Solstice DiskSuite 4.2.1 ユーザーズガイド

ミラーの作成

この節では、ミラーを最初から作成する方法、およびルート (/) を含めて既存のファイルシステムをミラー化する方法について説明します。


注 -

以前には、ファイルシステムのミラーを作成すると、マウント先が変化しました。現在では、特定の場合には、マウント先を変更することなくミラーを作成できます。詳細については、「既存の連結方式からミラーを作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。


ミラーを作成するための予備情報

未使用スライスからミラーを作成する方法 (DiskSuite ツール)

この作業での手順を次に示します。

  1. 前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを作成するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ミラーを作成するための予備情報」) を読んでいることを確認する。

  2. ミラーテンプレートをクリックする。

    キャンバスには、未割り当てで未確定のミラーオブジェクトが表示されます。メタデバイス名は自動的に割り当てられます。

  3. [オプション] デフォルトのメタデバイス名を変更する。

    1. オブジェクトのポップアップメニューを表示し、「情報」を選択する。

    2. 「デバイス名」フィールドに新しいメタデバイス名を入力し、「接続」をクリックする。

    3. 「閉じる」をクリックする。

  4. 1 面のミラーを作成するには、オブジェクトリストから最初の連結方式オブジェクト (サブミラー) をミラーテンプレートにドラッグする。ミラーの先頭の矩形をクリックし、「確定」をクリックする。

  5. 2 面のミラーを作成するには、オブジェクトリストから 2 番目の連結方式オブジェクト (サブミラー) をミラーにドラッグする。ミラーの先頭の矩形をクリックし、「確定」をクリックする。

    これで、2 番目のサブミラーの再同期が始まります。ミラーオブジェクトは、再同期の進捗状況を表示します。

  6. コンフィグレーションログを表示して、ミラーが確定されたことを確認する。

例 - 確定済みのミラーオブジェクト

この例では、2 つのストライプ方式メタデバイス (サブミラー) である d3d4 から成る、確定済みのミラーオブジェクト d5 を示します。

Graphic

次の作業

ファイルシステムに対して新しく作成されたミラーを準備するには、「メタデバイス上にファイルシステムを作成する方法 (ファイルシステムマネージャ)」を参照してください。データベースなど、raw メタデバイスを使用するアプリケーションには、メタデバイスを認識する独自の方法が必要です。

未使用スライスからミラーを作成する方法 (コマンド行)

この作業での手順を次に示します。

作業を開始する前に、「DiskSuite オブジェクトを作成するための前提条件」の前提条件と 「ミラーを作成するための予備情報」の予備情報をチェックします。詳細は、metainit(1M) と metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。

例 - 2 面のミラーの作成


# metainit d51 1 1 c0t0d0s2
d51: Concat/Stripe is setup
# metainit d52 1 1 c1t0d0s2
d52: Concat/Stripe is setup
# metainit d50 -m d51
d50: Mirror is setup
# metattach d50 d52
d50: Submirror d52 is attached

この例では、2 面ミラー d50 を作成します。metainit(1M) コマンドは、実際には連結である、2 つのサブミラー (d51d52) を作成します。metainit -m コマンドは、d51 の連結から 1 面ミラーを作成します。metattach(1M) コマンドは、d52 を接続することによって、2 面ミラーを作成してミラーの再同期を行います (接続されたサブミラー上のデータは、再同期の間に他のサブミラーによって上書きされます)。システムは、オブジェクトが設定されていることを確認します。

次の作業

ファイルシステムに対して新しく作成されたミラーを準備するには、「メタデバイス上にファイルシステムを作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。データベースなど、raw メタデバイスを使用するアプリケーションには、メタデバイスを認識する独自の方法が必要です。

マウント解除可能なファイルシステムからミラーを作成する方法 (DiskSuite ツール)

