Sun Java ロゴ     前へ      目次      索引      次へ     

Sun ロゴ
Sun Java System Portal Server 6 2004Q2 管理ガイド 

第 16 章
Portal Server のチューニング

この章では、パラメータを設定して Sun JavaTM System Portal Server のパフォーマンスと能力を最適化する方法について説明します。Portal Server にバンドルされた portal-server-install-root/SUNWps/bin ディレクトリの perftune スクリプトにより、この章で説明するチューニングプロセスのほとんどが自動的に実行されます。

今回リリースされた perftune スクリプトでは、次の点が更新されました。


紹介

perftune スクリプトには次の特長があります。


チューニング方法

perftune スクリプトを実行するには、次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーとしてマシンにログインします。
  2. perftune スクリプトを実行するには root アクセスが必要です。

  3. ディレクトリを portal-server-install-root/SUNWps/bin に移動します。
  4. 次のように入力します。
  5. ./perftune

perftune スクリプトは、チューニングプロセス中にサーバーの起動と停止を実行します。また、filename-orig-date-pid の形式で変更されたファイルのバックアップコピーを作成します。スクリプトの実行後はシステムを再起動し、チューニングによる変更を有効にします。

Solaris のチューニング

カーネルのチューニング

スクリプトにより、/etc/system ファイルに次の設定が追加されます。

最初のファイル (/etc/system) は、次の形式でファイルにコピー

/etc/system-orig-'$DATE+%y%m%d'-$$


ほとんどのファイルに対してバックアップが実行されます。スクリプトにより、変更されたファイルのバックアップコピーがそれぞれのディレクトリに次の形式で作成されます。filename-orig-date-pid


TCP パラメータのチューニング

/dev/tcp にある TCP パラメータ (括弧で表記) に次の変更を加えます。

システムの起動時に ndd コマンドを自動的に実行させるため、perftune スクリプトは S99ndds_tcp ファイルを /etc/rc2.d/ ディレクトリにコピーします。

Sun Java System Identity Server のチューニング

Directory Server の接続プール

/etc/opt/SUNWam/config/serverconfig.xml ファイルに次の変更を加えます。

LDAP 認証サービス

Sun Java System Identity Serverサービス設定パラメータ

/etc/opt/SUNWam/config/AMConfig.properties ファイルに次の変更を加えます。

Identity Server と Portal Server が別々のマシンにインストールされている場合は、ポーリングモードが有効になります。ポーリングモードでは次のオプションを使用できます。

/opt/SUNWam/lib/AMConfig.properties ファイルのスレッドプールのプロパティは、Portal Server 6 で次のように公表されています。

Sun Java System Directory Server のチューニング

Sun JavaTM System Directory Server を他のアプリケーションと共有している場合は、設定されているパラメータが他のタプリケーションのパラメータチューニングと競合していないかどうかを検証する必要があります。

/tmp/slapd-DSinstance1 用に十分な仮想メモリ空間を確保する必要があります。ページングを避けるため、使用メモリの合計は、データベースキャッシュに割り当てられた分も含めて物理メモリのサイズを超えないようにしてください。どのような場合でも、nsslapd-dbcachesize + nsslapd-cachememsize + slapd プロセス自体で使用される固定 memory の累積値を、プロセス用のアドレス空間 4G バイトより大きくすることはできません。Nsslapd は 32 ビットアプリケーションです。

Sun Java System Directory Server は、リソースプール (接続およびスレッド) のサイズ指定に関して、検索動作の場合で多重度約 15 の高いパフォーマンスを示します。

perftune スクリプトにより、/var/opt/mps/serverroot/slapd-hostname/config/dse.ldif ファイルの ns-slapd スレッド化、db cache およびデータベースファイルシステムのマッピングを、次のようにチューニングします。

Sun Java System Web Server 6.1 のチューニング

次のセクションでは、perftune スクリプトによって JVM のチューニングを行い、Sun JavaTM System Web Server for Portal Server のパフォーマンスを向上させる方法について説明します。

  1. web-server-install-root/SUNWwbsvr/https-hostname/config に配置された magnus.conf のパラメータを次のように指定します。
    • RqThrottle 256
    • RqThrottleMin 128
    • StackSize 393216
    • ThreadIncrement 20
    • ConnQueueSize 4096
    • ListenQ 4096

