ホットプラグとは、電源が投入され、オペレーティングシステムが稼動している状態で、単一の FC-AL ディスクドライブまたは Sun StorEdge A5x00 格納装置全体を着脱する手順です。この章では、Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイまたは Sun Fire 880 内部記憶装置サブシステムに取り付ける単一の FC-AL ディスクドライブをホットプラグする方法について説明します。
また、UNIX ファイルシステム (UFS) の操作、VERITAS Volume Manager または Solstice DiskSuite ソフトウェアを実行中、システムのホットプラグ機能を有効にする手順についても説明します。
高性能、高可用性、そしてサービスに富む他の RAS 製品と同様に、ディスクドライブは適切な手順に従って取り外してください。ドライブが動作中の場合は、取り外す前にすべての活動を停止する必要があります。オペレーティングシステムを終了したり、装置の電源を切断する必要はありません。ただし、ソフトウェア上の注意事項を考慮する必要があります。ディスクドライブの取り外し、交換、および追加を行うときは、この節の手順に従ってください。
この章では、以下の項目と手順について説明します。
ホットプラグ機能が有効になる特定状況は、3 種類あります。
記憶容量の増加のために、システムにディスクドライブを追加する場合。FC-AL ディスクドライブの追加を参照。
システム稼動中に障害が発生したディスクドライブを交換する場合。FC-AL ディスクドライブの交換を参照。
システムから不要になったディスクドライブを取り外す場合。FC-AL ディスクドライブの削除を参照。
ディスクドライブをホットプラグする方法は、使用中のアプリケーションによって異なります。アプリケーションごとに異なりますが、以下の処理はどの場合にも必要です。
ディスクドライブを取り外す準備をします。つまり、対象ディスクドライブへの活動を停止して、オペレーティング環境の構成から解除します。FC-AL ドライブの取り外し準備を参照。
ディスクドライブを取り外して、交換ドライブを取り付けるかスロットを空のままにします。FC-AL ディスクドライブの交換、FC-AL ディスクドライブの追加、または FC-AL ディスクドライブの削除を参照。
新しいドライブを使用するために、オペレーティング環境を再構成します。FC-AL ディスクドライブの再構成を参照。
エラーログのレベルは、アプリケーションによって異なり、さまざまなレベルが提供されます。一般に、障害または障害の発生したディスクに関するメッセージは、システムのコンソールウィンドウに表示されます。この情報は /usr/adm/messages ファイルにも記録されます。アプリケーションに付属しているマニュアルを参照してください。
可能な場合は、事前に交換用ディスクドライブを準備してください。ディスクを交換するのと同じ手法で、交換する各ディスクドライブをフォーマット化、ラベル付け、およびパーティションに分割します。ディスクのフォーマット化とパーティションの分割方法、およびディスクをアプリケーションに追加する方法については、アプリケーションのマニュアルを参照してください。
FC-AL ディスクのホットプラグ手順は、ディスクドライブの追加、取り外し、および交換に luxadm insert_device と remove_device サブコマンドを使用します。これらのコマンド構文の詳細は、格納装置やディスクの削除、追加、交換を参照してください。
ディスクドライブを物理的に追加または取り外す詳細手順については、ディスク格納装置の設置・サービスマニュアルを参照してください。
障害の発生したドライブを交換する場合は、障害の発生したドライブを取り外したスロットに、新しいドライブを取り付けます。
アプリケーションに対してディスクドライブを構成または構成解除する場合は、論理デバイス名を使用してドライブを指定する必要があります。
ホストのポートまたはホストのアダプタに接続されたディスクの命名規約は、cwtxdysz です。cwtxdysz は論理デバイス名で、以下の意味があります。
w は、FC-AL コントローラに対応します。
x は、ディスクスロットに対応します。
y は、ディスクドライブの論理ユニットに対応します (常に 0 です)。
z は、ディスクのスライスまたはパーティションに対応します。
マウントされたディスクドライブの論理デバイス名を確認するには、df コマンドを使用します。 df (1M) のマニュアルページを参照してください。マウント解除されたドライブの論理デバイス名を確認するには luxadm display コマンドを使用します。format コマンドも使用できます。format(1M) のマニュアルページを参照してください。
パス名、WWN、または格納装置名とスロット番号を使用して、luxadm サブコマンドにデバイスを指定できます。
格納装置名を使用する場合は、ボックス名を割り当てる必要があります。
Sun Fire 880 SES の格納装置名は、以下のように指定します。
ボックス名,[s]スロット番号 |
Sun StorEdge A5x00 インタフェースボードの格納装置名は、以下のように指定します。
ボックス名,[f|r]スロット番号 |
ボックス名は、luxadm enclosure_name サブコマンドを使用して格納装置に割り当てる名前です。Sun StorEdge A5x00 を使用している場合は、フロントパネルモジュールの名前です。オプションのスロット番号を指定しないで使用すると、ボックス名は Sun StorEdge A5x00 サブシステムのインタフェースボード、または Sun Fire 880 の内部記憶装置アレイとなります。
