Solaris 8 のインストール (上級編)

第 15 章 フラッシュアーカイブのインストール

この章では、フラッシュアーカイブをクローンシステムにインストールする手順を説明します。フラッシュアーカイブは、任意の Solaris のインストール方法でインストールできます。

Solaris Web Start によるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、Solaris 8 INSTALLATION CD に含まれている Solaris Web Start を使用して、以下の媒体に格納されているフラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。

Solaris Web Start を使用してフラッシュアーカイブをインストールする方法

  1. 第 10 章「Solaris Web Start の使用」 に記述されている手順に従って、Solaris Web Start インストールを開始します。

  2. 「媒体の指定」画面で、フラッシュアーカイブのロケーションを選択します。

    選択された媒体に応じて、Solaris Web Start が続行するためのプロンプトを表示します。

  3. プロンプトに従って次の情報を入力します。

    選択された媒体 

    プロンプト 

    CD 

    フラッシュアーカイブを含む CD を挿入してください。 

    ネットワークファイルシステム 

    フラッシュアーカイブを含むネットワークファイルシステムへのパスを指定してください。アーカイブのファイル名を入力することもできます。 

    HTTP 

    フラッシュアーカイブにアクセスするための URL とプロキシ情報を指定してください。 

    ローカルテープ 

    フラッシュアーカイブを含むローカルテープデバイスとその位置を指定してください。 

    CD または NFS サーバーに格納されたアーカイブのインストールを選択した場合は、「フラッシュアーカイブの選択」画面が表示されます。

  4. CD または NFS サーバーに格納されたアーカイブについては、「フラッシュアーカイブの選択」画面で、インストールするフラッシュアーカイブを選択します (1 つでも複数でも可)。

  5. 「フラッシュアーカイブの一覧」画面で選択されたアーカイブを確認し、「次へ」をクリックします。

  6. 「追加するフラッシュアーカイブ」画面で、別のアーカイブを含む媒体を指定して、階層化されたフラッシュアーカイブのインストールを選択することができます。アーカイブをそれ以上インストールしない場合は、「なし - アーカイブの選択が完了しました」を選択し、「次へ」をクリックしてインストールを継続します。

Solaris 8 対話式インストールプログラムによるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれる Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を使用して、以下に格納されているフラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。

Solaris 8 対話式インストールプログラムを使用してフラッシュアーカイブをインストールする方法

  1. Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を開始します (GUI ではなく、CLI を使用する必要があります)。

    • SPARC: Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を開始するには、- w 引数を指定してシステムをブートします。

      • CD からブートする場合:


        ok boot cdrom - w
        
      • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージからブートする場合:


        ok boot net - w
        
    • IA: Solaris 8 対話式インストールプログラムの CLI を開始するには、次の手順を使用します。

      1. 「IA: Solaris Web Start を使用してインストールまたはアップグレードする方法」に従ってシステムをブートし、Solaris 8 対話式インストールプログラムを開始します。

      2. 「kdmconfig - Introduction」画面が表示されたら、F4 キー (Bypass) を押して kdmconfig テストを省略し、インストールを開始します。

  2. 「Flash Archive Retrieval Method」画面で、フラッシュアーカイブのロケーションを選択します。

    選択された媒体に応じて、Solaris 8 Solaris Web Start インストールが続行するためのプロンプトを表示します。

  3. プロンプトに従って次の情報を入力します。

    選択された媒体 

    プロンプト 

    HTTP 

    フラッシュアーカイブへのアクセスに必要な URL とプロキシ情報を指定してください。 

    ネットワークファイルシステム 

    フラッシュアーカイブを含むネットワークファイルシステムへのパスを指定してください。アーカイブのファイル名を入力することもできます。 

    ローカルファイル 

    フラッシュアーカイブを含むローカルファイルシステムへのパスを指定してください。 

    ローカルテープ 

    フラッシュアーカイブを含むローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定してください。 

    ローカルデバイス 

    フラッシュアーカイブを含むローカルデバイスとパス、ファイルシステムのタイプを指定してください。 

  4. 「Flash Archive Selection」画面で、「New」を選択すると、階層化されたフラッシュアーカイブのインストールを選択することができます。アーカイブをそれ以上インストールしない場合は、インストールを完了させるために「Continue」を選択します。