    • web-server-install-root/SUNWwbsvr/https-hostname/config/
      magnus.conf
      ファイルには、次の形式でバックアップが作成されます。

      filename-orig-date-pid


  2. web-server-install-root//https-hostname//config に配置された server.xml ファイルのパラメータを次のように指定して、JVM をチューニングします。
    • -Xms3G (この値はメモリが使用可能であれば 3G に設定。それ以外の場合の Xms の値はデフォルトで 128)
    • -Xmx3G (この値はメモリが使用可能であれば 3G に設定。それ以外の場合の Xmx の値はデフォルトで 128)
    • -Xss128K
    • -Xloggc:/var/opt/SUNWappserver7/domains/domain1/
      server1/logs/gclog
    • -XX:NewSize=384M
    • -XX:MaxNewSize=384M
    • -XX:MaxPermSize=64M
    • -XX:PermSize=64M
    • -XX:+UseParNewGC
    • -XX:+UseConcMarkSweepGC
    • -XX:MaxTenuringThreshold=1
    • -XX:SoftRefLRUPolicyMSPerMB=1
    • -XX:+CMSClassUnloadingEnabled
    • -XX:+CMSPermGenSweepingEnabled
    • -XX:+PrintGCTimeStamps
    • -XX:+ShowMessageBoxOnError
    • -XX:+OverrideDefaultLibthread
    • -XX:+DisableExplicitGC
    • -XX:+PrintGCDetails
    • -XX:+PrintClassHistogram

Sun Java System Application Server 7.0 のチューニング

SunTM Java System Application Server に Portal Server を配備する場合、アプリケーションサーバーインスタンスの最小および最大ヒープサイズは 3G バイトに設定されます。

perftune スクリプトには、JVM に 3G バイトのヒープを使用できないシステムのチューニングを避けるための安全手段が組み込まれています。

次のセクションでは、perftune スクリプトによって JVM のチューニングを行い、Sun JavaTM System Application Server for Portal Server のパフォーマンスを向上させる方法について説明します。

  1. Deplaoy_Domain/Deploy_Instance/config に配置された init.conf のパラメータを、次のように指定します。
    • RqThrottle 256
    • RqThrottleMin 128
    • StackSize 393216
    • ThreadIncrement 20
    • ConnQueueSize 4096
    • ListenQ 4096

    • Deplaoy_Domain/Deploy_Instance/config/init.conf ファイルには、次の形式でバックアップが作成されます。

      filename-orig-date-pid


  2. Deplaoy_Domain/Deploy_Instance/config/sever.xml にある JVM パラメータを、次のように指定します。
  3. -Xms3G (この値はメモリが使用可能であれば 3G に設定。それ以外の場合の Xms の値はデフォルトで 128)
  4. -Xmx3G (この値はメモリが使用可能であれば 3G に設定。それ以外の場合の Xmx の値はデフォルトで 128)
  5. -Xss128K
  6. -Xloggc:/var/opt/SUNWappserver7/domains/domain1/server1/logs/gclog
  7. -XX:NewSize=384M
  8. -XX:MaxNewSize=384M
  9. -XX:MaxPermSize=64M
  10. -XX:PermSize=64M
  11. -XX:+UseParNewGC
  12. -XX:+UseConcMarkSweepGC
  13. -XX:MaxTenuringThreshold=1
  14. -XX:SoftRefLRUPolicyMSPerMB=1
  15. -XX:+CMSClassUnloadingEnabled
  16. -XX:+CMSPermGenSweepingEnabled
  17. -XX:+PrintGCTimeStamps
  18. -XX:+ShowMessageBoxOnError
  19. -XX:+OverrideDefaultLibthread
  20. -XX:+DisableExplicitGC
  21. -XX:+PrintGCDetails
  22. -XX:+PrintClassHistogram

  23. Deplaoy_Domain/Deploy_Instance/config/server.xml ファイルには、次の形式でバックアップが作成されます。

    filename-orig-date-pid



    Deplaoy_Domain/Deploy_Instance/config/server.policy ファイルに -Djava.security.policy が存在する場合は、-Djava.security.policy-Djava.security.policy=Deplaoy_Domain/Deploy_Instance/config/
    server.policy.NEVERUSED
    によって置き換えられます。


その他の Sun Java System Application Server パラメータの設定によるゲートウェイの信頼性向上

Secure Remote Access を使用してパフォーマンスを最適化するには、次のように実装を設定します。

  1. identity-server-install-root/SUNWam/lib/AmConfig.properties ファイルに変更を加えて、アプリケーションサーバーの通知スレッドプールサイズを設定します。ファイルの先頭に次のような行があります。
  2. Sun, Sun Microsystems, the Sun logo, and iPlanet

    * are trademarks or registered trademarks of Sun Microsystems,

    * Inc. in the United States and other countries.