ボックス名とスロット番号を割り当てるには、次の手順を実行します。
格納装置名を確認するには、probe サブコマンドを使用して、以下のように入力します。
#luxadm probe |
論理パス名、WWNおよび格納装置名を含む、接続されたすべてのサブシステムとディスクの一覧が表示されます。
格納装置名にボックス名を割り当てるには、enclosure_name サブコマンドを使用して、次のように入力します。
#luxadm enclosure_name 新しい名前 格納装置名 | パス名 |
オプション |
説明 |
---|---|
新しい名前 |
格納装置名に割り当てる名前です。新しい名前は、16 桁以内の英数文字にする必要があります。新しい名前には、格納装置、またはインタフェースボードのボックス名を指定します。 |
格納装置名 |
Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイ、または Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの格納装置名です。probe コマンドを使用して、格納装置の名前を表示します。 |
パス名 |
Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイ、または Sun Fire 880 内部記憶装置アレイの物理パス名または論理パス名です。格納装置の名前が不明な場合は、enclosure の代わりにパス名を使用します。probe または probe -p コマンドを使用して、パス名と World Wide 名を表示します。 |
display サブコマンドを使用して、個々のディスクのスロット番号を確認します。
display コマンドは、各ディスクのスロット番号と WWN 番号の一覧を返します。luxadm サブコマンドで個々のディスクを指定するには、手順 2 のボックス名と手順 3 のスロット番号を使用します。
次のコマンドは、論理パス名とともに enclosure_name サブコマンドを使用して、Sun Fire 880 格納装置にボックス名 dak を割り当てます。
# luxadm enclosure_name dak /dev/es/ses1 |
ここでは、電源が投入され、オペレーティングシステムが稼動している状態で、ディスクドライブを追加する手順を説明します。この手順を使用して、Sun Fire 880 システムまたは Sun StorEdge A5x00 アレイに、新しい FC-AL ディスクドライブを追加します。
新しいドライブを取り付けたあと、Solarisオペレーティング環境が新しいドライブを認識するようにファイルシステムを構成する必要があります。Volume Manager または Solstice DiskSuite ソフトウェアを実行している場合は、新しいドライブを認識するためにアプリケーションを構成する必要があります。
この手順は、認定されたシステム管理者が実行する必要があります。
luxadm insert_device サブコマンドで、ディスクの指定方法を確認します。格納装置が Sun Fire 880 システムか、Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイかによって、ディスクの指定は異なります。ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定を参照してください。
スーパーユーザーになります。
新しいディスクドライブに有効な任意のスロットを選択します。
ソフトウェア環境を構成するときの参考のために、選択したスロットと格納装置を記録しておきます。
新規デバイスのアドレスを確認します。
luxadm insert_device コマンドに、新規デバイスを指定する必要があります。単一の Sun Fire 880 ディスクの指定には、ボックス名[,s]スロット番号を使用します。単一の Sun StorEdge A5x00 ディスクの指定には、ボックス名[,f|,r]スロット番号を使用します。格納装置の指定には、スロット番号を付けないボックス名を使用します。ボックス名とスロット番号を確認するには、probe、enclosure_name、および display サブコマンドを使用します。
probe サブコマンドを使用して、格納装置の名前を表示します。Sun StorEdge A5x00 を使用している場合には、必要であればフロントパネルモジュールからボックス名を取得します。
enclosure_name サブコマンドを使用して、格納装置の名前に box name を割り当てます。
display サブコマンドを使用して、スロット番号を確認します。
格納装置へのボックス名のアドレス指定を参照してください。アドレス指定のすべてのオプションの詳細は、ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定を参照してください。
luxadm insert_device コマンドを使用して、新規デバイスを挿入します。
このコマンドは対話形式で実行されます。新規デバイスが挿入可能になると通知を受けて、新しいデバイスエントリ、またはデバイスのチェーンの作成手順が指示されます。
luxadm insert_device コマンドを入力します。
# luxadm insert_device [格納装置名,デバイス名...] |
格納装置名、デバイス名の部分は、手順 3 で確認したボックス名とスロット番号です。
Return キーを押すと、luxadm は挿入するデバイスの一覧を表示して、一覧が正しいかどうか確認を要求します。
次の例は、dak という名前の Sun Fire 880 格納装置のスロット 5 に、新しいドライブを挿入します。
# luxadm insert_device dak,s5 |
次の例は、macs1 という名前の Sun StorEdge A5x00 アレイの前面にある最初のスロットに、新しいドライブを挿入します。
# luxadm insert_device macs1,f1 |
追加される一覧が正しければ、プロンプトで c と入力するか、Return キーを押します。
次のようなメッセージが表示されます。
# Searching directory /dev/es for links to enclosures. Hit <Return> after inserting the devices(s) |
新しいドライブを物理的に挿入して、Return キーを押します。
ディスク格納装置のインストールまたはディスクドライブの取り付け情報に関するサービスマニュアルを参照してください。
luxadm insert_device サブコマンドは、/dev/dsk および /dev/rdsk ディレクトリ内のドライブに新しいデバイスエントリを作成して、Solaris オペレーティング環境にドライブを構成します。新規ドライブが、WWN に割り当てられます。
ドライブを挿入して Return キーを押すと、luxadm コマンドはディスクが挿入されたことを通知して、デバイスの論理デバイス名を表示します。以下に例を示します。
Device dak5 inserted Drive in Box Name "dak" slot 5 Logical Nodes under /dev/dsk and /dev/rdsk : c2t5d0s0 c2t5d0s1 c2t5d0s2 c2t5d0s3 c2t5d0s4 c2t5d0s5 c2t5d0s6 c2t5d0s7 |
アプリケーションを構成するときの参照のために、追加したディスクの論理デバイス名 (cwtxdysz) を記録しておきます。アプリケーションにディスクドライブを構成するとき、このデバイス名を入力する必要があります。
アプリケーションに、新しいディスクドライブを構成します。
アプリケーションにディスクドライブを構成して、ドライブの追加手順を継続します。使用手順は、システムが実行する UFS、VERITAS Volume Manager、または Solstice DiskSuite ソフトウェアによって異なります。新しい FC-AL ディスクドライブの構成を参照してください。
この手順は、認定されたシステム管理者が実行する必要があります。動作中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を行うと、データが失われたり、破壊される可能性があります。
新しいディスクドライブを Sun Fire 880 格納装置または Sun StorEdge A5x00 アレイに取り付けたあと、新しいドライブをアプリケーションが受け入れるように構成する必要があります。構成はアプリケーションによって異なります。この節では、UFS、VERITAS Volume Manager、および Solstice DiskSuite ソフトウェアの手順について説明します。アプリケーションに適した処理を選択して、その手順を実行してください。
ディスクドライブを構成するには、新しいディスクの論理デバイス名 (cwtxdysz) が必要です。luxadm insert_device サブコマンドを使用してディスクを物理的に取り付けたあと、論理デバイス名が表示されます。
スーパーユーザーになります。
デバイスのラベルが条件を満たしていることを確認します。
ディスクのラベルを検査するには、prtvtoc コマンドを使用します。ラベルを変更するには、format コマンドを使用します。prtvtoc(1M) および format(1M) のマニュアルページを参照してください。
UFS ファイルシステムのディスクスライスを選択して、クリーンなファイルシステムがあるかどうかチェックします。以下のように入力します。
# fsck /dev/rdsk/cwtxdysz |
cwtxdysz は、新しいディスクの論理デバイス名です。
以下に例を示します。
# fsck /dev/rdsk/c1t2d0s2 |
エラーメッセージを受け取った場合は、newfs コマンドを使用して、スライス上に新しいファイルシステムを作成する必要があります。以下のように入力します。
# newfs /dev/rdsk/cwtxdysz |
newfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
必要な場合は、新しいファイルシステムのマウントポイントを作成します。以下のように入力します。
# mkdir マウント先 |
マウント先の部分には、完全な修飾パス名を指定します。mount(1M) のマニュアルページを参照してください。
新しいファイルシステムをマウントします。以下のように入力します。
# mount マウント先 |
マウント先には、手順 4 で作成したディレクトリを指定します。
ファイルシステムとマウント先を作成したあと、/etc/vfstab ファイルを変更して、新しいファイルシステムを反映させます。
vfstab(4) のマニュアルページを参照してください。
これで新しいディスクを使用する準備は完了です。
スーパーユーザーになります。
Volume Manager を構成して、ディスクドライブを認識します。次のように入力します。
# vxdctl enable |
新しいディスクを、新しいまたは既存の Volume Manager ディスクグループに追加します。次のように入力します。
# vxdiskadd cwtxdysz |
cwtxdys z の部分には、新しいディスクの論理デバイス名を指定します。このコマンドは対話形式で実行されます。Volume Manager に新しいディスクを追加する手順が指示されます。
詳細は、vxdiskadd (1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスクは Volume Manager で使用可能になり、新しいボリュームの一部、プレックスとしての既存ボリュームの追加ディスク、または既存のボリュームの追加ディスクとして使用することができます。『Sun StorEdge Volume Manager ユーザーマニュアル』を参照してください。
vxdiskadd ユーティリティーを終了します。
新しいディスクドライブの構成に関する情報は、Solstice DiskSuite のマニュアルを参照してください。
Sun StorEdge A5x00 アレイまたは Sun Fire 880 格納装置からデバイスを取り外す前に、ドライブへの活動を停止し、アプリケーションからドライブを削除する必要があります。ディスクドライブの取り外し準備の方法は、UFS、VERITAS Volume Manager、または Solstice DiskSuite ソフトウェアのどれを使用しているかによって異なります。構成はアプリケーションによって異なります。
この節では、UFS、VERITAS Volume Manager、および Solstice DiskSuite ソフトウェアでの手順を説明します。アプリケーションに適した処理を選択して、その手順を実行してください。
この手順は、認定されたシステム管理者が実行する必要があります。動作中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を行うと、データが失われたり、破壊される可能性があります。
この手順を使用して、1 つまたは複数の UFS ファイルシステムで使用されるディスクの構成を解除します。
スーパーユーザーになります。
取り外す予定のデバイスに関連する活動またはアプリケーションを確認します。
使用するコマンドは、mount、showmount -a、df、および ps -ef です。詳細は、mount(1M)、showmount(1M)、および ps(1) のマニュアルページを参照してください。
たとえば、c0t11d0 というデバイスを取り外す場合は、以下のように入力します。
# mount | grep c0t11d0 /export/home1 on /dev/dsk/c0t11d0s2 setuid/read/write on # showmount -a | grep /export/home1 cinnamon:/export/home1/archive austin:/export/home1 swlab1:/export/home1/doc # ps -f | grep c0t11d0 root 1225 450 4 13:09:58 pts/2 0:00 grep c0t11 |
この例では、障害の発生したディスク上のファイルシステム /export/home1 は、3 種類の異なるシステム、cinnamon、austin、および swlab1 により、遠隔でマウントされています。実行中の処理は grep だけで、終了したところです。
構成を解除するファイルシステム上の活動またはアプリケーション処理を停止します。
システムをバックアップします。
ディスクのパーティションテーブルを特定して保存します。
ディスクを交換する場合、交換用ディスクと障害の発生したディスクが同じ種類の場合は、format コマンドを使用して、ディスクのパーティションテーブルを保存できます。format save コマンドを使用して、パーティションテーブルのコピーを /etc/format.dat ファイルに保存します。この操作によって、交換用ディスクを現在のディスクと同じレイアウトで構成できます。
format(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスク上のすべてのファイルシステムのマウントを解除します。
ファイルシステムが障害の発生したディスク上にある場合、またはファイルシステムに障害がある場合は、そのファイルシステムに umount 操作ができない可能性があります。この場合、umount 操作中にシステムコンソールと /var ディレクトリに大量のエラーメッセージが表示されます。このような状態が発生したり umount 操作が完了しない場合は、システムを再起動する必要があります。
各ファイルシステムに、以下のように入力します。
# umount ファイルシステム |
ファイルシステムは、返される各ファイルシステムの最初のフィールドです。
以下に例を示します。
# umount /export/home1 |
ファイルシステムがマウント解除されたことを確認するために、以下のように入力します。
# df |
これでディスクの取り外しまたは交換の準備は完了です。FC-AL ディスクドライブの削除を参照してください。
この手順を完了するには、ディスクの論理デバイス名が必要です。
スーパーユーザーになります。
障害の発生したディスクドライブを確認します。
エラーログのレベルはアプリケーションによって異なり、さまざまなレベルが提供されます。一般に、障害または障害の発生したディスクに関するメッセージは、システムのコンソールウィンドウに表示されます。この情報は /usr/adm/messages ファイルにも記録されます。詳細は、アプリケーションに付属しているマニュアルを参照してください。
システムをバックアップします。
バックアップの詳細は、システムに付属しているマニュアルを参照してください。
交換するディスクのメディア名を確認するために、以下のように入力します。
# vxdisk list | grep cwtxdysz |
たとえば、c2t1d0 という名前のディスクを取り外す場合は、以下のように入力します。