マウント解除可能なファイルシステムをミラー化するには、次の作業を使用します。


注 -

マウント解除可能なファイルシステムと、マウント解除不可能なファイルシステム (ルート (/)、/usr/optswap など) があります。マウント解除不可能なファイルシステムをミラー化するには、「マウント解除不可能なファイルシステムからミラーを作成する方法 (DiskSuite ツール)」を参照してください。


この作業での手順を次に示します。


注意 - 注意 -

最初に、多面のミラーを作成しないでください。まず 1 面ミラーを確定し、ミラーテンプレートに追加のサブミラーをドラッグし、再びミラーを確定します。こうすることによってミラーの再同期が正しく行われるので、データは破壊されません。


  1. 前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを作成するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ミラーを作成するための予備情報」) を読んでいることを確認する。

  2. スライスをクリックして、「スライスブラウザ」ウィンドウを表示する。

    DiskSuite ツールは、マウントされているスライス名の横にファイルシステムの名前を表示します。DiskSuite ツールを起動した後でファイルシステムをマウントした場合、「ファイル」メニューから「構成の再走査」を選択します。

  3. 連結方式テンプレートをクリックする。

    DiskSuite ツールは、未割り当てで未確定の連結方式オブジェクトをキャンバスに表示し、それにメタデバイス名を与えます。

  4. [オプション] デフォルトのメタデバイス名を変更する。

    1. オブジェクトのポップアップメニューを表示し、「情報」を選択する。

    2. 「デバイス名」フィールドに新しいメタデバイス名を入力し、「接続」をクリックする。

    3. 「閉じる」をクリックする。

  5. ファイルシステムのスライスを、「スライスブラウザ」ウィンドウから連結方式オブジェクトにドラッグする。

    スライスがドロップされると、スライスがマウントされたことを示す警告ダイアログボックスが表示されます。ここで「継続」をクリックします。

  6. 連結方式オブジェクトが選択されていることを確認し、「確定」をクリックする。

    表示される警告ダイアログボックスで、「確定」をクリックします。これによって、最初のサブミラーとして使用されるファイルシステムを含んだメタデバイスが作成されます。


    注 -

    /etc/vfstab ファイルにファイルシステムのエントリが存在し、そのファイルシステムが現在マウントされている場合、DiskSuite ツールはこれを自動的に更新して、連結の名前を使用します。


  7. 連結方式テンプレートをクリックする。

    DiskSuite ツールは、未割り当てで未確定の連結方式オブジェクトをキャンバスに表示し、それにメタデバイス名を与えます。

  8. [オプション] デフォルトのメタデバイス名を変更する。

    手順 4 を参照してください。

  9. スライスを「スライスブラウザ」ウィンドウから連結方式オブジェクトにドラッグする。

    未使用スライス、状態データベースの複製を含むスライス、または既存のファイルシステムのサイズ以上のサイズをもつ複数のスライスを選択します。

  10. 連結方式オブジェクトが選択されていることを確認し、「確定」をクリックする。

    これによって、2 番目のサブミラーとして使用されるメタデバイスが作成されます。

  11. ミラーテンプレートをクリックする。

    DiskSuite ツールは、未割り当てで未確定のミラーオブジェクトをキャンバスに表示し、それにメタデバイス名を与えます。

  12. [オプション] デフォルトのメタデバイス名を変更する。

    手順 4 を参照してください。

  13. 手順 6 で作成されたファイルシステムを含む連結方式オブジェクトを、ミラーテンプレートにドラッグする。

    警告ダイアログボックスが表示されます。ここで「継続」をクリックします。


    注 -

    /etc/vfstab ファイルにファイルシステムのエントリが存在し、そのファイルシステムが現在マウントされている場合、DiskSuite ツールはこれを自動的に更新し、ミラーのメタデバイス名を使用します。