    次の行を追加して、スレッドプールのサイズを 200 に設定します。

    /*Notification Thread Pool Size*/ com.iplanet.am.notification.threadpool.size=200

  3. ユーザー名 amadmin とインストール時に入力したパスワードを使用して、Portal Server 管理コンソールにログインします。
  4. 「表示」メニューから「サービス管理」を選択します。
  5. 「SRA 設定」、「ゲートウェイ」の順に選択します。
  6. デフォルトサーバーを選択し、「編集」をクリックします。
  7. 「HTTP 接続を有効」チェックボックスにチェックマークを付けます。
  8. 「HTTP ポート」フィールドに 80 と入力し、「保存」をクリックします。
  9. ブラウザの Web アドレスフィールドに http://fullservername:port と入力し、管理者 (admin) として Sun Java System Application Server 管理コンソールにログインします。デフォルトポートは 4848 です。インストール時に入力したパスワードを使用します。
  10. Identity Server をインストールしたアプリケーションサーバーインスタンスを選択します。
  11. 「JVM 設定」をクリックし、「JVM オプション」をクリックします。
  12. 「JVM オプション」フィールドに次の文字列を入力します。
  13. -Dhttp.keepAlive=false

  14. 「追加」をクリックし、「保存」をクリックします。
  15. Portal Server をインストールしたアプリケーションサーバーインスタンスを選択します。
  16. 右のパネルに設定が変更されたことが表示されます。

  17. 「変更を適用」をクリックします。
  18. 「再起動」をクリックします。
  19. アプリケーションサーバーが自動的に再起動します。
  20. ゲートウェイがインストールされているサーバーで /opt/SUNWps/bin/perf ディレクトリに移動し、次の文字列を入力して、Secure Remote Access のチューニングパラメータを設定するスクリプトを実行します。
  21. ./perftune

  22. identity-server-install-root/SUNWam/lib/AmConfig.properties ファイルに変更を加えて、ゲートウェイの通知スレッドプールサイズを設定します。ファイルの先頭に次のような行があります。
  23. Sun, Sun Microsystems, the Sun logo, and iPlanet

    * are trademarks or registered trademarks of Sun Microsystems,

    * Inc. in the United States and other countries.

    次の行を追加して、スレッドプールのサイズを 200 に設定します。

    /*Notification Thread Pool Size*/ com.iplanet.am.notification.threadpool.size=200

  24. /opt/SUNWps/bin ディレクトリに移動します。ゲートウェイファイルに変更を加えて -Dhttp.keepAlive オプションを false に設定し、-Xms と -Xmx のヒープサイズオプションの設定を増大させます。
  25. CMD 設定のオプションを次のように定義します。

  26. CMD 設定は 1 行で定義してください。


    CMD="$JAVA_HOME/bin/java -server -Xms3G -Xmx3G -XX:+OverrideDefaultLibthread -Xss128K
    -XX:MaxPermSize=64M -XX:PermSize=64M -XX:MaxNewSize=512M
    -XX:NewSize=512M -XX:+UseParNewGC -XX:+UseConcMarkSweepGC
    -XX:MaxTenuringThreshold=1
    -XX:SoftRefLRUPolicyMSPerMB=1
    -XX:+CMSClassUnloadingEnabled -XX:+CMSPermGenSweepingEnabled
    -XX:+PrintGCDetails
    -XX:+PrintGCTimeStamps -XX:+PrintClassHistogram
    -XX:+ShowMessageBoxOnError -XX:+DisableExplicitGC
    -Xloggc:/var/opt/SUNWps/debug/gclog.$GW_INSTANCE -classpath $CLASSPATH $DEFINES1 $DEFINES2 $DEFINES3 $DEFINES4 $DEFINES5
    $PROXY_DEFINES $BOOT_CLASSPATH com.sun.portal.netlet.eproxy.EProxy"

  27. /etc/opt/SUNWps/platform.conf.default ファイルに変更を加え、次のように gateway.protocol パラメータを http に、gateway.port パラメータをポート 80 に設定します。
  28. gateway.protocol=http

    gateway.port=80

  29. 次のコマンドを入力してゲートウェイを再起動し、変更を有効にします。
  30. portal-server-install-root/SUNWps/bin/gateway -n default start

    ここで、default はインストール時に作成されたデフォルトゲートウェイプロファイルです。

Portal Server デスクトップのチューニング

caller パラメータは、プロバイダを通してコンテンツを提供するためのスレッドプールのサイズを指定するために使用します。caller プールは、サイズ 0 に初期化されます。使用されて返されるときに、プールに項目が追加されます。caller プールは非常に大きなサイズに拡張可能ですが、通常はユーザーのポータルデスクトップのチャネル数程度の大きさです。sid が同じ複数の並行スレッドが存在する場合、プールは n * m のサイズに拡大可能です。ここで、n は同じ sid を持つ並行スレッドの数、m は指定された sid に対応するポータルデスクトップのチャネル数です。

perftune スクリプトは、/etc/opt/SUNWps/desktop/desktopconfig.properties ファイルにある次のパラメータを変更し、プロバイダ Caller リソースプールを最適化します。

長時間のテストを実行する場合にポータルデスクトップの caller スレッドが生成され、これによって増える不要なメモリ使用量を最小限に抑えるには、これらのプロパティ (templateScanInterval を除く) を最初のデフォルト値に戻してください。

各プロパティを次のように変更します。



前へ      目次      索引      次へ     


Copyright 2004 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved.