

XILTM イメージ処理ライブラリのメッセージが日本語で表示されます。

Kodak Color Management System (KCMS)

Kodak Color Management SystemTM のライブラリと KCMSTM 調整ツール (kcms_calibrate) グラフィカルユーザーインタフェースのメッセージとヘルプが日本語で表示されます。

AccessX

AccessX は、X11 サーバーを拡張するためのグラフィカルユーザーインタフェースです。このインタフェースには、X11 の標準キーボードとマウスを使用するのが困難なユーザーを支援する機能があります。AccessX では、ラベル、ヘルプメッセージ、マニュアルページが日本語で表示されます。

Motif

Motif ライブラリのメッセージが日本語で表示されます。

電源管理

電源管理 (dtpower) のラベルとヘルプメッセージが日本語で表示されます。

xserverconfig

xserverconfig のラベルが日本語で表示されます。

ToolTalk

ToolTalkTM ライブラリのメッセージとヘルプが日本語で参照できます。

仮想 LED

仮想 LED (vled) は、キーボードの LED をソフトウェア的にシミュレートするユーティリティです。

日本語キーボードにはローマ字とかなを切り替えるロックキーが付いていますが、実際の LED は付いていません。仮想 LEDを使って、このロックキーの状態を画面上で確認できます。

詳細は、第 13 章「仮想 LED」vled(1) のマニュアルページを参照してください。