# vxdisk list | grep c2t1d0 c2t1d0s2 sliced disk01 rootdg online |
ディスクのメディア名は、上記出力の 3 番目のフィールドに示されている disk01 です。
vxdiskadm ユーティリティーを使用して、ディスクを交換可能な状態にします。
シェルウィンドウで vxdiskadm と入力します。
# vxdiskadm |
この操作は、対話形式で実行されます。操作に対して、ユーザーの確認が要求されます。
ディスクの交換を予定している場合は、「Remove a disk for replacement」オプションを選択します。または「Remove a disk」オプションを選択します。
交換または取り外すディスクの名前が要求されたら、ディスクのメディア名を入力します。vxdiskadm ユーティリティーによって、交換するディスクが認識され、交換するディスクに再構築できるように、サブディスク情報が保存されます。
冗長データは、交換用ディスクが Volume Manager に再接続されたときに自動的に復元されます。非冗長データは、使用できないと識別されるため、バックアップから再作成する必要があります。
詳細は、vxdiskadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
vxdiskadm ユーティリティーを終了します。
これでディスクの取り外しまたは交換の準備は完了です。FC-AL ディスクドライブの削除を参照してください。
スーパーユーザーになります。
交換するディスクを確認するために、/var/adm/messages ファイルおよび metastat の出力を調べます。
metadb コマンドを使用して、問題の発生したディスクにあるローカルメタデバイス状態のデータベースの複製を検出します。
障害ディスクにある複製に関するエラーが、レポートされます。この例では、c0t1d0 のデバイスに問題が発生しています。
# metadb flags first blk block count a m u 16 1034 /dev/dsk/c0t0d0s4 a u 1050 1034 /dev/dsk/c0t0d0s4 a u 2084 1034 /dev/dsk/c0t0d0s4 W pc luo 16 1034 /dev/dsk/c0t1d0s4 W pc luo 1050 1034 /dev/dsk/c0t1d0s4 W pc luo 2084 1034 /dev/dsk/c0t1d0s4 |
上記の出力には、ローカルディスク c0t0d0 と c0t1d0 のスライス 4 におけるデータベースの複製の状態が 3 つ表示されています。c0t1d0s4 スライスの flags フィールドにある W は、デバイスに書き込みエラーが発生していることを示しています。c0t0d0s4 スライスの 3 つの複製は、正常です。
問題がある状態のデータベース複製を削除したあと、3 つ以下の複製を残しておくと、継続前にデータベース複製にはさらに多くの状態が追加されます。この状態は、システムが正確にリブートすることを示します。
複製が常駐するスライスの名前と複製の数を記録してから、データベース複製の状態を削除します。
システムは、手順 3 の metadb で出力されたスライス数を数えて、複製数を認識します。この例では、c0t1d0s4 にある 3 つのデータベースの複製の状態が削除されます。
# metadb -d c0t1d0s4 |
障害のあるディスクのスライスを使用して任意のサブミラーを検出し、サブミラーを切り離します。
metastat コマンドを使用して、影響のあるミラーを表示します。
# metastat metastat d5: Mirror Submirror 0: d4 State: Okay Submirror 1: d3 State: Okay Pass: 1 Read option: roundrobin (default) Write option: parallel (default) Size: 1213380 blocks d4: Submirror of d5 State: Okay Size: 1213380 blocks Stripe 0: Device Start Block Dbase State Hot Spare c1t117d0s3 0 No Okay Stripe 1: Device Start Block Dbase State Hot Spare c3t112d0s3 0 No Okay |
metadetach コマンドを使用して、前の手順で定義されたサブミラーを切り離します。
# metadetach d5 d3 d5: submirror d3 is detached |
問題のあるディスクのホットスペアを削除します。
# metahs -d hsp000 c0t1d0s6 hsp000: Hotspare is deleted |
ディスクが複数のパーティションを使用している場合は、ディスクラベルを保存します。
s2 以外のスライスを使用している場合は、この手順を実行します。
# prtvtoc /dev/rdsk/c2t17d0s2 > /var/tmp/c2t17d0.vtoc |
prtvtoc (1M) のマニュアルページを参照してください。
metareplace コマンドを使用して、ホットスペア以外のディスクスライスを交換します。
# metareplace d1 c2t17d0s2 c2t16d0s2 d1: device c2t17d0s2 is replaced with c2t16d0s2 |
これでディスクの取り外しまたは交換の準備は完了です。FC-AL ディスクドライブの削除を参照してください。
