Solaris 8 のインストール (上級編)

カスタム JumpStart インストールによるフラッシュアーカイブのインストール

この節では、カスタム JumpStart インストールを使用して、フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。

カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールする方法

  1. インストールサーバーで、カスタム JumpStart の rules ファイルを作成します。

    カスタム JumpStart ファイルの作成手順の詳細は、第 18 章「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。

  2. インストールサーバーで、カスタム JumpStart のプロファイルを作成します。

    1. install_type プロファイルキーワードの値を、flash_install と設定します。

    2. 新しい archive_location プロファイルキーワードを使用して、フラッシュアーカイブへのパスを追加します。

      archive_location プロファイルキーワードの詳細は、archive_location プロファイルキーワード」を参照してください。

    3. ファイルシステム構成を指定します。

      フラッシュアーカイブの抽出プロセスでは、パーティションの自動配置はサポートされません。

    4. (省略可能) クローンシステムに階層化されたフラッシュアーカイブをインストールしたい場合は、インストールしたいアーカイブごとに archive_location 行を指定してください。


    注 -

    第 18 章「カスタム JumpStart インストールの準備」に記載されているカスタム JumpStart のプロファイルキーワードのリストの中で、フラッシュアーカイブをインストールする時に有効なキーワードは、以下のもののみです。

    • fdisk (IA のみ)

    • filesys - filesys プロファイルキーワードに値 auto は設定できません。

    • install_type (必須)

    • partitioning - partitioning プロファイルキーワードに、値 explicit または existing のみ設定できます。


  3. インストールサーバーで、フラッシュアーカイブをインストールするクライアントを追加します。

    手順の詳細は「ネットワーク上でインストールするためのシステムの設定」を参照してください。

  4. クローンシステムへのカスタム JumpStart インストールを実行します。

    手順の詳細は、第 21 章「カスタム JumpStart インストールの実行」を参照してください。

archive_location プロファイルキーワード

カスタム JumpStart インストールを使用してフラッシュアーカイブをインストールする場合、プロファイルに新しいカスタム JumpStart のプロファイルキーワード、archive_location を含める必要があります。このキーワードの構文は次のとおりです。

archive_location retrieval_type location

retrieval_typelocation の値は、フラッシュアーカイブの格納場所によって異なります。retrieval_typelocation に使用できる値や、archive_location キーワードの使用例については、次の各項を参照してください。

ネットワークファイルシステム (NFS) サーバー

アーカイブがネットワークファイルシステム (NFS) サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location nfs server_name:/path/filename retry n

このコマンド行では :

例:


archive_location nfs golden:/archives/usrarchive

または


archive_location nfs://golden/archives/usrarchive

HTTP サーバー

アーカイブが HTTP サーバーに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location http server_name:port path/filename optional_keywords

このコマンド行では :

例:


archive_location http silver /archives/usrarchive auth basic user1 secret timeout 5 

または


archive_location http://user1:secret@silver/archives/usrarchive timeout 5 

ローカルテープ

アーカイブがテープに格納されている場合は、archive_location プロファイルキーワードに次の構文を使用します。


archive_location local_tape device  position

このコマンド行では :

例:


archive_location local_tape /dev/rmt/0n 5

または


archive_location local_tape 0n 5

ローカルデバイス

ファイルシステム指向のランダムアクセスデバイス (フロッピーディスクや CD-ROM など) にフラッシュアーカイブを格納した場合は、ローカルデバイスからフラッシュアーカイブを取得できます。archive_location プロファイルキーワードに以下の構文を使用してください。


注 -

ローカルテープ用の構文を使用すると、ストリーム指向のデバイス (テープなど) からアーカイブを取得できます。



archive_location local_device device path/filename file_system_type

このコマンド行では :

例:

UFS ファイルシステムとしてフォーマットされているローカルハードドライブからアーカイブを取得するには :


archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/$HOST

HSFS ファイルシステムを持つローカル CD-ROM からアーカイブを取得するには :


archive_location local_device c0t0d0s0 /archives/usrarchive

ローカルファイル

クローンシステムをブートしたミニルートに格納したローカルファイルのアーカイブを取得できます。カスタム JumpStart インストールを実施する時に、CD-ROM または NFS ベースのミニルートからシステムをブートします。このミニルートからインストールソフトウェアがロードされ、実行されます。したがって、CD-ROM または NFS ベースのミニルートに格納したフラッシュアーカイブは、ローカルファイルとしてアクセスできます。archive_location プロファイルキーワードには次の構文を使用します。


archive_location local_file path/filename

このコマンド行では :

例:


archive_location local_file /archives/usrarchive

または


archive_location local_file:/archives/usrarchive