    注 -

    キャラクタベース (CLI) の対話式インストールでは、デフォルトロケールに日本語ロケールを指定しても、インストール画面の表示言語は英語になります。


カスタム JumpStart インストールによるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、カスタム JumpStart インストールを使用して、フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。

カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールする方法

  1. インストールサーバーで、カスタム JumpStart の rules ファイルを作成します。

    カスタム JumpStart ファイルの作成手順の詳細は、第 18 章「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

  2. インストールサーバーで、カスタム JumpStart のプロファイルを作成します。

    1. install_type プロファイルキーワードの値を、flash_install と設定します。

    2. 新しい archive_location プロファイルキーワードを使用して、フラッシュアーカイブへのパスを追加します。

      archive_location プロファイルキーワードの詳細は、archive_location プロファイルキーワード」を参照してください。

    3. ファイルシステム構成を指定します。

      フラッシュアーカイブの抽出プロセスでは、パーティションの自動配置はサポートされません。

    4. (省略可能) クローンシステムに階層化されたフラッシュアーカイブをインストールしたい場合は、インストールしたいアーカイブごとに archive_location 行を指定してください。


    注 -

    第 18 章「カスタム JumpStart インストールの準備」に記載されているカスタム JumpStart のプロファイルキーワードのリストの中で、フラッシュアーカイブをインストールする時に有効なキーワードは、以下のもののみです。

    • fdisk (IA のみ)

    • filesys - filesys プロファイルキーワードに値 auto は設定できません。

    • install_type (必須)

    • partitioning - partitioning プロファイルキーワードに、値 explicit または existing のみ設定できます。


  3. インストールサーバーで、フラッシュアーカイブをインストールするクライアントを追加します。

    手順の詳細は「ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定」を参照してください。

  4. クローンシステムへのカスタム JumpStart インストールを実行します。

    手順の詳細は、第 21 章「カスタム JumpStart インストールの実行」を参照してください。

archive_location プロファイルキーワード

カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールする場合、プロファイルに新しいカスタム JumpStart のプロファイルキーワード、archive_location を含める必要があります。このキーワードの構文は次のとおりです。

archive_location retrieval_type location

retrieval_typelocation の値は、フラッシュアーカイブの格納場所によって異なります。retrieval_typelocation に使用できる値や、archive_location キーワードの使用例については、次の各項を参照してください。

ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー

アーカイブがネットワークファイルシステム (NFS) サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location nfs server_name:/path/filename retry n

このコマンド行では :

例:


archive_location nfs golden:/archives/usrarchive

または


archive_location nfs://golden/archives/usrarchive

HTTP サーバー

アーカイブが HTTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location http server_name:port path/filename optional_keywords

このコマンド行では :

例:


archive_location http silver /archives/usrarchive auth basic user1 secret timeout 5 

または


archive_location http://user1:secret@silver/archives/usrarchive timeout 5 

ローカルテープ

アーカイブがテープに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location local_tape device  position

このコマンド行では :

例:


archive_location local_tape /dev/rmt/0n 5

または


archive_location local_tape 0n 5

ローカルデバイス

ファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスクや CD-ROM など) にフラッシュアーカイブを格納した場合は、ローカルデバイスからフラッシュアーカイブを取得できます。archive_location プロファイルキーワードに以下の構文を使用してください。


注 -

ローカルテープ用の構文を使用すると、ストリーム指向のデバイス (テープなど) からアーカイブを取得できます。



archive_location local_device device path/filename file_system_type

このコマンド行では :

例:

UFS ファイルシステムとしてフォーマットされているローカルハードドライブからアーカイブを取得するには :


archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/$HOST

HSFS ファイルシステムを持つローカル CD-ROM からアーカイブを取得するには :


archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/usrarchive

ローカルファイル

クローンシステムをブートしたミニルートに格納したローカルファイルのアーカイブを取得できます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、CD-ROM または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、CD-ROM または NFS ベースのミニルートに格納したフラッシュアーカイブは、ローカルファイルとしてアクセスできます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


archive_location local_file path/filename

このコマンド行では :

例:


archive_location local_file /archives/usrarchive

または


archive_location local_file:/archives/usrarchive