この手順では、電源が投入され、オペレーティングシステムが稼動している状態で、ディスクドライブまたはアレイ全体を削除する手順について説明します。この手順を使用して、Sun Fire 880 格納装置、または Sun StorEdge A5x00 アレイから FC-AL ディスクドライブを取り外します。
この手順は、認定されたシステム管理者が実行する必要があります。動作中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を行うと、データが失われたり、破壊される可能性があります。
取り外すディスクを確認します。エラーログのレベルはアプリケーションによって異なり、さまざまなレベルが提供されます。一般に、障害または障害の発生したディスクに関するメッセージは、システムのコンソールウィンドウに表示されます。この情報は、/usr/adm/messages ファイルにも記録されます。アプリケーションに付属しているマニュアルを参照してください。
luxadm にディスクを指定する方法を確認します。格納装置が Sun Fire 880 システムか、Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイかによって、デバイスの指定方法は異なります。第 1 章「luxadm コマンドの基本的な機能」 を参照してください。
取り外すディスクのアドレスを確認します。
パス名、WWNまたはボックス名とスロット番号を使用して、luxadm remove_device コマンドにデバイスを指定する必要があります。probe、enclosure_name および display サブコマンドを使用して、アドレスを確認します。
probe サブコマンドを使用して、格納装置の名前、論理パス名および格納装置の WWN を表示します。
probe -p サブコマンドを使用して、格納装置の物理パス名を表示します。
必要に応じてenclosure_name サブコマンドを使用して、格納装置にボックス名を割り当てます。
display サブコマンドを使用して、個々のディスクの WWN とスロット番号を表示します。
ボックス名とスロット番号の使用については、格納装置へのボックス名のアドレス指定を参照してください。アドレス指定のすべてのオプションについては、ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定を参照してください。
ドライブに関連する活動をすべて停止して、アプリケーションからドライブの構成を解除します。
FC-AL ドライブの取り外し準備を参照し、その手順に従ってアプリケーションを実行してください。
luxadm remove_device コマンドを使用して、デバイスを取り外します。
このコマンドは対話形式で実行されます。新しいデバイスエントリまたはデバイスのチェーンの削除手順が指示されます。このコマンドは、デバイスが使用中かどうかをチェックして、デバイスをオフラインにしてから、デバイスの取り外しが可能なことを通知します。
luxadm remove_device コマンドを入力します。
# luxadm remove_device [-F] 格納装置名[,デバイス名]...| パス名... |
格納装置[,デバイス名]...| パス名... の部分には、手順 1 で確認したアドレスを指定します。
VERITAS Volume Manager または Solstice DiskSuite ソフトウェアを実行中の場合は、luxadm remove_device -F コマンドを使用して、ディスクドライブを取り外します。-F オプションは、ディスクをオフラインにするために必要です。
使用されているデバイスを取り外すと、予測できない結果を生じることがあります。通常は、最初に -F オプションを使用せずにデバイスのホットプラグ操作をします。このオプションを使用するのは、通常のホットプラグ検査が確実に無効な場合だけです。
Return キーを押すと、luxadm は取り外すデバイスの一覧を表示し、一覧が正しいか確認を要求します。
以下の例は、newdak という名前の Sun Fire 880 格納装置のスロット 10 から、ドライブを取り外すコマンドを示しています。
# luxadm remove_device newdak,s10 |
以下の例は、macs という名前の Sun StorEdge A5x00 アレイの前面にある、スロット 1 のディスクを取り外すコマンドを示しています。
# luxadm remove_device macs,f1 |
取り外すデバイスの一覧が正確であれば、プロンプトで c を入力するか、Return キーを押します。
luxadm は、取り外すディスクまたは格納装置(ともに 1 つまたは複数)を用意し、以下のようなメッセージを表示します。
Searching directory /dev/es for links to enclosures stopping: Drive in "DAK1" slot 1....Done offlining:Drive in "DAK1" slot 1....Done Hit <Return> after removing the device(s). |
デバイスの一覧がホストで使用されているというメッセージが表示されている場合は、そのデバイスをオフラインにする必要があります。FC-AL ドライブの取り外し準備を参照し、その手順に従ってアプリケーションを実行してください。
物理的にドライブを取り外して、Return キーを押します。
luxadm コマンドを使用すると、LED の表示で取り外せるデバイスが指示されます。
Sun StorEdge A5x00 では、指定されたディスクドライブ上の黄色の LED が点滅します。Sun Fire 880 格納装置では、ディスクの取り外し可 LED が点灯します。
Sun Fire 880 システムでは、取り外し可 LED が点灯しているときにディスクドライブを取り外します。緑の LED 電源も、点灯または点滅します。
Sun StorEdge A5x00 については、取り外し可 LED が点滅しているときにディスクドライブを取り外します。
Sun Fire 880 システムまたは Sun StorEdge A5x00 システムの取り外し可 LED が点灯しているときは、論理上、ディスクの取り外し準備は整っています。ただし、スピンドルの回転は 30 秒以上続きます。注意深く行えば、回転が完全に停止する前にディスクを取り外しても差し支えありません。ドライブは急に操作したり、落さないようにしてください。
ディスクドライブの取り外し操作については、サービスマニュアルを参照してください。
ディスクドライブを取り外したあと Return キーを押すと、luxadm はディスクが取り外されたことを通知し、取り外されたデバイスの論理デバイス名を表示します。たとえば、Sun Fire 880 格納装置 dak のスロット 10 からディスクを取り外したあと Return キーを押すと、次のようなメッセージが表示されます。
Device DISK10 removed Drive in Box Name "dak" slot 10 Logical Nodes being removed under /dev/dsk/ and /dev/rdsk: Logical Nodes being removed under /dev/dsk/ and /dev/rdsk: c1t12d0s0 c1t12d0s1 c1t12d0s2 c1t12d0s3 c1t12d0s4 c1t12d0s5 c1t12d0s6 c1t12d0s7 # |
これでこのドライブは、格納装置とアプリケーションから削除されます。
ドライブを交換している場合は、FC-AL ディスクドライブの交換の手順 3 の処理を続行します。または、UFS を実行している場合は、/etc/vfstab ファイルを編集して取り外されたデバイスのすべての参照を削除します。詳細は、vfstab(4) のマニュアルページを参照してください。
ここでは、電源が投入され、オペレーティングシステムが稼動している状態で、FC-AL ディスクドライブを交換する手順を説明します。ディスクドライブを取り外す前に、ドライブに関連する活動を停止し、アプリケーションからドライブを削除する必要があります。ドライブの交換後、ドライブをアプリケーションに再構成する必要があります。
luxadm コマンドとディスクのホットプラグ手順に精通している場合は、ディスク交換に必要な作業の概要を説明している付録 B の 「FC-AL ディスクドライブの交換用チェックリスト」を参照してください。
この手順は、認定されたシステム管理者が実行する必要があります。動作中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を行うと、データが失われたり、破壊される可能性があります。
障害の発生したディスクドライブを確認します。エラーログのレベルはアプリケーションによって異なり、さまざまなレベルが提供されます。一般に、障害または障害の発生したディスクに関するメッセージは、システムのコンソールウィンドウに表示されます。この情報は、/usr/adm/messages ファイルにも記録されます。アプリケーションに付属しているマニュアルを参照してください。
同じフォーマット、ラベルおよびパーティションの交換用ディスクを、早急に準備します。
luxadm にディスクを指定する方法を確認します。格納装置が Sun Fire 880 システムか、Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイかによって、デバイスの指定方法は異なります。ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定を参照してください。
削除するディスクのアドレスを確認します。
luxadm にディスクを指定する必要があります。ディスクは、パス名、WWNまたはボックス名とスロット番号で指定できます。アドレスを確認するには、probe、enclosure_name、および display サブコマンドを使用します。
probe サブコマンドを使用して、格納装置の論理パス名と WWN を表示します。
probe -p サブコマンドを使用して、格納装置の物理パス名を表示します。
必要に応じてenclosure_name サブコマンドを使用して、格納装置にボックス名を割り当てます。
display サブコマンドを使用して、個々のディスクの WWN とスロット番号を表示します。
ボックス名とスロット番号でディスクまたはアレイを指定するには、格納装置へのボックス名のアドレス指定を参照してください。アドレス指定のすべてのオプションに関する詳細は、ディスクまたはディスクアレイのアドレス指定を参照してください。
まだ行っていない場合は、アプリケーションのドライブに関連するすべての活動を停止して構成を解除します。
システムでは、UNIX ファイルシステム、VERITAS Volume Manager、または Solstice DiskSuite ソフトウェアが実行されています。ディスクに関連する活動を停止して、ディスクドライブを取り外していることをアプリケーションに通知する必要があります。
FC-AL ドライブの取り外し準備を参照し、その手順に従ってアプリケーションを実行してください。
luxadm remove_device コマンドを使用して、デバイスを取り外します。
FC-AL ディスクドライブの削除を参照し、その手順を実行してください。