  14. ミラーオブジェクトの先頭の矩形をクリックし、「確定」をクリックする。

    これによって 1 面のミラーが作成されます。

  15. ファイルシステムをマウント解除する。

    たとえば、umount(1M) コマンドやファイルシステムマネージャを使用します。

  16. 「ファイル」メニューから「構成の再走査」を選択します。

    DiskSuite ツールは、ファイルシステムの現在のマウント状態を更新します。

  17. ファイルシステムをミラーに再マウントする。

    たとえば、mount(1M) コマンドやファイルシステムマネージャを使用します (現在、マウント先はスライス名からミラー名に変化しています)。

  18. 「ファイル」メニューから「構成の再走査」を選択する。

    DiskSuite ツールは、ファイルシステムのマウント先を更新します。ミラーオブジェクトは、ファイルシステムによって使用されていることを表示します。

  19. 2 番目の連結方式オブジェクト (手順 10 で作成) をミラーオブジェクトにドラッグする。ミラーオブジェクトの先頭の矩形をクリックし、「確定」をクリックする。

    最初のサブミラーからのデータは、自動的に 2 番目のミラーと再同期されます。

  20. コンフィグレーションログを表示して、ミラーが確定されたことを確認する。

例 - マウントされたファイルシステムをもつ確定済みミラーオブジェクト

この例では、サブミラー d6d9 から成る、確定済みの 2 面ミラーを示します。d6d9 は同様に、それぞれスライス c4t0d1s0c5t1d0s0 から成ります。ファイルシステム /fs1 は、ミラー d7 にマウントされています。

Graphic

マウント解除可能なファイルシステムからミラーを作成する方法 (コマンド行)

この作業は、マウント解除可能な既存のファイルシステムをミラー化するために使用します。


注 -

コマンド行を使用して /usr/opt、または swap をミラー化するには、「マウント解除不可能なファイルシステムからミラーを作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。コマンド行を使用してルート (/) をミラー化するには、「SPARC: ルート (/) からミラーを作成する方法 (コマンド行)」または 「x86: ルート (/) からミラーを作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。


この作業での手順を次に示します。

作業を開始する前に、「DiskSuite オブジェクトを作成するための前提条件」の前提条件と 「ミラーを作成するための予備情報」の予備情報をチェックしてください。詳細は、metainit(1M) と metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。


注意 - 注意 -

多面のミラーは作成しないでください。まず metainit(1M) コマンドで 1 面ミラーを作成してから、metattach(1M) コマンドで追加のサブミラーを接続します。metattach(1M) コマンドを使用しない場合、再同期の動作が行われず、データが破壊されることがあります。また、ファイルシステムの 2 面ミラーを作成する場合、最初にファイルシステムのマウントを解除し、2 番目のサブミラーを接続する前に /etc/vfstab ファイルを編集して、ミラーメタデバイスを参照するようにしてください。


例 - 2 面ミラーの作成


# metainit -f d1 1 1 c1t0d0s0
d1: Concat/Stripe is setup
# metainit d2 1 1 c2t0d0s0
d2: Concat/Stripe is setup
# metainit d0 -m d1
d0: Mirror is setup
# umount /master
(ファイルシステムがミラーを参照するように /etc/vfstab ファイルを編集する)
# mount /master
# metattach d0 d2
d0: Submirror d2 is attached

-f オプションによって、マウントされたファイルシステム /master/dev/dsk/c1t0d0s0 にもつ、最初の連結 d1 が作成されます。2 番目の連結 d2 は、/dev/dsk/c2t0d0s0 から作成されます (このスライスのサイズは、d1 のサイズ以上でなければなりません)。-m オプションを付けた metainit コマンドは、d1 から 1 面ミラー d0 を作成します。

次に、/master がマウント解除され、ミラーを参照するように /etc/vfstab ファイル内で変更されます。たとえば、次の行は、


/dev/dsk/c1t0d0s0 /dev/rdsk/c1t0d0s0 /master ufs 2 yes -

次のように変更してください。


/dev/md/dsk/d0 /dev/md/rdsk/d0 /master ufs 2 yes -

最後に、/master ファイルシステムが再マウントされ、サブミラー d2 がミラーに接続されるため、ミラーの再同期が行われます (システムは、連結とミラーが設定されたこと、およびサブミラー d2 が接続されたことを確認します)。

マウント解除不可能なファイルシステムからミラーを作成する方法 (DiskSuite ツール)

この作業は、通常のシステム使用中にはマウント解除が不可能であるルート (/)、/usr/optswap などのファイルシステムをミラー化するために使用します。

この作業での手順を次に示します。


注 -

ルート (/) をミラー化するとき、一次サブミラーに障害が発生した場合にシステムをリブートするときのために、二次ルートのスライス名を記録しておくことが不可欠です。この情報は、動作できなくなるかもしれないシステム上に記録するのではなく、紙などに書き留めておきます。代替ブートデバイスの記録と代替ブートデバイスからのブート操作については、第 7 章「システムのトラブルシューティング」を参照してください。


  1. 前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを作成するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ミラーを作成するための予備情報」) を読んでいることを確認する。

  2. 連結方式テンプレートをクリックする。

    DiskSuite ツールは、未割り当てで未確定の連結方式オブジェクトをキャンバスに表示し、それにメタデバイス名を与えます。

  3. [オプション] デフォルトのメタデバイス名を変更する。

    1. オブジェクトのポップアップメニューを表示し、「情報」を選択する。

    2. 「デバイス名」フィールドに新しいメタデバイス名を入力し、「接続」をクリックする。

    3. 「閉じる」をクリックする。

  4. スライスをクリックし、「スライスブラウザ」ウィンドウを表示する。

  5. ミラー化したいファイルシステムを含むスライスを、連結方式オブジェクトの先頭の矩形にドラッグする。

    スライスをドロップすると、DiskSuite ツールは警告ダイアログボックスを表示します。そこで「継続」ボタンをクリックします。

  6. 連結方式オブジェクトの先頭の矩形をクリックし、「確定」をクリックする。

    警告ダイアログボックスが表示された場合、「確定」ボタンをクリックします。これによって、最初のサブミラーとして使用されるファイルシステムを含んだ、1 方向の連結が作成されます。


    注 -

    /etc/vfstab ファイルにファイルシステムの エントリが存在し、そのファイルシステムが現在マウントされている場合、DiskSuite ツールはこれを自動的に更新し、連結のメタデバイス名を使用します。


  7. 連結方式テンプレートをクリックする。

    DiskSuite ツールは、未割り当てで未確定の連結方式オブジェクトをキャンバスに表示し、それにメタデバイス名を与えます。

  8. [オプション] デフォルトのメタデバイス名を変更する。

    手順 3 を参照してください。

  9. 「スライスブラウザ」ウィンドウからこの連結方式オブジェクトにスライスをドラッグする。

    この 1 方向の連結方式メタデバイスを作成するとき、既存のファイルシステムのサイズ以上のサイズをもつ未使用スライスを使用してください。

  10. 連結方式オブジェクトの先頭の矩形をクリックし、「確定」をクリックする。

    これによって 2 番目のサブミラーが作成されます。

  11. ミラーテンプレートをクリックする。

    DiskSuite ツールは、未割り当てで未確定のミラーオブジェクトをキャンバスに表示し、それにメタデバイス名を与えます。

  12. [オプション] デフォルトのメタデバイス名を変更する。

    手順 3 を参照してください。

  13. ファイルシステムを含む連結方式オブジェクトを、ミラーテンプレートにドラッグする。

    警告ダイアログボックスが表示された場合は、「継続」ボタンをクリックします。


    注 -

    /etc/vfstab ファイルにファイルシステムのエントリが存在し、そのファイルシステムが現在マウントされている場合、DiskSuite ツールはこれを自動的に更新し、ミラーのメタデバイス名を使用します。


  14. ミラーオブジェクトの先頭の矩形をクリックし、「確定」をクリックする。

  15. リブートする。

  16. DiskSuite ツールを再起動する。

  17. 手順 10 で作成した 2 番目の連結方式オブジェクトをミラーオブジェクトにドラッグし、2 面ミラーを作成する。そして「確定」をクリックする。

    最初のサブミラーからのデータは、2 番目のミラーに再同期されます。

  18. ルート (/) をミラー化する場合は、代替ブートパスを記録する。

    詳細については、第 7 章「システムのトラブルシューティング」を参照してください。

  19. コンフィグレーションログを表示して、ミラーが確定されたことを確認する。

例 - /usr 用の確定済みミラー

この例では、/usr ファイルシステムを含む確定済みのミラーを示します。

Graphic

マウント解除不可能なファイルシステムからミラーを作成する方法 (コマンド行)

この作業は、通常のシステム使用中にはマウント解除が不可能な、/usr/optswap などのファイルシステムをミラー化するために使用します。

スワップをミラー化したときにクラッシュダンプを保存するには、dumpadm(1M) コマンドを使用し、ダンプデバイスをメタデバイスとして構成します‾。たとえば、スワップデバイスが /dev/md/dsk/d2 であれば、dumpadm を使用してこれをダンプデバイスとして設定します。


注 -

コマンド行を使用してルート (/) をミラー化するには、「SPARC: ルート (/) からミラーを作成する方法 (コマンド行)」、または 「x86: ルート (/) からミラーを作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。


この作業での手順を次に示します。


注意 - 注意 -

多面ミラーは作成しないでください。まず metainit(1M) コマンドで 1 面ミラーを作成してから、metattach(1M) コマンドで追加のサブミラーを接続します。 metattach(1M) コマンドを使用しない場合、ミラーの再同期が行われず、データが破壊されることがあります。


「DiskSuite オブジェクトを作成するための前提条件」の前提条件と 「ミラーを作成するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、 metainit(1M) コマンドと metattach(1M) コマンドを使用して、ミラーを作成します。

例 - /usr からミラーを作成


# metainit -f d12 1 1 c0t3d0s6
d12: Concat/Stripe is setup
# metainit d22 1 1 c1t0d0s6
d22: Concat/Stripe is setup
# metainit d2 -m d12
d2: Mirror is setup
(swap がミラーを参照するよう、/etc/vfstab ファイルを編集する)
# reboot
...
# metattach d2 d22
d2: Submirror d22 is attached

-f オプションによって、マウントされたファイルシステム /usr/dev/dsk/c0t3d0s6 にもつ、最初の連結 d12 が作成されます。2 番目の連結 d22 は、/dev/dsk/c1t0d0s6 から作成されます (このスライスのサイズは、d12 のサイズ以上でなければなりません)。-m オプションを付けた metainit コマンドは、/usr を含む連結を使用して 1 面ミラー d2 を作成します。次に、 /etc/vfstab ファイルを編集して、/usr のエントリがミラーを参照するように変更しなければなりません。

たとえば、次の行は、


/dev/dsk/c0t3d0s6 /dev/rdsk/c0t3d0s6 /usr ufs 1 yes -

次のように変更してください。


/dev/md/dsk/d2 /dev/md/rdsk/d2 /usr ufs 1 yes -

リブートの後、2 番目のサブミラー d22 がミラーに接続され、ミラーの再同期が行われます (システムは、連結とミラーが設定されたこと、およびサブミラー d22 が接続されたことを確認します)。

例 - swap からミラーを作成


# metainit -f d11 1 1 c0t0d0s1
d11: Concat/Stripe is setup
# metainit d21 1 1 c1t0d0s1
d21: Concat/Stripe is setup
# metainit d1 -m d11
d1: Mirror is setup
(swap がミラーを参照するよう、/etc/vfstab ファイルを編集する)
# reboot
...
# metattach d1 d21
d1: Submirror d21 is attached

-f オプションによって、マウントされたファイルシステム swap/dev/dsk/c0t0d0s1 にもつ、最初の連結 d11 が作成されます。2 番目の連結 d21 は、/dev/dsk/c1t0d0s1 から作成されます (このスライスのサイズは、d11 のサイズ以上でなければなりません)。-m オプションを付けた metainit コマンドは、swap を含む連結を使用して 1 面ミラー d1 を作成します。次に、 /etc/vfstab ファイルに swap 用のエントリがある場合、これを編集してミラーを参照するようにしなければなりません。たとえば、次の行は、


/dev/dsk/c0t0d0s1 - - swap - no -

次のように変更してください。


/dev/md/dsk/d1 - - swap - no -

リブートの後、2 番目のサブミラー d21 がミラーに接続され、ミラーの再同期が行われます (システムは、連結とミラーが設定されたこと、およびサブミラー d21 が接続されたことを確認します)。

SPARC: ルート (/) からミラーを作成する方法 (コマンド行)

この作業は、SPARC システム上でルート (/) をミラー化するために使用します。


注 -

x86 システム上でコマンド行を使用してルート (/) をミラー化する作業は、SPARC システムの場合とは異なります。x86 システム上でルート (/) をミラー化する方法については、「x86: ルート (/) からミラーを作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。ルート (/) をミラー化するとき、一次サブミラーに障害が発生した場合にシステムをリブートするときのために、二次ルートのスライス名を記録しておくことが不可欠です。この情報は、動作できなくなるかもしれないシステム上に記録するのではなく、紙などに書き留めておきます。代替ブートデバイスの記録と代替ブートデバイスからのブート操作の詳細については、第 7 章「システムのトラブルシューティング」を参照してください。


この作業での手順を次に示します。

前提条件 (「DiskSuite オブジェクトを作成するための前提条件」) を満たし、予備情報 (「ミラーを作成するための予備情報」) を読んでいることを確認します。詳細は、metainit(1M)、metaroot(1M)、metattach(1M) の各マニュアルページを参照してください。

例 - SPARC: ルート (/) からミラーを作成する方法


# metainit -f d11 1 1 c0t3d0s0
d11: Concat/Stripe is setup
# metainit d12 1 1 c1t3d0s0
d12: Concat/Stripe is setup
# metainit d10 -m d11
d10: Mirror is setup
# metaroot d10
# lockfs -fa
# reboot
...
# metattach d10 d12
d10: Submirror d12 is attached
# ls -l /dev/rdsk/c1t3d0s0
lrwxrwxrwx   1 root     root          88 Feb  8 15:51 /dev/rdsk/c1t3d0s0 ->
../../devices/iommu@f,e0000000/vme@f,df010000/SUNW,pn@4d,1080000/ipi3sc@0,0/i
d@3,0:a,raw

-f オプションによって、マウントされたファイルシステムのルート (/) を /dev/dsk/c0t3d0s0 にもつ、最初の連結 d11 が作成されます。2 番目の連結 d12 は、/dev/dsk/c1t3d0s0 から作成されます (このスライスのサイズは、d11 のサイズ以上でなければなりません)。-m オプションを付けた metainit コマンドは、ルート (/) を含む連結を使用して 1 面ミラー d10 を作成します。次に、メタデバイス上のルートファイルシステム (/) でシステムをブートできるよう、metaroot コマンドは /etc/vfstab/etc/system のファイルを編集します (リブートする前に、lockfs -fa を実行することをお勧めします)。リブートの後、サブミラー d12 がミラーに接続され、ミラーの再同期が行われます (システムは、連結とミラーが設定されていること、およびサブミラー d12 が接続されていることを確認します)。システムを代替ルートデバイスからブートする必要がある場合、ルート raw デバイス上で ls -l コマンドを実行して、代替ルートデバイスへのパスを調べます。

x86: ルート (/) からミラーを作成する方法 (コマンド行)

この作業は、x86 システム上でルート (/) をミラー化するために使用します。


注 -

ルート (/) をミラー化するとき、一次サブミラーに障害が発生した場合にシステムをリブートするときのために、二次ルートのスライス名を記録しておくことが不可欠です。この情報は、動作できなくなるかもしれないシステム上に記録するのではなく、紙などに書き留めておきます。代替ブートデバイスの記録と代替ブートデバイスからのブート操作の詳細については、第 7 章「システムのトラブルシューティング」を参照してください。


この作業での手順を次に示します。


注 -

IDE ドライブ上にルート (/) があるときはミラー化することはできません。


次の作業では、代替ディスクは c0t1d0 であるとします。

Solaris パーティションの作成

次の手順は、x86 システム上に Solaris パーティションを作成するために使用します。

  1. fdisk(1M) コマンドを使用して、ディスクパーティションを作成する。


    # fdisk /dev/rdsk/c0t1d0p0
    
    1. fdisk(1M) を初めて実行する場合は、次のように表示されます。


          The recommended default partitioning for your disk is:
       
          a 100% "SOLARIS System" partition
       
          To select this, please type "y". To partition your disk
          differently, type "n" and the "fdisk" program will let you
          select other partitions.
    2. 以前 fdisk(1M) を実行したことがある場合は、次のようなメニューが表示されます。


                  Total disk size is 1855 cylinders
                  Cylinder size is 1110 (512 byte) blocks
       
          Partition    Status    Type        Start    End    Length    %
          =========    ======    ========    =====    ===    ======   ===
              1        Active    SOLARIS         1   1854     1854    100
       
       
          SELECT ONE OF THE FOLLOWING:
       
               1.  Create a partition
               2.  Change Active (Boot from) partition
               3.  Delete a partition
               4.  Exit (Update disk configuration and exit)
               5.  Cancel (Exit without updating disk configuration)
          Enter Selection:
  2. メニュー項目を選択して、ルート (/) ミラー用に十分な大きさの Solaris パーティションがあることを確認する。

    この Solaris パーティションは、ルート (/) スライスを保持するために必要なサイズより 5 シリンダ分大きくします。

    Solaris パーティションがアクティブであることを確認します。そうでない場合、ここからブートすることはできません。

  3. Solaris パーティション上で format(1M) コマンドを実行し、ルート (/) ミラー用のスライスを作成する。


    # format
    Searching for disks...done
     
    AVAILABLE DISK SELECTIONS:
           0. c0t0d0 <DEFAULT cyl 2676 alt 2 hd 9 sec 85>
              /eisa/ncrs@8000,0/cmdk@0,0
           1. c1t1d0 <DEFAULT cyl 1865 alt 2 hd 7 sec 80>
              /eisa/eha@1000,0/cmdk@1,0
           2. c1t2d0 <DEFAULT cyl 1461 alt 2 hd 9 sec 64>
              /eisa/eha@1000,0/cmdk@2,0
           3. c1t3d0 <DEFAULT cyl 1461 alt 2 hd 9 sec 64>
              /eisa/eha@1000,0/cmdk@3,0
           4. c1t4d0 <DEFAULT cyl 1865 alt 2 hd 7 sec 80>
              /eisa/eha@1000,0/cmdk@4,0
    Specify disk (enter its number): 1
     
    selecting c1t1d0: ABCDEFG
    [disk formatted]
     
    FORMAT MENU:
       disk          - select a disk
       type          - select (define) a disk type
       partition     - select (define) a partition table
       current       - describe the current disk
       format        - format and analyze the disk
       fdisk         - run the fdisk program
       repair        - repair a defective sector
       label         - write label to the disk
       analyze       - surface analysis
       defect        - defect list management
       backup        - search for backup labels
       verify        - read and display labels
       save          - save new disk/partition definitions
       inquiry       - show vendor, product and revision
       volname       - set 8-character volume name
       quit
  4. partition を選択して、パーティションを定義する。


    format> partition
     
    PARTITION MENU:
            0      - change `0' partition
            1      - change `1' partition
            2      - change `2' partition
            3      - change `3' partition
            4      - change `4' partition
            5      - change `5' partition
            6      - change `6' partition
            7      - change `7' partition
            select - select a predefined table
            modify - modify a predefined partition table
            name   - name the current table
            print  - display the current table
            label  - write partition map and label to the disk
            quit
    partition> 0
    Part    Tag       Flag   Cylinders      Size    Blocks
      0   unassigned   wm      0              0    (0/0/0)
     
    Enter partition id tag [unassigned]: root
    Enter partition permission flags [wm]: wm
    Enter new starting cyl [0]: 4
    Enter partition size [0b, 0c, 0.00mb]: 400mb
    partition> label
    Ready to label disk, continue? y
    partition>
  5. quit コマンドを 2 回入力して、partition メニューと format(1M) プログラムを終了する。


    partition> quit
     
    FORMAT MENU:
            disk       - select a disk
            type       - select (define) a disk type
            partition  - select (define) a partition table
            current    - describe the current disk
            format     - format and analyze the disk
            repair     - repair a defective sector
            label      - write label to the disk
            analyze    - surface analysis
            defect     - defect list management
            backup     - search for backup labels
            verify     - read and display labels
            save       - save new disk/partition definitions
            inquiry    - show vendor, product and revision
            volname    - set 8-character volume name
            quit
    format> quit
    

    Solaris のルート (/) パーティションに関する次の重要な情報に注意してください。

    • I.D. タグは root でなければならない

    • サイズは元のルートパーティションのサイズ以上でなければならない

    • シリンダ 0 〜 2 を使用してはいけない

ブート情報のインストール

代替ブートディスクにブート情報をインストールするには、installboot コマンドを使用します。


# installboot /usr/lib/fs/ufs/pboot ¥
/usr/lib/fs/ufs/bootblk ¥
/dev/rdsk/c0t1d0s0

例 - x86: ルート (/) からミラーを作成する方法

この例では、上の作業を使用して Solaris パーティションが作成され、ブート情報がインストールされているものと想定します。


# metainit -f d10 1 1 c0t0d0s0
d10:Concat/Stripe is setup
# metainit d20 1 1 c1t0d0s0
d20: Concat/Stripe is setup
# metainit d0 -m d10
d10: Mirror is setup
# metaroot d0
# lockfs -fa
# reboot
...
# metattach d0 d20
d0: Submirror d20 is attached
# ls -l /dev/rdsk/c1t0d0s0
lrwxrwxrwx 1  root root  55 Mar 5 12:54  /dev/rdsk/c1t0d0s0 -> ../.
devices/eisa/eha@1000,0/cmdk@1,0:a

-f オプションによって、マウントされたファイルシステムルート (/) を /dev/dsk/c0t0d0s0 にもつ、最初の連結 d10 が作成されます。2 番目の連結 d20 は、/dev/dsk/c1t0d0s0 から作成されます (このスライスのサイズは、d10 のサイズ以上でなければなりません)。-m オプションを付けた metainit コマンドは、ルート (/) を含む連結を使用して 1 面ミラー d0 を作成します。次に、メタデバイス上のルートファイルシステム (/) でシステムをブートできるよう、metaroot コマンドは /etc/vfstab/etc/system のファイルを編集します。リブートの後、サブミラー d20 がミラーに接続され、ミラーの再同期が行われます (システムは、連結とミラーが設定されていること、およびサブミラー d20 が接続されていることを確認します)。システムを代替ルートデバイスからブートする必要がある場合、ルート raw デバイス上で ls -l コマンドを実行して、代替ルートデバイスへのパスを調べます。