Solaris Live Upgrade 2.0

ブート環境のアップグレード

「Upgrade」メニューまたは luupgrade コマンドを使用してブート環境をアップグレードします。この節では、以下の場所に置かれているファイルを使用して非アクティブブート環境をアップグレードする手順について説明します。

最新のオペレーティング環境を使用してアップグレードする時、アクティブブート環境への影響はありません。それらの新しいファイルは非アクティブブート環境のクリティカルファイルシステムとマージされますが、共有可能ファイルシステムは変更されません。

アップグレードを行う代わりに、フラッシュアーカイブを作成した場合、非アクティブブート環境にアーカイブをインストールできます。ブート環境へのフラッシュアーカイブのインストールを参照してください。

ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (キャラクタインタフェース)

以下の手順では、結合されたインストールイメージまたは 1 枚の CD を使用する必要があります。インストールに複数の CD が必要な場合は、コマンド行インタフェースを使用してアップグレードする必要があります。複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース) を参照してください。

  1. Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Upgrade」を選択します。

    「Upgrade」メニューが表示されます。

  2. 新しいブート環境の名前を入力します。

  3. Solaris インストールイメージが置かれている場所のパスを入力します。

    インストールメディアの種類 

    説明 

    ネットワークファイルシステム 

    インストールイメージが置かれているネットワークファイルシステムのパスを指定します。 

    ローカルファイル 

    インストールイメージが置かれているローカルファイルシステムのパスを指定します。 

    ローカルテープ 

    インストールイメージが置かれているローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定します。 

    ローカルデバイスまたは CD 

    ローカルデバイスと、インストールイメージのパスを指定します。 

    • CD が 1 枚の場合、次の例のように CD のパスを入力します。


      Package Media:/cdrom/solaris8/s0
      
    • 1 つに結合されたイメージがネットワーク上に存在する場合は、次の例のようにそのネットワークファイルシステムのパスを入力します。


      Package Media:/net/installmachine/export/solaris8/os_image
      
  4. F3 を押してアップグレードします。

    アップグレードが完了すると、メインメニューが表示されます。

ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

以下の手順では、1 つに結合されたインストールイメージまたは 1 枚の CD を使用する必要があります。インストールに複数の CD が必要な場合は、コマンド行インタフェースを使用してアップグレードする必要があります。複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)を参照してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のように入力して、アップグレードするブート環境とインストールソフトウェアのパスを指定します。


    # luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path 
    

    -u

    OS イメージをインストールすることを示します。 

    -n BE_name

    アップグレードするブート環境の名前を指定します。 

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。 


    例 4–1 ブート環境のオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

    この例では、1 つに結合されたインストールイメージに対するネットワークパスを使用して second_disk ブート環境をアップグレードしています。


    # luupgrade -u -n second_disk \
    -s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image 
    

複数の CD を使用してオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

オペレーティングシステムイメージが 2 枚以上の CD に入っている場合は、このアップグレード方法を使用してください。

  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のように入力して、アップグレードするブート環境とインストールソフトウェアのパスを指定します。


    # luupgrade -u -n BE_name -s os_image_path 
    

    -u

    OS イメージをインストールすることを示します。 

    -n BE_name

    アップグレードするブート環境の名前を指定します。 

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。 


    例 4–2 複数の CD によるオペレーティングシステムイメージのアップグレード (コマンド行インタフェース)

    この例では、インストールイメージは 1 枚目の CD に入っており、second_disk ブート環境をアップグレードしています。


    # luupgrade -u -n second_disk -s /dev/cdrom/cdrom0 
    

  3. 1 枚目の CD のインストーラ処理が完了したら、2 枚目の CD を挿入します。

  4. この手順は前述の例と同じですが、-u オプションが -i オプションに置き換わっています。メニューまたはテキストモードで、2 枚目の CD 上のインストーラを実行するように選択してください。

    • 次のコマンドは、メニューを使用して 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。


      # luupgrade -i -n BE_name -s os_image_path 
      
    • 次のコマンドは、テキストモードで 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。


      # luupgrade -i -n BE_name -s os_image_path -O -nodisplay 
      

    -i

    指定されたメディア上のインストールプログラムを探し、そのプログラムを実行します。インストーラプログラムは、-s で指定されます。

    -n BE_name

    アップグレードするブート環境の名前を指定します。 

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。 

    -O -nodisplay

    (省略可能) テキストモードで 2 枚目の CD 上のインストーラを実行します。 


    例 4–3 複数の CD によりオペレーティングシステムイメージをアップグレードする (コマンド行インタフェース)

    この例では、メニューを使用して 2 枚目の CD のインストーラを実行し、 second_disk ブート環境をアップグレードしています。


    # luupgrade -i -n second_disk -s /dev/cdrom/cdrom0 
    

    まだ CD がある場合は、この手順を繰り返します。

    以上の手順で、ブート環境をアクティブにする準備が整います。ブート環境のアクティブ化 を参照してください。