luxadm insert_device コマンドを使用して、新規デバイスを追加します。
FC-AL ディスクドライブの追加を参照し、その手順を実行してください。新しいドライブを取り外したスロットと同じスロットに挿入します。
アプリケーションでディスクドライブを再構成します。
アプリケーション内でディスクドライブを再構成して、ディスク交換手順を継続します。使用する手順は、システムが実行するソフトウェアが、UFS、Volume Manager または Solstice DiskSuite ソフトウェアかによって異なります。FC-AL ディスクドライブの再構成を参照してください。
障害の発生したディスクドライブを交換したあと、システムで実行中のアプリケーションにドライブを再構成する必要があります。
この項目では、UFS、VERITAS Volume Manager および Solstice DiskSuite ソフトウェアの手順を説明します。システムで実行中のアプリケーションに適した再構成手順を実行します。
この手順は、認定されたシステム管理者が実行する必要があります。動作中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を行うと、データが失われたり、破壊される可能性があります。
デバイスのパーティションテーブルが、再作成するファイルシステムの要求を満たしていることを確認します。
prtvtoc コマンドを使用して、デバイスのラベルを点検できます。ラベルの変更が必要な場合は、format コマンドを使用します。prtvtoc(1M) および format(1M) のマニュアルページを参照してください。 以下に例を示します。
# prtvtoc /dev/rdsk/cwtxdysz |
format ユーティリティーを使用してディスクパーティションテーブルを保存してあり、交換用ディスクと古いディスクのタイプが一致する場合には、format ユーティリティーの partition セクションを使用して、交換用ディスクのパーティションテーブルを構成できます。select コマンドおよび label コマンドのパーティションに関する説明を参照してください。
交換用ディスクと交換前のディスクのタイプが異なる場合は、以前のディスクのパーティションサイズの情報を使用して、交換ディスクにパーティションテーブルを設定できます。prtvtoc(1M) および format(1M) のマニュアルページを参照してください。
UFS ファイルシステムにディスクスライスを選択して、スライス上に新しいファイルシステムを作成します。
# newfs /dev/rdsk/cwtxdysz |
newfs(1M) のマニュアルページを参照してください。
mount コマンドを使用して、新しいファイルシステムをマウントします。以下のように入力します。
# mount マウント先 |
マウント先の部分には、障害の発生したディスクがマウントされたディレクトリを指定します。
これで新しいディスクを使用する準備は完了です。バックアップから、データを復元できます。
新しいドライブに、交換されたディスクを再作成するには、以下の手順を実行します。
Volume Manager を構成してディスクドライブを構成します。以下のように入力します。
# vxdctl enable |
vxdiskadm ユーティリティーを使用します。
「Replace a failed or removed disk」オプションを選択します。
vxdiskadm は、交換用に使用できる有効なディスクの一覧を提供します。
交換用ドライブを選択します。
vxdiskadm は、障害のあるドライブに一致する交換用ドライブを自動的に構成します。
冗長データは自動的に復元されます。非冗長データには領域が作成されて定義されます。非冗長データは、バッキングストアから復元する必要があります。
必要な場合は、ディスクラベルを復元します。
# cat /var/tmp/c2t17d0.vtoc | fmhard -s - /dev/rdsk/c2t17d0s2 |
複製を削除した場合は、適切なスライスに同じ数を追加します。この例では、/dev/dsk/c0t1d0s4 が使用されています。
# metadb -a c 3 c0t1d0s4 |
ディスクが使用された方法によって、さまざまな作業を実行する必要があります。
以下に示す表に従って、次に実行する作業を決定します。
表 3-2 ディスク交換時の特定事項
デバイスのタイプ |
処理方法 |
---|---|
スライス |
通常のデータ復元手順を行います。 |
非ミラー化ストライプまたは連結 |
ストライプと連結またはその一方を、ファイルシステムに使用する場合は、newfs(1M) を実行してファイルシステムをマウントし、バックアップからデータを復元します。ストライプと連結またはその一方を raw デバイス採用アプリケーションで使用する場合、アプリケーションには自己復元手順が必要です。 |
ミラー (サブミラー) |
切り離されたサブミラーに再接続するために、metattach(1M) を実行します。 |
RAID5 メタデバイス |
スライスを再有効にするために metareplace(1M) を実行します。開始のための再同期が行われます。 |
トランスメタデバイス |
トランスメタデバイスを修復するために、fsck(1M) を実行します。 |
削除されたホットスペアを交換して、適切なホットスペアプールに追加します。
# metahs -a hsp000 c0t0d0s6 hsp000: Hotspare is added |
データを確認します。
すべてのメタデバイスの、ユーザーとアプリケーションのデータをチェックします。データをチェックするために、アプリケーションレベルの整合性あるチェッカーまたは別の方法を実行する必要があります。